宮台真司のレビュー一覧
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ネタバレ著者の本は初めて。人間関係や教育、日本の社会や民主主義について章立てして著者の考えを述べています。
関心を惹かれる部分は多かったですが、まずは日本の民主主義について書かれた中での”民主主義の不可避性と不可能性”の部分が印象に残りました。
単語の概念が難しい(ここに限らず…)ですが、”民主的決定であれば正しいということはあり得ないし社会の複雑化に伴って益々あり得なくなる。かといって、一部のエリートに任せてもうまくいくわけでもない。そうなると民主的決定に任せるしかなくなる。” ”この状況を何とかするには、民主的なプロセスで「様子を見る」→そこでの社会学的啓蒙を通じて民主主義を社会的なものにしていく -
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「ポストモダンでは、第一に、社会の「底が抜けた」感覚(再帰性の主観的側面)せいで不安が覆い、第二に、誰が主体でどこに権威の源泉があるのか分からなくなって正統性の危機が生じます。不安も正統性の危機も、「俺たちに決めさせろ」という市民参加や民主主義への過剰要求を生みます。
不安や正統性危機を民主主義で埋め合わせるのは、体制側にも反体制側にも好都合です。体制側は危機に陥った正統性を補完でき(ると信じ)、反体制側は市民参加で権力を牽制でき(ると信じ)るからです。」
社会の底が抜けたポストモダンにおいて、関係性の学である社会学に何ができるのかはよく分からなかったけれど、立脚する大地のない思想は根付かな -
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13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、
「なんなんだ、この国は!」
本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。
本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の近代化の近代社会学的な考察、日中の歴史問題、そして今後日本が取るべき針路などについて語っている。
国家や国民と行った欧米のフレームにはおさまらない国、カリスマ毛沢東は現代の皇帝、「改革開放こそ文革の最終的な仕上げ」などなど、「おどろき」の理由がだいぶ明らかになった。
歴史問題も含め、「日本は米中関係の付随物にすぎな -
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ネタバレ全体を5章に分けて、それぞれの分野での社会学的な知見を”躊躇せず”書き下ろした一冊です。
かなりディープな領域まで行ってて、門外漢な自分にはbeyond understandingな点ばかり。。。
日本における「社会的包摂」を高めるためには、地域の近接性を軸にした「みんな」への「価値コミットメント」が必要だというのが、一つの大きな主張であったように考えます。
自分の思う方向性といい具合に一致したのがちょっと感動でした。
同時に、まだまだ全然知らない世界があるんだなと痛感させられた一冊でもあったわけで、自分の学をどのように修めていくのかも大いに悩まされます。 -
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東日本大震災、福島原発事故から2年を過ぎても、
いっこうに収束の行方が見えない…
本書は、震災事故1週間めの対談をもとに編まれた一冊。
肝心で不可避な問題点が明晰に言及されていると感じた。
著者の飯田哲也は「あとがき」でこう書いている…
―この国の「旧いシステム」は、あまりにも日本社会を構成する
大多数の善良な人々、とりわけて最底辺層や将来世代への
眼差しが欠けているだけでなく、その善良さを愚弄し、
見下し、しかもそこに付け込んで「寄生」しているとしか思えない。
しかし他方で、それを批判して理想像を美しい論文にまとめても、
どろどろした「現実」に手を突っ込まなければ、
それはエク -
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ネタバレあの震災の日、津波で流されゆく建物や燎原の火に焼かれていく家々を、遠い九州の地からワンセグで見ながら抱いた妙な感情。明らかに「日常ではない」光景に対する、恐怖にもワクワクする気持ちにも似た気持ち。
その後様々な言論誌で見た、「『終わりなき日常』が終わった」という言葉。
例えば東浩紀は、「震災で僕たちはばらばらになってしまった。それは、意味を失い、物語を失い、確率的な存在に帰られてしまったということだ。」という(思想地図βvol.2 11頁より)。
その意味するところは、私にはわからなかった。しかしその言葉には、強烈に引きつける何かがあった。
震災以前に私がなんとなく過ごしてきた「終わりなき日 -
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社会学者、宮台真司さんと環境学者?の飯田哲也さんの対談形式によって原発依存社会について言及された一冊。
全体としては飯田さんが環境的、エネルギー政策としての専門的な側面から論じ、宮台さんが(どちらかといえば)読者目線で的確な疑問を投げかける、といったような構成。宮台さんのコメントについては、読んでいて気になる部分を的確かつわかりやすい表現で突っ込んでくれたり、理解を促進する言い換えをしてくれたり、さすが宮台さんって感じでした。
個人的に一番面白かったのは第二章「変わらない社会、変わる現実」で、ここではなぜ日本社会が原発依存社会から抜けだせないでいるのかを、抜けだしたスウェーデン社会との比較か