乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
乙一は、想像力を掻き立てるのが本当に上手い。
怖くてたまらなくて夜に自宅では読めず、出勤前の朝や人が多いカフェで読みました。
スッキリとした分かりやすい文体なのに、そのシーンがありありと目に浮かぶ。
人物も個性的ではない普通のどこにでもいるような人達だからこそ、共感できて読み手もその世界に入り込んでいける。
本作にも、そんな作者の魅力が味わえます。
「目を逸らしたら近づいてこない」ってシンプルで分かりやすい対策ですが、最高に怖い。
怖いのに、見たくないのに、見続けていなければならないなんて。
ラストは好みが分かれるかもしれませんが、すごくリアルに感じて私は好きでした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ近藤史恵「未事故物件」
一人暮らし始める前に読まなくてよかった。
ホントに怖いのは生きてる人間。
でも、毎日4時に洗濯機回されたら発狂しそう……
福田和代「迷い家」
舞台は現代日本だけど、導入はほんのり日本昔話テイスト。
優しいお出汁のお鍋食べくなっちゃった。笑
最後のオチはちょっと強引な気もするけど……。おちょこに指紋ついてるくらいなら、他のものにもベタベタついてるでしょって。
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
自分の両親も主人公と同年代くらいの頃に離婚しているからか、感情移入がはんばない。しかも4つ下の弟がいるのも一緒!
両親のどっちについていっても良いよって、子供の気持ちを尊重してくれてるのは分かるけど、その実ひどく酷だよね。特に父も母も好きなら。どっちかを選ぶってことは、どっちかを選ばないってことだよね……分かりみが深すぎる。
でも、父母が仲良くない空気の中で過ごす家庭はひどく心がしんどいので(この描写も分かりみ!)離婚してくれて良かったとも思ったなぁ……などと昔のことを色々思い出した。
松村比呂美「置き去り」
オチまでキレイにまとまった作品。
慣れない外国、しかもジャングルになんて置き去りにされたら……考えるだに恐ろしい。時間にルーズな私は団体旅行には行けないな。
登場する女性がみーんなこの「置き去り」経験があるって言うのはなんか笑っちゃった。
篠田真由美「迷い鏡」
すごく少女漫画チックなお話。少女漫画にしたら映えそう。古い洋館とか、樹木の迷路とか。
最後がなんかふんわりで、個人的にはもちょっとアクの強さがほしかった。
新津きよみ「女の一生」
パラレルワールドは存在するかもしれないんだよ。観測されてないだけで、ないとは言いきれない。
とすると、最後の部分は主人公が自殺してしまった世界と、隣に立った男性が自殺したせいで主人公が自殺できなかった世界が、重なったのかも。同じフィルムに2回写真撮ったみたいに。
柴田よしき「迷蝶」
あーん、やられた。
できすぎなくらい偶然が重ならすぎ…って途中まで思ったけど、それは思惑の元に起こったものだったという。こういう展開、大好き。
自分の何の気なしの行動がどこかで重大な事態(そしてそれはとてつもない悲劇かもしれない)を引き起こしている可能性は誰にでも常にあるなぁって。
風が吹けば桶屋が儲かる、の類似のことわざ?バタフライエフェクトから(もともとは物理用語?)、この話の核に蝶を据えたのかしらとか考えたり。
大沢在昌「覆面作家」
大沢先生の作品は学生の頃から好きだったので、この短編ももちろん好きでした。
それぞれ作家とゲームクリエイターになったかつての親友(と呼んでいいのか?となっていましたが)、それぞれが知らないところでそれぞれの作品のファンにひっそりとなっている…っていうエピソードで妙に泣きそうになった。
あとがき/福田和代 -
購入済み
面白かった。
友人から話を聞いて気になったので読んでみたらとても面白かったです。
最後そう転ぶとは思わなかったので、ビックリしましたが、思い返してみるとあれは伏線だったのかという点がいくつかあったので納得しました。
『優子』も最初はどういうことなのかわからなかったけれど、あとからわかってゾッとしました。
メリバ、イヤミス(またはミステリーに近いホラー)を読みたいときにオススメしたいです。 -
Posted by ブクログ
最近しょぼくれている私に
会社の先輩から突然、本のプレゼント。
ジョジョの奇妙な冒険のノベライズで、
4部作あるうちの一冊。
乙一さんの"The Book"だった。
ジョジョの奇妙な冒険は全く知らないので
どんな本なんだろう…とワクワクしながら
読み進めた。
初めの2ページに
主人公の蓮見先輩と楽しそうにお喋りしている女の子が
時を経て大切な人を殺してしまう終盤の場面から
物語が始まりぐっと惹きつけられる。
ストーリーの軸は
主人公の蓮見琢馬(The Bookのスタンド使い)の父への復讐劇。
The Bookのスタンドを持つ琢磨と
ビルの隙間で一年間生き抜いた女性と
杜王町で起こった殺人事件を追う広瀬、仗助、億泰の3つの話が同時進行するが
一話毎に違う登場人物の視点で物語が
進んでいく中でこの3つの話が交錯し
1つのお話になっていく。
途中からはほぼ交互に琢磨の母親と
琢磨の視点で話が展開され、
母視点で『生』を琢磨視点で『死』を感じられ
そこが悲しいのに、なぜか美しい。
"スタンド"の戦闘シーンが
とにかく素晴らしくて
文章が的確で場面が自然とイメージができ
映像で見ているような不思議な気持ちになった。
最後の1ページまでサプライズがあり
読後感をグググーっと良くしてくれた。
面白かったぁ‼︎
本を読むとちょっと元気が出て、心落ち着く。
読書の効果って不思議だな
本をくれた先輩、ありがとう! -
Posted by ブクログ
現世(こちらの世界)でいじめられていた兄弟が、ファンタジーの世界に流れ着きます。
そこでは「異邦人」である彼らの心の闇から生まれた「怪物」が猛威を振るっていました。彼らが生み出し高異物を退治することが、元の世界に戻る唯一の方法だと聞かされた兄弟は、まずは弟の心から生まれた巨大な「大猿」を退治するための戦いに身を投じることになります。
父親が死に、繰り返されてきたいじめによってすっかり性格が悪くなった弟グレイが生み出した、怒りに身を任せて破壊を繰り返す大猿は、その被害の大きさから「退治されるべき存在」として描かれますが、それだけの負の感情をため込むに至ったグレイのつらさを考えると、創造主であるグレイの怒りを彼に代わって放出しているだけで、消されなくてはならない存在とされた大猿の存在価値のはかなさにも心が痛みます。
乙一が描くファンタジー作品ということで興味を持って手に取りましたが、ただの不思議な冒険物語で終わらず、主人公の心理描写が緻密であるところや、人間の怒りや憎しみといった負の感情が形を持った「怪物」がファンタジー世界を破壊する存在として描かれるという設定などは著者の個性が発揮されているように思います。
シリーズ作品として第2巻が刊行されているようで、続きが気になる作品でもあります。 -
購入済み
最近の本かと思ったら、20年近く前に出版されてたんですね。テレカや有人改札が出てきて、思わず出版年を確認しました。今まで手に取る機会に巡り合わなかったとは!
突拍子もない設定ですが、面白い。引き込まれます。 -
Posted by ブクログ
気持ちが悪い。少し前に『ZOO1』を読んだけど、それよりも後味が悪かった。それでも読みたくなるような奇想天外なストーリー性とあっさりとした語り口は、本当にすごいと感じる。
最後のショートショートには色々な解釈が生まれると思う。
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天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。目が覚めたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇(「血液を探せ!」)、ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か?(「落ちる飛行機の中で」)など、いずれも驚天動地の粒ぞろい6編。文庫版だけのボーナストラックとして、単行本に入っていなかった幻のショートショート「むかし夕日の公園で」を特別収録。 -
Posted by ブクログ
*読んでからレビューを書くまで時間が経っているためあやふやな部分があります。
たとえ外見は汚れていても、心は美しい。
表題の天帝妖狐の方は主人公の生い立ち、苦労そういうものが、ヒロインに合うにつれて徐々に変化していく過程などとても興味深く読めた。
a masked ball は、他人との交流の手段が、多々ある現代のものではなく学校の、それもだれも使わないような離れのトイレにある落書きに絞ってたことで、その落書きを書いた相手、そして自分もまた落書きを書く相手どちらも不特定になりまた多数の可能性もあるという奇妙な関係がとてもよく書かれていて、よくこれを題材に書き上げたな、これでストーリーを書き上げられるんだな、と終盤までは感心したのだけど、オチが自分は納得いけるものではなかった。非現実を取り入れるということはホラーとしては面白かったのだけど、ここまで緻密に書き上げられたものが最後に崩れ落ちてしまったようなそんな感覚だった。だからといって、あなたならこのオチをどうしますか?と言われても、これ以上のものは考えてもでてはきはしないが。