乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原作・つのだじろう、脚本・高山直也、シリーズ構成・乙一、ノベライズ・八坂圭『小説 ドラマ恐怖新聞』角川ホラー文庫。
その昔、テレビゲームも無い時代、つのだじろうの『恐怖新聞』を始めとするホラー漫画ブームがあり、夕暮れの教室の片隅で友達と恐怖におののきながら読んでいた記憶がある。本作は最近テレビドラマになった『恐怖新聞』のノベライズである。
テレビドラマの方は大幅に脚色され、小野田詩弦という女子大生が主人公の現代ドラマだった。しかし、『恐怖新聞』のエッセンスをしっかり継承し、原作で主人公を演じた鬼形礼も重要な役割を担って登場するなど、原作を知る者を喜ばせてくれた。
さて、本作であるが、細部にわたりテレビドラマに忠実なノベライズになっている。テレビドラマでも話題になった突然の時代劇による『恐怖新聞』の始まりと主人公の詩絃が背負う業と前世の記憶についても忠実に描かれている。考えてみれば、『恐怖新聞』の伝える恐怖というのは、現代のSNSが伝播する噂や個人情報、事件の裏事情などの恐怖と一つも変わらないのかも知れない。
京都市内で独り暮しを始めた大学生の小野田詩絃の元に1度受け取る毎に寿命が100日縮むと言われる『恐怖新聞』が配達される。『恐怖新聞』で伝えられる近い未来に起きる悲惨な事故や事件を阻止すべく詩絃はバイト仲間の勇介や幼馴染みの桃香と共に行動を起こす。
陰惨な事件に遭遇し、次第に壊れていく詩絃の平穏な日常と相次ぐ悲惨な出来事……
過去に登場人物の誰もが命を失ってしまうという悲惨な結末のドラマなどあっただろうか。
本体価格680円
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Posted by ブクログ
「Calling You」(「ザ・スニーカー」2000年4月号掲載)
「傷-KIZ/KIDS-」(「ザ・スニーカー」2000年10月号掲載)
「華歌」(文庫描き下ろし)
以上3つの短編を収録した作品。
どの短編もよかった。
書評にもある「“切なさの達人”」はまさにその通りだ。
3つの作品に共通するのは、誰かの心の支えとなるものが描かれていることだと思う。
「Calling You」では、ユミがシンヤに支えられていたように、シンヤもまたそうだったから、あんな行動に出ることができた。
「傷-KIZ/KIDS-」では、アサトと「オレ」は、心の傷も分かち合っていた。
この2作品を読むと、支えるということが単純に素敵だと思える。
「華歌」は、結末に触れてしまうので多くは語らない。
寂しさと少しのホラーを混ぜ合わせたような独特の雰囲気は、読んでいる私を不安な気持ちにさせた。
終盤の意表を突くシーンも、少々強引なところはあったが、騙された。
傷を癒すためには、同じ痛みを知っている人の力が効果的ということだろう。
それにしても、よくこうも作風を変えられるものだ。
また乙一作品を読もう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ懐かしい。。。
学生時代本編読んで 黒乙一氏 なるものを知った。
後書、愚痴としてサラリと受け止めるべきなのか
大人の都合を痛烈に批判しているのかどちらか分からないが
執筆活動も個人だけでやれるわけではないのだなぁ。。
(アニメーションは集団で作り上げるから大変だとは思っていたけれど、小説も出版社と色々あるわけで。。。)
人殺しの男性の目線で書かれているのだが、共感までとはいかんくても異質として排除したり、付き合ってられない、という感じではなく
彼の考え方に ナルホド。。。 と思ってしまう。
後書で個人的思想が入り込んでいる、とあるけれど
少数派意見なのにうまいこと説明できているというか。。。
友人にコミックを借りたことがあるが
森野は双子の片割れだし、意外に「普通」な子で
やはり樹が底知れないなぁ。と。。。
続きが書かれないと後書きにあったけれど
自立して、家族から離れ、好きに生きることができるようになった大人の彼がどういう風に日常を生きていくのがが気になる。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレA MASKED BALLも好きな感じのミステリー?ホラー?だったけど(トイレの落書きの連続から始まるお話、そしてラストのスッキリするどころかゾッとする感じがとてもよかった)
いや、いや〜〜〜〜
天帝妖狐、読み終わった今大号泣し過ぎてまだ立ち直れてないからね?ほんとに、フルバのキョンくんの封印が解けてしまった姿と一瞬だけ重なったけど、夜木の醜い姿も隠された凶暴さも孤独も不安も悲しみも、そしてその救われなさ、比べ物にならないな??比べるのがおかしいんだけども
ただの純朴な少年であったろうに、私は早苗に恨み言しか持てない、早苗も寂しかった?だから夜木を引きずり込んだの?でもそれって酷すぎるよ〜〜〜、これから何百年何千年も、誰にも何にも愛される事のない姿をひた隠しながらひとりぼっちで生きてくの?かわいそうすぎない??
と、そんな風に私の心も涙腺もブンブン揺さぶって行きました。
久々に読んだ乙一さん、完璧です。 -
Posted by ブクログ
岩井俊二監督の映画を原作にしたノベライズ作品。
映画の初項と決定稿と、乙一のオリジナルのブレンドで、
映画とはまた別の作品として仕上がっている。と思う(^ ^;
済みません、映画の方は見てないので(^ ^;
登場人物が、みな濃ゆい(^ ^;
主人公も、クラスメイトも、親も(^ ^;
親の離婚で転校して来た中学生が主人公。
クラスでは、何故か皆から距離を置かれてしまう。
いじめっ子やら、クラスを支配する謎のオカルト少女やら、
隣家からずっと覗いてくる引きこもり少女やら、
四クセも五クセもある連中に囲まれてもがいている間に、
徐々に全貌が見えてくる「学校で起きた事件」。
その事件の謎を暴き、引きこもり少女を救うべく
行動を起こす主人公アリス。
が、所詮は中学生だし、解決の「手法」が
びっくりするほどもどかしい(^ ^;
肝心なところで大ドジかましたりするし(^ ^;
結論から言うと、トラブルは解決し、
引きこもりも学校に戻ってくるし、
アリスも自分の居場所をきちんと手に入れるし(^ ^
これは原作映画があるから、なのかも知れませんが、
全体を通して文章が非常に「映像的」な印象。
その分、読み物としてだけ捉えてみると、
ストーリーの「ひねり」が今ひとつか(^ ^;
乙一氏がゼロから書いた作品だったら、
もう二ひねりくらいぶち込んでくるかな、と(^ ^;
その分、星一つ減(^ ^; -
購入済み
読書前ミステリー処女でした
切ない内容です
前半は伏線・前降りの嵐で取捨して読んでしまう私には後半の展開が怒涛で面白かったというよりも、伏線と思もえたものを頭に入れて想像しつつ読んでおけばと後悔させられてしまいました…。
でも起承転結、オチ共に頭に入れて読んでおけば面白かっただろうなと思いこの評価です -
Posted by ブクログ
いじめられっこの兄弟が、亡くなった父の書斎から発見した古い絵本。彼らはそれに導かれるがごとく、異世界「アークノア」に迷い込んだ…
オーソドックスな異世界冒険譚であるものの、「自分のつくった怪物を排除しなくちゃ…」という設定だったり怪物が淡々と人々を葬っていくさまとか、かなりブラックな側面も持つファンタジーで、そのあたりのバランスはさすが乙一。とはいえ、ずいぶん丸くなったブラック乙一だと思います(長年の読者としてはそう思う)。
死のない世界、空のない世界、年をとらない世界、(本来)殺人のない世界。ままごとのようなこの設定をベースに怪物という異種を紛れ込ませてスリルを醸し出し、後半は一つの目的に向かっての絶望と希望を描きスピード感がありました。
全体的にはユニークなキャラ設定や世界設定、わかりやすいプロットで、十代世代にもぜんぜん楽しめるのではないかとも。現実から逃れたい少年の苦しみとわだかまりを怪物という形であらわし、自己を乗り越えていこうとする青春譚としても巧くまとまっています。
兄の冒険譚のつづきをまた楽しみに読みます!