【感想・ネタバレ】隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働のレビュー

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Posted by ブクログ

労働時間の短縮、BIのメリット(コスト含)の他に、国境を撤廃することを提案しているのが新鮮だった。
世の中のリベラルの思考に少しずつ近づいていく気を抱く。
「思い出そう。奴隷制度の廃止、女性参政権、同性婚、いずれも、当時主張する人々は凶人と見られていたことを。だがそれは、彼らが正しかったことを歴史が証明するまでの話だった。」

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2024年02月14日

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私の今までの取組み。だめと反省する前に、まずは、やってみようという、姿勢が大事。背中を押してくれた。ベーシックインカムで、お金をただ渡すのは、ドブに捨てるようなもの、と思う自分に対して、事実は違う、こうだと教えてくれた。

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2023年08月16日

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日本へ導入するには市民レベルでまず何をすればいいのだろう。人は人のことを分かっているつもりで実は何も分かっていないことがよく分かった。

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2023年08月10日

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読めば、価値観が変わる本。
いくつかの偏見が補正された。

先ずは生活保護について。アメリカのユタ州、オランダで行われたハウジングファースト戦略。先ずは住まいを提供しようという事だが、ホームレス支援の資金投資に対して2、3倍の利益を導くことがわかった。更にアメリカでのベーシックインカムの社会実験では、学業成績の向上や健康状態の改善に寄与。フリーマネーを与えると、特にそれが必要な人々は、酒やギャンブルに無駄遣いしそうだが、多くは自立するための資金にする事も分かった。工夫の余地はあるが、生活保護制度は必要だ。

もっと大きな規模では、世界初の社会保障制度の一つである19世紀のスピーナムランド制度について。この制度はベーシックインカムに似ていた。結果は怠けの助長による労働市場の競争力低下を齎し、大衆はますます貧しくなったという。しかし、これは王立委員会の捏造報告書だった。結果として1834年にスピーナムランド制度は廃止され、貧困者の自己責任論が高まる。貧困者は救貧院に入れるしかないと考えられ、そこに押し込められ無機質な労働を課された。粉砕して肥料にするための骨をかじる、女性は妊娠しないように餓えさせられ、夫婦は別々に。子供も親から引き離された。1日に3杯の粥、玉ねぎを週に2回、薄切りパンを週に1枚。貧しい人々は失業を恐れ、雇用主は更に賃金を低く抑えることもできた。資本家に仕組まれた捏造報告書により、富の再分配を拒む強者の主張が勝った。実際にはスピームランド制度は貧困に対して効果的な手段だったにも関わらず、現世にも反省を活かせるはずの大いなる負の歴史である。

いくらかの不平等がなければ社会は機能しないが、格差が適切な範囲を超えれば、裕福な人々も不幸になる。気分が塞いだり、疑い深くなったり、治安も悪化。社会的問題を背負いやすくなる。収入の不均衡は、結果的にすべての人の暮らしを不幸にする。

イギリスの哲学者バードランドラッセルは書いた。「人間が幸せでいるためには、あれやこれやの楽しみばかりでなく、希望や冒険心や変化が必要だ。求めるべきは、完成したユートピアではなく、想像と希望が生きて動いている世界である」

格差の固定は希望を齎さない。然るに、生産性を競い合い、勝者が弱者を押さえ込むようなイデオロギーは見直す必要がある。労働の仕方を教育する今の教育モデルに加え、余暇の時間をどう過ごすかを教えるモデルを取り入れ、労働すらエキサイティングな興行にできれば、それらの選択肢に合ったライフスタイルが描けはしないだろうか。その時には、楽しみの無い労働からは解放され、楽しみながら働く人々とベーシックインカムだけで楽しむ人々が共に生きるという時代が到来するだろう。

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2023年01月21日

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【目次】
第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?
産業革命以降の2世紀で、長く停滞していた世界経済は250倍、1人当たりの実質所得は10倍に増えた。これは中世の人々が夢見た「ユートピア」なのか?
ではなぜ、うつ病が歴史上かつてないほどの健康問題になっているのか?
第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい
生活保護や母子家庭手当て、就学援助、幾多ある福祉プログラムを全てやめる。
そのかわりに全ての国民に、例えば一律年間150万円の金を与える。それがベーシックインカム。ニクソン大統領はその実施をもくろんでいた
p38
ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム
その考えは、まさに時宜を得ている。
p40
ミンカムとは、カナダで行われた初の大規模な社会実験で、世界最大規模のベーシックインカム実験である。
第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる
ベーシックインカムがなぜ有効なのかは、貧困がもたらす欠乏の害を調査するとわかる。
貧困はIQを13ポイントも下げる。奨学金や有効な教育プログラムにいくら投資しても、そもそも貧困層にいる人は申し込まないのだ
p61
欠乏感を抱いている人間は、短期的な問題を処理するのがうまいのだ。貧しい人々は、短期的には、収入の範囲内でやりくりするのが極めて上手だ。働きすぎのCEOが、取引を巧みにまとめられるのと同じである。
欠乏はあなたの気持ちを、差し迫った不足に集中させる。五分後に始まる打ち合わせとか、翌日に迫った支払いとか。そうなると、長期的な視野は完全に失われる。
「欠乏は人間を消耗させる」
第4章 ニクソンの大いなる撤退
60年代初頭、ベーシックインカムは、フリードマンのような右派からガルブレイスのような左派まで大きな支持を得ていた。
それを潰したのは一部の保守派が持ち出してきた19世紀英国での失敗だった。
ニクソンに渡された報告書
p84
世界初の社会保障制度の一つである十九世紀のスピーナムランド制度
第5章 GDPの大いなる詐術
ロシア人教授クズネッツが80年前に基礎を築いたGDPは進歩を表す神聖なる指標だ。
だがGDPは多くの労働を見逃し、医療や教育のサービス分野でも効率と収益に目を向ける。
人生を価値あるものにする新しい計器盤を検討する
p110
「GDPの観点からいえば、アメリカで最悪の家庭は、家族として機能している家庭だ。すなわち、自分たちで料理し、夕食後にみんなで散歩したり、話したりして、子供たちを商業文化に任せっきりにしない家庭である」
p112
「コミュニティの中で唯一、ある階層だけが、金のことを金持ちよりもよく考える」とオスカー・ワイルドは言った。「それは貧困層だ」
p125
数字による統治は、もはや自分が何を求めているのかわからない国、ユートピアのビジョンを持たない国が、最後にすがる手段なのだ。
p126
GDPの考案者であるクズネッツは、その算定に軍事、広告、金融部門の支出を含めることを戒めた。しかし、彼の助言は聞き流された。
第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代
ケインズは1930年の講演で、「2030年には人々の労働時間は週15時間になる」と予測した。
ところが、産業革命以来続いていた労働時間の短縮は70年代に突然ストップした。
借金によって消費を拡大させる資本主義の登場
p133
カール・マルクスも、いずれ誰もが、「狩人や漁師や牧夫や批評家でなくとも、朝には狩りをし、午後には釣りをし、夕方には家畜の世話をし、夕食後には批評しあえるようになる」と未来を楽観した。
p137
人類は、余暇革命を迎えるはずだった。
p152
死の床にあって、「あともう少し会社にいたかった。もう少しテレビの前に座っていたかった」と考える人はいない。
第7章 優秀な人間が、銀行家ではなく研究者を選べば
「空飛ぶ車が欲しかったのに、得たのは140文字」とピーター・ティールは揶揄する。
過去30年の革新は富の移動に投資されてきた。
優秀な頭脳が銀行員や会計士よりも研究者や技術者を選べば、才能はより社会に還元されるのだ
p156
仕事とは他になすべきことを持たない人々の逃げ場である。———オスカー・ワイルド
p167
グレーバーの分析によると、数えきれないほど多くの人々が、仕事人生のすべてを、自ら無意味と思う仕事に費やしている。
p168
いくつかの研究は、管理職が多い国ほど、生産性と革新性が低いことを示している。
第8章 AIとの競争には勝てない
産業革命時代、織物工は蒸気機関に仕事を奪われた。
そして今、AIとロボットが「中流」と呼ばれる人々の仕事を奪う。
その結果、富の不均衡は極大化する。
今こそ、時間と富の再分配、労働時間短縮とベーシックインカムが必要だ
p182
まず奪われたのは、私たちの給料だ。アメリカでは、平均的なサラリーマンの実質給与が1969年から2009年までの間に、14%下がった。ドイツから日本に至るほかの先進諸国でも、生産性は伸び続けたにもかかわらず、何年にもわたってほとんどの職種で賃金は上がっていない。最大の理由はシンプルで、仕事がどんどん減ってきているのだ。テクノロジーが進歩したせいで、豊穣の地の住人は、世界の数十億の労働者とだけではなく、機械とも競わなければならなくなったのだ。
p202
教育と福祉の革命によって第一次機械化時代を乗り切ったように、第二次機械化時代を乗り切るにも、抜本的な対策が必要だ。例えば、労働時間の短縮と、ユニバーサル・ベーシックインカムである。
p207
不平等は広がり続け、機械にはできない技術を習得しなかった人は、わきに追いやられる。一方で、裕福で高学歴の人々は結束を固めていく。ヨーロッパではすでに、アムステルダム、シュトゥットガルトやミュンヘンなどにコンピュータ技術者が集まっている。
第9章 国境を開くことで富は増大する
西側世界は途上国支援のために50年で5兆ドルを投じてきた。
だが国境を開けば世界総生産は67~147%成長し、65兆ドルの富が生み出される。
わずか62人が35億人の総資産より多い富を所有する偏在の要因は国境にある
p221
「グローバリゼーション」のこの時代に、母国外で暮らす人は、世界人口のわずか3%だ。
p257
新自由主義思想を世に広めたハイエクとフリードマン
第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます
1954年12月21日に洪水が来て世界は滅亡する。
そう予言した主婦とそれに付き従った人々。
その予言が外れても信者たちは信念を変えない。
だが、一人の真実を見抜く人の勇気ある声が幻想を崩し、現実を変えることもある
終章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること
この本で提案したのは、大きな路線変更だ。奴隷制度の廃止、女性の解放も、唱えられた当初は、正気の沙汰とは考えられていなかった。
そうした「大きな政治」を左派は思い出し、右派も同調する変革へと進むべきだ
p268
スイスの国民投票によってベーシックインカムの議論は終わったのではなく、始まったのだ。
解説 欧州の新しい知性の登場 日本語版編集部
p306
ベーシックインカム制度が導入されれば、日本の生活保護をめぐる様々な問題は一挙に解決するだろう。(中略)小田原市の職員が「保護舐めんな!」とプリントされたジャンパーを揃いで作って、生活保護過程を訪問していたような問題もなくなる。

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2022年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ベーシックインカムを知るため読んだ1冊。
ええやんBI。他にも関連書籍を読んでみたいー

1章
18世紀より豊かな今はユートピアか?
なぜ今うつは10代の若者の最大の健康問題になっているのか?自分は特別な人間と考える若者は1950年の12%から今日では80%、あなたはなりたいものになれる、と自己愛を育てられて…社会に出た途端、そこは過酷な競争社会となっている。そこでは失敗も自己責任なのだ。
格差は心を壊す。

2章
BIが有用である旨の世界各国の研究。
選択肢を得た人間は怠惰にはならなかった。
2009年イギリスや、1970年代カナダのミンカム実験。
減少…栄養失調、犯罪、10代の妊娠、酒タバコの消費。
   ヘルスケア費。
増加…学校成績、経済成長、男女平等、小規模ビジネス。

3章
1997年チェロキー族のカジノ。
貧困は休めない。資金繰りに思考リソースを取られて、他への認知能力を常時押し下げられるので、申込手続の煩雑なプログラム…思考リソースを消費する福祉…に申し込む事を貧困家庭は思いつけない。長期的視野も奪う。

5章
ロシアのクズネッツが80年前に築いたGDPは戦争生産能力に優れた指標。人生を価値あるものにするには新しい指標が必要。WikipediaやSkypeはGDPを下げる。

7章
1968年NYのゴミストライキと非常事態宣言。
富の創造より移動に税制優遇され、優秀な人材は移動に投資された。

8章
ロボやAIは人より生産性が高いが、車は買わない。

11章 終章
再選を望む政治家は極端なアイデアを敬遠する。急進的な物、オヴァートンの窓の外にある物を比較的穏当に見せるには、更に破壊的なアイデアを公表するのが戦略。

(著者の立ち位置からかソースノートの参照先は本よりもURLが多い…信憑性はもう本もURLも同等なんですかね。存じ上げず)

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2021年02月03日

Posted by ブクログ

働かなくてよいのなら働きたくない身として、さらに世界は不平等だなと思う事多々なので気になってた本。一部の金持ちだけが牛耳る世界は嫌だし明らかに今後仕事は減ってくだろうしまぁ不安だらけの世の中だけど、まだやれることはありそうねと少し元気づけてくれる内容でした。さて、どこから手をつけたらよいか考えないとね。

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2018年06月12日

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隷属なき道 ルトガーブレグマン 文藝春秋
AIとの競争に勝つベーシックインカムと1日3時間労働

原題を「UTOPIA FOR REALISTS」と言う

この本でグレグマンが主張することを一言で表せば
狩猟採集時代の自在性と対等性を取り戻すということだ
個々がそれぞれに中心となって手段として自主的に集う
全体観である

嘘と秘密を無くして透明度の高い再分配の徹底を目指し
押し付けられた社会的価値観による労働環境を必要最小限にし
権力による縄張りの理不尽な国境線を取り払うことによって
個々の自由な裁量と切磋琢磨によって競争世界を卒業し
個性という凸凹を補い合う相乗効果をもたらすと言うものだ

縄文時代と違いA I とロボットによる客観的な判断で戦争を無くし
過不足のない技術力と生産性で飛躍的な自由自在性を得た人類は
奴隷なしの直接民主主義を手にするチャンスを勝ち取り
形を持たない意識の成長を目指す創造の世界に向かって
丸腰で歩む喜びと冒険を可能にしたことを
この本によって証明したのである

生産性の向上と分配制度の確立で得た具象的な生命維持の安定は
人生の大半を占めてきた手段である限りない所有欲と権力の獲得を
限りなく薄めてくれる
それは人生の目的である抽象的な精神性の探求と表現に
打ち込む事を可能にする新たな次元へのアプローチとなる

すべての人に理解してもらいたい本である
中でも官僚を始めホワイトカラーに読んでもらいたい
客観性と具体性に満ちた説得力のある内容で歴史を紐解き
近未来を想定する有史以来の対立関係から
共生関係に社会を脱皮させるための手続きが示されている
洗脳されてきた競争原理を卒業して
切磋琢磨の共生関係を目指す事を可能にする
広告のないWEBメディアで描き出す次の時代の処方箋である

AIとロボットの出現で社会の主流をなしてきた中間層が無くなり
貧富の差が限りなく広がり続けているこの時代に必要なのは
余暇を十分に活用できる意識改革であり
それを支えるユニバーサルベーシックインカムと
社会的な生産に関わる労働を減らすことであると言う
コレが機械への隷属を卒業して
対等性と自在性を生み出す意識革命の道である

貧困は人間個々のIQを13ポイントも下げる
貧困家庭の子は見栄とプライドで奨学金を避ける
差別的で損得の福祉だと依存してしまうが
安心と信頼を生み出すBI制度ならば自主的に選択して行動しだす
BIはジョンソンやニクソン政権下で実現寸前まで行ったが
ニセの統計に騙されてツマズク
ケインズが2030年までに週15時間労働になると
1930年に予言した
1960年まで減り続けた労働時間が
80年代から女性の参加もあって増え始めた
現在62人の大富豪が持つ富が
底辺の35億人の総資産よりも多い
国境の開放で労働力が移動し世界の総生産は67%以上増える
米人の仕事の47%と欧州人の仕事の54%が
20年以内にAIに奪われる

余剰生産物が多くなるほど再分配を掠め取る経済システムが作られ
ホワイトカラーという生産に関わらない無味乾燥な仕事が
利益の多くを吸い取るようになる
生産に注ぎ込まれるはずの株はデイトレーダーによって利権に利用され
社会の手段であった経済を目的にお仕上げる
人間本来の目的であった出合いの選択と
切磋琢磨による意識の向上と言う日々の冒険を失い
生き甲斐もやり甲斐も無くしてしまう

嘘をつき相手をだまして奪い殺すという所有欲を満たすだけのために
不安恐怖の中で過去の権利と暴力に依存する無味乾燥な人生に
落ち込む情けない生き様になる
そこに登場するのが完全無条件のベーシックインカムなのである

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2017年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ベーシックインカム、週15時間労働、国境の開放。過去最大に反映したユートピアだけど幸せを感じないのは何故か。より良い世界を思い描くことができないから。資本主義では現代の豊ぎょう?の地を維持できない。福祉はいらない、直接お金を与えればいい。福祉の複雑なシステムのコストを考えれば財源的にも実現不可能ではない。欠乏の心理。判断力が下がる。同じように貧困も個人のIQを13低下させる。ニクソンはベーシックインカム導入の直前まで行ってた。スピーナムランド制度の報告書問題。GDPが見逃している労働は身の回りに多く存在。お金が動かないとカウントされない。進歩による安価の計算もできない。クズネッツ。富の創造ではなく富の移動を目的とする仕事に優秀な人材がとられている。くだらない仕事が多い。国境を開くことで富は増大する。開発支援の効果はわからない。真実を見抜く1人の声が集団の幻想を覚ます。認知的不協和。集団が同じ答えだと自分の答えを言えない。1人でも別の答えがいると言える。ユートピア主義者になる勇気を備えた忍耐強い思索家が必要。おヴァートンの窓。負け犬の社会主義。常識に流されてはいけない。かつて、奴隷制度の廃止、女性の参政権、同性婚の容認を求めた人々は狂人とみなされていた。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

 表紙では、ベーシックインカムの導入、一日3時間労働の主張が強調されているが、多数の統計・実証的研究に基づいている地に足の着いた本。貧困が人の長期的な視野・冷静な判断力を奪うという分析は衝撃的だった。
 著者の支持するハイエクの新自由主義がどこまで正しいかはわからないが、福祉をやめベーシックインカムを平等に分配することが、むしろ自立につながる、という主張はよく理解できる。ベーシックインカム導入はともあれ、平等な負担で貧困を解消しないと、既得権益(?)を受けている高齢者の福祉制度を維持することも困難となり、共倒れになる。そこでま現状が来ていることを再認識させてくれる一冊。

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2022年12月28日

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これまで、どうでもいい仕事に31年間費やしてしまった自分にとって、ころからの人生で何をすべきかを考えるヒントを与えてもらった気がする。
ケインズが予測したように、週15時間の労働にはなっていないが、それはそう出来るのにしてないだけのような気がする。コロナ禍でその事は既に証明されているが、みんな気付かない振りをしているだけではないか?

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2022年03月27日

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「ベーシックインカムなんて幻想だ!」という幻想をどうやって私たちが抱かされてきたのか、という幻想解体新書として面白く読んだ。筆者のポジティブさには玄田侑士さん『希望のつくり方』に通じるものがある。できるかどうか、ではなく、どうやって実現させるか、そこが問題だと。
なるほど。
では、ベーシックインカムの金額はどう決めるんだろう?国境をなくすことが前提だから、全世界一律?
ベーシックインカムを導入したとして、解決されない介護、保育のニーズの問題は?
1日3時間労働に絶対ならないエッセンシャルワーカーの存在はどう考えるの?

うーん。

解除しなければならないバリアはいっぱいあるらしい。けれど、富の偏在ありきで発想して仕事を続けることに、ここ数年、本当に限界を感じている。椅子取りゲームの非倫理性にもうんざり。
けど、人口の3%が本気出すと社会は変わるらしい。
いつ変わるかは分からないけど、変える方に一票。
そう思える本だった。

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2021年10月11日

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私たちの生活が「経済的な計算に収束し、技術的な問題や環境問題の解決に追われ、洗練された消費者の要求を満たし続ける」時代において、富の分配をどう再定義するか。

ベーシックインカムの有効性について勉強になる。

"奇妙なことに、最も高額の給料を得ているのは、富を移転するだけで、有形の価値をほとんど生み出さない職業の人々だ。"

強烈。

私たちの生活の大半を占める無償労働が含まれていないGDPでいったい何を測り続けるのか。

著者はジャーナリストのルトガー・ブレグマン。出版時29歳、現32歳。おう。

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2021年02月06日

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オランダの若き歴史家ルトガー・ブルグマンがベーシックインカムと国境の廃止によるユートピアの実現を論じる。
すべての福祉を廃止し、国民全員一律にベーシックインカムとして年間約150万円の金額を支給しそれで生活させる。さらにすべての国境を廃止し、人、物、金が世界中に自由に行き来することができるようにする。これにより、世界の富が再配分され、ユートピアが訪れると説く。

本書は非常に説得力があり、読みやすい。もし、これが実現すれば本当に楽園が訪れるかもしれない。
筆者も現状ではこのような話は夢物語であるとは言っているが、200年前には奴隷制廃止や女性への参政権の付与などを論じれば狂人だと思われていた、この理論も将来的に見れば同じことになるだろうと予言している。

しかしながらベーシックインカムを実施するには元手がいる。現在の日本で考えれば2018年の数字で、年金、医療費、介護費などの社会保障給付費の予算総額は約120兆円。これを国民全員(約1億2000万人)で公平に配分すると1人あたり約100万円となる。著者のブルグマンは適切なベーシックインカムの数字は年間国民一人あたり約150万円程度と想定しているので、現在の社会保障給付費だけではかなり足りない(でも良い線いってる)。
ベーシックインカムが実現すれば、役所の福祉課や年金関連の部署も必要なくなり、その他の関連部署もすべていらなくなる。もしそのような部署等で働いている公務員をすべて廃止してその部分の人件費を回せば足りるかもしれない。

家族4人の家庭であれば4人分のベーシックインカムは約600万円。十分に生活できる金額だ。一人暮らしであれば約150万円、これにちょっとしたアルバイトや仕事をして年に100万円くらい稼げば年収約250万円、贅沢をしなければ暮らせる金額だ。高齢者が受給する年金の平均額が約5万5千円、年間にすれば約66万円なので約150万円のベーシックインカムの方がずっと実入りが良い。

どうだろう。これは悪くないかもしれない。ベーシックインカム目当てに子だくさんの家庭が増えれば人口減少も抑えられる。そして医療費が3割負担ではなく全額負担になるとしたら余計な医療費を払わないようするために、もっと健康に気を遣うようになるだろう。

もちろん多くの国民が働かなくなればその分の所得税が入らなくなるので国家予算が減り、税収計算は狂ってしまうし、農業や漁業などの一次産業に従事している人が働かなくなったら農産物も魚も食べられなくなってしまう。う~ん。これは困る。

やはりAIやロボットがもっと発展して人間の代わりに仕事をし、国家予算に充てられるような収入を得られるようになったときこそ、本当に人間が働かなくても良くなる時代が来るのかもしれない。

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2019年05月08日

Posted by ブクログ

ベーシックインカムは、「一定水準の所得に満たない人には、政府が「無条件で」一定金額を支給する」という政策です。仕事をしていようがしていまいが、病気であろうがなかろうが所得が少なければお金をあげる。

日本の主な貧困対策に生活保護があります。でも生活保護は非効率だと言われています。車を持っちゃいけないとか、(裁判にもなったけど)エアコン持っちゃいけないとか、資力調査を受けなきゃいけない。あいつ生活保護もらってるんだぜって後ろ指を指されるスティグマの問題もある。これを維持する行政コストもバカになりません。

でもベーシックインカムって現実的じゃないでしょ?一定金額をどう設定するのか、7万円?10万円?いずれそんな大金どうやって集めるの?借金大国なのにって話です。

そもそも、貧困はなぜいけないのでしょうか。本書によれば、貧困は認知能力を下げます。インドの農村で行われた実験によれば貧困はIQを13〜14下げる効果がある。これは一晩眠れないことや、アルコール依存症の影響に匹敵するほどの大きさなのです。

認知能力を下げるメカニズムはトンネリング効果と呼ばれています。さあ、サランラップの芯を目に当てて、そこらへんにある物を見てみてください。対象物はくっきり見えるけど、周りは全く見えないでしょ?これと同じようなことが貧しい人にはおこっているのです。貧しい人は「お金」に集中するから、やりくりは上手になる。でもそれ以外が見えなくなっちゃう、というわけ。

であるならば、お金を配って貧困から抜け出せれば、解決するはずです。しかも、それは「元が取れる」。アメリカのユタ州では、ホームレスに無条件で家を貸し出す、と言う政策が行われました。これによって治安が回復しただけでなく、彼らに支払った家賃以上に行政コストも減ったのです。

技術革新で労働時間は減らせます。ケインズは「2030年には人々の労働時間は週15時間になる」と予測しました。ところが産業革命以降続いていた労働時間の短縮は70年代にストップする。技術革新が続いているのになぜでしょう?本書では、2つの要因があったと推察します。1つめは、余暇ではなく消費を(ムダに)拡大したこと。もう1つは、資本に比べて労働の生産性が相対的に減少していることです。機械のほうが人間の労働よりもGDPに貢献してきている。難しい言葉でいうと労働分配率の減少してきていて、庶民の給料は増えていかず、資本家だけがもうかっているのです。

ここから筆者は、必要なのは(経済の拡大よりも)十分な再分配だと主張します。再分配ができれば、一日3時間労働で仕事に縛られない生活ができる。

短時間労働とベーシックインカムの組み合わせは、英語版のタイトルでもある「UTOPIA for REALISTS(現実主義者にとっての理想郷)」であり、これは人々が有意義な生活を送るための効率的な貧困対策です。かつては奴隷解放も、女性参政権も狂気の沙汰だった。まだ世間で理解されている政策ではありませんが、本書を読めばきっとバカな政策ではないことが理解できると思います。

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2018年09月22日

Posted by ブクログ

ベーシックインカムが生む、新しいうねりを教えてくれる一冊。

力強い言葉。
未来を作ろうとする真摯な姿勢に喚起される。
今、が抱える様々な問題に対する回答は、実現されればいいと思わせる
説得力がある。

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2018年08月27日

Posted by ブクログ

例えば生活保護を受けるための、馬鹿みたいに煩雑な基準・手順・書類を全部なくして、全員にお金を支給すればいいじゃん、って本。
馬鹿みたいに煩雑な基準を作る人や、書類をチェックする人の無駄で不毛で膨大な労働時間が減って、かえってコストがかからなくなりますよ、とのこと。

すごく賛成。

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2018年07月28日

Posted by ブクログ

これまで当たり前のように考えていたことが、そうではないかもしれない。この感覚は大事。ニュースさえもフェイクニュースが取りざたされる時代。自分の足で確かめることが大事。

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2018年05月13日

Posted by ブクログ

『希望の歴史』ほどのインパクトはなかったが、ベーシックインカムの制度などが、そこに至るヒントとなったのはまちがいない。

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2023年12月07日

Posted by ブクログ

おわりに書いてある日本語版編集部の情報によると、英語版の原題はUtopia for Realistsということで「現実主義者のためのユートピア」だったものを、日本語版では著者と相談して「隷属なき道」にしたとのことです。もちろんこれはハイエクの「隷属への道」を意識しているのですが、その心は、シンギュラリティの到来によってAIが人間を上回る日が来る。AIとの競争には勝てない。そのときに人間が生きていくために、つまりAIに隷属しないためにもユニバーサル・ベーシックインカム(国民全員に無条件で一定金額を支給する仕組み。何の資格も審査もない)を導入すべきだということです。

 ブレグマンの主張やベーシックインカムは可能性としてはあり得るとは思うのですが、それにしても彼がこの本で挙げている論拠はかなり偏っています。ベーシックインカムの導入を示唆するような研究結果を数字と共に紹介していますが、意図的に自分の主張を補強するような研究結果だけをチョイスしている結果です。それとは反対の結果を示唆する研究結果も同じくらい存在していますので、ベーシックインカムが正しいかどうかという以前に、その姿勢が良くないと思いました。心理学では追認バイアスと呼ばれる行為で、人間は自分の信念を補強するような情報を意図的に選別して頭の中に取り込み信念を補強する傾向が強いのですが、まさに著者自身が追認バイアスの罠にはまっている印象を受けました。
ただ10章のなかで、著者自身もこの問題を自己認識していて、自分の信念と異なる研究結果を見つけたときに、「自分の意見を変えるほどの観察力を持っているだろうか?そうする勇気があるだろうか?」と自問していたので、この箇所で著者に対して少し好感を持つことが出来ました。

しかし好感を持てたとしても、全般的には正直視野が狭い印象は受けました(主張のインパクトは非常に強いのですが視野の狭さを感じる)。主張全体が欧米的あるいはキリスト教的であって、仏教やヒンズー教などの多神教の世界観ではまったく違うとらえかたになると思います。そのような価値観も踏まえたうえで、なおユニバーサル・ベーシックインカムが最良のシナリオである、という主張をしてくれたら、傾聴に値するものになる気がしました。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

世界的に豊かになり過ぎだ現代において最大の問題は、より良い暮らしを思い描けなくなっていること。
人間が幸福でいるためには、希望や冒険心や変化が必要。
貧困は、個人のIQを13ポイントも低下させる。
特に何かが欠乏(時間やお金)すると短期的な問題解決にばかり頭がいき、長期的な視野は完全に失われる。結果判断能力が鈍る。
判断能力が悪いから貧困に陥るわけではなく、貧困だから判断能力が鈍くなる。
不平等が大きくなりすぎると、裕福な人々も苦しむことになる。

3.11東日本大震災の時、各国のメディアは日本経済は最低最悪水準になると予想したが、現実は逆で復興経済により、翌年にはGDPが2%上がった。
日本に限らず、世界各地で災害や戦争があると、実は経済が上向きになる。
GDPの問題は、金銭価値しか測れないこと。無償のボランティア、家事、育児といった付加価値はGDPに含まれない。
精神疾患、肥満、汚染、犯罪はGDPの観点からは多ければ多いほどよい。一人当たりのGDPが最も高いアメリカが社会問題でも世界トップなことを見れば明白。
効率と生産性ばかり追っていると、教育と介護の真の価値が見えにくくなる。

幸福度を最大限にするには、生活に占める労働と消費の割合を減らすこと。
仕事が多過ぎて忙しいという愚痴の裏には、自分は重要で期待されていて必要とされている人物だという自慢が潜んでいることが問題。
長時間労働の国ほど、テレビの視聴時間も長い。
本物の余暇は堕落でも贅沢でもない。脳にビタミンを送り込むようなもの。

多くの人が有形の価値を生み出さないまま金儲けできるシステムが出来上がった。
特に価値の創造をしているわけではない、職業の方が高級取りなのが問題。銀行員、トレーダー、弁護士など。彼らは価値を創造するわけではなく、移転するだけ。管理職が多い国ほど、生産性と革新性が低い。

Twitter、Facebook、YouTubeなどが付加価値を生み出しているのかというと疑問。
便利になった反面、人々から膨大な時間を奪っている。テレビの代わりになっただけ。
生きていくために必要なコンテンツでないことだけは確か。
私達は本来必要な余暇を潰して、膨大な時間を奪うコンテツを無駄に増やし、そのために無駄な仕事や作業が増えていることにそろそろ気付くべき。

本書の題名は、AIに隷属するのではなく、人々が本当に意味のある人生を取り戻す道に期待をかけるということ。
そのためには、週15時間労働、ベーシックインカム、国境のない世界が必要と著者は述べる。夢物語のようだが、ほんの数十年前まで、奴隷制の廃止、女性参政権、同性婚。。いずれも主張する人は当時、狂人と見られていた。
偉大なアイディアは必ず社会を変える。

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2022年12月06日

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ネタバレ

近現代を振り返り、テクノロジーやAIがもたらした人々への経済的な富の内容は興味深かった
また、ベーシックインカムに対しての考え方も理解でき、180度見方が変わった
今はまだ世の中には受け入れられないだろうが、近い将来にその道を歩むのは目に見えた
いまの社会構造を世界視点で分かりやすい記述で、大変勉強になった

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2022年08月11日

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ネタバレ

 人類は有史以来、生産性向上により労働時間を短縮させてきた。農業の始まりから18世紀頃までは大きな変化は見られないが、産業革命以降労働時間は段々と減っていっていた。そのまま減っていくかと思いきや、1980年代以降、減少トレンドは反転し、現在まで労働時間は減らずにむしろ増えてしまっている。このことに対してブレグマンは労働に関する調査から多くの人々が「意味のない仕事」をさせられていると感じていることを示す。また、こうした状況は高所得者により顕著に表れていて、高時給であるがゆえに「働かないことによる逸失コスト」を加味した行動をとってしまうと考えられている。このような状況を打破することはできないか、人々が本当に必要とされ、意義を感じられる仕事ができないか。そこでブレグマンはベーシックインカムによる現金給付こそが人々の行動を変えられるのではないかと説く。ベーシックインカムの議論は往々にして人間の負の側面に着目して、怠惰な人間が増え、社会が破綻してしまうのではないかと言われる。しかし、それに対してブレグマンはあらゆる地域で行われてきた過去の社会実験を再検証し、その実際の効果は非常に有効であることを示した。アメリカでも1960年代に導入が決まりかけていたという事実には驚いた。ベーシックインカムを得た人々は本当に自分にとって必要なものを選び取り、自分にとって最良の人生を歩む手段を手にすることができるのだ。
 前回読んだ山口周さんの本に書かれていることが世界各国のさまざまな事例を元に描かれていた。資本主義が200年に渡って人類を大きく成長させ、飢えや貧困から多くの人々を救ってきたが、今後私たちはより平等に人生を謳歌できるような社会システムを気づいていく必要性を感じた。「それって本当に必要?」と思う事象は社会の至る所に存在するが、それらの「幻想によって必要だと思われるから作られたもの」ではなく「各自が本当に望むもの」を手に入れられる環境を作ることが大切だと思った。

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2022年02月04日

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ベーシックインカムを導入したほうがよいということを過去の研究とともに紹介 印象に残っているのは ・ケインズが2030年には労働時間が週15時間と予言していて,今の世界の働き方に対する示唆 ・GDPが工業化の時につくられた指標であり,今の状況を映し出すには背景が違うので別の指標が必要という部分 ・「空が飛ぶ車が欲しかったのに,得たのは140文字」とあるように優秀な頭脳が別のところに使われて社会損失がある という点.様々な研究や事例を読めておもしろい本でした.

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2021年08月13日

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人間がAIに仕事を奪われることによって貧富の差が拡大する。それを止めるには、全ての人間に無償でお金を配り、週の労働時間を15時間程度にし、国境を開放することが解消する唯一の道であると筆者は説いている。

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2021年05月18日

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とても読みやすい。翻訳はとても良い。政治についていまいちど考えるのにいい。オリジナルな研究ではない。

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2020年11月18日

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ベーシックインカムについて知りたくて読んだ。
過去の歴史、研究結果などをもとに説明がされている。

むずかしかった。

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2020年07月26日

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●人間はAIとの競争には勝てず、貧富の差は更に広がる。それに対する処方箋は、ベーシックインカムの導入と週15時間労働にすること、そして国境線を開放すること、と主張する。

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2018年10月27日

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「週15時間労働、ベーシックインカム、そして国境のない世界」。
はたして実現するだろうか?
ブレグマンは実現すると。
奴隷制度の廃止、女性参政権、同性婚。。。いずれも、当時主張する人々は狂人とみられていた、と。
何度も失敗しながらも、偉大なアイディアは必ず社会を変えるのだ、と。

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2018年10月12日

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ネタバレ

ベーシックインカムについて知りたくて読んだ。ニクソン大統領が実施を目論んでいたとは知らなかった。
私はベーシックインカムに興味があるほうだと思っている。でも、日本で導入したらどうなるのかな?よい結果になるのかな?というのは引き続き疑問で、この本で答えが出たわけではなかった。国全体が現状発展途上で貧困、という国では、効果がありそうだとは思う。

この本を読んで、なにかがクリアになったわけではなけれど、とらわれずに常に柔軟でありたいと思わされた。

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2018年05月27日

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