宮台真司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
恥ずかしながら、著者の宮台氏のことは例の事件の際に知った。そのときに、私は彼を大学で学生に講義して、論文を書いている典型的な学者だと思っていたので、タイトルだけ見て買ったこの本の内容は予期していたものと違った。氏がラジオやYoutubeなどの媒体でご活躍されていたのは全然知らなかった。本書のように対談など会話形式が内容の中心になっている本は嫌いではなくむしろ好きなのだが、社会学の専門的なことを知りたかったというのが正直な感想。
筆者は本書で現在の日本社会のどうしようもなさを明らかにし、痛烈に批判している。私は彼の言っていることの9割以上に同意する。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国は西洋より早くに国として成立したので、西洋的国家概念には当てはまらない。
古代から一貫して支配層は文官。
毛沢東は史上もっともラディカルで、利己主義を徹底した(伝統的な儒教すら破壊しようとした)。
そんな毛沢東を中国人が否定しないのは、伝統的な皇帝システム(天と天子というシステム)の形式が無意識的に残っているから。
日本人は日中戦争が「何であるのか」を意味づけられていないので、いくら誤っても中国側は納得できない。
さらに、日本は戦争当事者世代と現在の世代のあいだの連続性を設定できていないので、過去について謝れない。
日本は米中関係の付属物にすぎず、情勢を正しく分析して最善の選択をし続けなければならない。
中国のリーダーは価値基準や人生の目標、仕事の責任、世界観などを自覚的、意識的に構成している。
日本人は大事なことは集団で決め、組織として行動するから、自分の考えや行動を相手に説明できないし、自分でも納得できない。これでは負けてしまう。
台湾の民主化の裏にはCIAが関与していた。
三人目の宮台真司は専門用語が多くて難解。 -
Posted by ブクログ
就職課のサポートやリクルートのビジネスの中で学生側にはふんだんに選択肢が用意されるようになり、「これだけあれば、この中に自分に一番合った企業があるだろう」「自分はこういう人間だから、こういう仕事が向いている」という適職幻想が生まれた。いわゆる「最適マッチング幻想」で、これは就職だけでなく性愛にもある。最適マッチング幻想が蔓延した結果、「もっと良い選択肢があるはずだ」と永久に迷い続け、全選択に失敗する。
「最適マッチング幻想」
不自由の解消が必ずしも幸せに繋がる訳ではない事をこの単語が物語っているように思う。皮肉にもリクルートの社是は「『不』の解消」。 -
Posted by ブクログ
社会の空洞化、感情の劣化。
頑張ったのにこれじゃない感。
社会心理学の観点から、安倍政権、脱原発、憲法、ISILなど、具体的テーマで、何が本質的問題なのか、それを踏まえてどうする、と言った内容が盛りだくさんで、正直、論理の理解はできるけど、情報過多でまだ飲み込めてない。
私が貢献価値として認められて、帰って来れる場所としての共同体はとても共感で、こういう場所はとても大事だと思う。感情が劣化している私ですが、共同体作ってみようと思う。
個人的に、口調が対立的なところがあまり好きじゃないので、評価低めですが、指摘は鋭いなと、いい視点もらいました。
追加で、祭りの大事さも少し理解が進んでよかった。
日常に変性意識状態を用いて活性を呼び込む -
Posted by ブクログ
かつて厳しく対立しあった過去をもちながら、その後急接近することになった小林よしのりと宮台真司の二人に、司会役の東浩紀を加えた三者が、現代の日本が直面する諸問題について論じあった鼎談です。
小林は、『ゴーマニズム宣言』シリーズで「サヨク」を批判し「保守」の立場を標榜してきました。他方宮台は、右翼を主意主義、左翼を主知主義とみなしています。そのうえで、カール・ポパーのピースミール社会工学のような漸進主義を評価し、たうえで、「ネトウヨ」が「知性の劣化」ではなく「感情の劣化」として位置づけることで、小林の立場に歩み寄りを見せています。こうした漸進主義には同意をおぼえますが、日本のポパリアンである鶴見俊輔や市井三郎のような選択肢も存在しており、かならずしも宮台のいうような意味での「保守」に近づく必然性はないのではないかという疑問を感じます。
こうした、小林と宮台の両者に共通に見られる発想は、決断主義に接近するという意味で、東の立場と対立する面があるように思われます。本書では東は基本的に司会の役割に徹しており、みずからの思想を積極的に提出することは控えているようですが、『宇宙戦艦ヤマト』の例を引きつつ、「社会と実存の混同」という問題を鋭く指摘しています。宮台はさすがに、この問題の背景についての深い洞察を示してはいるものの、彼の議論のうちにこの問いに対する充分な回答を読みとることはできませんでした。ただし、「東くん自身、よしりんの戦略に近づいてきてる気がする」といい、「『弱いつながり』という本でも、客観的な分析に加えて、東浩紀はこういう生活をしているこういう人間だということをベースにしている」と、鋭い指摘をおこなっています。 -
Posted by ブクログ
著者は、社会の地域共同体や中間層の分解により、分断され感情が劣化した個人が、メディアやインターネット上での同質な者とのコミュニティ等に承認を求め、果てはイスラム国のようなものにまでそれが拡大される現代に警鐘を鳴らし、基盤としてのコアな場を持つことの重要性を説き、同時に国民の感情劣化による民主主義の危機と日本の政治の知性の劣化にも警鐘を鳴らし、国民や住民の直接投票を活用した健全な民主主義の確立を唱える。
と、言ってることはわかるし、知識が豊富なこともわかるし、勉強にもなる。
一方で、以下の点が少し気になった。
・そもそも他人からの承認を求めない真の自立した個人という理想像が見えず、承認欲求の奴隷として生きることを前提としているように見える。
・政権の知性劣化批判として、歴史的ルーツへの深い理解もないままに概念や制度を都合よく利用していることを看破してみせるが、本来重要なのは、現在直面する課題に対する解決策として有効かつ適正かの評価であって、何百年も前のルーツとなった出来事との整合性を軸に批判的評価を展開することには違和感が残る。 -
Posted by ブクログ
序盤は中国社会、中盤は日本との関係、終盤は将来についてが書かれている。
序盤では、宗教観についてが印象に残った。
儒教が伝統的に強いというのは知っていたが、それが権力者が統治するのに都合が良く、科挙を突破できるようなエリート向けなのに対して、イマイチどういったものか掴めなかった道教が、科挙を突破できなかったような敗者を救うもので、「裏儒教」といっていたのは今後、道教を理解するきっかけになるものと感じた。
中盤の日本との関係では、第二次世界大戦付近の話が中心だった。
例え話も含めて分かりやすかったが、耳が痛い話が多かったので、読むのが辛かった。
納得する話ではあった。 -
Posted by ブクログ
・昨日かな。
働くことを考える哲学カフェの課題本でした。読むことは必須ではありませんでしたが読みました。
・たくのむ というのを利用しての開催でしたがわたしの家の電波に問題ありなのか声が雑音にまぎれてきこえてこず。あせりした。
・宮台さんの本は他に読んだことあり講演会も2回ほどいってたのでさほどアウェイなかんじはせずよかったです。
・どんな仕事か知りもせず、イメージ優先で就職を希望する学生が多すぎると述べられていました。どんな仕事かは働いてないし身近にいないとしりようもないのでは?とか思いました。仕事の中身より周囲の承認ってのはわかる気がします。
・誰か何とか言ってやれよ問題。
他人の期待による呼びかけに応じられない人はどの会社に就職してもうまくいかないでしょう。
はい。すみません。
他人から本当のことを言ってもらえる人間関係ってないかもなと反省しました。 -
Posted by ブクログ
子どもたちに憲法前文を書かせるなど、「近代」を根づかせるための実践をおこなっている大塚英志と、あえて「天皇」について語り「亜細亜主義」を標榜する宮台真司が、共通の問題意識をもちながら、東日本大震災以降におたがいの立場を入れ替えるようになったことをめぐって対話をおこなっています。
おおむね大塚が宮台にインタヴューをおこなうというかたちで議論が進められています。表面的には両者の立場は対極的にも見えますが、本人たちも認めているように、じつは極めて近い問題関心にもとづいてそれぞれの立場を選択したということがうかがわれます。
ただ、東浩紀シンパのわたくしとしては、両者のある意味で「啓蒙的」なスタンスにはついていけないと感じてしまいます。本書のなかで大塚はくり返し「なぜ天皇なのか、ほかのものでもいいのではないか」と宮台に問いかけ、宮台は「おなじ機能を果たせばなんでもいいけど、なんでもいいといってしまえば機能を果たさなくなる」とこたえています。さらに宮台はみずからの立場を「三枚腰」だとも述べていますが、こうした彼の主張は「メタ」が「ベタ」に取り違えられてしまう状況を踏まえたうえでの戦略的な振る舞いを意味していると理解できます。しかし、そうした取り違えが生じることには理由が存在しており、宮台のように「メタ」と「ベタ」の水位差をコントロールしうる立場はもはや維持しがたいように思われます。 -
Posted by ブクログ
前半3分の1を読んだところでは就活とはあまり関係なく、自論の展開だが、
それはそれで面白かった。
後半は就活に関する内容も出てくる。が、この宮台さんは頭が良すぎて、その他大勢の一般人へのメッセージではなく、それなりに能力のある人を対象に本を書いているようだ。
ちょっと鼻につく自慢話が多い。戦後5人目の東大での社会学博士とか、2回言わなくてもいいような気もするが。小学6年で塾にちょっといっただけで麻布中学に入った話、自分の周りにはロールモデルになる人がたくさんいた話など、本人にその気はないにしても、あまりいい感じはしない。
比較するのもなんだが、就職系の本としては、海老原さんのほうがまだ全体感があって説得力がある。 -
Posted by ブクログ
1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか?
・関係の履歴からシーンの羅列へ(p27)
→人間関係をわかりやすく表現している
・重武装化に賛成してくれるなら謝罪は何回してもかまわない(p37)
→戦略あれば手段は選ばず
・人間はなぜか利他的な人間の「本気」に「感染」する(p52)
→感染させられる人間になりたい
・コミュニケーションの2重かによる疑心暗鬼(p59)
→ネット普及の功罪?
・早期教育に駆られる親は子供から見て「スゴイ奴」からほど遠い(p93)
→ 早期教育気になってましたが、やめます。
・完璧なゾーニングは「多様な者たちの共生」の原則に反する(p143)
→ お受験もゾーニング?
・大統領選挙は「分裂」と「再統合」の模擬再演(p157)
→ だからあの盛り上がりかと納得
・安全保障とは総合パッケージ(p180)
→ 国を俯瞰することが重要。国の危機は軍事的行動だけではない
・議院内閣制は2権分立(p183)
→ はっきり言ってもらえてこれまでの違和感解消
・誰かなんとかいってやれよ問題(p240)
→ 自分で考えることを教えられていない結果
・わかっているけど仕方ない(p274)
→日本人全体の悪い癖。自分も時々出てくる。
2.本から得た事をどう生かすか?
・若者論・教育論
子供の教育に活かしたい。子供から見て「スゴイ奴」と思われる親になるために「利他的」を実践。
たくさんのものを見せて経験させる。
3.突っ込みどころ
・全体的に、わざわざ難しい言葉を使ってないか?