【感想・ネタバレ】民主主義が一度もなかった国・日本のレビュー

あらすじ

じつは豊かな時代に民主主義は不要だった。日本の政治家は密室談合して地元に利益誘導すればよいだけだったからだ。しかし経済が収縮する時代は、民主主義が機能しないと、それはそのまま国土と人心の荒廃に直結する。そうして今回の政権交代が起こった。多くの国民は気づいていないがこれは革命だったのだ。だが、まだ油断は禁物だ―。日本を代表する危険な社会学者とマニフェスト起草に深く関わった民主党の頭脳が、この革命の中身と正体について徹底討論した。

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Posted by ブクログ

(2010/2/3)
このミヤダイって人はどうしてこうまぁ知的好奇心をくすぐることが言えるんだろ。
TBSラジオで聞いてても、文章を読んでも(といってもこの本は対談集なので、ある意味話し言葉ではあるが)痛快なんだろうか。
難解なんだけど、全くお手上げというわけではないんで、読み進められる。

この福山という方、民主党代議士で外務副大臣。
偉くなっても腰の低い方で、宮台さんとは数年来の仲のようです。

そんな二人が日本を語る。自民政権を切る。斬る。
宮台論理は
・政策を官僚任せにし、結果官僚が官僚をコントロールする形にしたのが自民の最大の問題
 官僚は政策を通じて政治家がコントロールしなくてはいけない
 官僚は優秀。自己の役割を最大限に達成する方法をやっているだけ。

・マスメディアの稚拙さ。野党民主マニフェストに対して政権政党自民は実績で争うべき。
 「マニフェスト論争」などとするのは笑止。
 記者会見でも碌な質問が出来ない。斬れる質問をしているのはフリーランス。

と、自民とマスコミを斬ってる。
そのうえで、若手でも気軽に党首に電話できる間柄の民主党がどう変えていくか。

政治を 市場主義ー談合主義 軸と
    権威主義ー参加主義 軸にわけたフレームワークが面白い。
文化的にアメリカは市場主義、ヨーロッパ、日本は談合主義。
民主化は権威主義から参加主義への移行。
旧自民は談合主義の権威主義、小泉自民は市場主義の権威主義。あらら。

twitterでもそうだが、とにかくもう情報を一部の人間だけのものにすることはできない時代。後戻りはできない。その中で国民、政治家、官僚はどう行動すべきか。

それとこの福山哲郎氏もなかなかいいこといってる。今まで知らなかったが期待してよさそうに思えた。

鳩山首相の温暖化ガス25%削減発言のもつ真の意味も十分伝えてくれている。
(この本はCOP15の前に書かれている)

今の政治の流れを知る上で必読の一冊といえる。
世の中はすさまじい速さで動いている。

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2024年06月18日

Posted by ブクログ

フォーラムで福山氏に惹かれてしまい会場で即購入。
なるほどと思うことがたくさん。しかもわかりやすい。

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2012年03月03日

Posted by ブクログ

民主党に政権交代した後に出版された本。その後、首相は変わるし、民主党のマニフェスト自体も変わってきてる。今読むとだいぶ状況は違うが、本書で触れられた内容が現在、問題として噴出している部分もある。領土問題しかり、地震による原発問題の裏にあるエネルギー政策しかり。マスコミ報道のありかたについても問題が多い。今読んでも面白かった。

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2011年05月05日

Posted by ブクログ

対談本としては類を見ないレベルの高密度。
日本の難点よりは政治の背景部分が丁寧でわかりやすい。

これと対決するような本と合わせて読むとより政治の理解がより深まると思うのですが
そういった本,どなたかご存じないですか??

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2010年07月25日

Posted by ブクログ

宮台真司氏の本は初めてやったんやけど、興味深い意見やったし、歯に衣着せぬ言い方もよかった。毒舌という訳ではなく、変な遠慮はしないという言い方。他の本も読んでみたくなった。

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2010年07月19日

Posted by ブクログ

日本の政治の本質を捉え、タイトルで掲げるように自民党政権下の日本は民主主義とは呼べない「お任せ」政治だったこと、政権交代を機に日本に初めて民主主義が生まれようとしていることを訴えかけている。その上で、民主主義のコストや難しさに触れ、決して楽観できる先行きではない、むしろ困難な道ですらあると注意を促してもいる。これを読むと自民党→民主党の政権交代が革命だったと言われても納得できる。民主主義というものについて改めて考えさせられた一冊。

また、対談本ということもあり、同著者の『日本の難点』よりも内容が噛み砕かれており、とても読みやすかった。

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2010年11月09日

Posted by ブクログ

鳩山首相は自信の政治資金問題で参院選まではとても持ちそうにないが、それで衆議院多数を持つ民主党の政権が終わるわけではない。

そういう点で、もう一度民主党のマニフェストについて再検討し、本当に不都合があるのであれば、次の機会にその修正を行動で示すことができる。

そういう点で、民主党のマニフェスト作成の責任者だった福山外務副大臣と宮台教授による対談形式でマニフェストの背景、狙いが掘り下げられており、ニュースショーの短い時間で且つ、頭の悪い人間による上っ面だけの解説だけではわからない点も理解できる点で民主党の支持者にも不支持者にもおすすめしたい。

政権が変わり、ゲームも変わった、あるいは変えようとしている。それにYesでもNoでもいう機会は来年夏にあるのだから、本書にあるように「お灸を据える」のではなく、政治参加としての投票行動として自分を意見を示そうではないですか。その判断リソースとして本書は大事な1冊になったと思う。

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2009年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もうずいぶん前のことのように思えるけれど、民主党政権ができて鳩山首相が誕生して割と直後に行われた福山×宮台対談。
福山氏は至極まともなことを言っていると思うし、新しい時代の幕開けを想像させる語り口に満ちている。ただそれは当時のことで、今は民主党は下野し、党自体がなくなった。これだけの内容が語られていながら、なぜ民主党はあっという間に下野したのか。それを考えながら読むと面白い気がした。
民主主義がどうのこうのと対談しているというよりは、民主党が政権をとったというのは、日本に何が起こったからなのか、何を期待されて民主党が政権を取れたのかという論点であるように思う。
中身はとても面白い。一方で、繰り返しになるがこれだけの哲学と使命感を持った政権がなぜあっという間に下野したのか。それをセットで考えながら読むべき一冊。

特に民主党が力を入れていた「マニフェスト」についての箇所は面白かった。「与党は実績で、野党はマニフェストで」なんて、言われたら当たり前だけど言われないと「ああそうか」とならない。まだまだ勉強が足りないと痛感した。

「宮台 アンソニー・ギデンズがいうように、『包摂』は福祉国家へのぶら下がりと違って『参加』抜きでは成り立たない。企業のように競争に耐える工夫に『参加』せずに地域主権化は無理です」(位置No.1201)

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

今エネルギー問題で日本でもEVシフトが進んでいる状況であるが、2009年のこの対談の時から、環境問題は政治問題でいち早くそのゲームに参加することが重要だと訴えられていたことに驚いた。
14年遅れでなぜ日本がCO2削減やEVへ舵を切る必要性が高いのかを理解できた。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

自民党から民主党への政権交代を果たした直後の興奮と、その後の凋落を知る立場からすれば、まさに虚しいばかりの宮台真司と福山哲郎による対論。
ここで変えようとしていたものが、なぜ変えられず、それどころか退行してしまったのはなぜなのか、改めて考えないといけません。次の政権交代のために。

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2018年03月16日

Posted by ブクログ

2009年出版。
社会学者の宮台真司氏と当時民主党議員の福山哲郎氏の対談本。
ちょうど自民党政権から民主党政権になったときの話だから、まだ民主党が隆盛な時期。当時は自民党が負けて民主党になるのは自明のことだったが、今思うと民主党よ・・・という感は否めない。しかしこの本に書いてあったように、民主党は政策はいろいろ考えていたかもしれないが、政治過程についてやはりまだ未熟だったと言わざるをえない。しかしそれは与党にならない限りどうしようもないのだが。
また、野党はマニフェストで勝負をして、与党は実績で勝負するというのは確かにと思った。メディアは各党のマニフェストを比較したりするが、与党はマニフェストがあるなら、じゃあやれよって話になるから(笑)
自民、民主どうこうもあるけど、やっぱ日本の空気感というか、メディア含め民度が低いというか、今まで自民党政権の間に政治家に丸投げしていたのは、大いに反省したほうがよいと思った。
福山氏が言っていたが、当時の民主党議員は何気ない生活の中で接する人たちに称揚されていたというのは少し驚いた。当時の自分がそんなに民主党に期待感を持っていたわけではなかったから。今では民主党議員は、民主党というだけでかなりディスられたりもしているけど、その中でもできる議員さんは苦境を超克してほしいと思っています。
あと、やっぱり小沢一郎は政治過程や選挙に関しては強いし、原発再稼働を唱えている人は超保守的だし、この本読んでると、クリーンエネルギーにはさまざまな可能性があるのではないかと思えてきた。
本の内容としては、要所要所単語がわからなかったりで、もっと色々知識をつけたいなと思った。

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2014年06月12日

Posted by ブクログ

言葉が足らないと~ からのリファレンス。

次の総選挙に備えた定点観測という意味で参考すると非常に面白い一冊。

当時、外務副大臣、民主党参院政審会長の福山氏と首都大学東京教授の宮台氏による対談2009年11月の第一刷。

本書にたびたび出てくる「事情変更の原則」について、実際に法理として適用されたのは、ワイマール憲法下でわずかに事例があるだけ、という点は留意しなければならないですね・・・。

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2012年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「終わりなき日常を生きよ」というフレーズで有名な社会学者と、現副官房長官の国会議員による対談を収録した本。

 この本の趣旨は、「昔(高度経済成長期まで)は日本の政治家は密室で談合して地方に利益誘導するだけで日本が成り立った。でも、経済が収縮しつつある現代は民主主義が機能しないと国土と人心が荒廃していってしまう。今回(私が読んだ時点では昨年)の政権交代は革命であり、これによって破壊された国土を再建し、『国土と結びついたふるさと』を回復し、感情的安全を保証してくれるホームベースを取り戻す必要がある」というもの。

 その過程で自民党や官僚への"お任せ政治"の実態、それを叩くようで擁護していたマスコミの問題点、国民の政治参加の必要性、欧米での事例、非核化の動き、鳩山首相のCO2の25%削減提案などが語られます。個人的にはマニフェスト(政権公約)の問題が印象に残った。

 八ッ場ダムの例で言うと、マニフェストにこだわれば「地元住民の意見を無視して…」という話になり、民法の事情変更の原則を適用して対応すれば「ブレた」とマスコミや野党から批判を受けるというジレンマに遭遇することにあたる。

 意外と勉強になった一冊。

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2011年06月06日

Posted by ブクログ

この本が出されてから丸一年以上が経過し、鳩山をはじめとする民主党のカスぶりがこれ以上ないような状態でさらけ出されている今日、書かれた内容も寒々しく聞こえるのは仕方無いところ。。
一方で、他の著書でも言われているような宮台氏の見解というものには非常に納得できるものが多いと思うのも事実。
民主党うんぬんは置いといて、日本の政治を考える上でとても良い材料になるのは間違いないと思う。

しかし…政権交代直後の上梓ということもあって仕方がないとは言え、ルーピー鳩山を買いかぶった内容の部分は読んでいて恥ずかしいばかりです。。

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2011年02月24日

Posted by ブクログ

福山さんと宮台さんの対談。子供手当てのメッセージ、自民党の既得権益、国民の「お任せモード」、イデオロギーは無いが自明性には強く反発する日本人の体質、外交としての環境対策、環境句対策による国益、マスメディアはゴミメディア、戦後から安保再定義からの2プラス2意向の保障の変化など、面白いお話がたくさん詰まった本。消化不良になった部分は否めないが、今後勉強していくき、再度読んだとき、さらに理解を深めたいと感じた一冊。

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2010年12月18日

Posted by ブクログ

宮台真司×福山哲郎(民主党)の対談書。
対談書って内容が薄く、結論もまとまってない印象があったけど、本書は秀逸でした。

あまりに民主党寄りで、あまりに前向きすぎる感が否めないけど、この本で、日本という国に可能性というか、希望が見えてきます。

対米,対アジア関係、マスゴミ、政治への参加主義、環境問題etc・・・・


・与党は実績で、野党はマニュフェストで勝負。
・現前性(生々しさ)が変われば、空気が変わる。
・「外から」要件と、「カオス」要件のロジック。
・フォアキャスティング的思考からバックキャスティング的思考へ
・リソースは変わらない、その組み換え。

なんか幻冬舎新書、質がイイネ!

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2010年11月20日

Posted by ブクログ

『日本の難点』では「社会」に関する言及が多いですが、こちらは「国家」について述べるウエイトが大きくなっています。当時、外務副大臣であった福山哲郎氏との対談形式で、日本の現状について議論がなされています。全体を通して、福山氏が立場上言えないようなことを宮台氏が代わって意見しているといった印象がありました。

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2010年10月15日

Posted by ブクログ

普天間にしろバラマキ批判にしろ、こういう風に説明、交渉していくべきだと対談の中で方針が出ているのに、結局、失敗してしまった。福山さんは内心悔しさや恥ずかしさで一杯だろう。
菅直人政権に活かして欲しい。

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2010年06月08日

Posted by ブクログ

寄り道読書を完了。「日本の難点」の応用編といったところ。宮台さんの議論は、説明の難しいものも社会学、政治学をはじめ考えのレファレンスを示してくれる点、勉強になる。また福山さんの発言も、現政権の外務副大臣であり、実際に起きている出来事とリンクして背景にある考え方を知ることができる。出版された当時の、民主党政権への期待感を受けてか明るいトーンで終わっているが、失望感が広がる今こそ、政権交代の意義をはかる評価軸を示してくれている点で有益な本。

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2010年05月06日

Posted by ブクログ

本当に色々なことが良く見えている(だろう)人たちだと関心。

僕らのいる底辺のレベルアップは国力アップにはかかせないなぁ。

ということで、頑張ろう。

それと、2+2って大変なことになっているみたいね。

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2010年02月01日

Posted by ブクログ

社会学者宮台真司と外務副大臣福山哲郎の対談集。

相変わらずのマスコミ批判は置いておくとして…
民主党政治に変わったことで日本がどう変わって行くのか。
民主党が手がける政策の根本的な意味などが割とよく分かるかと思います。

やはりテレビや新聞などの早さを売りにするメディアでは伝えきれないことがある。
新書っていうのも一つの情報発信メディアなのね、としみじみ思いました。

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2009年12月13日

Posted by ブクログ

民主党の外交・環境政策のプロデューサーである福山と、彼と親交のある実践派社会学者・宮台との対談形式で、現在の民主党政策のココロを知識層向けに解説する。
現役の政府メンバーである福山は、マニフェストを外れる野放図な発言はできない。ほとんど宮台が喋っていて、福山は相槌が多い。
・自民党の小泉の「権威主義」−「市場主義」は行き詰まった。民主党は「参加主義」−「談合主義」を目指すべき・
・マニフェスト実現に向け当初は躓くこともあるだろうが、技術論細部よりも日本の方向性を早く立て直すことが肝心。
・低炭素社会をキーとする世界的な「ゲーム」に乗り遅れることが国益喪失につながる。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

今の民主党がベストとは思わないが硬直化していた自民党政治にノーを突きつける意味で民主党が政権を担った意義が大変大きかったことがよくわかる。福山氏のような政治家が増えてくればよいと思った。
また同感したのはマスコミの政治報道のレベルが低いことへの批判について。八ツ場ダムにせよ温暖化問題にせよ思っていたことを代弁していた。世の中の主流がこちらだと信じたい。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

民主党政権が誕生して1ヶ月を経た頃におこなわれた、社会学者の宮台真司と、外務副大臣(当時)の福山哲郎の対談です。新しい政治がはじまるという期待に満ちた二人の言葉が随所に見られるのですが、安倍政権が高い支持率を維持している現在読むには、ややつらいものがあります。

本書の冒頭で宮台が、市場主義対談合主義、権威主義対参加主義の二つの座標軸で構成される大枠を示して、民主化とは権威主義から参加主義へと移行することを意味するのであり、そのさい、個人を社会的に包摂することがめざされなければならないという見解が示されています。それにつづいて、二大政党制そのものよりも、民主化への移行が重要だと主張しています。ただ、自民党の一人勝ちとなった現在から見ると、政治参加を含む個々人の社会的包摂を実現するフォーマットとして、二大政党制を確立させるというのも、重要だったのではないかという気がします。

もうひとつ気になったのは、民主党政権が打ち出した「東アジア共同体構想」です。宮台もこのころしきりに「亜細亜主義」を語っていましたが、本書ではその境界設定問題が取り上げられ、境界設定は恣意的だが任意ではないという主張が提示されます。ただこれも、現在の安倍政権が中国封じ込めという、まったく政治的に反対の立場に沿った境界を設定して、アジア・太平洋地域における実のある外交を展開しているのは、皮肉な事実だという気がします。

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2014年09月19日

Posted by ブクログ

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運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢でバスはあちこちにゴッツンコ。

その都度の目的やルートを適切に指示できない「自分自身」に、嫌気がさした乗客たちが、全てを運転手のせいにして、頬被りをしかねない。4

それどころか「考えないで、俺に任せろ」という馬鹿な運転手に、再び「丸投げ」しかねない。5
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官僚が、大臣、副大臣、政務官の間にお互いのコミュニケーションがないことを前提に、徹底的に情報を分断するんですよね。

ダイレクトに電話しちゃうと、頭越しで誰かの顔潰したという話になっちゃうわけね。109

役人が手練手管に長けているので政治家が手玉に取られているというのではなく、むしろ、自民党の派閥政治的な仕組みに官僚制が適応して、ある種の最適化を行った結果、役人のハンドリング能力が上がっている点にありますね。114
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「慣れ親しみ」の中に埋没しがちなこうした傾向を、丸山眞男は「作為の契機の不在」と呼びます。「慣れ親しみ」を害するものに否定的に反応しがちなものの、環境が変わってしまえば、やがて新しい環境に何事もなかったかのように「慣れ親しんで」しまう。207

でもね、結局のところ、ゲームはいつかは変わるんです。今までもそうだったでしょう。207
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「緑を使った国土再建」こそは、遠い将来にわたって、最後の、そして最大の……。254

ダムにもいろんなダムがある。護岸にもいろんな護岸がある。想像力を豊かにすることで、公共事業を、従来とは比較にならない「良きもの」にもできるのですね。255
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潜在フレームを書き換える程度のことで人格は変わらないからです。人格を含めたリソースの使い方が変わるだけ。分かりやすく言えば、自信がつくことと人格が変わることとの間には、何の関係もないのです。

非常時のパフォーマンスを上げるべく、平時のリソースをどう組み替えるか。だからこそアウェアネス(気づき)の訓練と呼ばれるのです。256

意識的に選択できるものの領域を拡げる訓練です。それが日本では「人格改造」として受け入れられてしまった。

改元観念に象徴されるような「空気の一新」「丸ごとの変化」という祝祭と結びついた原初的観念が支配しやすく、かわりに「リソースを組み換えてパフォーマンスを上げる」という戦略的観念がなじみにくいのです。

日本社会が使えるリソースはこれから大して変わらない。でもリソースを組み換えられる。組み換えればパフォーマンスは一変する。257
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崇高なるものへと統合されることによる尊厳。自由に物が言えて行動ができる中で自分自身の試行錯誤で培った自己信頼としての尊厳。どちらが強力かといえば、圧倒的に後者だというんですよ。259
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2014年08月13日

Posted by ブクログ

希望に満ちた書。
地震の前に読んだが、地震の後はこれは無理だと実感。非常によいビジョンだが、地震なくてもズルズルいって達成しない気もする。

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2013年12月29日

Posted by ブクログ

内容は政治の知識が少ない私には難解であった。
子々孫々のことまで考えた社会の基礎を責任をもって作らなければいけないという考え方に納得した。人は自己本位で生きてしまいがちであるが他者を省みなければいけない。そうした他者との共存のなかで最適な生き方を考えていく手段が政治への参加なのかなあと思った。
後、既存のメディアに騙されないようにしなければいけないと感じた。メディアは大きな既得権益を持つものを保護するもために事実を伝えてくれない。知らされないことをどうやって知るかってことをしっかりと考えなくてはいけないと感じた。

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2011年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
本当は誰もが政治家に期待している。
いまこそ国会議員には働いてもらわねばならない。
だが彼らの多くは「国家の名誉と安全を守ってほしい」という国民の最低限の願いすら打ち破く。
それならば「売国奴」「国賊」という激烈な言葉で政治家を襲撃しようではないか―。
学者・言論人へのアンケート集計で、最悪の「売国政治家」10人を選び出し、彼らが誰に国を売ったか、どんな罪を犯したか、なぜ彼らを許してはならないかを徹底検証した凶器の書。

[ 目次 ]
序論 売国政治家とは何か?
第1部 座談会 売国政治家と呼ばれる恥を知れ
第2部 10人の売国政治家を検証する!(河野洋平―単なる談話で日本を「性犯罪国家」に貶めた;村山富市―万死に値する「国民見殺し」「自国冒涜」の罪;小泉純一郎―「改革」で日本の富と生命を米国に差し出した;小沢一郎―「ねじれ現象」を生んだ無節操な国賊;中曽根康弘―靖国問題をこじらせた元凶;野中広務―自虐外交の嚆矢となった「不戦決議」;竹中平蔵―日本国を構造破壊し共和制に導く経済マフィア;福田康夫―無為、無内容、無感情;森喜朗―保守を絶滅に追い込んだ背後霊;加藤紘一―戦後レジームの滑稽なゾンビ)
第3部 私が断罪する売国政治家―アンケート公開

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年06月05日

Posted by ブクログ

091205 by BS book review   新書ランク3位
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じつは豊かな時代に民主主義は不要だった。日本の政治家は密室談合して地元に利益誘導すればよいだけだったからだ。しかし経済が収縮する時代は、民主主義が機能しないと、それはそのまま国土と人心の荒廃に直結する。そうして今回の政権交代が起こった。多くの国民は気づいていないがこれは革命だったのだ。だが、まだ油断は禁物だ―。日本を代表する危険な社会学者とマニフェスト起草に深く関わった民主党の頭脳が、この革命の中身と正体について徹底討論した。

福山 哲郎
1962年東京都生まれ。外務副大臣。参議院議員(京都、当選二回)。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院法学研究科修士課程修了。

宮台 真司
1959年宮城県生まれ。京都府育ち。社会学者、映画批評家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)

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2009年12月06日

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