【感想・ネタバレ】民主主義が一度もなかった国・日本のレビュー

あらすじ

じつは豊かな時代に民主主義は不要だった。日本の政治家は密室談合して地元に利益誘導すればよいだけだったからだ。しかし経済が収縮する時代は、民主主義が機能しないと、それはそのまま国土と人心の荒廃に直結する。そうして今回の政権交代が起こった。多くの国民は気づいていないがこれは革命だったのだ。だが、まだ油断は禁物だ―。日本を代表する危険な社会学者とマニフェスト起草に深く関わった民主党の頭脳が、この革命の中身と正体について徹底討論した。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

もうずいぶん前のことのように思えるけれど、民主党政権ができて鳩山首相が誕生して割と直後に行われた福山×宮台対談。
福山氏は至極まともなことを言っていると思うし、新しい時代の幕開けを想像させる語り口に満ちている。ただそれは当時のことで、今は民主党は下野し、党自体がなくなった。これだけの内容が語られていながら、なぜ民主党はあっという間に下野したのか。それを考えながら読むと面白い気がした。
民主主義がどうのこうのと対談しているというよりは、民主党が政権をとったというのは、日本に何が起こったからなのか、何を期待されて民主党が政権を取れたのかという論点であるように思う。
中身はとても面白い。一方で、繰り返しになるがこれだけの哲学と使命感を持った政権がなぜあっという間に下野したのか。それをセットで考えながら読むべき一冊。

特に民主党が力を入れていた「マニフェスト」についての箇所は面白かった。「与党は実績で、野党はマニフェストで」なんて、言われたら当たり前だけど言われないと「ああそうか」とならない。まだまだ勉強が足りないと痛感した。

「宮台 アンソニー・ギデンズがいうように、『包摂』は福祉国家へのぶら下がりと違って『参加』抜きでは成り立たない。企業のように競争に耐える工夫に『参加』せずに地域主権化は無理です」(位置No.1201)

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「終わりなき日常を生きよ」というフレーズで有名な社会学者と、現副官房長官の国会議員による対談を収録した本。

 この本の趣旨は、「昔(高度経済成長期まで)は日本の政治家は密室で談合して地方に利益誘導するだけで日本が成り立った。でも、経済が収縮しつつある現代は民主主義が機能しないと国土と人心が荒廃していってしまう。今回(私が読んだ時点では昨年)の政権交代は革命であり、これによって破壊された国土を再建し、『国土と結びついたふるさと』を回復し、感情的安全を保証してくれるホームベースを取り戻す必要がある」というもの。

 その過程で自民党や官僚への"お任せ政治"の実態、それを叩くようで擁護していたマスコミの問題点、国民の政治参加の必要性、欧米での事例、非核化の動き、鳩山首相のCO2の25%削減提案などが語られます。個人的にはマニフェスト(政権公約)の問題が印象に残った。

 八ッ場ダムの例で言うと、マニフェストにこだわれば「地元住民の意見を無視して…」という話になり、民法の事情変更の原則を適用して対応すれば「ブレた」とマスコミや野党から批判を受けるというジレンマに遭遇することにあたる。

 意外と勉強になった一冊。

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2011年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
本当は誰もが政治家に期待している。
いまこそ国会議員には働いてもらわねばならない。
だが彼らの多くは「国家の名誉と安全を守ってほしい」という国民の最低限の願いすら打ち破く。
それならば「売国奴」「国賊」という激烈な言葉で政治家を襲撃しようではないか―。
学者・言論人へのアンケート集計で、最悪の「売国政治家」10人を選び出し、彼らが誰に国を売ったか、どんな罪を犯したか、なぜ彼らを許してはならないかを徹底検証した凶器の書。

[ 目次 ]
序論 売国政治家とは何か?
第1部 座談会 売国政治家と呼ばれる恥を知れ
第2部 10人の売国政治家を検証する!(河野洋平―単なる談話で日本を「性犯罪国家」に貶めた;村山富市―万死に値する「国民見殺し」「自国冒涜」の罪;小泉純一郎―「改革」で日本の富と生命を米国に差し出した;小沢一郎―「ねじれ現象」を生んだ無節操な国賊;中曽根康弘―靖国問題をこじらせた元凶;野中広務―自虐外交の嚆矢となった「不戦決議」;竹中平蔵―日本国を構造破壊し共和制に導く経済マフィア;福田康夫―無為、無内容、無感情;森喜朗―保守を絶滅に追い込んだ背後霊;加藤紘一―戦後レジームの滑稽なゾンビ)
第3部 私が断罪する売国政治家―アンケート公開

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2011年06月05日

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