中原尚哉のレビュー一覧
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<弊機>が帰ってきた。<マーダー・ボット・ダイアリー>シリーズの第4弾となる。本書は2番目に邦訳された『ネットワーク・エフェクト』の直接の続編となっている。
前作の内容を忘れた読者のために、『ネットワーク・エフェクト』のあらすじが、冒頭に掲載されている。これはありがたいが、登場人物がどういう人物だったかをなかなか思い出せなかった(歳のせいか)。
異星由来の遺物より発生した汚染(感染すると意識を支配されゾンビのようになる)を被った植民惑星が舞台となっている。この植民惑星を開発しようとするBE社(悪徳企業です)は、取り引きが禁止されている異星遺物の採掘を進めようとしている。住民たちは事情 -
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ネタバレ・あらすじ
人型警備ユニットの「弊機」はART(ペリヘリオン号)とARTの船員、ブリザベーション調査隊の隊員とともに植民惑星での異性遺物汚染事件を解決した。
そして植民惑星とその入植者と奴隷契約を結ぼうと暗躍するバリッシュ・エストランザ社の活動を阻止しようとする。
・感想
今回も面白かった!
自虐な弊機節は健在。だけどなんだかいつもと様子が違う弊機。
前回のあらすじを訳者さんが巻頭にまとめてくれてたけど正直「そんな話だったっけ?」ってなってた。
読んだの2年以上前だし完全に忘れていたみたい。
久しぶりにマーダーボットの世界観に入ったからか、序盤は世界観に慣れる必要があったんだけど中盤から -
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ディストピアSF短編集。一話ごとに人体改造、食糧危機、資源枯渇、渇水、痴呆化など、さまざまな状況が設定されています。
情景が目に浮かびそうな近未来世界観と、厳しい環境下でしぶとく生き伸びようとする庶民の姿が気に入りました。
■ポケットのなかの法
四川省成都を舞台にしたサイバーパンクっぽい物語。路地裏の少年が偶然手に入れた外部記憶媒体の中身とは。
■フルーテッド・ガールズ
フルートにされた少女たちが秘密のパーティーの舞台に立たされる妖しい物語。映像で見てみたい作品。
■砂と灰の人々
食糧危機に陥った人類は、腹の中にゾウムシを飼って砂を喰らっている世界。そこに生身の犬があらわれる。
■カロ -
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宇宙人は存在するのでしょうか?
しかし、よく考えてみると、我々は宇宙〈人〉と言っている時点で自分たちの概念を勝手に当てはめているだけなのかもしれません。人ではないかもしれないのですから。
では地球外生命体はどんな生物なのでしょうか?
エイリアンみたいな感じでしょうか?
地球の概念にあてはまらないのであれば、見えないのでしょうか??
見えないということはすでに存在しているということでしょうか???((((゜д゜;))))
☆☆☆☆
本書はSFであり、ホラーでもあり、ハラハラドキドキの冒険小説でもありました。ちょっとグロテスクな部分もありますが…。
読み終えると、宇宙から帰ってきた気分にな -
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2024/04/23 読み終わった
岡田斗司夫さんが「SFはプロジェクトへイルメアリーとこの作品は読んどけ」と言っていたので。
近未来、星間航行やサイボーグ化、コネクテッドが生活に必須になっている頃。ロボット?である保険会社の警備ユニットが顧客である人間との交わりを通して成長?していく話、かな。
人間観察ものという意味で、「吾輩は猫である」にめちゃくちゃ近い気がした。人間て、非効率で意味不明で首尾一貫していなくて、変な奴らだけど、なんか目が離せない…。彼ら人間にうんざりしながらも、興味の尽きない対象として、警備ユニットはどこか愛情?羨ましさ?の眼差しを向けている。
読者はそれをさらに外から、 -
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全体的に資源を際限なく使いまくり成長し切った世界の後、様々な物質や資源が枯渇した世界を描くお話が多く占めるSF短編集になります。
全話通して救われないような展開が多いですが、そういうのが好みの方には刺さります。(僕は大好物です)
中でも好きだった作品は以下
・「砂と灰の人々」
・「カロリーマン」
・「ポップ隊」
・「イエローカードマン」
・「やわらかく」
・「第六ポンプ」
第六ポンプは表題であることもあり、群を抜いて良かった気がします。ポップ隊も引けをとらないくらい好みでした。
その他はサイバーパンクと雨が似合うような作品多数。映像化されたら間違いなく好きな作品ばかりでした。
「ブ -
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ネタバレ感想
・最初の話題で感じたのは、やはりビッグデータから平均解を出して提案するので、個性がなくなる世界みたいなことになりかねないと思った。
5話目は日本での話だが、アイドル、ラーメン、探偵って安直で笑えた。
最終話はユートピアのようでもあり、ディストピアのようでもある。いつの時代も自分は何をしたいのかを持ち続けることが大事だと感じた。
あらすじ
AI技術者である筆者と技術者からSF小説家に転身した陳氏がSF小説仕立てで、20年後の未来を語る。
・最初はAI動的保険とその弊害
リスクを避けて保険料を安くするために個人がAIに従うように誘導する。
・深層学習に必要なのは、大量のデータ、単一の