中原尚哉のレビュー一覧
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サイラス・コードが船医を務める小型帆船デメテル号は、探検団や船員たちを乗せノルウェー沿岸地域にあると噂される古代の大建築物の捜索へと向かっていた。
そして噂されるフィヨルドの隙間にある道を見つけたことで大建築物へ向かうことに成功するが……。
というお話。
本作はほとんど情報を入れずに読み始めた。何か探検してたら何か見つかっちゃうんでしょ、くらいの雑なイメージで読み始めたが、それが逆に良かった。
少しずつ少しずつ情報が開示される度に「あー、こういう話ね」「そういう要素も入れてんだ」と、なんとなくこんな話なんだろうなって予想して読んでいたのだが、まあそんな予想は当たるはずもなくて、予想の遥か斜め上の展開を迎えていった。
またクライマックスからラストの終わり方までとても良かった。タイトル通りいろいろと反転するんだよな。
基本的に自分はネタバレで物語の面白さは損なわれないって思ってるけれど、本作はなんにも知らずに読んだほうが絶対楽しめるタイプの作品。
そしてこれ多分2度目も面白いんじゃないかと思う。この段階でこれがとか、このキャラクターのこの台詞が、みたいなミステリー的な面白さもあるので。 -
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上下巻を読み終えて。面白かったんだけど、どうもDEI的要素が鼻につく。主要人物のほとんどが女性で、同性カップルや重婚が「ごく当たり前」の世界として描かれている。この世界での強者である「警備コンサルタント」もなぜか女性ばかりで、登場人物の誰かがそれに疑問を呈す場面も一切なし。「女性が強いのは一般的」という価値観を押し付けられているような気がしてならない。
また、上下巻を通して数々の女性が登場する中で、明確に「美人」と描写されているのは一人だけだったと思うが、その人はわざわざ「肌(の色)がとても濃い」と強調されている。黒人は美しいって言いたいのか?なんだかなぁ・・・
作者のマーサ・ウェルズ氏を調べてみたら、いかにもそんな感じのクセツヨなオバサマですな。ただ、ストーリーや設定(DEI的な部分を除けば)は面白かったので、そのうちもう一作くらいは読むかも。 -
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・(相変わらず)面白かった〜。
・世界観や、戦闘シーンでの戦略ややり取り?(フィード等)の方法やその内容等、魅力は沢山あるのだけど、やっぱり主人公のキャラクターに魅かれているのがデカいな〜。道具扱いのボットから、徐々に人間性を獲得していっている所も微笑ましい(それを本人が認めない所も、可愛い)
・特に今回はある事情から自ら映像作品を企画していく件が、今まで配信ドラマを観ていただけの立場(ちょっとした憧れ込みで)から、今度は自ら発想して作る側に回る、っていう。状況は危機的なんだけど、ちょっと楽しそうな感じが、何かホロっときてしまった。
・ドラマも小説とはちょっと違う感じだけど、悪くなかった。 -
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SFというよりはファンタジー・コミックよりになってきて不安感増し増しのシリーズ。今回は中編短編混載。時系列的にも前後するレイアウトでちょっと混乱したけれど、”死んだ人間が倒れています”の冒頭から嫌々ながら犯人探しに巻き込まれていくミステリータッチの展開に。訳文も冴えまくりでやっぱり面白いシリーズ。キャプテン・フューチャーばりにもはや原文を超えて面白くなっているのでは?と錯覚してしまうほどです。
今回も気になったのだけれど、生体クローンとマシンのハイブリットであるユニットの性別は該当なしということになっているけれど、もとの生体の遺伝子セットは決まっているから正しくは該当なしということはないのでは?とも思ってしまったり。複雑なホルモンの影響なしには性差は発生しないのだろうか?と思ったりと、この辺りの課題を深堀するような展開にならないかなと思ったりするけれども、エンタメに徹するシリーズのようです。ドラマ化もされたみたいなので配役も気になりますが、この訳者によるユーモアSFシリーズとして楽しみたいと思います。と思ってたら、日本翻訳大賞も受賞してたのですね。さもありなん。今頃ですけどおめでとうございます。 -
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人間やAIに抗えない妄想を植え付け狂気に至らしめる精神感染体、<バジリスク>の恐怖を描いたSFホラー、下巻。
惑星<パラダイス-1>の軌道上にある数多の宇宙船全てが、精神感染体<バジリスク>に汚染され、船内では様々な"狂気"が振り撒かれていた。汚染された宇宙船による苛烈な攻撃を受ける中、それら宇宙船の中で最大規模を誇る植民船<パシパエ号>によって、サシャとジャンが乗ったポッドが捕らえられる。そこでサシャは"母親"と再会する―――。
上巻で魅せた緊張感と勢いそのままで引き続き描かれる、<バジリスク>の精神汚染による狂気と地獄絵図。妄想に憑りつかれ自分自身を切り刻む光景や、狂気によって変貌するAIのホログラムなど、相変わらずホラー描写が秀逸で、思わず顔が歪んでしまうほど。また、宇宙船同士の攻防や、3Dプリンターで自身を次々と複製して戦闘を繰り広げるラプスカリオンなど、戦闘シーンでもしっかりと見どころがあり、失速することなく上下巻、最初から最後まで存分に楽しむことが出来た。
難点を言えば・・・「この作品、三部作の第一部だったのかー!!」。や、知らずに読んでた自分が悪いのだが・・・。ということで、<パラダイス-1>で何が起こっているのか、真相は次(次)作までお預け。うわーめっちゃモヤモヤするぞー!(ちなみに第二部"Revenant-X"は、アメリカでは2024年11月に発売されている模様。ハヤカワさん、翻訳を早めにお頼み申す!) -
Posted by ブクログ
ゲーム×SFという、好きな物同士の掛け合わせで面白くないわけがなかった。
アンディ・ウィアー目当てで買ったものの、他の作家さんの短編も面白いものがたくさんあって大満足。
「1アップ」「リコイル!」「アンダのゲーム」「キャラクター選択」が特に良かった。
MMOを長く遊んでいるし、FPSやテキストアドベンチャーもある程度通ってきているから想像がつきやすく楽しめた。この本を手に取っている時点でゲームが好きな人が多いとは思うけれど、ゲームに馴染みが無さすぎるとあんまり楽しめないような気はする。
ゲームだしSFだしで、絶対に現実ではないんだけど、でもそこで繰り広げられる人間同士の会話や感情はフィクションではないような感覚があって、温度のない冷たい物語はひとつも無かった。
ゲームは結局のところあくまでも開発者の意図した範囲での自由しか得られないけれど、SFと掛け合わせることでその檻を踏み越えて現実がゆらぐような物語がいくつかあって楽しい。
私のままならないこの日常にも具現の杖が落ちてきたりしないかな。