中原尚哉のレビュー一覧
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ネタバレ登場人物が少ないのと、1章がとても短い(上巻だけで80章!)ので、スキマ時間にどんどん読み進めました。タイトルから、パンデミックものかと思いきや、上巻の前半はどちらかと言うとゾンビ映画の様相でしたが、全体的には結構楽しめます。人にもAIにも感染する敵、と言う発想はなかなか新鮮に感じました。でも、AIにしても何にしても、人に似てくると、自然と人と同じ問題を抱えてしまう事はありそうに思っていましたので、私には自然な感じに思えました。
下巻の帯にはノンストップ・ホラーSFとあるけど、ちょっと違うかなぁ…と思いますが、さて、どんな展開が待ち受けているのか… -
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ネタバレ目次
・暴走プロトコル
・出口戦略の無謀
下巻も面白かった~。
飄々とした訳文が面白すぎるのだが、原文はどんな感じなんだろう。
ダイアリーということだから日記のはずなんだけど、読者を意識した説明分及びそれに対する突込みが面白くて、思わず声出して笑ってしまうところも。
「ドラマであれば”まずいぞ!”という場面」が何度も何度も次々に出てきて、気が抜けない。
主人公の弊機はコミュニケーション障害気味の人間嫌い。
だから親しく接してくる人及びボットのことは敬遠してしまうのだ。
でも、本当は嫌いなんじゃない。
親しくなってから嫌われるより、最初から親しくならない方がいいと思っているんだ。
自分は人間じゃないから心はないといいながら、なんと人間臭いのだろう。
って言うか、それはもう、心があるのでは?
だからこそ、ミキの一件には衝撃を受けた。
え!?噓でしょ?
誰にも言わないでと頼んでいた弊機の秘密を、ミキは人間の友だち(飼い主)に話してしまった。
ミキは、それが弊機のために良いことだと信じて、最低限のことだけを話したのだけど、弊機はそれを許せなくて、ずっと口をきくことのないまま…。
それなのにまた、弊機はメンサー博士のところから逃げようとしたんだよね。
私が戦闘警備ユニットだったら、弊機のことぶん殴っていたところだよ。
「逃げんな‼」って。
実際逃げずに残ったのは、弊機も成長した、ということなのでしょうか。 -
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古代中国史が好きな人におすすめ!しません(しないのかよ)
たぶん、真っ二つに分かれると思うので、全く受け入れられない人と、どんどんやれ〜の人と
もちろんわいはどんどんやれ〜の人です
つか星の数見て察しなさいよ!
そういうとこよ!まったく
そして、どう考えても作者のジャオさんは極左思想の持ち主
実際はどうか知らんけど、それはどうでもいい
わいがこの物語を読んでそう思ったのでそれでいい
元左翼の人間としては、共産主義の究極の目標って「みんな仲良くしましょう」だと思うのね
で、この目的を達するための大前提があって、それを踏まえてあらためて言うなら「欲望は捨てて、みんな仲良くしましょう」なんだけど、どうやら人間が「欲望」を完全に捨て去るのは無理っぽいというのが、この物語でも描かれている
じゃあ、どうすんのよ!っていうのが次作の完結編で描かれるのだと思われる
それにしても、人はなぜかっちょええ巨大ロボに思想を載せるのか
でかいからか? -
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ネタバレすごい!
もうやりたい放題やないか!
ジャオさんやりたい放題やないか!
イデオロギーが強すぎるw
巨大ロボの萌える(特殊性癖)世界観でこれやるのか!
女性が抑圧どころじゃなく隷属させられた世界で女性解放を目指す則天は200年の眠りから伝説の皇帝かつ最強パイロットの秦政を目覚めさせる
上手く使おうとするけど、あーたそれは無理よ、相手は伝説の皇帝なんだから
一瞬のうちに革命を掌握されて皇帝に即位されちゃいます
でもって則天は皇后に
またこの秦政が目指すのはどうやら共産主義国家なのよ
これまで散々搾取されてきた労働者たちは革命に熱狂するんだけど、かつての支配者層も黙っていない
そして秦政はプロレタリア独裁のフェーズに…
また、この世界にはどうやら惑星の周りを回る宇宙ステーションみたいなのがあって、そこに「神」と名乗る存在がいて、地上を支配してるようなのよ
うひゃーって唸るSF設定に共産主義革命ですよ
どう着地させるんやろ?
もう上手くいかなさそうな臭いさせまくってるんだけど
やっぱり共産主義は難しいよねーで終わるのか
もしくは第三の道があるのか
楽しみや -
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ネタバレ自分が人間であることを、どうやって証明できるのだろう?
人間でありたいAIが人間らしさを獲得していく過程と、人が幼少期から他者との関わりの中で、協調性や倫理を身につけていく過程は、本当に決定的に違うのだろうか。
違いがあるとすれば、それは
有機物かそうでないか、肉体があるかないか、
その程度の差なのではないか。
作中で描かれる、体内に遺骨を抱え、歩くたびにカラカラと音を立てる描写は、その違和感を象徴しているように思えた。
医師であるサイラスは、最後まで患者の側に居続け、役割を全うする。
それは一般的に想像される「人間らしい優しさ」や「感情移入」から来る行動とは、少し違う。
感情に揺らがされることなく、ただ純粋に“医者”であろうとし続ける姿は、
本当の人間にはなれない存在の切なさを感じさせる一方で、私には「医者の中の医者」にも思えた。
余計な迷いや自己正当化を挟まず、役割そのものとして存在し続けること。
それは、“人間”である私からすると、どこか羨ましくもある。 -
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★5 ラストの感動は理屈じゃない! 海洋冒険小説と思いきや想像のナナメ上を行く衝撃SF #反転領域
■あらすじ
小型帆船の船医であるサイラスが乗船するデメテル号は、ノルウェーの沿岸部を航行していた。彼は航海に疲労しながらも、船員たちの怪我を治癒していた。さらに彼は趣味で小説を書き、娯楽のない船員たちの海上生活に好評であった。
船員たちはフィヨルドの裂け目を見つけると、目的地である大建築物を発見。しかし同時にこの情報をもたらした船、エウロパ号も残骸となって発見されてしまう。そんな中、強い波の揺れに襲われたサイラスは…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 評判を聞いてた作品、予想通りおもろかったー
SFなのに海洋冒険小説ですか? しっかりと読ませるな~と思いながらストーリーを楽しんでると、第一幕が終わるあたりで衝撃の一文が目に飛び込んでくる。 はぁああぁ?
これからどんな展開になるんだろう?と思ってると、意外や意外、舞台は微妙に変化しつつも冒険小説の体は変わらないのです。その後も丁寧な筆致で読ませてくれる冒険譚なんですが、やっぱり奇妙な変化が起こり… といった物語です。
冒険小説ではキャラクターの繋がりが重要ですよね、本作でも例外ではありません。
まず語り手であるサイラスとラモス大佐や船員モートロックとのやり取りが地味に熱いんすよね~ いきなり大手術シーンから始まり、緊張感があるんですよ。ただし船員それぞれ優先事項があるってのも興味深く、もうこれだけで面白い。
そして何と言っても気になる女性、エイダですよ。サイラスを覚醒させるようなセリフを投げかける謎のキャラ。なんとなく想像するに見た目は勝ち気な美人、どんなことでもクールに知的にこなしていくって感じ。
彼女とのからみは、序盤は何のことかさっぱりわからないんだけど、終盤になると激アツなんですよねー! まぁ最後まで意味はよくわかんないんだけど…、この情熱的な関係性を読んでると、体の中から元気が湧き出てくるんすよね。本作一番の読みどころです。
そして物語が進行するうち、ストーリーの枠組みが明確になってきます。序盤で想像していた舞台からは100倍くらい飛躍することになるんですが、実は描かれているのは同じで「人間ドラマ」なんです。
人と直接的な繋がりが希薄になったと言われている現代、これからもさらに進むことになるでしょう。しかし最後の一章があまりに胸をうつんです。感動ってのは理屈じゃないですね、私はひたすら涙が止まりませんでした。
■ぜっさん推しポイント
普段ミステリーばっかり読んでると、自分でも面白い謎解きネタを考えちゃうことがあるんです。アレをテーマに、とある設定・切り口でストーリー展開させてみると、面白いミステリーがつくれるんじゃないかと。
まさしく本作なんです、やられたー
やっぱり世界は広い、しかも3年前の2022年に出てるんですね~。速いってのは正義ですよ。そしてアイデアの奇抜さはもちろん、冒険小説の読み物としても高品質ってのがスゴかったわ。そうそうビジネスでも同じですよ、速さと品質は重要なんです。肝に銘じたい。 -
Posted by ブクログ
物語の登場人物には、中国の歴史上の人物の名前が使われている。主人公の少女・則天(ゾーティエン)もその一人で、中国史上唯一の女帝・武則天から名を取っている。
この世界では、人類を滅ぼそうとする「混沌」に対抗するため、巨大ロボットで戦い続けている。そのロボットは男女ペアで操縦する仕組みで、ペアの「気」が拮抗していないと、弱い方の「気」が吸い尽くされて死亡してしまう。犠牲になるのは、ほとんどが女性。「女は弱く、男は強い」という価値観は、コックピットの中だけでなく、社会全体に浸透している。男尊女卑が根深く、巨大生物との戦いの傍ら、彼女は理不尽な社会構造にも立ち向かっている。
ロボットが登場するSF的な世界観でありながら、登場人物たちは中国の伝統的な衣装(漢服に髻)を身にまとっている。則天は幼少期に纏足を施されており、そのため足が不自由だ。彼女はその理不尽さに対して、ずっと怒りを抱えている。
最近、ケン・リュウが編集したアンソロジーを読んだばかりで、「大きな時代の流れには、仕方のない犠牲もあるのだなぁ」としんみりしていたのだけれど、この作品を読んで、「いや、怒るべきところはちゃんと怒らなきゃいけなかった!家父長制度、こら!」という気持ちになった。物語の力は、ただ自分を宥めるだけじゃないんだなと、改めて気づかされた。面白かったなぁ。