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「安全、快適、便利」なのに、なぜ生きづらいのか? 社会学者・宮台真司と経営学者・野田智義が、大学院大学至善館で行った講義を初書籍化。社会なくしてビジネスは存在しない。ところがビジネスパーソンほど、ふだん社会のことはあまり考えない。社会は便利で暮らしやすくなっているはずなのに、人々はなぜ孤独で誰もが入れ替え可能なことに悩むのか? すべての企業人必須の、社会と未来を見通すための知的フレームワーク。
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Posted by ブクログ
・人々に規範や価値観を共有しましょうとただ呼びかけただけでは、その通りになることはまずありませんが、ある体験を共有していただくことで「いいなあ」と感じてもらうことができれば、そこから先、人々の規範や価値観に変化が生じる可能性があります。 ・社会の変化が急激に起きる際、人々は自分たちにとって大切なもの...続きを読むはなにか、自分たちがどんな社会を望むのか、といったことを考えるよりも、新たな仕組みや枠組みに対応するのに精一杯です。具体的には、自分だけ取り残されるのではないかという不安や恐怖が広がり、市場や行政がそうした感情を利用して近代化を推進していったのです ・共同体には必ず維持コストがかかります。人々がそのことをわきまえない場合、共同体なんかにコストを掛けるよりは、システムからベネフィットを引き出すほうが、コストパフォーマンスは高いというふうに損得計算するようになります。すると、システムに依存するうちに、共同体を空洞化させてしまうのです ・欧米の事例を理解するのに重要なのが、社会学で言う「相対的剥奪感」と「外部帰属化」という概念です。人は、絶対的な不満というより、何かを比較の対象とした不満、「過去よりもひどい」とか「周りよりも状態が悪い」といった不満を感じやすい。加えて、わかりやすい異物や昔はなかったような対象を指して「わりのはこいつらだ」と決めつけがち。 ・埋め合わせようのない不安を感じる人が、その不安とは関係のない埋め合わせ可能な別の不安を持ち出し、埋め合わせようとする。それが神経症です ・アーキテクチュアル・パワー:人を快・不快を感じる動物として、そのコントロールをアーキテクチャによる管理化を進める ・リッツァのいう「マクドナルド化する社会」とは、人間が動物でありさえすれば回るような脱人間化・没人格化・損得化が進んだ社会です。そういう社会では、人々は「かけがえのない人間として扱われたい」という感情を無視されることで疎外感や不安感を抱くようになる。それに対処するために使われるのが「ディズニーランド化」、すなわち祝祭的消費による感情的回復です。システムが作り出した裂け目をシステムで埋めている ・人々が現実の世界で幸福を感じながら生きていけるようにしていくことがリーダーの役割 ・社会の秩序を整えるための統治には「教育を充実させて人々を倫理的な主体に育てる方法」「法制度とテクノロジーを強化して監視と賞罰を徹底する方法」「アーキテクチャを使って、快・不快を通じて人々を制御する方法」がありますが、これらはいずれもかなりのコストを要します。これに対し、ディズニーランド化を利用した統治、とりわけドラッグやゲーミフィケーション(AR・VR)を用いて人々の脳内を制御して不満や不安を解消させる統治が実現すれば、コストが劇的に低下する可能性があります ・システム世界では、どこの誰が作ったのかわからない安いものを食べています。これに対して「仲間のためにいいものを作りたい」と思っている仲間の努力にお金を払い報いながら食べる営みは、食べる体験を完全に別物にします。 ・リーダー個人の損得のためといった目的では動きは広がっていかないので、目的には体技とか利他性がなくてはいけません。また、信頼がベースにないと人はついてきてくれないので、リーダーが自分の価値観をしっかり持っていることもすごく大事 ・コミュニティパワー:地域の人々や地域の発展に関わり合うことで、みんながオーナーシップを持てるようになる ・共同自治体を確立していくプロセスにおいて求められているのは、そうしたエリートではない。むしろ必要なのは「縁の下の力持ち」です。影からサポートし、自分は目立ちません。自分の手柄も相手に渡す人です。 ・立派な人:利他的で倫理的であること
いやはやーめちゃくちゃ面白かった...! 豊かになっているはずなのに生きづらいのはなぜか。構造的問題は何か。そもそも、私たちはどんな社会システムに依存しているか。短期的な選択が中長期的にどのような症状を引き起こしているか。なにがセンターピンか。 いつもと違う角度からの刺激がビシビシでした。対話形式...続きを読むで読みやすいです。
リーダーシップの旅を読んでファンになっていた野田さんと宮台さんの対談本。好きなお二人の本だけにとても楽しみに読んだら、まさに自分が今悩んでいる部分に対しての処方箋となるようなコメントが数多く散りばめられていた。 とはいえ、簡単に世の中を変えられるわけでもないけれど、少し方向性が見えたような気がした。...続きを読む 分断を生まないようにしながら、一人一人が傍観者にならず当事者意識を持って参加する共同体を作ることが大事。それをできるファシリテーターが必要なのだと。 ファシリテーターと表現されているが、個人的にはリーダー的な人なのかなと理解している。それも偉そうなニュアンスではなく、コミュニティ意識をもってそのコミュニティを少しでもよくしたいと願う人なのだろう。
損得野郎の自分にとっては胸に突き刺さる本だった。失って行く人間らしさに絶望しながら、人間らしさを取り戻す模索をしていこうと思う。
社会の変化が極めて論理的に語られていて、なるほどと膝を打つと同時に、この感情の劣化を止める方法は本当にあるのかと、絶望感の方が大きかった。 今後は宮台氏の他の著書も手を付けるとともに、ピーターティールをはじめとした新反動主義者、加速主義者、リバリタリアンの主張も学んで行きたい。
漠然と抱いていた違和感が明確に言語化されている。自分を取り巻く社会がどうなっているのか、どこに向かっているのか、そこから自分自身がどう影響をうけているのか、どう生きていけばいいのか、考えるきっかけになった。 耳の痛い話も多かった。 自分はフリーライドしがち。 講義形式なのと、文字数少なめでかなり...続きを読むわかりやすくしてあると思うので、関連書籍や著者の他の本も読みたい。
システム世界の全域化と共同体の空洞化、その結果として孤独死や人間関係の希薄化といった問題が出てきた 合理的な判断と行動の積み重ねが、人間同士の関係性を根本的に変化させ、僕らの精神的安定性を失わせている 短期的な便益を享受するために意図的にシステムに依存する行為(自律的依存)が気がつけばシステムな...続きを読むしには生きられない他律的依存に頽落(たいらく)する 生活世界は維持にコストがかかる システム世界の全域化が始まると、社会の変容は基本的に不可逆となる 生活世界の維持をみんなで図ろうとしても、必ず誰かが抜け駆けしてシステム世界の便益を享受しようとしてしまう その誰かは、他の人々と違って生活世界にタダ乗りするだけで、維持に努力を払おうとしない 孤独に耐えられない弱い個人を包摂する役割を果たしてきた生活世界がシステム世界に置き換えられると、人間関係が流動的になり、われわれは入れ替え可能な不確かな存在となる その結果、引き起こされるのが 感情の劣化 であり、排外主義の広がりやヘイトスピーチ、高齢者クレーマーの増加といった社会現象も同じ要因によって生じる 何が自分にとって良い社会なのか 人を助けるとリターンが返ってくるから助ける社会と、困った人にただ善意から手を差し伸べる社会 権力をベースにトップダウンで命令を下すのではなく、人々の信頼を得て共同体自治の確立を向けて人々をエンパワーするリーダー 利他的・倫理的で、周囲から こんな人になってみたい と憧れるリーダー
社会の構造的な課題を分析し、その処方箋を提示する。実にまっとうな、そして、現時点で最高水準の本だ。 キーワードはシステム化。行政や市場といった便利で快適なシステムに依存すると、社会は空洞化し、かえって統治は難しくなっていく。秋葉原事件のような無差別事件は多発するようになる。ではどうすれば? 本書...続きを読むのすごくまっとうな提言に耳を傾けよう。日本社会について、現代について、未来について、まずはこの本を読んでから語るべし。 何より、宮台氏の利他ぶりに、涙が出た。
社会システムの変化に伴う、非人間性の浸透に対して、なぜそうなるか、何を意図してそうなってきたかを整理して、その上で懐古主義ではなく、これからどうするかについて、良質な問いかけを元に対話形式で進む本書は、学生、ビジネスパーソンだけでなく、すべての成人に読んでほしい書籍。事例は分かりやすく、マッチングア...続きを読むプリやマトリックス、アバター、鬼滅の刃なども事例に取り上げられている。 今通常のピラミッド組織におけるリーダーおよび今後のリーダー候補が、これからの社会のリーダー足り得ないことも描かれており、その立場にいる人も、その立場に関心が薄い、あるいは自分はその候補でないと思っている人も、目を通す価値のある本だと思う。
久しぶりに集中して、本の後半は朝の3時から6時半で、一気に読み終えた。大学生までは、小説や哲学や社会学が好きだったこともあり、宮台さんの本は、当時のサブカル、援交などを全てまるっと大きく、社会学として、批評しているイメージがあったけど、難解な本は難解であった。 いつからか、私も、大学生までは最も嫌...続きを読む悪していたハック、ビジネス、自己啓発といった類の効率性重視かつ、心が貧しくなる本しか読まなくなった自分がいたが、そんな中、ビジネスと社会学が交わった本書は、適度なバランスで記述された本だと思う。 システム化と生活世界の軸をべースに、3段階の郊外化があったという話は納得できるストーリーだし、それぞれのキーワードである団地化、コンビニ化、ネット化は、今までも他の人の意見も踏まえ、論じられてきたデーマであり、腹落ちはする。 続
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経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~
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宮台真司
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