中原尚哉のレビュー一覧

  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    高尚ではなさそうだが何故か役立つドラマ鑑賞に没入したがる弊機を始めとするボット・ARTの性格・行動が楽しい
    最近本を読み切るの時間が掛かっていたが、これはスイスイと読み進んだ
    ミリタリ系SFと思わせるカバーにちょっと...と思っていたが『バーナード嬢7』絶賛を信じて大正解

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    2024年02月17日
  • アポロ18号の殺人 下

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    実際の宇宙飛行士が書いているので、登場人物の行動や扱う物、発言、周りの機材などリアルで細く書かれているのが面白かった。

    ストーリーが普通な気がするが、そのリアルゆえに再度読むならより深く知識をつけて読んでみたい。

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    2024年02月04日
  • 第六ポンプ

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    ディストピア物のSF短篇集(SF9篇+SFではない『やわらかく』の1篇を収録)。

    人口、民族対立、エネルギー、化学物質、水、食料や食品添加物など、貧富の差や環境問題を下敷きにした退廃的未来を描いています。しかし、最後は希望が持てる終わり方が多いので、想像していたよりかは読後感は悪くないです。
    とはいえ、代償は有りますが、民俗文化の対立をテーマとした『パショ』を除いて、未来世界を好転させるヒーローが不在なため、どの世界もその先の未来は、暗澹たる終局を迎えることは想像出来ますが。以下、個別に。

    『ポケットのなかの法』
    場所は未来の四川省成都。“活建築”という生物的に増殖する市街地の路地裏で、ス

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    2024年02月04日
  • 最後の宇宙飛行士

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    最高!

    ラーマとエイリアンのベストミックス。

    冒頭の柔らかい壁とか布製エアロックとかに惹き込まれ、深夜までの一気読み。

    途中の中だるみさえ我慢すれば、タイトルに記される主役と謎解き係の女性博士が後半大活躍。男性陣がほぼ全滅の中、エンディングのどんでん返しが素晴らしく(博士の冷静な判断は女性ならでは?)、きれいな着地点に誘導してくれる。この30ページは圧巻だし、最後の一行は感動モノだ。

    実はエンディングは予想の範疇で、やはりそうきたか!なんだけど、そこに至るストーリーがハラハラドキドキで、最後の数行のようやくきたか!感がとても良かった。きれいな伏線回収だな。

    女性のドラマではないし、そ

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    2024年01月28日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    昨秋文藝春秋さんから頂いた本。
    分厚いのでつい後回しになって、ようやく読み終わった。
    AIによる明るい未来、がコンセプトかな。

    未来1 恋占い
    未来2 仮面の神
    未来3 金雀と銀雀
    未来4 コンタクトレス・ラブ
    未来5 アイドル召喚!
    未来6 ゴーストドライバー
    未来7 人類殺戮計画
    未来8 大転職時代
    未来9 幸福島
    未来10 豊饒の夢

    と、SFストーリー仕立てで、
    AIが普及した2041年の社会の姿を描いている。

    保険プログラム
    ディープフェイク
    AI教育
    パンデミック
    娯楽
    Ai自動運転
    科学者 武器
    職業
    幸福度
    豊穣

    がテーマ。
    AIによって仕事がなくなる!は今もよく言われる

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    2024年01月09日
  • 黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選

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    スペースオペラな短編集

    時空の一時的困惑 
    禅と宇宙船修理技術 
    甲板員、ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典
    晴眼の時計職人
    無限の愛
    見知らぬ神々
    悠久の世界の七不思議
    俺たちは宇宙地質学者、なのに
    黄金の人工太陽
    明日、太陽を見て
    子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!
    竜が太陽から飛び出す時
    ダイヤモンドとワールドブレイカー
    カメレオンのグローブ
    ポケットのなかの宇宙儀
    目覚めるウロボロス
    迷宮航路
    霜の巨人

    大分じっくり読んだけど、忘れた頃にもう一度読みたい。

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    2023年12月09日
  • 第六ポンプ

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    文明が衰退・滅亡した後のオルタナティブな文明を描いたお話がつまった短編集。
    荒廃した世界の過酷な境遇の中で主人公たちがそれぞれの矜恃、それぞれの希望を見出していくところに「SF的美しさ」が存在している。
    挿入される造語に初めは戸惑うが、読み進めるにつれて造語に馴染みそれと共にその世界にも馴染んでいく感覚があった。
    身体を所有され(改造され)支配される少女といったフェミニズム的テーマの「フルーテッド・ガールズ」、異なる種族(ポストヒューマンと犬)の間の残酷な友情が扱われる「砂と灰の人々」を筆頭に「パショ」「カロリーマン」「ポップ隊」「イエローカードマン」など脳の痺れるような傑作ばかりだった。

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    2023年11月24日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    あらゆる欲が過剰供給になり満たされる作者の言う「豊饒時代」が到来したら本当に人類はどうなるのだろう?ソ連みたいに全く働かずダラダラ過ごす人はたくさん出てくるのかなー。マズローの欲求五段階仮説にて最上位の高尚な欲を目指す未来を作者は予想して、作者の言う豊饒時代を描いた一編のあるSF映画スタートレックの乗組員みたいな未知なる「好奇心」を求める人類が居るのか?攻殻機動隊の電脳は嫌だなーと思っていたが、寿命を延ばしてこの目で人類の未来を見たい「欲」がこの本を見て私に出た。これからもSF作家に未来を見させて欲しい。

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    2023年09月18日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    10のストーリーからなる小説と解説。それぞれ異なる技術的応用を取り上げている。

    ゴーストドライバーなんかは想像していなかったし、完全自動運転は割と2041年での実現可能性が低いというのは意外だった。

    いずれにせよ、難しい未来をSF手法で読みやすく理解させてくれる。

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    2023年09月08日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    ジュール・ベルヌの生み出した物語を追いかけるように科学技術は「月世界旅行」「海底二万里」「悪魔の発明」を現実のものとしていきます。カレル・チャペックの戯曲「ロボット」を原点とする手塚治虫の「鉄腕アトム」は日本のロボット開発における方向性に大きく影響を与えました。アーサー・C・クラークのヴィションとスタンリー・キューブリックのビジュアルが生み出した「2001年宇宙の旅」のコンピューターHALはAIというものの最初の具現だったように思います。文学などの芸術は科学技術のベクトルを引っ張り、最新のテクノロジーは芸術のカタパルトになっているようです。文学と科学の相互関係は、まるで人間の右脳と左脳の関係み

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    2023年09月02日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    WEB+DB PRESS Vol.134でオススメされており、気になったので読んでみた。AI周りの技術や応用等の情報収集になるかな〜という程度の心持ちだったのだが、純粋に小説部分が面白かった。テクノロジー解説の部分ももちろん参考になる。

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    2023年08月13日
  • 逃亡テレメトリー

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    やれやれと言いながら、「義務」だからと人助けする弊機の日常?短編。マーダボットダイアリーに比べると大人しい話だけど違う視点描かれてよかった。

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    2023年07月21日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    専門家とSF作家の描く未来。
    この空想と現実というか専門家が描く未来予想図という構成が、いい塩梅の現実感を与える。

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    2023年07月20日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    作品紹介・あらすじ

    北京五輪の開会式を彼女と見たあの日から、世界はあまりにも変わってしまった――『三体X』の著者・宝樹が、中国の歴史とある男女の運命を重ね合わせた表題作、『三体』の劉慈欣が描く環境SFの佳品「月の光」、春節シーズンに突如消えた列車の謎を追う「折りたたみ北京」著者の郝景芳による「正月列車」など、14作家による中国SF16篇を収録。ケン・リュウ編による綺羅星のごときアンソロジー第2弾。解説/立原透耶 本書は新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『月の光 現代中国SFアンソロジー』を改題・文庫化したものです。
    〈収録作品〉
    序文
    ケン・リュウ
    夏笳(シアジア)「おやすみなさい、メランコリー」

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    2023年07月05日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    AIが進化した近未来の社会像を10の短編SFで描いて見せる。漫画仕立ての啓発書みたいな本。著者らは、暗い予測が多い中、あえて明るい未来を意図的に描いて見せたとのことだが、確かに楽観的な感じはする。もちろんNECの98シリーズとかをいじっていた30年前と今とでは隔世の感があるが、今から約20~30年後にこの本が描くような社会になっているとはとても思えない。特に、最終章における、電力や資源についての見通しは甘すぎるのではないか。もちろん筆者らは、彼らが描く社会が実現するには経済システム自体の変革が必要であると説いているが、その道筋は(SF的な物語としても)何ら描けていない。幸福についても、欲求の充

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    2023年06月19日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    2041年に人工知能がどう使われているか、社会がどう変わっているかを10のシナリオで示した本。
    かなりのボリュームで読み切るのに時間がかかったが、未来予想とは言え参考になった。技術的には実現しそうな感じはするが、果たして人間側がついていけるかどうか非常に不安である。今でさえデジタル漬けで体調不良者が増えているのに、更に付き合う時間が増えておかしくなってしまわないのか?仕事を全部AIに取られてしまうのではないか?不安ばかりが増えてしまっているが、まぁ悩んでも仕方ないので、今をしっかりとこなしていこうと思う。

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    2023年06月18日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    AIは人間が一生かけて読む文章の数百年分はある量を読んでいる。イラスト生成AIならpixivや他の場所にあるイラストすべてを見て学習している。人間が読み込める以上の圧倒的な量のインプットがある。そして、その圧倒的な量のインプットの中から特徴を抜き出すのがAIの最も得意としているところ。この大量のインプットの時点で人間は機械に叶わない。AIが得意とする分野がどこかなのかを知ることができた。

    小説の出来栄えは序盤は物足りないが後半になると面白くなっていく。とくにアイドル召喚はギミックとストーリーの組み合わせがいい。人類殺戮計画はサスペンスとして面白い。

    技術とその発展の紹介として良く出来ている

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    2023年06月12日
  • 鋼鉄紅女

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    女性主人公の復讐譚でSFに恋愛に人型に変形するロボットにと要素はてんこ盛りで海外のラノベみたいだなと読んでて思った。
    主人公の言動はかなり過激なので拒否反応がでる人も多そう、中盤は主人公の思い込みとか何でもかんでも噛み付く姿勢が結構続くので少し辛かった。
    あまり読み慣れてないのでなんじゃこれはとなること必須な、やおい的な展開もあり。
    物語の展開はスピーディーなので退屈しないし結構面白かったけど、軸になってる異星の機械生物・渾沌との戦闘が単調なこと、人類側が負けているはずがスムーズに勝ち進みラスボスでもそんなに苦戦しないのはちょっと期待はずれ。マブラヴオルタネイティヴまでは行かなくても決死の覚悟

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    2023年06月05日
  • 逃亡テレメトリー

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    弊機によるアクセス制限下での捜査のお話。そりゃそうよそろそろなにか能力に制約を付けないと無敵すぎるんだもの。

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    2023年05月26日
  • AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

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    未来予想というのは難しい物だと思う。20年後の世界はどうなっているだろうか。今から20年前がどうだったかを思い起こすとどうだろう。インターネットはそれなりに普及していたけど、スマホはまだ存在しない。携帯全盛期。人によるとは思うけど、リアル店舗での買い物の比率は今よりずっと高かった。プリウスが発売されたのがこの頃でハイブリッド車が環境対応車の先端だった。人工知能はマイナーな冗談でしかなかった。
    では生活の仕方はどれくらい変わった?確かにスマホは生活を変えた。携帯の小さな画面で動画を観ることが生活の一部になるなんて思っていた人はいなかったのではないか。電気自動車も増えた。人工知能が日々のニュースを

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    2023年05月16日