あらすじ
僕が小説を書くようになったのには、心に秘めた理由があった(「小説家のつくり方」)。ふたりぼっちの文芸部で、先輩と過ごしたイタい毎日(「青春絶縁体」)。雪面の靴跡にみちびかれた、不思議なめぐり会い(「ホワイト・ステップ」)。“物語を紡ぐ町”で、ときに切なく、ときに温かく、奇跡のように重なり合う6つのストーリー。ミステリ、ホラー、恋愛、青春……乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集!
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Posted by ブクログ
舞台は同じな短編集。読者から募集した物語を著者がリメイクしたらしい。青春絶縁体のこういうイタイ、ひねくれた(ここでいうひねくれたは、人と違うというか逆張りというかただ自分と似たような考えというか(自分と似たようなというのは憚られるが))主人公の話は好きだ。よかった。
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暗いところで待ち合わせからの乙一作品
短編集だけど、共通のキャラクターや話のつながりが出てきてそれ込みで面白かった
一番好きなのは最後のストーリー
森見登美彦みたいな感じな文章だけど、すごく優しい物語でほっこりした
それこそ暗いところで〜を連想する暖かさを思い出して読み返したくなった
全編全く違いテイストでとても器用でかつユーモアがあるなあと
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再読です!
大昔に読んでましたが、なんとなくしか内容覚えてない…人間の記憶なんてそんなもん←
読者投稿のリメイク!?ってくらい乙一ワールドでしたけど!?
短編集ですが、登場人物や物語の舞台となる街が共通していて、一気読みしたい1冊!!
鍵を探すやつが1番乙一さんぽい雰囲気を感じて好きです!
足跡のお話も好き♪
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ホワイトステップの世界観が優しくて柔らかく切なくて好きだった。平行世界…ちょっと救われた気持ちにもなる反面、胸が痛くもなった。
人生は選択の連続だということをあらためて考えさせれる物語だった。
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どの話も全然視点が違くて面白かった!
潮根さんがちょこちょこ出てきて、ここで繋がってるんだっていう喜びがあった。
どの話も夢があっておもろしかったけど、特に『青春絶縁体』がよかった。文学部に所属している僕と先輩。僕はクラスの陰の方にいる存在だけど、部室で先輩といる時は全然違う。2人とも暴言を吐きあっている。そんな僕と僕に似た先輩の話。私も共感できるようなところがあったから、苦しくなったし楽しくもあった。よかったです。
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読者のボツ作品を作者がリメイクするというコンセプトの短編集。
私は界隈の文化に明るくないので、こういった企画がよくあるのかは分からないが、とても面白い試みだと思った。
特に「コンビニ日和!」は短い割に起承転結がきっちりしていて読んでいて楽しかった。バイトの同僚の女性が吐く毒に目が行きがちだけど、主人公も中々イカれた精神の持ち主だと感じた。
私がこの作品集で一番好きなのは「青春絶縁体」である。根暗な高校生の青春の一幕を描いた作品。主人公と美人な先輩との部活でのやりとりをメインに進んでいくのだが、お互いを煽るように軽口を言い合うのがとても微笑ましい。幕の切替が途中から多くなって読みづらさを若干感じたものの、内容が良かったのでスッと読めてしまった。こういうの大好き。
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職場の先輩からのおすすめ。
リメイク作品で構成してる、と書いてあったけど乙一さんの世界になってました。王国の旗とホワイトステップが良かった。
選ばなかった世界で生きてる自分って何してるんかな?
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あとがきを読んで、本書が読者から作品を集めてそれを著者が作り直したことを知って驚いた。「ホワイトステップ」の序盤は設定がファンタジーすぎて物語にら入り込めないと思ったが終盤では泣きそうになった。
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本に夢中になりすぎて帰宅しないこともある姉とその弟のお話ー小説家のつくり方
閉店間際のはやってないコンビニに強盗がーコンビニ日和!
クラスになじめない僕が入った文芸部の部長との日々ー青春絶縁体
いい子のふりをしている僕が見つけた鍵ーワンダーランド
車のトランクで辿り着いた場所には王国があったー王国の旗
一面雪景色の公園で誰もいないのに足跡がついていってーホワイトステップ
ファンタジーやらミステリーやら6本とそれぞれへの解説がついた詰め詰め短編集。
あとがき読んで知ったのですが、応募者のボツ小説を乙一センセが調理して美味しくしちゃおうという企画だったらしい。あるものは着想がよかったり、雰囲気がよかったり、どれにもキラリと光るもののあと一押し。
すべてそれなりに意表をついたとまではいかなかったものの、どれも面白かったです。一番好きだったのはホワイトステップでした。他の作品はどこかにシニカルな部分があってそれはそれで共感できたけど、全部に一味かけないでって感じでした(伝わらない比喩)
孤独とおともだちであることを自覚している方にオススメです。
Posted by ブクログ
乙一さんの作品を読むのは、ずっと昔に読んだ「ZOO」以来なんだけど、その時、怖い話が頭にこびり付くくらい怖くて、巧い書き手だなぁと思いながらも、それ以降はまたあの怖さに触れるのが何だか怖くて、ずっと手にしていなかった。
本作は怖そうな話ではなかったので、久しぶりに手に取ってみる。
この作品、人の文章をアイデアだけ活かしてリメイクした作品集という趣向なのだけど、なるほど相変わらず上手だ。
ひとつひとつは独立した話しながら、文善寺町という町を舞台にして、全体の雰囲気を緩やかに繋いで、全体を眺めても細部を見ても、それぞれに見映えがする箱庭のように仕上げられた物語。
私には、パラレルワールドの設定に加え、雪が積んでしんとした町にポツポツと出来る足跡の音が聞こえて来て、文字が書かれた雪の解けて流れていく様が手に取るように見えて来る、最後の「ホワイト・ステップ」が一番良かったです。
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読者の賞レースに投稿したけど落選した没ネタを送ってもらい乙一がリメイクする短編集
↑そのまま、ネタがソレではどうにもこうにもという感じがずっと漂っている
こりゃダメだと思いながらも作家乙一特有のスラスラ読めるスピード感で読んでいると
最後の「ホワイト・ステップ」で顎へモロに意識してなかったアッパーカットをくらった
これを読む為にこれを読んでいいと思う
道中は、しんどいけれども。
良い話が嫌いな人にはやはり駄目だと思うが…
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どこかで現実も並行世界も繋がっている短編集で、一つひとつの物語としても、ある一人の人の物語としても気になる話だった。寂しさとか孤独を感じる人達が誰かと繋がっていく話でもあって。
ただやっぱ乙一さんはホラーが好きだなと思った。
Posted by ブクログ
初「乙一」作品。別名義の短編集を読んで、まあまあ面白かったので、それならひとつ乙一デビューしましょうかと読んでみたのがコレ。「イメージと違うなあ」と思ったら、なるほど、何かの企画で読者?が書いた小説を乙一さんがリメイクした物語の短編集(短編連作?)なのですね。さて〜、今後乙一有名作に手を伸ばすか否かは、まだ決めてません。
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ボツを拾い集めてひとつの作品にする企画、ひとつひとつのお話にアクセントがあってそれでいて繋がりがある展開、すてきですね
ひたひたと忍び寄る怖さもほんのりと暖かい愛も感じて、乙一さん初めて読みましたが心惹かれました
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短編集のなかでも好きな短編集です。作品全体の繋がりもあり、特に最後の「ホワイト・ステップ」はとても素敵な作品だと思います。「ホワイト・ステップ」を読んで、新海誠監督の「君の名は」を思い出しました。
Posted by ブクログ
2024.10.28
短編集だったけど、全部文善寺町が舞台になっていて登場人物たちが少しずつリンクしていた!
素人が書いた話をリメイクしているらしい。
どの話も良かったけど、「ホワイトステップ」が印象的。
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読者のボツ投稿を作者がリメイクした短編集。
一つ目の作品の「小説家の作り方」と最後の作品の「ホワイト・ステップ」が好きだった。
ホワイトステップは特に好きで、設定から結末までオシャレだった。途中の作品がハマらなくて読むのをやめようとも思ったけど、最後にホワイトステップが読めて良かった。
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ファンが描いた没作を乙一がリメイクすると言う企画短編集。
乙一らしさも随所に感じられる反面、雰囲気が違うなという作品もちょこちょこあり楽しかった。
ホワイトステップスが好き
Posted by ブクログ
乙一さんの短編集(文庫本)を購入。
やっぱり好きだな〜。
最後の方にある友井 羊さんによる解説も面白かった。
お気に入りのお話は「ホワイト・ステップ」。
「失はれる物語」に収録されていた「Calling You」のお話みたいで面白かった。乙一さんによるSFファンタジー的なお話が好み。ちょっぴり切ないところも好き。
「コンビニ日和!」はコントみたいで面白かった。
「ワンダーランド」はずっとじとーっとした怖いお話でした。
【お気に入りの言葉】
手をやすめて町をながめる。いつもなら様々な色が氾濫している。ポストの赤色、カーブミラーのオレンジ、道路の黒。雪の降り積もった日にはそれらがすべて白色におおわらる。神様がまだ絵筆をふるう前の何も描かれていないキャンバスのようだ。雪という漢字は[雪ぐ]という動詞にもつかわれる。祓い清めるという意味だ。雑多な色をすべて真っ白に隠してしまう様子はまさに世界を祓い清めたかのようだ。(P.232)
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読みやすく、秀逸。一般の人から没ネタとなったものを募集して、それを作者がアレンジして完成させるという企画モノ。連作短編集といったつくりになっています。個人的には、ホワイト・ステップという作品が一番良かったです!
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物語を紡ぐ町、文善寺町が舞台となって、乙一さんが投稿者の作品をリメイクしてパッチワークのように仕上げた6つの連作短編。
活字中毒の潮音さんが変態すぎる。読書に集中すると我を忘れて読みふける。雪山で読書したら間違いなく凍死してしまいそうだけど本人は死んだことさえ気づかないのかも。
この作品を読んでいて作者がサービス精神旺盛に読者を楽しませようと焦らして逸らして、アッと驚かせようと予想の斜め向こう側へずらして、もて遊ばれているのが癪にさわってイラッてするんです。
それを心地よく感じるかってゆうとどうなんだろう。
子猫なら好奇心旺盛にじゃれついてきそうだけど、スレてくると構ってくるのが面倒に思えたり。
どうだ凄いだろって、ガキ大将が捕まえた蛇を得意げに見せられるような作品でした。
最後のホワイト・ステップが秀逸でした。
Posted by ブクログ
乙一の作品は初めましてでした。読者の原稿を乙一さんがリメイクした短編集で全部の物語が少しずつ重なっていて複雑で自分にはちょっと合わなかったかなぁ…もっと単純な話の方が自分は好きかも。最後のお話は面白かったけど…
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最後の物語がとても良かった
平行世界ではお互いが生きてて、伝えられなかった後悔の思いをちゃんと伝えられて、前向きに生きて行くきっかけにすることができてるといいなと思った
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「ホワイト・ステップ」と「コンビニ日和!」が好きでした。
短編がちょこちょこ繋がってて嬉しくなる現象もありつつ、ひとつひとつのストーリーも楽しめました!
銀の鍵については不思議な存在…ってだけの解釈で良かったのかな?
Posted by ブクログ
なんとなく連作短編集。1つの街に住んでいる人たちの物語だから何処かで交差している〜という感じでしょうか。
あとがきを読むまで知りませんでしたが、読者からボツ原稿を送ってもらった中からいくつかを、乙一さんがリメイク、再生させたお話の集合体だったんですね。面白い企画だと思います。
ボツ原稿がどのように変化してこのような話に生まれ変わったのかは、関係者しか知る由もありませんが、あとがきにそれぞれの短編小説のリメイク前の考察、問題点なども簡単に書かれていて、小説家の視点みたいなものを垣間見ることができました。
著者の本は初めて読んだので、きっと彼自身のオリジナル作品ともどこか違う雰囲気なのかも知れませんね。知人イチオシの作家さんなので、他の作品も機会があったら別の作品も読んでみたいです。
個人的に一番好きだったのは、最後の一番長い短編『ホワイト・ステップ』でした。平行世界の存在が雪の上の足あとによって気づくことが出来たなんて、興味深いです。
もしかして鍵を拾って鍵穴を探す『ワンダーランド』に出てくる謎のアレは、ホワイト・ステップの話とリンクしていたのだろうか。
不思議感、切ない、ドキドキ、ハラハラ、胸キュン・・・。
色んな要素が詰まった短編集でした。