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Posted by ブクログ 2015年07月09日
非常におもしろかった。我々が知らない画期的な自然エネルギーについての話がたくさんあってとても勉強になる。飯田さんの豊富な知識もさることながら宮台氏の鋭い考察も読んでいて唸らされる。なぜもっと早く読んでおかなかったんだろう?
Posted by ブクログ 2011年10月31日
原発の話以前に、日本社会のなんたるやが書かれた本だと思います。
私自身がそうだけれど、日本は先進国だとか、日本の教育はすごいとか、日本人ほど他国に信頼される国民はいないとか、そういうおおよそ平和ボケした神話をまんまと刷り込まれて、ある程度洗脳されつつどこかに違和感や恥ずかしさを感じながら生きてきたよ...続きを読むうに思います。
日本は変わりたい。日本を変えていきたい。飯田さんが最後に書いていますが、日より見でも野次馬でもなく、どろどろになって行動したい。行動に移す方法を探っていきます。
Posted by ブクログ 2011年10月28日
市場をうまく導入することで、社会の流れも変わってくる可能性があるという話は、なるほどと思った。
制約を加えた上で、市場に任せることで変化は自然に起きる。エコだからお金の話が絡んじゃだめってことはないんだろうな。どうしても、一般の人間より、我慢して、無理してやっているってイメージがある。
自然エネル...続きを読むギーについては、真剣に考えてみようと思う。北海道に住んで、家の作りで(断熱性能で)暖房のあり方も、コストも全然違うことがよくわかったしなぁ。
もっと当事者の意識が必要なんだろう。いろんなものが拡大して、多くの人が分け前をもらえた時代は終わっちゃってるんだから。
Posted by ブクログ 2011年08月12日
飯田哲也さんという半端なく頭の良い人の今までされて来られたこと、さらにはおいたち、さらに宮台真司さんという社会学者の一般人にも面白く分かり易い話で綴られた対談本。
勉強してなかった私なんかは、何かおかしいぞとまでは思うけど、それが何かがわからないでいた。今まで何だか疑問が残ったまま時が流れていたこと...続きを読むの、答え合わせ本。自治体、個人個人がもっと勉強し責任感をもつこと。
三月の震災以降、始めて明るい未来が見えてきた。
東電をゾンビのように生かすのは、やはり変なんだ。東電や国の払うべき代償を国民に押し付けるなんてことはあってはいけない。
誰でも電気を作って都市ではそれを共有する。スエーデンの様に何発電かも選べたらすごい進歩!早くそういう社会になりますように!
また読み返します。
Posted by ブクログ 2011年07月03日
宮崎氏の堅苦しい話が展開すると思いきや、飯田氏の熱くクールな話で向かうべき方向性は示してもらったように思う。
あとは誰がやるかだが、一人一人が空気に流されず自覚を持って主張し行動するという、世界の中では至極当たり前のことが日本人に、私自身に求められている。
Posted by ブクログ 2014年11月18日
原発社会からの具体的な離脱論の展開を期待したが、いささか内容が飛びすぎる。どちらかと言えば国策批判、官僚批判がメイン。
「貧しくならない省エネ」という考え方には同意。ただし30万円する薪ストーブを「普通の人」が買うかどうかはちょっと疑問。
「生活をいちいち反省しなくてもいいから、原発でいい」国民...続きを読むの心が一番変わらなければならないが、一番変われないのも国民の心では。その方法論をもっとブレストしたい。
Posted by ブクログ 2013年03月16日
東日本大震災、福島原発事故から2年を過ぎても、
いっこうに収束の行方が見えない…
本書は、震災事故1週間めの対談をもとに編まれた一冊。
肝心で不可避な問題点が明晰に言及されていると感じた。
著者の飯田哲也は「あとがき」でこう書いている…
―この国の「旧いシステム」は、あまりにも日本社会を構成する
...続きを読む 大多数の善良な人々、とりわけて最底辺層や将来世代への
眼差しが欠けているだけでなく、その善良さを愚弄し、
見下し、しかもそこに付け込んで「寄生」しているとしか思えない。
しかし他方で、それを批判して理想像を美しい論文にまとめても、
どろどろした「現実」に手を突っ込まなければ、
それはエクスキューズにしかならない。
「美しい国」を標榜する現首相は、このどろどろとした「現実」に
どれほど手を入れようとしているのだろう…
いかに美しくコーティングされようと、否応なく
泥水を飲まされるのは、ボクら国民に他ならない。
嫌なものは嫌だ! いらないものはいらない!
すべてはつまびらかにされない情報を、
それでも執拗に追い続け、叫び続けるために、
ボクにとって、本書は有益な一冊となった。
Posted by ブクログ 2012年08月02日
社会学者、宮台真司さんと環境学者?の飯田哲也さんの対談形式によって原発依存社会について言及された一冊。
全体としては飯田さんが環境的、エネルギー政策としての専門的な側面から論じ、宮台さんが(どちらかといえば)読者目線で的確な疑問を投げかける、といったような構成。宮台さんのコメントについては、読んでい...続きを読むて気になる部分を的確かつわかりやすい表現で突っ込んでくれたり、理解を促進する言い換えをしてくれたり、さすが宮台さんって感じでした。
個人的に一番面白かったのは第二章「変わらない社会、変わる現実」で、ここではなぜ日本社会が原発依存社会から抜けだせないでいるのかを、抜けだしたスウェーデン社会との比較から、社会学的な目線で論じている。こういった内容なので宮台さんの発言も読者のサポートという立場ではなく、自身の考察をふんだんに交えているわけだが、非常にわかりやすくて納得の行く議論になっていた。
Posted by ブクログ 2012年07月19日
エネルギー問題についてなんも知らなかったおれには目から鱗な情報満載だった。例えば自然エネルギーが実は結構量的な意味でもいけるんじゃないかとか、北欧の例とか。原子力ムラも聞いたことあったけど実態が垣間見えたし。エネルギーの問題から日本の共同体自治についても考えたり。
ただ対談形式なんで、おれみたいな無...続きを読む知な人間にしたら知らないキーワードが解説なしで出てくるのが難点。
Posted by ブクログ 2012年05月26日
エネルギー政策を取り巻く背景と、政治のカラクリが読めた気がする。
本の趣旨とは関係ないが、薪ストーブに惹かれてしまった。
炎を眺める生活は優雅でいいなぁ。
Posted by ブクログ 2012年02月08日
東電も官僚も銀行も、自分の利益を守る。強引に狡猾に、また愚直に。法律の例や前福島県知事の例などから強く感じた。
感情ではなく事実から判断しないといけないということも学んだ。二項対立で、自分の陣地から抽象しているだけではどこにも進めない。国や大手マスコミが流す大本営発表に対し、フリージャーナリストの方...続きを読む々が情報集めて流し、一般市民がSNSで情報を収集できる現状はだいぶよくなったと思う。次は我々が自分の問題として自分の考えを持つこと。
欧州の経過や現状との対比から、日本の問題点を洗い出している点は興味深い。正直なところ私には内容が難しく、かなりの割合で理解できていないのが残念だが、、、
エネルギー安全保障という点では、ウランの埋蔵量は少ないかもしれないが、複数に分散しておくという利点はあると思う。実用できないので意味はないが、再処理は資源に乏しい日本としては望んだ夢であり、また儚い夢であった。
Posted by ブクログ 2011年12月08日
大震災の後、トータル的に自然エネルギーについて語れる人はこの人しかいないという状態になって、ずーとマスコミに出っ放しになっている飯田哲也氏の震災後初めての本になった。時間がないから対談本になっているのは仕方ない。いつかきちんと整理した自然エネルギーシフトへの啓蒙書を出して欲しいと思う。
対談相手は...続きを読む、私は初めてだが、社会学者の宮台真司氏。氏によっておそらく今回の対談は歴史的な広がりを持った。今回の原発問題が、何度も繰返してきた日本の社会システムの過ちをまた繰返していることが明らかになった。歴史の教訓からどのように未来デザインを描くのかをある程度は示した。
今回の原発問題が、戦前の大本営の失敗の歴史的教訓をそのまま繰返していることには気がついていたが、その問題の本質に「官僚問題」があり、それは幕末から続いていることについては、今回初めて知らされた。
またびっくりしたのは、お二人とも私と同世代の1959年生まれ。大学入学時代には、しらけ世代全盛期で、その中で違和感を感じ、(身動きが取れなかったのは私だけだろうけど)人生を模索しながら生きて来たことに共感を覚えた。
飯田氏は特に理工系の学部に進んだけど、今西錦司ゼミの学生と付き合う中でどうも鍛えられたらしい。表立っては行動に移せないけど、議論だけはする雰囲気があった。それが後々、原子力村の中枢に入っても違和感を覚えてそこをステップに次ぎに移る素地になったようだ。
以下、幾つかなるほどと思ったところをメモ。
●【宮台】日本は、政治が主導的だった時代は明治維新以降、ほんの僅かな間しかなく、長く見積もって明治はんばぐらいまでしか続かなかった。それ以降は役人の力が巨大な官治主義が続きます。(略)大正になると政党政治つまり民治主義になるけど、政友会と民政党の政党争いの末、政友会が民政党浜口内閣のロンドン軍縮条約締結を統帥権干犯として批判したのを機に、軍官僚が総てを握る。(略)政治家と行政官僚はどこの国でも対立するわけですが、日本では圧倒的に政治家が弱く官僚が強いわけです。政治家の活動の余地は単なる利権の調整しかないので、ドブ板選挙をするしかない。政策にはほとんどタッチできません。
●【宮台】自立に向けて舵を切ろう、アメリカに依存する国であることをやめよう。田中角栄はそう考えて、対中国外交と対中東外交でアメリカを怒らせる独自路線を走ろうとしたわけです。それが例の「ピーナツ」という暗号が書かれたものが誤配されて見つかったという発覚の仕方で五億円事件まで行く。(略)いろいろな政治家に聞いてもアメリカの関与は良く分からないのですが、「田中角栄のようなことをやってはいけないんだな」という刷り込みにはなりました。
●【宮台】行政官僚には「無謬原則」がある。官僚機構の中では人事と予算の力学が働くので、「それは間違っていた」とは誰も言い出せない。これは大東亜戦争中の海軍軍司令部や陸軍参謀本部問題でもあります。
●【飯田】世界では自然エネルギーへの投資額が毎年30%-60%ほど伸びています。10年後には100兆円から300兆円に達する可能性がある。20年後には数百兆円、今の石油産業に匹敵する可能性がある。
日本はこの投資の1-2%しか占めていません。日本は「グリーンエコノミー」の負け組みなのです。新しい経済を生み出す側で負けてしまっている。
一方で日本は化石燃料を年間23兆円、GDPの約5%を輸入しています(2008年)。石油、天然ガス、石炭です。(略)(石油と石炭の)二つが、今後貿易黒字を縮小させるなど日本経済の負担になっていきます。新しい経済の側でどんどんチャンスを失い、しかも日本の電力は石炭だらけですから、その石炭代と、それで増えたCO2を減らしたことにするためのクレジット代でますます電気料金が上る。原子力はコストパフォーマンスが極めてお粗末ですから、新しい原発はできず、稼働率は低く、事故だらけ。それをまた石炭で補う。という極めて暗い未来像になります。
→常識的に言えば、自然エネルギーへの転換が、日本の未来にとって、中国対策にとってでさえも、米国支配からの脱却という面でも、ベストな選択だろう。芥川の「危険思想とは、常識を実行に移そうとする思想である」という言葉が思い浮かぶ。唯一の心配は、飯田のこの試算がほんとうに正しいかどうか、ということだろう。
●【飯田】霞ヶ関文学の本質はフィクションと現実を繋いでいく言葉のアクロバットです。
●【宮台が飯田の半生を要約】p74
Posted by ブクログ 2011年08月08日
原発の存否を巡っては賛否両論半々といったところだと思うが、個人的にはなくして良いと思う。経済性や危険性も両方意見があって実際よくわからないが、経済性や安全の問題でなく、安心の問題だと思う。この点小田嶋隆の日経オンラインのコラムが最も合点がいった。一度ハエのとまったケーキはたとえとまった部分を取り除い...続きを読むてもみんな食べたくないのだ。
Posted by ブクログ 2011年08月05日
実現可能性はともかく、脱原発・新しい社会への提案のひとつとして、何が考えられているかを知るには面白い。
基本的に対談形式は読みやすくて面白いものだけど。
何かヘーゲル的ってこういうことなのかとも思った。
大きな物語が必要なのだ。
問題は今後の世界に誰の物語が採用されるかなのだ。
Posted by ブクログ 2011年08月02日
机上のシミュレーションでは当然負けるはずだった日米開戦になぜ突き進んだのか、なぜ私たちは原発を「選んだ」のか。ショッキングな冒頭の文章から一気に読んでしまいました。小さい頃、親につきあって原発反対のデモ行進につきあったことがあります。あのときはすごくざわざわした感覚がありましたが、たしかにいつのまに...続きを読むか私たちは原発の現実を見ないようにしてきましたから「選んだ」といえるのでしょう。飯田哲也さんという人の本を初めて読んだけど、もっと読んでみよう。
Posted by ブクログ 2011年07月29日
2011年3月11日の大震災で福島第一原子力発電所が再起不能の大事故を起こしたのを契機として原発の存続の是非が議論されている。いまや日本の電力の2割強を閉める原子力発電が今回の事故で閉鎖もしくは縮小の道が模索され、日本全体が節電や自粛の渦中から抜け出せない。
原子力の穴を何かで埋めなくてはならな...続きを読むい。不足する電力をいかに補うのかは焦眉の急だ。しかし、次のエネルギーをどうするかという議論にはなかなか進まない。それは我が国の構造的な問題がある。本書はまさにそうした現体制への批判書として読むことができる。
飯田哲也氏は原子力発電の技術者出身で、その内情を知り原子力の欠点と将来性のなさを悟って自然エネルギーへの転換を主張する科学者であり、実践者である。内情を知るだけにその言葉の重みはあり、関係者の名前を明記したかなり生臭い話まで登場する。それは本書が対談という形式をとっているからこその特徴だろう。
本書には大企業によるエネルギーの独占状況に関しての強い批判がある。確かに日本人にとっては電気はその地域を広域で取り仕切る電力会社から買うものというのが常識化しており、その大規模な電力事業を確保するために、供給地から遠くはなれた過疎地に発電所を造るというのが無批判に受け入れられている。福島や柏崎、さらには東通までが「東京電力」であることを知らずにいた関東の住人が大多数だろう。
今回の震災で原子力発電は現況のまま継続することはきわめて危険であることは分かった。震災がなくても核サイクルの技術的破綻でやがて行き詰ることは目に見えていたのである。反原発の動きは今までもあったが「非現実的」の名のもとに抹殺されてきた。それが逆に原発を使えず困窮する現実に結びついたのはなんとも皮肉なことであった。
本書には原発なきあとの日本のエネルギー事情についての提言が少しだけある。例えば、自然エネルギーへの転換を進めるとともに、小規模な発電設備を増やしエネルギーの自治やネットーワーク状に電気をやりとりできる方法を模索するべきだとある。しかし、この点に対する言及は極めて少なく、私のような門外漢が具体的なイメージを構築するにはいかにも物足りない。つまり本書は現状への批判の書としては一定の役割があるが、将来への提言としてはかなり物足りない。対談集という形でまとめた限界といえるのだろうか。
エネルギー問題に関するリテラシーはもっと高めなくてはならない。本書のような啓蒙書でさえ、意味不通の文言が数多く出ている。それは私の勉強不足が最大の要因ではあるのだが。
Posted by ブクログ 2011年07月09日
原発事故後,より注目されている飯田哲也氏と宮台真司氏との対談本.前半は宮台真司氏の独演傾向あり(宮台真司氏がダメな人には不向き).後半になり飯田氏が前面に出てきて,私が勉強不足で知らない情報や氏の考えを示してくれる.東京都が先進的な環境政策を実行していることは初めて知った.東京電力と株主を守ろうとし...続きを読むていることに違和感を持っていたが,「東京電力が全ての財産を出す.次に株主で,それに融資した銀行.それでも賠償に足りなかったら,原発埋蔵金 再処理等積立金を使う」とコメントしていることには溜飲が下がった.
Posted by ブクログ 2011年06月30日
こういうのはタイムリーに読んでおかないと、と思って他の積読に優先して読んでみた。
こういう対談本は議論の展開が速くて、理解が浅くなっちゃうけど、キーワードはたくさん盛り込んであるから、それをもとにわからなかったことを他の本とかで調べるといいかも。
知識はたくさん仕入れることができたんだけど、なん...続きを読むとも救いがなく、読んでてちょっと凹んでくる内容だった。
Posted by ブクログ 2011年06月27日
久しぶりに発売日前に予約して、急ぎ読んだ本。ここでいま形にしようという意気込みもきっとあったはず。
素晴らしいのだけど、これをどう広めたらいいのかとひたすら思う。
真新しいことより既にあったことのが多い内容で、だからこそ。そうなったらいいな、こうできたらいいな、こうしたいな、は確かに頷き意気込む...続きを読むばかりなんだけど、じゃあさあ今日明日どうする、という課題は、わたしごとき一人じゃあんまりにも実践的でなく思いつかない。何ができる気もしない。砂漠に一滴の水。だからこそ。
南は今回の件で助かったのではなく置いていかれた結果になりはしないかという予感が日に日に強くなっている。意識や文化のレベルで。それこそ、空気が。
Posted by ブクログ 2011年06月26日
宮台真司氏の語り口はごつごつとしたものであるが、その論考は見事に核心をついている。”悪い共同体”の“悪い心の習慣”という言葉で今の社会を鮮やかに切り取っていると思う。共同体自治というユニットからの統治がこれからの日本復興をなしとげるためのキーであるとしている。我々も単に自明のシステムに依存するだけで...続きを読むはだめなんだと反省させられます。
Posted by ブクログ 2023年01月06日
なぜ日本が原発推進から軌道修正できないのか。明らかに文化的、組織的問題、国民的問題。エネルギーや技術の問題ではない。ただ、この霞ヶ関が変わらない一旦が日本の政治の問題でもあり、国民の意識と
行動の結果であることは目を背けられない。3/11の直後に流れを作りたくて発刊していることがすごい。にも関わらず...続きを読む、日本は変わらなかったことが悔しい…
Posted by ブクログ 2012年09月02日
これはとても濃厚な対談である。
立花隆と佐藤優なんていうのも濃厚だったけど。こちらもなかなか深いし面白い。
飯田哲也氏の経歴など初めて知ったのだが、これは興味深い。もともと原子力ムラの中の人で、神戸製鋼ではオウムの村井氏と同期だったとか、これはもう興味深いと言わざるをえない。
基本、反原発という話な...続きを読むわけですが、反原発はイデオロギーではなく合理性なのだ、というのはとても重要な論点であると感じた。どうも反原発デモなどの影響か、あれをイデオロギーとして解釈するという風潮があってよろしくないと思っていた。
そして、官僚って恐ろしいと思いました。原発にしてもちゃんと理詰めで話をしていけば、一番理屈にあった結論に到達するのであろうなんてのは幻想だって思い知らされてしまう。ああ恐ろしい。
ウランが枯渇しようが使用済み核燃料が貯まり続けようがコストがかかろうが高速増殖炉が夢物語だろうが、とにかくある特定の人たちにとって有益なシナリオであり、その人たちに主導権があれば、その道を進んでしまうということだ。哀しいけどそれが現実。
Posted by ブクログ 2011年11月29日
これまで日本社会が原発にべったりと依存してきた理由は、行政官僚の暴走を政治家が止められないという<悪い共同体>の<悪い心の習慣>にある。それは、負けると知りながら、 軍部がアジア・太平洋戦争へと突っ走っていったのを誰も止められなかったのと全く同じ構造をしている。原発や六ヶ所村の再処理工場は、「現代の...続きを読む戦艦大和」のごときものだ。
奇妙なことに、日本においては、脱原発や自然エネルギー推進を唱えることが左翼イデオロギーと結びついて捉えられる。けれども、原発をやめられないという病理は、<原子力ムラ>と<電力幕藩体制>、そして<霞が関文学>=「フィクションと現実を繋いでいく言葉のアクロバット」によって紡ぎ出されたものにすぎない。原発は、技術的に不合理である以前に、社会的・経済的に不合理な存在なのだ、というのが本書の主張である。
こういう対談形式の本は、さながらテレビの討論会を聞いているような臨場感があって読み易いのだが、体系的な知識を得て理論武装するためには使えないという欠点がある。飯田哲也氏の本をもっと読んでみようと思った。
ともかく、日本の政策的知性は
いったい、これが世界でもっとも進んだ先進国で民主主義の国だと信じられてきた日本で、チェルノブイリ事故から25年も経た21世紀にもなって、今、起きている現実なのだろうか。これは、フクシマ後に出現した「知の焼け跡」と表現せざるを得ない。(「あとがき」)
というほど情けない状態であることは分かった。しかし、それでもなぜか均衡を保っているのが日本社会の不可解なところだ。
Posted by ブクログ 2011年10月15日
原発の専門家である飯田哲也さんが、いわゆる「原子力村」が、なぜ、こんな組織構造なのか、何が行われているのか、などを解説してくれるほか、宮台真司さんが、今の社会構造などを分析していて、現代社会に何が欠けているのか、これから何を目指していかなければいけないのか、気付かせてくれる。対談形式で読みやすいので...続きを読む、一度、読んでみると、目からウロコなところが多々あるかも。