中原尚哉のレビュー一覧

  • システム・クラッシュ

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     <弊機>が帰ってきた。<マーダー・ボット・ダイアリー>シリーズの第4弾となる。本書は2番目に邦訳された『ネットワーク・エフェクト』の直接の続編となっている。

     前作の内容を忘れた読者のために、『ネットワーク・エフェクト』のあらすじが、冒頭に掲載されている。これはありがたいが、登場人物がどういう人物だったかをなかなか思い出せなかった(歳のせいか)。

     異星由来の遺物より発生した汚染(感染すると意識を支配されゾンビのようになる)を被った植民惑星が舞台となっている。この植民惑星を開発しようとするBE社(悪徳企業です)は、取り引きが禁止されている異星遺物の採掘を進めようとしている。住民たちは事情

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    2024年11月04日
  • システム・クラッシュ

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    2024-10-19
    おかえり弊機!その語り口は健在で、もうほぼ一気読み。ARTも相変わらずでまさに迷コンビ。
    人間たちの(弊機からみた)愚かさや愛おしさや憎らしさもさらに深くなった。分離派説得の名案には、ニヤリ。
    2作目「ネットワークエフェクト」の直接の続編だが、冒頭に詳しい概要が載っているので覚えてなくても大丈夫な親切翻訳。ありがたいしかない。

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    2024年10月19日
  • システム・クラッシュ

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    人型警備ユニットの「弊機」はART(ペリヘリオン号)とARTの船員、ブリザベーション調査隊の隊員とともに植民惑星での異性遺物汚染事件を解決した。
    そして植民惑星とその入植者と奴隷契約を結ぼうと暗躍するバリッシュ・エストランザ社の活動を阻止しようとする。

    ・感想
    今回も面白かった!
    自虐な弊機節は健在。だけどなんだかいつもと様子が違う弊機。

    前回のあらすじを訳者さんが巻頭にまとめてくれてたけど正直「そんな話だったっけ?」ってなってた。
    読んだの2年以上前だし完全に忘れていたみたい。

    久しぶりにマーダーボットの世界観に入ったからか、序盤は世界観に慣れる必要があったんだけど中盤から

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    2024年10月17日
  • 逃亡テレメトリー

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    メンサー博士一人称の掌編で、意表をつかれた。今までも何度か言及されてきたけれど、あんまり弊機の軽佻な語り口に実感がなかった。しかし改めて言われると、警備ユニットの境遇というのはあまりにも非道な仕打ちだ。

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    2024年07月25日
  • 第六ポンプ

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    ディストピアSF短編集。一話ごとに人体改造、食糧危機、資源枯渇、渇水、痴呆化など、さまざまな状況が設定されています。
    情景が目に浮かびそうな近未来世界観と、厳しい環境下でしぶとく生き伸びようとする庶民の姿が気に入りました。

    ■ポケットのなかの法
    四川省成都を舞台にしたサイバーパンクっぽい物語。路地裏の少年が偶然手に入れた外部記憶媒体の中身とは。

    ■フルーテッド・ガールズ
    フルートにされた少女たちが秘密のパーティーの舞台に立たされる妖しい物語。映像で見てみたい作品。

    ■砂と灰の人々
    食糧危機に陥った人類は、腹の中にゾウムシを飼って砂を喰らっている世界。そこに生身の犬があらわれる。

    ■カロ

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    2024年06月23日
  • ネットワーク・エフェクト

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    長編になっても変わらぬ面白さ、変わらぬ弊機の愛おしさ。
    大長編ドラえもんばりの愛と友情と正義、アクションありミステリありの超豪華ストーリー。
    基本が性別のない警備ユニット目線なのとポリアモリーが基盤な社会制度が背景にあるのが合わさってまったく気負いせず愛情豊かな関係性の妙を楽しめる。
    最高でした。次も読みます。

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    2024年06月19日
  • 最終人類 下

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    「秩序と自由」
    あえて言うならこの一言

    評判通り上巻の「成長と冒険」物語から一転して、下巻は途方もない世界となる。

    ネットワークとオブザーバー類の戦い
    「秩序は不自然」として宇宙の秩序を保つネットワークを破壊し、自由で束縛されない「人類」をそだてたオブザーバー類、彼らは敵が味方か……。

    億や兆の時間や空間は既に想像の限界な上に、「細胞レベルと生命体」を比喩として用いるなど、ミクロからマクロ、そしてその逆と、激しく跳び廻る。

    どちらもSFの王道であり、上巻の冒険物語があるからこそ下巻の桁外れさが際立つお話でした。

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    2024年06月10日
  • 妄想感染体 下

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    SFでホラーというジャンル。アレクサンドラ・ペトロヴァ(サシャ)は防衛警察の警部補である。AIのアクタイオンが言う。パーカー船長は冷凍睡眠チューブ内で死亡されました。お悔やみを申し上げますと。サシャはそんなはずはないと抗議する。私はパーカーと直接話をした。手で触ったと。AIはそれはホロ映像だと。固体光投影設備(ハードライト)のお陰だという…。なんということだ。これから先もどうなるのだろうか?読者を引っ張っていって振り回してくれる。これが三部作の第一だとは…。

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    2024年06月08日
  • 最後の宇宙飛行士

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    宇宙人は存在するのでしょうか?

    しかし、よく考えてみると、我々は宇宙〈人〉と言っている時点で自分たちの概念を勝手に当てはめているだけなのかもしれません。人ではないかもしれないのですから。

    では地球外生命体はどんな生物なのでしょうか?
    エイリアンみたいな感じでしょうか?
    地球の概念にあてはまらないのであれば、見えないのでしょうか??
    見えないということはすでに存在しているということでしょうか???((((゜д゜;))))

    ☆☆☆☆
    本書はSFであり、ホラーでもあり、ハラハラドキドキの冒険小説でもありました。ちょっとグロテスクな部分もありますが…。

    読み終えると、宇宙から帰ってきた気分にな

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    2024年06月08日
  • 最終人類 上

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    上下一括感想
    下巻で。

    アー楽しい。
    こーいうの無条件で好きなんです。
    引き続きサーヤの旅を応援しよう。

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    2024年06月06日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    性別未定マーダーボットの弊機ちゃんの可愛さを楽しむキャラ萌えSF。
    人間が怖くて挙動不審になってるのが可愛い。それでも隠しきれない真っ直ぐでかっこいいところ。
    ARTと2人寄り添って人間のドラマを見て大盛り上がりしてるシーンが好き。

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    2024年06月06日
  • 妄想感染体 上

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    SFでホラーというジャンル。アレクサンドラ・ペトロヴァ(サシャ)は防衛警察の警部補である。防警の泳がしていた対象人物を捜査して逮捕時に射殺したというので拘束され、新たな命令が下された。新規植民星のパラダイス1の様子を見て来いというのだ。母親のエカテリーナ・ペトロヴァが引退した植民衛星だ。なにがあるというのだろうか?サシャはパイロットのサムと医師のジャンとともに太陽系から100光年離れた惑星に向かう。冷凍睡眠から目覚めて目にしたものは…。彼らの頭に侵入する妄想だった。

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    2024年06月03日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    2024/04/23 読み終わった
    岡田斗司夫さんが「SFはプロジェクトへイルメアリーとこの作品は読んどけ」と言っていたので。

    近未来、星間航行やサイボーグ化、コネクテッドが生活に必須になっている頃。ロボット?である保険会社の警備ユニットが顧客である人間との交わりを通して成長?していく話、かな。
    人間観察ものという意味で、「吾輩は猫である」にめちゃくちゃ近い気がした。人間て、非効率で意味不明で首尾一貫していなくて、変な奴らだけど、なんか目が離せない…。彼ら人間にうんざりしながらも、興味の尽きない対象として、警備ユニットはどこか愛情?羨ましさ?の眼差しを向けている。
    読者はそれをさらに外から、

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    2024年05月25日
  • 第六ポンプ

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    全体的に資源を際限なく使いまくり成長し切った世界の後、様々な物質や資源が枯渇した世界を描くお話が多く占めるSF短編集になります。

    全話通して救われないような展開が多いですが、そういうのが好みの方には刺さります。(僕は大好物です)

    中でも好きだった作品は以下
    ・「砂と灰の人々」 
    ・「カロリーマン」
    ・「ポップ隊」
    ・「イエローカードマン」
    ・「やわらかく」
    ・「第六ポンプ」

    第六ポンプは表題であることもあり、群を抜いて良かった気がします。ポップ隊も引けをとらないくらい好みでした。

    その他はサイバーパンクと雨が似合うような作品多数。映像化されたら間違いなく好きな作品ばかりでした。

    「ブ

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    2024年05月21日
  • 逃亡テレメトリー

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     弊機の心の台詞を読んでいるだけで至福に浸れる今日この頃。三作目にしても翻訳の秀逸さは健在です。今回は前作よりボリュームがかなり少なく、推理パートが多い比較的地味な話でしたが、ネットワークへのアクセスが制限されるなどの縛りがある中で、工夫や屁理屈(笑)を凝らして事件を解決に導いていく展開が面白かったです。
     個人的には同時収録の前日譚二作がとても好き。特に面サー視点で語られる弊機は、こんなに頼もしく感じられるのだなぁと、ちょっとときめきすら覚えました(笑)
     シリーズ続編に大いに期待です……!

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    2024年05月10日
  • 妄想感染体 上

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    タイトルに惹かれて購入。分かり易い翻訳と短い章の積み重ねで、500ページ超のボリュームでもサクサク読み進められる。太陽系から100光年彼方の宇宙船内、搭乗員3人+AIロボットだけの閉鎖空間での恐怖は、あのSFホラー映画の傑作「エイリアン」を思い起こさせる。冒頭からスリリングな展開で、感染したカニバリズムの狂気と対峙する後半も疾走感たっぷり。そして衝撃の上巻ラスト。続きが気になるので即下巻へ。

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    2024年04月08日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    ネタバレ

    感想
    ・最初の話題で感じたのは、やはりビッグデータから平均解を出して提案するので、個性がなくなる世界みたいなことになりかねないと思った。

    5話目は日本での話だが、アイドル、ラーメン、探偵って安直で笑えた。

    最終話はユートピアのようでもあり、ディストピアのようでもある。いつの時代も自分は何をしたいのかを持ち続けることが大事だと感じた。

    あらすじ
    AI技術者である筆者と技術者からSF小説家に転身した陳氏がSF小説仕立てで、20年後の未来を語る。
    ・最初はAI動的保険とその弊害
     リスクを避けて保険料を安くするために個人がAIに従うように誘導する。
    ・深層学習に必要なのは、大量のデータ、単一の

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    2024年03月26日
  • ネットワーク・エフェクト

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    ART復活を信じて読み進みながら弊機1.0・2.0・3号で混乱というかドタバタが楽しい
    「I」を弊機とした翻訳はとても凄い
    弊機の性格に覚えがあると感じていたがHHGGマーヴィンだとやっと思い出した

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    2024年02月22日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    上巻に続きドラマ鑑賞を続けながら弊機の縦横無尽の活躍を堪能
    SFとしての設定というより弊機の立ち振舞の楽しさで読み切った

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    2024年02月18日
  • ネットワーク・エフェクト

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     好きぃ……!/// 長編になっても相変わらずマイペースな弊機の、けれど他者とのコミュニケーションを重ねるにつれて確実に「人間くさく」なっていく様子が愛しく、なんとも言えない面白みがあります。今作は設定がかなり入り組んでいて、ネットワーク関係の話も専門性が高くなっているため、理解するのが難しくはありましたが、分からないなりにストーリーは胸熱で楽しめました。
     今回はARTとの友情や、1.0と2.0の対話、3号との連携など、ロボット同士の関係性がとても良かったです。やっぱり大好きだ、このシリーズ……!

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    2024年02月18日