宮台真司のレビュー一覧
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後輩たちの「2カ月遅れ就活開始日」記念。
本書は「就活本のバカヤロー!」と、就活マニュアルを批判しつつも、本書自体が一種の就活マニュアルの様相を呈しているのが否めない。
「『最適の仕事』なんてない」
「そもそも仕事は実現の最良の方法ではない」
「『絶対内定』式の自己発見の方法は表層的には役に立たない」等々語られている割に、
「常に人生の最終目標を思い出せ!」なんて書いてあったりする。
大抵の学生は「人生の最終目標」なんてものを持っていないし、それを見つけようと「自己分析(笑)」に走る人が多いのが現状なのでは?
むしろこの発想は「絶対内定」に近いような?
「中小企業を狙え」という本書 -
Posted by ブクログ
これまで日本社会が原発にべったりと依存してきた理由は、行政官僚の暴走を政治家が止められないという<悪い共同体>の<悪い心の習慣>にある。それは、負けると知りながら、 軍部がアジア・太平洋戦争へと突っ走っていったのを誰も止められなかったのと全く同じ構造をしている。原発や六ヶ所村の再処理工場は、「現代の戦艦大和」のごときものだ。
奇妙なことに、日本においては、脱原発や自然エネルギー推進を唱えることが左翼イデオロギーと結びついて捉えられる。けれども、原発をやめられないという病理は、<原子力ムラ>と<電力幕藩体制>、そして<霞が関文学>=「フィクションと現実を繋いでいく言葉のアクロバット」によって紡 -
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ネタバレインターン採用のための面接をしていてショックを受けたことが本
書を読むきっかけでした。何にショックを受けたかと言えば、自分
を押し殺し、企業社会の価値観に過剰適応しようとしている学生達
の姿にであり、また、そのように仕向けている就活本や就活セミナ
ー、はたまた企業人事部のあり方にでした。
企業が求めているのは自社の業績に貢献してくれるであろう人材で
す。それは昔も今も変わらない。しかし、バブル崩壊後長引く経済
の停滞とグローバル化の進展の中で、企業が求める人材像は変化し
てきています。本書ではそれを「『適応』から『適応力』へ」とい
う言葉で表現していますが、今の組織や業務に適応できることはも -
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最初の方に、「社会の底が抜けている」ことに気付いてしまうことが、「ポストモダン」という概念の肝であって、その理由が「郊外化」である。というような意味が書いてあった。
1980年生まれの私はもしかすると、「底が抜けた社会」しか知らないのかな?と思った。
また、「ダメなものはダメ」は「理屈」でなくて、「社会の中で人が生きる」ということを支える前提だ。
「本気で話したことは本気で聞かなくちゃいけないんだ」
こういった内容はすごく共感し、大学を卒業するまでは、そういう環境の中に自分はいた気がする。
しかし、社会人になって会社に所属してサラリーマンになったとたんに、そういう考えは通用しなくなった。矛 -
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ネタバレ新進気鋭の二人。思想家と学者の「家庭観」について。
まえがきにあったように、東氏は明らかにアウェイ感の否めないダイアログが続いていて、それはそれで読んでいて楽しい。
どこか「絶対感」的言動が多い東氏が、こと家族観になると、一歩引いて話しているところが、彼もやはり人間(笑)と思わせる。氏の他作と会社経営などの多角的活躍を考えると、これはアウェイでも仕方ないのかもしれないけれど。
娘について真剣に考える一人の人間になっていた。
一方、宮代氏は通常通りというか、家庭第一主義。言動は結婚し、子どもを持ってずいぶん変わってきたことを裏付ける結果になっている。
もともと東大大学院でテレクラ研究者と -
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ネタバレ[ 内容 ]
本当は誰もが政治家に期待している。
いまこそ国会議員には働いてもらわねばならない。
だが彼らの多くは「国家の名誉と安全を守ってほしい」という国民の最低限の願いすら打ち破く。
それならば「売国奴」「国賊」という激烈な言葉で政治家を襲撃しようではないか―。
学者・言論人へのアンケート集計で、最悪の「売国政治家」10人を選び出し、彼らが誰に国を売ったか、どんな罪を犯したか、なぜ彼らを許してはならないかを徹底検証した凶器の書。
[ 目次 ]
序論 売国政治家とは何か?
第1部 座談会 売国政治家と呼ばれる恥を知れ
第2部 10人の売国政治家を検証する!(河野洋平―単なる談話で日本を「性 -
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[ 内容 ]
娘ができて初めて見えた日本社会の問題点とは?
若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるか?
育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、「子ども手当」など保育支援策を検討。
ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の新たな可能性まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる白熱の討論。
[ 目次 ]
第1章 親子コミュニケーションのゆくえ―家族を考える(時間感覚の変化;宮崎アニメへの反応 ほか)
第2章 子育てを支える環境―社会を考える(ロスジェネ系議論の問題点;専業主婦願望の背景 ほか)
第3章 均質化する学校空間―教育を考える(グループワークができない子ど -
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オウムを知るというより、オウム真理教の構成員の中でとりわけ人数の多かった、
新人類またはバブル世代が、どうしてこの「神秘主義」主体の宗教に惹かれてしまったのか。彼らの生まれ、育った時代背景の雰囲気がよく描かれている。
流行の宗教の背景には、かならず時代の持つ特有の雰囲気があり、
今でこそ、宗教学の流れでは、新しい「分類」にわけれられるオウムだが、
16年前の著作である本書は、まだ生々しさを残しながらも、適切な分析をしていると感じる。この時代に宗教にハマッってしまった人は多いのではないかと思う。
オウムに限らず、この世代を理解するのにはとても判りやすいと感じる。
☆が3つなのは、もう少し掘り下げ