中原尚哉のレビュー一覧
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ネタバレ北極にある古代に製造された謎の巨大建築を探索するために向かう一向。しかし途中にトラブルがあって探検隊は全滅する……。目覚めた主人公は少し先の時代の蒸気船に。同じ一向に同じ展開。ループする謎とは?巨大建築の正体とは?
冒頭の古代遺跡を目指す海洋冒険SFの読み味は面白かったものの、随所にある不穏さや建築物の正体を予想しながら読んでると唐突なループ突入で唖然としてしまった。当初は帆船を舞台にした海洋冒険SFだったのが、スチームパンクめいた蒸気船、地球空洞説SFのような飛行船、そしてスペースオペラの宇宙船と移り変わっていく。この舞台設定そのものがSF近代史と言っても過言ではなく、馴染み深いものである -
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『マーダーボット・ダイアリー』ですっかりファンになった、「マーダーボット」こと暴走警備ユニットの”弊機“(本来は謙譲の一人称)の活躍するシリーズの第二弾。
前作で友だちになった(と、本人は認めていないが)ART(不愉快千万な調査船)と再会するが、船体はあるのに操縦ボット(ARTの本質)がどこにもない。
心配でたまらないのに、素直にそれを認めないこじらせボット”弊機”。
前作でミキというペットボットと仲良くなったのに、喧嘩して口をきかないでいるあいだに死なれてしまったという過去を持つわりに、学習しねーなー。笑
今回の”弊機”はメンサーの娘であるアメナの研修である惑星調査に護衛として付き添った -
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ネタバレ物語に救いを求める人間くさいAIの話
ループものだけど、ループごとに少しずつ設定が変わる。でも、物語の根幹をなす構造は同じらしいっていうのが、読み進めるうちに少しずつ分かってくるのが面白い。構造を読み取ることに自然と誘導されるのがいい。
ところどころ印象残るフレーズが後々の伏線になる
「いつも雷が鳴っている・・・・・・」
「船はささやき声がみせる夢」
主人公は宇宙船に搭載されたAI。ループは危機的状況に陥ったAIが現実逃避で作った夢だった。本来の目的を思い出したAIは自分を犠牲にして人間を救う。最後は切なくもいい終わり方。人間に近づけて作られたAIは物語に救いを求める。
結局大建築物がな -
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『ネットワーク・エフェクト』の続き。
この小説の世界って遠未来で、広範囲に宇宙に進出しているから、いろんな考えや慣習があると思うのだけれど、書いているのがマーサ・ウェルズなのでアメリカ人の考え方に縛られてるんだろうな。
そんな中で、作中に登場する次の文章が気になった。
プリザベーション出身の人間は、"さあ、みんなで話しあって、全員が満足するか妥協できるかたちでこの問題を解決しましょう"というのが交渉だと思っています。しかし企業リムでは九十六パーセントの確率でだれもそう考えていません。多種多様な人類文化にもそんな考え方はないはずです。(p.182)
弊機の考えが記載され -
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ネタバレLed ZeppelinのDazed and Confused(幻惑されて)を聴いているような感覚になる。
文章に幻惑されるというのは、変な表現だが、物語の途中まで「?」の連続である。
語り手の医師サイラス=コードはAIサイラスのコード、つまりはプログラムであり、AIが作った物語に読者もだまされる。SFファンではないので、初めて読むタイプのSF小説だった。400頁の240頁まで来て、やっとSFらしい宇宙船が登場し、308頁から徐々にAIである種明かしが分かる。
それでも、尚、人間らしい葛藤に悩まされるサイラス。
そして、ラスト。夢のようなプリマスの情景は、夢なのか現実なのか、最後まで物語に幻惑