乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレサービスアパートの図書室で借りた。
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。
伏線が散りばめられていて、結末には唸った。
同僚との付き合いをしないアキヒロ。
自分と似てて読んでてちょっと苦しくなった…。
素敵な表現がたくさんあった。
“自分にあるのは、家と、その中に充ちている暗闇だけだ。他には何もない、コンパクトな一人だけの世界。家が卵の殻、暗闇が白身、自分が黄身。寂しいような、それでも穏やかな気分だった。まるで自分が柔らかい布に包まれて埋葬されているようでもあった。” -
Posted by ブクログ
ネタバレ・暗黒系
いかれた二人と犯人と。
・犬
ユカのために。
・記憶
眠れない夜に求める紐は。
再読だし、★3の中。
この巻はわずか180ページちょい。
次の感でも240ページちょい。
おもしろいな~。
グロいだけな話や、いかれた登場人物や、トリックだけなら多くの作家が書けるだろう。
でも、それをすべて混ぜ合わせてこのページ数で表し、しかも唯一無二ともいえるなんともいえない読後感を与えてくれる。
普通に考えたらいかれた人物のオンパレードのような話なのに、じわっと胸に来るものはいったいなんだろう?
せつないのか。
さびしいのか。
物悲しいのか。
こういうのが著者のセンスなんだろうな~♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレ目ん玉をくりぬく鶏、人体解剖する猟奇犯、全体的に、身体を傷つける描写が多くてグロい。ただ、猟奇犯・住田の特殊能力と、彼に監禁された子供たちとの奇妙な関係に惹かれ引き込まれた。
相手の身体を傷つけても、痛みを与えず生かせる──サイコキラー住田の能力が、人体実験を好む彼の性格と噛み合ってて面白い。生かしたまま痛めつけられるなんて、彼からしたらありがたい才能だよね。
幼いころから生命の限界に興味を持ち、どの程度身体を破壊したら生きてられるのか、それを検証するための実験が痛ましい。
昆虫の身体中に針を刺しまくって、手足がぴくぴく動く、限界ラインを見極めるのは気持ち悪かった。猫を切断したのもドン引き。
実験欲がエスカレートした彼は、ついには人間にも手を出し、子どもたちもターゲットに定め誘拐。
麻酔なしで身体中をノコギリでバラバラにされた子どもたちが、まったく痛がらないのは不気味だ。
引用
「女の子がみんな、手足を切られて平気な顔できるとは思わないで」瞳は自分の体を見て、付け加えた。
「私、以外にね」
それどころか、むしろ傷つけられることを受け入れてるのも理解できない。斬られた身体の一部は生きたままだし、ふつうに住田と会話してるのも奇妙。住田からしたらペットみたいな存在なのかな。
引用
「ここに来た人間は、みんな手術を受ける。幸福な手術だ。そして閉じ込めれる。不思議とそれは苦痛ではない。まるで時間が停止したように、すべてから解き放たれた気分になる」
まさか斬られるのが苦痛じゃないなんて...苦痛ではなく幸福を与えてたなら、悪人ではなく善人なのでは?とも思わされた一文。
被害者が「幸福な手術」と表現してるところをみると、住田への絶対的な信頼感をうかがえる。
引用
彼は人間を殺していたのではない。ただ分解して、生命というのはなんなのかを見つめていたのではないだろうか。
最後に住田と激闘を繰り広げ、満身創痍なりながらも、彼を葬った後の主人公・菜深のセリフがしみじみする。
単純に生命についての知りたい欲が強かっただけ、といいう解釈が面白い。
道を踏み外さなければ、その治癒能力をもっと良い方向に活かせたはずなのに...。
とにかく住田のキャラが強烈。
殺戮衝動と治癒能力を併せ持つ、サイコキラーものでは見たことない設定が印象に残る1冊だった。