野中香方子のレビュー一覧
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ネタバレよく聞くバイアスという単語
知ってはいるが種類までは聞いたことがなかったので、そういった分類があるのだと新しい知識を得ることができた。
全体を通して難しく読みにくい印象があったが、結局バイアスを個人が克服することはほぼ不可能であり、組織単位でのプロセス構築、環境整備などをしていくことで誤った決断をしないように防いでいくことが重要であるということがわかった。
自分はメンバーレベルなので、組織を意識するポジションの人には分かるエピソードなのかもしれないと思いながら読んだ。そのうち私にできることは、「意見の発信をすることで他者へ多角的な視野、意見を提供すること」「他者の発言に耳を傾け、発言しやす -
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上巻からの続きです。上巻の際には過去に実際にあった実験の結果などを詳細に検証して、例えば捏造や恣意的なものを被験者に前もって伝えるなどで本来の実験があるべき条件で実施されていないために結論は無効である、つまりその試験は結論を導く以前に成立すらしていないと書いていた章がかなりありました。それらが世の中を席巻しているため性悪説が基本となっていると。
下巻ではどのように人は考えて行動すればよりよい世界になっていくのかということが、捏造なき試験や史実とともに考察されていきます。より良い世界とは私が下巻を通じてふわっと感じた感覚であって、実際に具体的に「良い世界」の定義は個人間で違うでしょうが。
16章 -
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ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。
そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。
興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。
多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです) -
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表紙カバー裏にある「現代の社会が性悪説で設計されていることに疑念をもち、世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、証拠を集め」た結果、巷に流布された性悪説に次々と否を唱えています。
で、各章で実際に人に信じられている「性悪説として事実とされている事象」がホントにそうなのか?を腕利きの刑事もしくは探偵さながら情報を集めまくって否を導き出してるのです。学者っていう人種の真実を知りたいという熱量(しつこさ)が感じられてそこがかなり面白い。深堀感半端ない。本質じゃないけど、よくそこまで探せたなという感嘆と、え?それ完全なる捏造という研究者がイッチャンやってはいけないことでは?が多くて私たち市民を簡単に騙して -
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人間は元来は平和を好む友好的な生き物であり、通常、対立構造に置かれそうになっても、平和的手段で解決をしようと試みる。
ただ、そうした友好的な性質が故に、集団に対して抵抗するということがやや苦手であり、時として多元的無知と呼ばれる、誤った方向への暴走が見られる。
こうした暴走は、私有財産に端を発した階級社会の登場により、社会構造が歪められたことで発生しやすくなったと筆者は主張する。
これに対する対策として、共有地の設定があるが、長らくこの共有地は、共有地の悲劇と呼ばれ、全くうまくいかないという意見が当たり前であったが、その意見すらも、人は生来的に悪であるという思想からくるものであり、現実社 -
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ネタバレ脳に最高のパフォーマンスを発揮させる方法が、医学的エビデンスとともに紹介された本。
脳に良い食べ物、飲み物、効果的なサプリメント、運動や睡眠の必要性と効果、効果的な脳トレなどが紹介されている。
いくつになっても新しいニューロンを育てることはできる、ということには勇気づけられるが、"ベター・ブレイン・ダイエット"として著者が挙げている食事へのこだわりや摂取すべきサプリメントについては、一般的な生活をしている者からすると、それを続けるのは非現実的で(少なくとも、私自身には)参考にならないと思った。
例えば、コーヒーがいくら脳に悪くても、それを水や健康的な飲料に置き換えてまで -
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監視資本主義は人間の経験を、行動データに変換するための無料の原材料として一方的に要求する。これらのデータの一部は、製品やサービスを向上させるために使われるが、残りは占有的な行動余剰と宣言され、「人工知能」と呼ばれる先進的な製造プロセスに送られ、わたしたちの行動を予測する製品へ加工される。最終的にこれらの予測製品は、新種の行動予測市場で取引される。その市場をわたしは行動先物市場と名づけた。監視資本主義者はこうした取引から莫大な富を得た。なぜなら、わたしたちの未来の行動に賭け金を投じようとする企業は無数にあるからだ。
これからの章で見ていくとおり、監視資本主義者は、市場競争に後押しされて、より -
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「人の本質は善である」との観点から、これからの社会について、希望を与えてくれる本です。
確かに、ある集団に対して偏見や嫌悪感を抱いていたとしても、実際に接したことがある人に対しては親愛の情を抱くのが人間の本質であることは、経験則上、理解できるところです。
個人的には、主として北欧の国で実施されている刑務所の改善と、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領誕生に際しての双子の物語に感銘を受けました。
犯罪をする人は、社会に対する疎外感等でやり場のない怒りを抱えているケースが多いと思います。そのような人には、刑務所内での交流による人から尊重された経験が、更生に繋がる大いなる可能性を感じました。
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ネタバレ大事な脳について大切にしていこうと思い借りた本。
メモ
・人は年老いても新たなニューロンを生み出すことができる。
・血の巡りが重要。
・何歳になっても脳は変えられる。
・10分で脳を変える十の方法
早歩きする 少しでも運動すると血流が増え、創造性高まり、実行機能向上する
ダークチョコレートを食べる ミネラル、フラボノイドが脳血流と酸素供給を促進
背筋を伸ばして座る。胸を張り首と背筋を伸ばすと脳への血流が一気に増える
聞き手でない方の手で描く。刺激を与えニューロン新生を促す
ブルーベリをを食べる ニューロン新生を促進
語彙を増やす 認知機能や知性高まる。ニューロン新生につながる
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金銭的インセンティブはモチベーションを下げる、マネジメントしないマネージャーなど、内なるモチベーションの力の章は興味深かった。たしかに、一文も得にならないこと、疲れるだけのことを、自ら望んで継続的にやってますからね。
ナチスの軍人は洗脳されていたわけではなく、戦闘に駆り立てていたのは友情だった。憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策は、アイデンティティを持ち、交流すること。ロシア軍の前線がウクライナの人々が隣人である事を再認識して、自らの過ち、それを指導する体制の過ちに気づき、遠く離れたクレムリンまで逆流する事で、悲劇に終止符が打たれるという歴史が作られれば、この本の主張の正しさが証明される事になると -
Posted by ブクログ
China 2049というタイトルのとおり、2049年に向けての百年マラソンを含めた、中国共産党や中国人(のタカ派)の真意、行動のとり方の話がメインの本である。
ただ、それらの話は参考にはなるものの、大部分の日本人としては目新しい話ではないと思う。
それよりも、中国に対する米国の関わり方の歴史や、それに対する中国の反応の仕方の変化(本質的には何も変化はなく、表面的な態度の変化があっただけかもしれないが)、相互の(というよりはほぼ米国側のかもしれないが)ミスコミュニケーション、こういった話の方が興味深かった。
日本より格段にレベルが高い米国のインテリジェンス能力も、中国に対してはあまり機能 -
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