あらすじ
大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は……となりの建物!! こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!? 心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに、そっと触れます。
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Posted by ブクログ
乙一にハマりまくった学生時代、一番好きな話がこれに収録されてる「しあわせは子猫のかたち」でした。
ホラー作家としての黒乙一と、心にしみる白乙一なんて言われ方もしますが、今作は真っ白。しかし死体が主人公だったり死んだり殺したりする作家らしく、今回はすでに死んでいる奇妙な同居人との生活のはなしです。
鬱屈と日陰を好み、上手に生きることを難く感じている主人公が、半ば無理やりカーテンを開け放たれて日向を知ってしまう。日向に慣れてしまう。暖かさを失うことを恐れるようになってしまう。
短い話の中にミステリーとファンタジーと友情と主人公のこころの変化がしっかり入ってて、一つの話としてとても好きです。
久しぶりに乙一を読み返したくなったな~!!
Posted by ブクログ
目次
・しあわせは子猫のかたち
・失踪HOLIDAY
「しあわせは子猫のかたち」は、まさに初期の白乙一。
どうしてもうまく人とコミュニケーションをとることができない。
期待して裏切られるくらいなら、最初から何も求めない。
そんな僕が、殺された前住人の幽霊と暮らすことになる。
直接話ができるわけでも、視線が合うこともない。
ただ気配が、彼女がいたという気配がそばにある生活。
彼女の撮った写真を見て、彼女がどれだけ世界を愛していたかを知り、自分の命をあげることができたなら…とまで思う僕。
しかしそんな生活も終わりを迎えることになり…。
やっぱり白乙一の作品が好きだ。
切なさをこんなに巧みに描ける人がいるだろうか。んまあ、いるかも、だけど。
劇的に改善はしないだろうけれど、この先の僕は「死んでもいい」と軽々しく思うことはないだろう。
そしていつか、子猫のかたちをした幸せを見つけることもできるかもしれない。
『失踪HOLIDAY」は、してやられました。
主人公のナオは、中学生にしては子どもっぽいなあと思いながら読んでいたので、作品すらも子どもっぽいまま終わるのかと思ってしまった。
だってナオの立てる計画って穴だらけで、こんなんじゃすぐに警察に狂言を見破られるんじゃないの?って思って読んでいたので、なかなか警察が真面目に捜査をしていることに、逆に違和感を覚えたりもして。
本当は、ちゃんと怒られてほしかったんだけど。
ナオがパパにお尻ぺんぺんされればいいと思っていたんだけど。
こうなってしまうと、そうもいかないね。
えと…完全犯罪ってことでいいの?
Posted by ブクログ
GOTH漫画版・きみにしかきこえない・失踪HOLIDAY・・・
過去乙一関連で読んだ作品です。どの作品も「あとがき」が面白いです。正直「感動を返せ!」といいたくなることがあります。だから、作品を読み終わった後、すぐ「あとがき」を読まないようにしましょう。数日経ったときに読むと、そんなことはなくなるでしょう。
Posted by ブクログ
「しあわせは子猫のかたち」は不思議な同居生活の様子がとてもほほえましくて、やわらかくて、優しくて好きです。
「失踪HOLIDAY」コミカルな話だと感じました。主人公のナオがわがままだけど憎めない女の子でかわいらしいなっていうのと、こたつは正義だなって思いました。
Posted by ブクログ
とっても良かった♪♪
収録の2作品、両方とも本当に心和むお話でした*:..。o○☆゚
「しあわせは子猫のかたち」
やわらかそうなイメージを持ちつつ
やはり乙一さん独特のちょっぴりスパイスを含んだ
さっぱり&さわやかなストーリーでした☆
「失踪HOLIDAY」
私はこの物語の主人公ナオちゃんの
ひねくれた性格がちょっと好きかも(笑)
ワガママで思いついたことは
スグに実行しないと気がすまない女の子。
人様に迷惑をかけるのが得意で
そんな迷惑を被ってしまったクニコさんの
のんびりでドンくさい人柄も微笑ましいです♪
後には引けなくなったナオちゃんのある計画で
色んな人が心配したり必死になったりと大変な思いをするのだけど
最後にはちょっとしたどんでん返しのような出来事によって
驚かせてくれるのも楽しかった。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
う〜ん、これは完全に『白』のほう、でしょうね。
羽住都さんのイラストもやっぱり好きです。
【追記】
乙一さんのあとがきに、、(≧∀≦)ブハッ!!
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またのご滞在をお待ちしてます……
わたしがあの子を育てているのは、義務などではないんだよ。ただの、どこにでもありふれた、一般的な想いからなんだ。
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良かった。
子猫の話も失踪ホリデーも良かった。
血の繋がらない父と、その再婚相手の継母のナオへの気持ちが良かった。
ナオのクズっぷり、意地汚さが最高だった。
Posted by ブクログ
しあわせは子猫のかたち
失踪HOLIDAY
の二作収録。
前者は読んだことがあったので、後者のみ読んだ。
主人公のナオと家の使用人のクニコを中心に話が進む。
グロテスクさは全くない。
話が一気に展開するときのスピード感や、伏線の回収などが楽しい。
Posted by ブクログ
「しあわせは子猫のかたち」
人と関わるのを拒絶した大学生「僕」が越した伯父の家に前に住んでいたのは写真が趣味の女子大生。強盗に襲われて死亡した彼女が暮らしたままの家にやってきた「僕」は姿の見えない同居人の存在を感じる。彼女との日々の中、「僕」は美しい世界に生きていいのだと知る。
姿無き同居人と子猫との、2人と1匹の生活が、素朴で切ない幸せに溢れた日常。
こういう乙一さんの切ないシーンが私はとても好きです。
「失踪HOLIDAY」
大金持ちに引き取られた「わたし」は思いつきで家出をする。自宅の離れに住む使用人の娘の部屋に身を潜めているも、父親に心配して欲しくて狂言誘拐を企てる。その中で彼女は自分が未熟である事を知る。
狂言誘拐の結末のどんでん返しが面白い。
文章だけを追っていると作者の掘った穴にちゃんと落ちるという(笑)
最後にコタツで寛ぐ少女の寛ぎっぷりが好きです。
Posted by ブクログ
「しあわせは子猫のかたち」と、表題作の「失踪HOLIDAY」を収録。
「子猫」は最近よく読みますが、また読んでしまいました。切なく、それでいてしっかりと話が組み立てられていて名作だと思います。
「失踪」の方は微妙かと。最後にあっと言わせはしますが、キャラ付けとはいえ主人公に話を引っ張っていく魅力は少し薄かったような気がします。
「子猫」は色んなアンソロジーに収録されていたりしますが、こちらには挿し絵もついていますので、「子猫」が好きな人は楽しめるかと思います。
Posted by ブクログ
これは面白い!
「しあわせは子猫のかたち」「失踪HOLIDAY」ともに乙一作品の中でかなり上位に入ります
乙一作品の中でもかわいらしさが出てる2作品だと思います。
2022.2.3
再読。昔の感想とは違いもう少し強いのを求めてしまったので、マイナス1に変更しました。
Posted by ブクログ
短い短編の『しあわせは子猫のかたち』は最初読み始めて、あれ?この話知ってる・・と。「失はれる物語」にも入ってて読んでたわけでこれは飛ばしました(笑)
そして表題作の『失踪HOLIDAY』は
面白かった〜!!
【14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。
大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩の末
衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!
こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが
事態は思わぬ方向に転がって…!?】
どっちの作品も≪白乙一≫ですかね。
最後まで読んでよかった〜と思える作品でした。
「しあわせは子猫〜」も優しい幽霊の話で
じ〜んとできるお話ですよ。
薄い文庫本なのですぐ読めます!
Posted by ブクログ
「しあわせは子猫のかたち-HAPPINESS IS A WARM KITTY」
「失踪HOLIDAY」
角川つばさ文庫の『しあわせは子猫のかたち(『失踪HOLIDAY』から改題)』を以前読んだことがある。
もう内容をあまり覚えていなかったので、こちらで読み返してみようと思った。
「しあわせは子猫のかたち」のことを思い浮かべると、子猫の暖かさを思い出す。
短編集『失はれる物語』にも「しあわせは子猫のかたち」が収録されていた。
Posted by ブクログ
「しあわせは子猫のかたち」と、表題作「失踪HOLIDAY」の二編を収録。
ちょっと変わった設定を用いて魅力的な物語を創造する、作者の才能の片鱗が窺える作品集だと思います。
それぞれ違った良さがありますが、個人的には「しあわせは子猫のかたち」が好みです。切なさの中にほのぼのとした温かみを感じる、とても優しい物語でした。
一方、小生意気な女子中学生が企てる狂言誘拐の顛末を描いた表題作は、杜撰で穴だらけの計画が実行されることに終始ハラハラ。
使用人のクニコさんのキャラクターも印象深く、主人公とのやり取りも面白かったです。
期待を裏切らないあとがきも含めて、最後まで楽しめる一冊でした。
Posted by ブクログ
「しあわせは猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2編を収録。
「しあわせは猫のかたち」は大学生になり一人暮らしを始める、人の嫌いな男の子の話。
人と関わりたがらずに、部屋のカーテンを閉めっぱなしにするような「ぼく」だったが、引っ越し先で奇妙な現象に遭遇する。今まで読んだ乙一作品でこれが一番好き。
「失踪HOLIDAY」は家出して誘拐されたふりをする大金持ちのひとり娘、菅原ナオの話。漫画を買ったあとに読んでも面白かった。自分の娘を心配する父親の姿が健気でかわいらしい。
Posted by ブクログ
高校生の頃ハマっていた乙一さん。角川スニーカー文庫はすべて未読だったため、まずは表題作を知らない本書から。『しあわせは子猫のかたち』は『失はれる物語』で読んだため割愛。
これは子どもの間に読んでおきたかった。展開に無理がある部分にツッコミを入れてしまうため、純粋に入り込めなかった。黒乙一の場合を考えて身構えていたので、いつクニコが不幸に見舞われるかとハラハラしながら読んだ。全体的に呆気なく終わり、少し物足りないが、読書し始めの頃に読むと良いかも。コタツに入りながら読めたので雰囲気はバツグンだった。
Posted by ブクログ
「しあわせは子猫のかたち」は、『失はれる物語』で読んだことがあるので飛ばした。
こちらは「しあわせは子猫のかたち~HAPPINESS IS A WARM KITTY~」という副題がついているが、内容は変わらないみたいだ。
「失踪HOLIDAY~しっそう×ホリデイ」は、乙一にしてはあまり心をつかまれない、ダレた展開が続くなーと思っていたら、ラストはさすがだった。
全く疑いもせずに読んでいたから、ほとんどなににも気づかなかった。
狂言誘拐を演じた主人公の女子中学生が、事件を機に家族関係を見直す話かと思っていたら、確かにそのような展開にはなるのだが、実はいろんなことが起こっている。
切なさの乙一とはまた違って、温かい感じの物語。
Posted by ブクログ
デビューしたての頃ってことか、もしくはラノベ系だからってことか、正直、彼の作品を殆ど読んだ後に本作を手に取ると、ぬるい。短編と中編の2作が収められているんだけど、どちらもなんか、とりあえず及第点を狙いました、程度の出来映え。設定にたいした斬新さはないし、オチも想定の範囲内でした。
Posted by ブクログ
しあわせは子猫のかたち
他の単行本に載ってた…
失踪HOLIDAY
大金持ちのひとり娘ナオが誘拐された。その誘拐犯は…何とナオ自身?家出したつもりのだけだったのだが、ひょんな事で大騒動に。後戻り出来なくなったナオは誘拐を捏造するしかなかった。
Posted by ブクログ
再読。10年前は「失踪HOLIDAY」の方が好きだった。今読んだら「しあわせは子猫のかたち」が素晴らしいと思う。人間って変わるのね。
まぁ、「子猫のあれ」は他の本でも読んだけど。この乙一、文章が若いね!
Posted by ブクログ
『しあわせは子猫のかたち』
見えないものとの同居。乙一さん、好きだな。
『失踪HOLIDAY』
何を書いてもネタバレになっちゃうかな?
ヒロインは自分の居場所を見つけたのだ。
まだ中学生。
これからどう生きるか、先は無限大。
Posted by ブクログ
やっと読めた。廃版作品なので中古で探して購入。
ほのぼのした結末に満足。
他の乙一作品とは異なる作風。スニーカー文庫だけあって、やや子供向けにも感じるけど大人でも充分楽しめる作品だった。
Posted by ブクログ
失踪というか、疾走?w
気持ちよく読めて、なんかほっこりする。
乙一さんのダークな世界を期待して買ったので読んだ当初は肩透かしをくらいましたが、温かい話が欲しい時には読み返したくなる、そんな短編集です。
Posted by ブクログ
今まで読んできた乙一の作品群とはちょっと毛色が違うライトテイストな短篇集。個人的にはブラックなストーリー展開にちょっと「優しさ」が隠れている系統の方が好きかなあ。