宮台真司のレビュー一覧
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・昨日かな。
働くことを考える哲学カフェの課題本でした。読むことは必須ではありませんでしたが読みました。
・たくのむ というのを利用しての開催でしたがわたしの家の電波に問題ありなのか声が雑音にまぎれてきこえてこず。あせりした。
・宮台さんの本は他に読んだことあり講演会も2回ほどいってたのでさほどアウェイなかんじはせずよかったです。
・どんな仕事か知りもせず、イメージ優先で就職を希望する学生が多すぎると述べられていました。どんな仕事かは働いてないし身近にいないとしりようもないのでは?とか思いました。仕事の中身より周囲の承認ってのはわかる気がします。
・誰か何とか言ってやれよ問題。
他人の期待 -
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子どもたちに憲法前文を書かせるなど、「近代」を根づかせるための実践をおこなっている大塚英志と、あえて「天皇」について語り「亜細亜主義」を標榜する宮台真司が、共通の問題意識をもちながら、東日本大震災以降におたがいの立場を入れ替えるようになったことをめぐって対話をおこなっています。
おおむね大塚が宮台にインタヴューをおこなうというかたちで議論が進められています。表面的には両者の立場は対極的にも見えますが、本人たちも認めているように、じつは極めて近い問題関心にもとづいてそれぞれの立場を選択したということがうかがわれます。
ただ、東浩紀シンパのわたくしとしては、両者のある意味で「啓蒙的」なスタンス -
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前半3分の1を読んだところでは就活とはあまり関係なく、自論の展開だが、
それはそれで面白かった。
後半は就活に関する内容も出てくる。が、この宮台さんは頭が良すぎて、その他大勢の一般人へのメッセージではなく、それなりに能力のある人を対象に本を書いているようだ。
ちょっと鼻につく自慢話が多い。戦後5人目の東大での社会学博士とか、2回言わなくてもいいような気もするが。小学6年で塾にちょっといっただけで麻布中学に入った話、自分の周りにはロールモデルになる人がたくさんいた話など、本人にその気はないにしても、あまりいい感じはしない。
比較するのもなんだが、就職系の本としては、海老原さんのほうがまだ全体感が -
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東と北田暁大が編集を担当している『思想地図』(NHK出版)に収録された対談に、あらたにおこなわれた対談を増補した本です。
最初のほうでは、ともに幼い娘をさずかった両者が、それぞれの子育てにおける体験などを語りあっていますが、しだいに日本社会の現状を批判し、あるべき共同体のかたちについての議論へとシフトしていきます。ただし、基本的には宮台が議論をリードしており、『一般意志2.0―ルソー、フロイト、グーグル』(講談社文庫)で社会思想を展開した東は、最初のほうでショッピング・モールの意義についてすこし独自の見解を語っているほかには、あまり踏み込んだ議論を展開していません。
宮台の議論は、「コミュ -
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1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか?
・関係の履歴からシーンの羅列へ(p27)
→人間関係をわかりやすく表現している
・重武装化に賛成してくれるなら謝罪は何回してもかまわない(p37)
→戦略あれば手段は選ばず
・人間はなぜか利他的な人間の「本気」に「感染」する(p52)
→感染させられる人間になりたい
・コミュニケーションの2重かによる疑心暗鬼(p59)
→ネット普及の功罪?
・早期教育に駆られる親は子供から見て「スゴイ奴」からほど遠い(p93)
→ 早期教育気になってましたが、やめます。
・完璧なゾーニングは「多様な者たちの共生」の原則に反する(p143)
→ お受験もゾーニング?
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書名が「愚民社会」と挑発的ですが、内容は「土人社会」ともっと挑発しています。BREXITやトランプなどのポピュリズムが吹き荒れる世界の流れに刺激を受けて、二人の論者と書名に惹かれて開いた本ですが、3・11きっかけでまとめられた日本論でした。西郷隆盛や福沢諭吉まで遡り、日本の近代化が可能なのかどうか、という、かなり日本ローカルの特殊な事情を語り合っています。なのですが、経済と国土だけじゃないもの、とか論理だけでは溢れ落ちちゃうもの、としての文化への向き合い、という意味では普遍性も感じました。タイミング的には最終章の憲法改正を巡る議論が大迫力。土人憲法の行方は、どうなるのでしょう。脚注満載なので、
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さすがは社会学者の著書でした。表紙の愛らしいイラストからは想像できないくらいにちょっとヘビー。笑
難しい言葉が沢山並んでいて、とてもすべてを理解するには及びませんでしたが、非常におもしろく読ませていただきました。
小生、普段はこういった本を手に取ることが少ないため、性産業に従事されている方々が、こんなにも真剣に人間の性に向き合い思索していることに率直に感動を覚えました。
自分の無知と無教養を晒す覚悟で申しますと、「セックスは、欲を抑えきれない動物がそれぞれの性欲を処理すべくとる刹那的な手段」だと思っていました。とんでもなかった。もっと奥が深かった。(謝罪)
最後の方の章で書かれていた -
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<メモ>
女性の中にも結婚して幸せになれるであろう相手と、恋をしてしまう相手(発情できる相手)は違う、という人がいる。多くの男性は侮辱・支配できないような、尊敬できるような女性に対して、女性は自分を尊敬してくれる男性には発情しない(逆もたまにあり)。まったく立場が同等・公平になって友愛的な男女関係になってしまうと、そこには興奮が入り込まなくなる。しかし、それも社会によって信じ込まされている物語では?79
現代の若者の大半は、自分の心の穴を埋めるために相手の存在を使ってそれを恋愛と呼んでいるに過ぎない。相手の感情を自分の心に映して同じ感情に感染する能力が落ちた。109
東洋的な武道や格闘技、 -
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ネタバレ近代化が進み村社会・地方、家庭も学校もシステムに取って代わった現代。システムへの過剰依存が進み、人そのものがシステムの一部に組み込まれてたポストモダンの時代。自己さえもシステムにより生み出された物だと宮台は言う。スマートテクノロジーは人に選択を意識させず、システムの存在を不可視化し、人は気づかないうちにシステムに組み込まれていく。システムの設計意図を自分の意思による決断だと人は思い込むのだ。共同体と顔を失った人々はモンスターペアレントやクレーマー、ネトウヨ、承認厨となってシステムに直接自己の欲望をぶつけるようになっていく。メディアは感情の居場所を失った人たちの最後の拠り所となりもはや民主主義の
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ネタバレ■読んだきっかけ
・中国出張するにあたり、行く土地の歴史・地理・文化・国民性を知っておきたかったから。
・ニュースや人の話で聞く、中国の悪いイメージ(自己中心的・反日)は、あくまで日本側の視点なので、中国側の視点も知りたかった。
■本の内容
・社会学者3人による、「中国」についての鼎談であり、どちらかと言うと親中で中国に詳しい橋爪氏が、他二人の疑問点(以下のようなこと)に答えていくかたち。
・中国のような大きな帝国が、二千二百年も前(秦の時代)にできたのは、どうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持することができたのか。
・中国人=アグレッシブで自己中心的なため、統一国家に不 -
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著名な社会学者達の対談だけあって視点が多岐に渡っていて面白い。
人類史の中で、他の文明とか他の文化の真似や影響なしで独自に文字をつくったところは4つしかない。メソポタミア、エジプト、マヤ、中国。
頭の中が漢字でフォーマットされた中国人が日本を理解することは難しいという指摘は興味深い。
また一方で、日本には行動規範となるテキストが存在しない。イスラムのコーラン、インドのヴェーダ聖典、中国の経典。特に戦後の日本は何をよりどころにしてきたかといえば米国であろう。パックス・アメリカーナの中で平和を享受してきたわけだ。
経済の視点では、西側陣営で起きている資本主義の社会主義化と中国に代表される社会主 -
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3人の社会学者が、中国について話し合うという本。前半は中国、中国人に関する基本的な謎について。なぜ中国人は、日本人から見ると自己主張の強い人たちに見えるのか、中国人にとっての宗教とは何か、そもそもなぜ広大な地域が国としてまとまっているのか、といった問題や、共産党と毛沢東についての話。後半は中国の歴史問題に関する認識の捉え方と日中関係のあり方を論じている。
今回の3人のうちの2人が参加している『ふしぎなキリスト教』がとても面白かったという記憶があって、中国についてはまともに知らないけど、読んでみた。とても面白いけど、難しかった。まず中国の歴史、特に戦時の日中関係や日本の行動について、おれはあ -
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民主党政権が誕生して1ヶ月を経た頃におこなわれた、社会学者の宮台真司と、外務副大臣(当時)の福山哲郎の対談です。新しい政治がはじまるという期待に満ちた二人の言葉が随所に見られるのですが、安倍政権が高い支持率を維持している現在読むには、ややつらいものがあります。
本書の冒頭で宮台が、市場主義対談合主義、権威主義対参加主義の二つの座標軸で構成される大枠を示して、民主化とは権威主義から参加主義へと移行することを意味するのであり、そのさい、個人を社会的に包摂することがめざされなければならないという見解が示されています。それにつづいて、二大政党制そのものよりも、民主化への移行が重要だと主張しています。 -
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橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司の3人が、中国をテーマに語り合った本。
中国という国のあり方は、ヨーロッパの近代国家を基準にして作られた西洋の社会学の枠組みでは説明しきれないところがあるにも関わらず、文化左翼的な立場からの中国論者たちはポストコロニアル批評などの西洋の現代思想を当てはめることで中国を理解しようとしてきました。本書はそうした一方的な中国への共感を戒め、理論社会学についても独自の思想を展開し、中国の実情にも詳しい橋爪を中心にして、理論と現状分析の双面にわたって中国を分析しています。
日中の歴史問題や、今後の日中関係についての議論も、たいへん興味深く読みました。ただ、座談会形式とい -
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運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢でバスはあちこちにゴッツンコ。
その都度の目的やルートを適切に指示できない「自分自身」に、嫌気がさした乗客たちが、全てを運転手のせいにして、頬被りをしかねない。4
それどころか「考えないで、俺に任せろ」という馬鹿な運転手に、再び「丸投げ」しかねない。5
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官僚が、大臣、副大臣、政務官の間にお互いのコミュニケーションがないことを前提に、徹底的に情報を分断するんですよね。
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90年代に書かれた著者の時評やエッセイを収録している本。
テレクラやブルセラといった女子高生たちの振舞いに対して、倫理的な言説を説くことを、著者は拒否します。現代の女子校生は、もはや親や学校の説教を受け入れて振舞いを改めることもなければ、反発して振舞いを続けることもなく、ただバレないようにうまくやればいいと考えるだけだと著者は言います。こうした状況で道徳を説くことは、ホンネとタテマエの乖離を招き、大人の世界は「ウソ社会」だという実感を強化することになって、かえって逆効果だと考えられることになります。
こうした状況を踏まえて著者は、価値を伝達するのではなく、こうしたシステムの状況を分析した上 -
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著者は、もはやユートピアを思い描くことが不可能になった「終わらない日常」を生きるために自意識を持たない道を選んだ女子高生たちの実態を解明した社会学者です。本書では、「終わらない日常」の閉塞感から逃れるためにオウム真理教にのめり込んでいった信者たちの軌跡をたどることが試みられています。
速水由紀子のコラムや、オウム真理教の村井邦夫と著者の架空の対談などもあって、興味深く読むことができました。ただ、著者が長く考察をおこなってきた女子高生の「終わらない日常」を生きる戦略とオウム信者たちの姿を対比させるという構成に、最初から結論が決まっているのではないかという印象もあります。