あらすじ
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄弟の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作品。
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Posted by ブクログ
前半の「夏と花火と私の死体」よりも後半の「優子」の方が面白かった。
「優子」では、住込みで働いていた清音が鳥越家に植えられていた毒性を持つベラドンナの黒い実を食べてしまったことが原因で正常な判断ができなくなり、優子を人形だと勘違いしてしまった。
中盤では清音より前に働いていた静枝と赤いナツグミの実を食べながら、最近食べた際に酷い味がして、その日の夜には体調を崩したと話しているので、この時に毒性のあるベラドンナを食べてしまったのだとわかる。
そして最後の方では一番最初にあった何代も前に鳥越家にやって来た子供の手に握られていた花がベラドンナだったという説明があった。
全体を通してしっかりと伏線が回収されているため、国語の問題に使用したら良さそうだと感じた。
Posted by ブクログ
倫理観とかそういうのが欠けている話。
完全に加害者目線で読んでしまったので、隠した死体がバレそうな瞬間はハラハラして冷や汗滲みます笑
バレるのか?隠し通せるのか?気になって読む手が止まりません。
ちなみに、もうひとつ話が収録されていますがもう片方の「優子」も面白かったのでおすすめです。
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五月ちゃん以外やばい人たち。終わったあとも何かしら薄辛い危険なストーリーが続きそうに感じられるのもいい。(中途半端に終わってるとかではなく)
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この本が私が小説にハマったきっかけです。
とにかく伏線回収と読後の余韻が好きだった。
死体の目線という新しい視点という面白い小説、一番最初に読んだのがこの本で良かった!!
死体視点という設定のおかげで一人称を使いながら実質的な神の視点を作り出している。
また死体視点というファンタジー要素を見せたり、田舎の風景を色濃く書くことにより物語のリアリティのレベルをあやふやにしている。
設定から面白い。
Posted by ブクログ
すごい。この作品は一切無駄がない。
「私」は無邪気な殺人者によって、あっけなく殺されてしまいました。さあ、その死体をどこへ隠しましょうか。
本作は死体を隠蔽しようとする兄妹の、悪夢のような四日間を語る作品です。しかし、その語り手は死体となった「私」。客観的に語られているはずなのに、兄妹の危機感と切迫感がビリビリと伝わってくる。歪で不気味でゾッとしてしまうのに、死体を隠すさんと右往左往する兄妹をつい応援したくなってしまう、不思議な読書体験でした。
暑い夏の夜、ぜひ手に取ってみて欲しい一冊です。
★こんな人におすすめ
ホラー小説に挑戦してみたい人
伏線回収が好きな人
Posted by ブクログ
子どもの無垢さと残酷さが紙一重で描かれ、読み進めるほど背筋がひんやりする一冊。
死体が語り手という衝撃的な設定なのに、不思議と淡々と物語が進むからこそ怖さが際立つ。短編ながら読後の余韻は長く、乙一作品の魅力がぎゅっと詰まった作品だった。
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短くていいが、知恵のある子供は怖い。
オチもいいが、終始胸糞悪かった。
優子という短編も収録。
これもいい。短くて、無駄がないからいい。4.0
Posted by ブクログ
兄妹と死体のジュブナイルストーリー
表題作だけ言及します。
もしあなたが子供で、自分の友人の死体に出会ってしまったら、どういう気持ちになるでしょう。
恐怖や悲しみ、ショックを感じるでしょうか。あるいは、自分が殺したことへの罪悪感を感じるかもしれません。
ところが、本作の主役となるきょうだいは、どこかおかしい。どうも倫理観が狂っており、読んでいて頭が痛くなります。
妹の弥生は自身による殺人がバレてしまうことばかりを恐れ、兄の健は死体の隠蔽工作をゲームのように楽しんでいます。
二人とも、友人の死に対する恐怖や悲しみを感じていません。とにかく隠蔽工作に力を費やします。
この死体を巡る攻防には、とてもハラハラさせられ、いつしかきょうだいを応援してしまいます。花火大会のノスタルジックな情景の中で、死体が見つかりそうになる、隠す、移動させる。この展開は楽しく、いったん頭痛も治まります。
さて、本作の語り部である「わたし」が、タイトル通りに死体である点も、頭が痛くなる要因の一つです。
隠蔽・運搬・捜索といった、死体に起こる様々な出来事が、全て一人称で語られます。死体なのに心情描写まであります。ところが、殺されたことに対する恨みなどは描かれません。死体であるせいか、「わたし」の感覚もどこか普通ではなさそうです。
さて、果たして本作はホラーなのか?という疑問も出てきそうですが、いざ読んでみるとやっぱりホラー。思わずゾッとしましたよ。
Posted by ブクログ
あの子たちは腐りゆく私と遊びのように無邪気に過ごす。
無垢な笑い声が遠ざかるたび、湿った土の冷たさと残酷な静寂さを実感する。
終わらない夏の暗がりに、私はただ静かに溶けていく。
二十歳くらいのじめじめした夏に、不謹慎ながらワクワクしながらゾワゾワしてた思い出。
Posted by ブクログ
二編とも結構面白かった。
『夏と花火と私の死体』で印象的なのは、「わたし」こと五月の、殺されたあとの喜怒哀楽のない視点がなんとも不気味だったことだ。五月を殺した弥生に対する怒りなどの描写がなく、それでいて重要でない部分に喜びや恥じらいを見出すところが強かった。そして気持ちの良いどんでん返しかあって最高だった。
Posted by ブクログ
これが乙一さん初めての作品。
才能が過ぎるって!!
殺された主人公視点で話が進められていく新しい感覚!
主人公は殺されてるけども悲しそうではなく、淡々としてて終わり方も上手だなと感じた。
この話の内容で短編に仕上げたのがすごいなぁ。
え、もう終わり?続き読みたい!となるような本でした。
Posted by ブクログ
「殺された少女」の視点で綴られる物語。その斬新な設定に引き込まれ、一日で読破しました。
死体を隠し通そうとする子供たちの冷徹なまでの思考と大胆な工作。大人の目を巧妙にはぐらかす様子には、読んでいるこちらまで共犯者になったかのようなスリルを覚えます。
幼い頃、親の目を盗んで隠し事をした時のひりつくような感覚を思い出させてくれる、不思議なリアリティを持った一冊でした。
Posted by ブクログ
斬新な語り口というのがどういうものなのか疑問だったが、その疑問は直ぐにわかることになる。
しかし、この特殊な語り口は他の小説とは違い物珍しさというので、最初は面白かったが、特になぜその語り口なのかの理由が無いため、変に期待してしまったため、呆気なく終わったのが残念。ただ、その視点で見るかという新鮮且つ気持ちの悪さは大変良かった。「空中で、お気に入りのサンダルが片方脱げたのがとても悲しい。」この文を筆頭に、しっかりと「ある視点」からの淡々とした感情が描かれているのが、気持ち悪さと同時に哀愁を感じさせるもので、とても惹き込まれた。
あと緑さんのことをもう少し深堀って欲しいところではあった。
終盤の別の物語である「優子」もまた別の不気味さがあり、定番のミスリードに騙されてしまった。
Posted by ブクログ
私が人生で一番初めに読んだミステリー。
遺体目線で話は語られて、遺体を隠蔽する事に翻弄される犯人側を静かに見つめているのですが…
もう死んでいるとわかっているのに手に汗握る。。
そして、死んだ主人公が一番可哀想なはずなのに、遺体を必死に隠そうとする犯人の姿に、誰の味方でいたらいいのか段々とわからなくなってきます…
その設定が斬新で驚いたのとともに、この作品を乙一さんが書かれたのが高校生ということに驚きを隠せませんでした…!
それまでほっこり小説ばかり読んでいて、時折切なさや大切な気持ちに出会うばかりだった学生の私は(良いことです)強烈な雷に撃たれたように、それを機に乙一さんの作品を片っ端から読みました笑
凄いことを考える人もいるもんだ…!と感心しきりで、たくさん読みましたが、手放しに人に薦めるにはちょっと勇気がいる…というよりも、そもそも学生時代に周りに本を読む子も、私が本を読んでいることを知る子もいなかったので、同じ乙一さん好きの人をネットなどで見かけた時には嬉しくなりました^ ^
今でも好きな作家さんで、名前を見ると、おっ!と目が止まります。
忘れられない本の一つです。
Posted by ブクログ
殺されたにしては五月ちゃんの語りが淡々としていて違和感でした。
兄妹に対して恨みつらみを述べる訳でもなく…。
なので、解説の五月ちゃんという名の「神」視点に納得しました。
罪悪感でなくても犯罪という自覚はあるため、バレたら怒られる感覚の弥生ちゃんはまだ頑張ったら分かります…が、お兄ちゃんは怖いな。
緑さんが共犯者となりなんとか事なきを得た感はありますが、今後の兄妹の行く末はどうなるんでしょう。
緑さんは転職出来ませんね。
『優子』の時代背景やそれに基づく描写が好きです!
お話は怖くて悲しかったですが…。
Posted by ブクログ
乙一先生は16歳でこの作品を生み出されたと知り、驚きました。
こんなに悲しくて恐ろしいお話に出会えて嬉しいです。乙一先生の作品を読むのは初めてでしたが、とても素晴らしかったですね。
Posted by ブクログ
乙一のデビュー作らしい。これを書いたのは16歳のころだったとか。恐ろしい才能だ。
物語の冒頭で殺されてしまう五月ちゃん。その死体を隠すために奔走する兄妹。この兄妹の兄の方の健くんが死体を隠すスリルを楽しんでいるようで、その異常性に恐怖を覚える。
やはり素晴らしいのは表現方法だ。殺された五月ちゃんの第一人称視点で物語が構成されるとは思わなかった。アイデアに脱帽である。終始奇妙な感覚に追われて、話も長すぎず適度な緊張感を持って読むことができた。
面白かった。
友人から話を聞いて気になったので読んでみたらとても面白かったです。
最後そう転ぶとは思わなかったので、ビックリしましたが、思い返してみるとあれは伏線だったのかという点がいくつかあったので納得しました。
『優子』も最初はどういうことなのかわからなかったけれど、あとからわかってゾッとしました。
メリバ、イヤミス(またはミステリーに近いホラー)を読みたいときにオススメしたいです。
Posted by ブクログ
サスペンスでもあり、ホラーでもあり、ヒトコワでもある。
死体目線の語り口は小説ならではの表現な気がして面白かった。
文章が読みやすくて、これを乙一氏は17歳で書いていたと知って驚愕しました。
Posted by ブクログ
GOTHシリーズの乙一のデビュー作。
ある2人の兄妹と、女友達五月(ストリーテラー)のストーリー。
妹が、ある事故によって女友達を殺してしまい、その死体を兄妹が隠していくのを女友達が語っていくストーリー展開が印象的で面白かったです。
隠していく中での、田んぼの風によって靡く稲穂の情景、夏祭りでの花火の情景が読んでいて、風景が想像できました。
特に花火の「噴水のような花火が筒の口から光の粒をはき出している。
それは金色に銀色に輝き、お宮を、石垣や木のやしろを幻想的に照らしだす。
その風景はまるで夢のように人々の瞳に焼きつき、長い人生の思い出となっていつまでも残るのだろう。
時が流れるにつれて輝きを増し、そして色鮮やかにいつまでも・・・。」の文章が特に良かったシーンです。
死体を隠したい兄妹は、この花火のように友達と楽しく過ごした日々を隠す事によって、何時迄も色鮮やかに残して行きたいんだと思いました。
この事件を読んでいくと5月に京都で起こった小学生行方不明殺人事件を思い出しました。
この小説と同じようにイベント時に事件が起こり、死体を隠される所は同じだなと思いました。
父親に殺され、警察には行方不明と伝えられ、何日も死体を隠されている。
発見されるまで、小学生は父親の姿を見ながらどう思っていたのかなーと思いました。
子供と一緒に楽しんだ記憶等を犯罪で上塗りしたくは無かったと信じたいですね。
Posted by ブクログ
幼い子供二人が死体をどうにかして隠す話。
面白いのは死体目線で語られ、その死体目線だからこそ、最後の最後のオチが生きるという非常に上手い構成。
これがデビューというから本当にすごい。
もう1編収録されている「優子」も背筋が寒くなるような不穏な展開で、こちらのオチも良かった。
Posted by ブクログ
著者乙一のデビュー作
表題作である「夏と花火と私の死体」と、「優子」の二編を収録した内容。
表題作は主人公の五月という少女の視点で話が進むのだが、冒頭でこの五月は些細な理由から女友達に殺害されてしまい、五月の死体をどこに隠そうかと女友達とその兄が奔走する というのが内容なのだが、特徴は視点が五月のままであるということだ。
極めて俯瞰的に自分の死体の状態や、兄弟の行動を見ているのがシュール。
展開は正直中盤あたりからなんとなく読めてしまう内容なのと、やや登場人物の行動が単純過ぎるとは思ってしまったが、本作は氏が十六歳の頃に執筆したものであることを鑑みれば素晴らしい出来だとは思う。
Posted by ブクログ
この兄妹怖いしやばいなと思った、死体目線で語られるのもなかなか面白かった、夏の情景とかがしっかり頭に浮かんで夏にピッタリだなと思った、最後はゾクッとした
Posted by ブクログ
「夏と花火と私の死体」 死んだ私の一人称で語られるうすら寒い作品。 私の死体を隠すスリルを楽しみ、淡々とことある問題に対処していく健くんが怖い。あと、弥生ちゃんが自分の保身で精一杯で、私を殺したことに対する罪悪感が感じられないところも、悲しくなります。 良心ってなんだ?っていう人しかいなくて、いっそのこと清々しいです。 「優子」 50ページ程度の短編ですが、個人的にはこっちの方がおもしろかったかな。 狂っているのは誰なのか、まんまと騙されました。子猫を人形と間違えたところは伏線だったのですね。
Posted by ブクログ
初読み作家。
ホラー作家のイメージが強く遠ざけていたのだが、コミュニティセンター図書コーナーで見つけて手に取った。
殺された私:五月の一人称で語られる面白さ。
五月の魂は俯瞰して状況を語っている。
そこに恨み言がないのがまた面白い。
さて、私の死体はどうなるのか?
登場人物のサイコパスの恐ろしさ!
これを著者が16歳の時に書いたというのだから驚く。
他短編『優子』これはどう考察したか、読者それぞれに委ねている…お屋敷のお手伝いとして働き始めた清音。2週間経つが、まだ優子奥さまに会ったことがない。狂っているのは?
《コミュニティハウス図書》
Posted by ブクログ
20年前、友人に勧められて読んだ思い出の作品。
当時「16歳の作者が書いた本格ホラーミステリー」、それも死体視点という斬新な設定で話題になっていたことを覚えている。今読み返してみても、16歳が書いた作品とは思えない程にまとまっていて、才能を感じさせる一作。
物語の結末では"私"の死体はアイスクリーム工場の倉庫の奥深くに隠され、行方不明になったままで終わる。
その少し前に描かれた、いなくなった娘を探して消沈している母親の姿を知っているだけにやるせない気持ちになる。一方で犯人である兄妹にははっきりとした罪悪感の描写がなく、兄に至っては死体隠しゲームを楽しんでいる素振りさえもあった。その対比もあって、全体的に後味が悪い。
久しぶりに読み返してみると、死体視点のはずなのに、"私"の観測範囲外の出来事が描写される事が多いこと、登場人物の話し方のわざとらしさ等、拙いと感じる部分も多かった。
昔のように手放しで「すごい」「面白い」とは思えなくなってしまっており、20年の年月による自身の変化を感じた。
Posted by ブクログ
主人公が早々に死体になり、話は死体目線で進んで行きます。
高校生が書いたと思って読めば
フレッシュさを感じる所があるのかな…
でもこの発想や展開は想像を超えていて
ずっとハラハラして一気に読んでしまいました。
すごいなぁ。