野中香方子のレビュー一覧
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ネタバレボリュームもあり、すらすらと読める本ではありませんでしたが、組織が決断するにあたり、可能な限り、失敗しない決断をするためにはどうすべきか、の参考になりました。
会議の中で、反対意見も忌憚なく言える状況を作り、多様的な意見に対し聞く耳を持つこと、特別でもなく、何ら奇をてらった方法でもありませんが、実際に会議の中で、大勢と異なる意見を述べることが簡単ではないことは、皆、体験していることだと思います。
会議の在り方も、結局は組織のリーダー(会議の主催者)の考え方や力量次第のところがあるとの印象を受けました。
組織のリーダーは、本書を読むと、意思決定のあり方について参考にある部分がたくさんあると思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に興味深い内容で面白い一冊だった。
(上下巻まとめて上巻でレビュー)
冒頭で著者が、本書の内容を映画に例えて「アベンジャーズとジュラシックワールドを併せたような」と語っていたが、要は、ヒトゲノムを編集するクリスパーそのものというより、その研究者のヒトトナリ、その活動、いかにその科学的発見を医療に活かすか、あるいは官民一体となった団体の組成といった周辺の丁々発止に多く紙面が割かれている。
著者が、スティーブ・ジョブズなど著名人の評伝作家であり、その力量がいかんなく発揮された、さすがのベストセラーという趣き。飽きずに読み進むことが出来た。
とはいえ、遺伝子操作も、もうここまで来たか、というのがなによりの感想だ。ホモ・サピエンスはついに神の領域に踏み込もうとしている。いや、もう踏み込んでいる。
倫理の問題はもちろん、今後、政治的に利用される危険性も大いに孕む。様々な警鐘も鳴らしながらではあるが、本書のトーンは、既にゲノム編集は人類が獲得した進化の成果であるという論調だ。当然予想される、巻き上がる倫理観や神への冒涜といった反論に、著者はこう言ってのける。
「自然と自然の神はその無限の叡智によって、自らのゲノムを修正できる種を進化させた。その種が、たまたまわたしたち人類なのだ」。
2020年に世界を巻き込んだコロナ禍が起こったのも、偶然ではなかったのかもしれないと思わされる。ゲノム編集の動きにドライブをかけることになるウイルスとの戦いですら、神の無限の叡智のなせる業か。
ゲノム編集がヒトに施されている将来は、「あるもの」と覚悟をしておいたほうが良さそうだ。
甥っ子たち世代が、小学校の授業でコンピュータのプログラミングを学習していると聞いて驚いたのも、もう今は昔。数年後、数十年後には、遺伝子コードを彼らは学ぶことになるのだろう。そして、遺伝子情報をいかに編集すれば、より進化した人類が生み出せるのかをプログラミングしていくのだろう。
見たいような見たくないような未来が、もうすぐそこまで来ていると震撼させてくれた。 -
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表紙では、ベーシックインカムの導入、一日3時間労働の主張が強調されているが、多数の統計・実証的研究に基づいている地に足の着いた本。貧困が人の長期的な視野・冷静な判断力を奪うという分析は衝撃的だった。
著者の支持するハイエクの新自由主義がどこまで正しいかはわからないが、福祉をやめベーシックインカムを平等に分配することが、むしろ自立につながる、という主張はよく理解できる。ベーシックインカム導入はともあれ、平等な負担で貧困を解消しないと、既得権益(?)を受けている高齢者の福祉制度を維持することも困難となり、共倒れになる。そこでま現状が来ていることを再認識させてくれる一冊。 -
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上巻からの続きです。上巻の際には過去に実際にあった実験の結果などを詳細に検証して、例えば捏造や恣意的なものを被験者に前もって伝えるなどで本来の実験があるべき条件で実施されていないために結論は無効である、つまりその試験は結論を導く以前に成立すらしていないと書いていた章がかなりありました。それらが世の中を席巻しているため性悪説が基本となっていると。
下巻ではどのように人は考えて行動すればよりよい世界になっていくのかということが、捏造なき試験や史実とともに考察されていきます。より良い世界とは私が下巻を通じてふわっと感じた感覚であって、実際に具体的に「良い世界」の定義は個人間で違うでしょうが。
16章テロリストとお茶を飲む は特に興味深い章でした。人は右の頬を打たれたら左の頬を差し出す事ができれば最終的には吉となる。それを個人間だけでなく地域や国の規模として出来ればもっと世の中は良い方向に進むのでしょう。
感想を書くのはとても難しいのですが、大半の人は親しい人には優しく、自分から遠くなるほど敵意を持ったり、または逆に無関心になるという事。外国人恐怖症や異民族浄化などはそのせいでしょう。そのような事をなくすためには対話、コミュニケーションがとても大事だということ。書いてしまえば、そんなの当たり前過ぎでて誰でも知ってるわと言われそうですが、大半の人は私も含めてそれがをするのが難しく、出来ていなのではないでしょうか。善い行いも悪い行いも水面の波紋のように連鎖していくものなので自分がよい行いをすることを積極的に人の前でやるという事も大事なようなのでポツポツと実行していこうかなと思います。
本書の中では今の経済や社会の仕組みなどにも多く言及していますが、そこを読むと今の世に絶望を感じてしまいました、残念ながら。 -
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ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。
そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。
興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。
多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)。けれど、この本を読んで好きなものはいくつあってもいいのかなと思いました。
好きなものはいくつあってもいい。
いつかそれらは複雑に絡み合って、あなたを見たことも想像したことさえもないところへ連れて行ってくれる。
研究についての内容もとても興味深かったですが、時々差し込まれるプライベートな出来事(恋人がヨーロッパに居るからヨーロッパの研究所のポストを探すとか、友達の研究者とうっかり三角関係?になるとか)も面白かった。立派な博士と自分たちの間に地続きの人間味を感じるエピソードでした。
この分野はこれからも物凄いスピードで発展していく分野だと思うので、今後の発見にも期待です。 -
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表紙カバー裏にある「現代の社会が性悪説で設計されていることに疑念をもち、世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、証拠を集め」た結果、巷に流布された性悪説に次々と否を唱えています。
で、各章で実際に人に信じられている「性悪説として事実とされている事象」がホントにそうなのか?を腕利きの刑事もしくは探偵さながら情報を集めまくって否を導き出してるのです。学者っていう人種の真実を知りたいという熱量(しつこさ)が感じられてそこがかなり面白い。深堀感半端ない。本質じゃないけど、よくそこまで探せたなという感嘆と、え?それ完全なる捏造という研究者がイッチャンやってはいけないことでは?が多くて私たち市民を簡単に騙してひどい話ばかりだった。(それを筆者は実はそうじゃないんだよと書いてます)。私たち真実を知らず、ショーもなーい研究者とかジャーナリストとかメディアに騙されてた?ショック。
個人的には性悪説を唱えることが独裁者や統治者にとって都合のいいように市民を扇動するためであるということ、本来は性善なはずの人間に性悪が芽生えたのは狩猟から農耕へ文化がかわったこと、悪の存在に立ち向かうには、コミュニケーション、対決、共感、抵抗これらの戦略を繰り返し繰り返し行うことで回避しうると書かれていた所は印象に残りました。
世界は悪いことばかりが起きている訳ではないのだとFACTFULNESSと全く同じことを書いてる所もあって同じ著者か?と確認してしまいました(勿論違った)。
全体的に過去に起こった史実や事件を深堀しつつ、人は本来は大半の人達が性善であるという事実を繰り返し私たちに突きつけてくる本です。どの章もかなり面白くって誰でも読み進められると思います。下巻も楽しみ。 -
Posted by ブクログ
人間は元来は平和を好む友好的な生き物であり、通常、対立構造に置かれそうになっても、平和的手段で解決をしようと試みる。
ただ、そうした友好的な性質が故に、集団に対して抵抗するということがやや苦手であり、時として多元的無知と呼ばれる、誤った方向への暴走が見られる。
こうした暴走は、私有財産に端を発した階級社会の登場により、社会構造が歪められたことで発生しやすくなったと筆者は主張する。
これに対する対策として、共有地の設定があるが、長らくこの共有地は、共有地の悲劇と呼ばれ、全くうまくいかないという意見が当たり前であったが、その意見すらも、人は生来的に悪であるという思想からくるものであり、現実社会での共有地は、暴走者が現れれば排除されるように、エコシステムがうまく働き、機能している。
人は、他人から期待されたような人になると言われ、10歳、厳しく囚人を罰するアメリカの再犯率が高く、一方で尊厳を持って接せられるノルウェーでは低くなるという顕著な結果に表れている。
性悪説に立つことは、ネガティブな側面をあらかじめ予測する現実主義として、これまで褒め称えられてきたが、筆者はこれを冷笑主義として、好ましくないものとしている。
そうではなく、人は本来善であり、そうした行動を他人に期待することで、全ての人がより幸せな状態になる、これが一番のメッセージと受け取った。
悪い出来事ばかりを報道するニュースによって、我々のこうした見方は歪んでいるため、ニュースから適切な距離を置き、真の現実を見る現実主義者になりたいと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ脳に最高のパフォーマンスを発揮させる方法が、医学的エビデンスとともに紹介された本。
脳に良い食べ物、飲み物、効果的なサプリメント、運動や睡眠の必要性と効果、効果的な脳トレなどが紹介されている。
いくつになっても新しいニューロンを育てることはできる、ということには勇気づけられるが、"ベター・ブレイン・ダイエット"として著者が挙げている食事へのこだわりや摂取すべきサプリメントについては、一般的な生活をしている者からすると、それを続けるのは非現実的で(少なくとも、私自身には)参考にならないと思った。
例えば、コーヒーがいくら脳に悪くても、それを水や健康的な飲料に置き換えてまで、脳を健康に保ちたいとは個人的には思えず、日々のささやかな楽しみを自分に与えてストレスを少しでも和らげて暮らす方がトータルで見ると、良いのではないかと思う。
一方で、"10分で脳を変える10の方法"として挙げられている次の事項などは継続もしくは取り入れたいと思った。
・早歩きする
・ダークチョコレートを食べる
・背筋を伸ばして座る
・ブルーベリーを食べる
・語彙を増やす
・毎朝、今日をより良く生きる方法を思い描く
・10分間の空白時間(テレビやブザー音から解放される)を持つ
・香りでストレスを解消する
・感謝していることを一つ書く