乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学生時代に好きだった乙一の、当時は怖くて読めなかった黒乙一を読もう企画を、1人で勝手に進行中。
ちなみに『暗いところで待ち合わせ』に続いて第2弾。
トイレの落書きの話『A MASKED BALL』と、
乙一版の美女と野獣『天帝妖狐』の中編2作を収録。
特にA MASKED BALLが好きだった。トイレの落書きがチャット欄のように機能して、匿名で話が進んでいく感じ。誰が誰なのかを当てていくミステリー感もいい。
あとがきで我孫子武丸さんが
“みんながパソコン通信やインターネットを舞台に物語を描くこの時代に、あえてアナログな落書きで〜”
みたいなことを書かれていて、ほんとそれ!ってなった。
2001年に出た文庫なのに、今読んでも全く古く感じなくてすごい。落書きだからこそ、今の時代でも同時代的に読めちゃうし、今からでも映像化して欲しいくらい面白かった。
天帝妖狐は、じわじわ進んでいく救いのないホラー。
天帝って結局だれだったんだ?早苗?夜木?
読んでる時は気付かなかったけど、あとから
『乙一版の美女と野獣なのでは?』と思った。
美女と野獣は、野獣が美女と出会って自分を取り戻す。
天帝妖狐は、野獣が女と出会ってどんどん自分を失っていく話。(この女は早苗か杏子か…)
夜木と杏子が、もし恋愛に発展してたらどうなってたかな?って考えちゃった。杏子は少なくとも気が合ったと思うのよね。最低限、気にはなってた。それを夜木が遠ざけてるように感じた。
夜木が結局、まともな人すぎた!いい人すぎるよ。
夜木がもっとクズ男だったら救われる未来もあったかも知れない…
って、読み終わってからの妄想がたのしかったです。笑
我孫子武丸さんのあとがきは、天帝妖狐も欲しかったなぁ〜ぜひ読みたかったなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ凡作。
面白い。
島本理生による解説にも、書かれていたが、本当に1人の人間が書いているのか疑ってしまうぐらい、それぞれの話の作風が違う。そのため、「次はどんな話かな」と最後まで楽しみながら読める。
『血液を探せ!』
ナンセンスコメディ×サスペンス
ボケ老人医師のボケ加減や主人公の痛覚が無い等のキャラ設定が結構吹っ切れていて、スタートからナンセンスギャグ小説を読む準備が出来るところが良かった。
『冷たい森の白い家』
ホラー×童話
淡々と書かれている文章は、最初から最後まで不穏な空気を纏った、紛れもない「ホラー」だが、読後感は不思議なことに、子どもの頃に読んだ「童話」を彷彿とさせる不思議な話。
『closet』
倒叙ミステリー×どんでん返し
最高。ラストの3行で「え!今まで読んでいたものは、そういうこと?」となる、どんでん返し特有の感覚が短編で味わえるのは素晴らしい。
『神の言葉』
純文学×スリラー
滔々と連なる自分語りは、一種の「恐怖」を想起させるが、「こういう人って実際、実はいそう」と思わせる。
『落ちる飛行機の中で』
復讐劇×ワンシチュエーション
ラストの展開以外、「落下中の飛行機の中」という舞台で繰り広げられるコントを観ているよう。
「独特な芸風の芸人さんが考えたネタ」と言われれば信じる、不思議な会話が楽しい。
『むかし夕日の公園で』
なんじゃこりゃ。
ジャンルで言えば、怪談的なホラーを感じ、満足度が高い。しかし、このお話の一番恐ろしいところは、「驚異の4ページ!」