乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幽霊や怪異、不思議な出来事を題材にしながらも、人間の寂しさや滑稽さが描かれた短編集です。
登場するのは幽霊や奇妙な現象ばかりなのに、不思議と怖さよりも、その奥にある人の未練や後悔、誰かと繋がりたいという気持ちの方が強く残ります。
どの作品にも少しだけ現実からはみ出したような人物が登場して、周囲から理解されなかったり、うまく生きられなかったりする人たちが、それでも誰かを想いながら生きている姿には妙な生々しい人間味があります。
ただ、収録作ごとの雰囲気や完成度には多少ばらつきがあり、著者の初期作品のような強烈などんでん返しや衝撃を期待すると、正直少し物足りなく感じる部分もありました。
それでも、しんみりした話の中にふと笑える場面があったり、奇妙な話の中に優しさが隠れていたりして、読んでいるうちに自然と著者の世界へ引き込まれていきました。 -
Posted by ブクログ
特集が「はじめてのクトゥルー」だったのと、乙一さん周年というのとで手に取った次第。クトゥルー、よく見聞きする言葉だけど内容そのものに全く無知なので。
そんな中、一番印象的だったのは、
小川洋子さんの「お借りいたします 棺」
特集と全く関係ない読み切り小説だったから、身構えなく読んでました。だからこそのインパクト ガツン!!だったのかな。
あの結末… ぇ!?どういうこと!?
妊娠と流産を繰り返しているという流れにすごく違和感感じたけど、まぁそういうこともあるかもしれんと強引に納得しつつ読み進めていったら…
葬儀場の職員さんから投げかけられてるあの言葉、
ぇ、どういう意味?? 主人公の周りから見た人物像って、読み手が想像してきた人とは全然別物なの!? それとも、あの場面で急展開したんだろうか…
それまで淡々と進んでいただけに、最後が急展開過ぎて面白かったです。キツネにつままれたみたい。。
クトゥルーに関しては、正直よく分からないままです^_^
用語集とか色々噛み砕いた内容だったけど、頭に入ってこなかった…すみません、あれかな、カタカナアレルギーなのかな、私(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。
設定はどれも面白いのに、散りばめられている伏線が回収できていないように感じられた。
例えば収録話の「BLUE」。
これはある骨董品店で極めて上質な布地を手に入れた人形作家がその布地を用いて四体の美しい人形を作成した後、余った青い布地と、捨てる予定だった端材を組み合わせて一体の皮膚が青色の不気味で低クオリティな人形を作成する。
作成した後に人形作家は骨董品店でこれら五体の人形を売却。
後日「娘の誕生日プレゼントに」と男性客に引き取られるのだが、男性宅にてその後人形達が様々な事件を起こす。
という話なのだが、男性と店主のやり取りの中で、「この人形作家はこれら人形を売却した後にピストル自殺をした」ということを明かすのだが、この事実が何にもかかってこないのである。
また表題作「平面いぬ。」
これは鈴木という主人公が知り合いから紹介された中国人の女彫り師が美人だったということから、左腕に犬の刺青を掘ってもらうことになるのだが、この犬が突然動き出して…
という話。
これは主人公の苗字が鈴木であることは序盤に明かされるのだが、名前が最後まで明かされず最終盤にてようやく分かる作りになっている。
これは一応名前に関する伏線は張られてはいるのだが、叙述のような作りになっているわけでもないので、何故このような形式にしたのかが分からない。
単純に見落としているのかと思って軽く読み直したり、解説記事を読んでみたりもしたのだがどのサイトにも然して触れられていなかった。
総評どれも話は面白いのだが、伏線らしきものが蛇足になってしまっている印象。しっかり回収しないなら最初から張らない方がよいのではと思ってしまった。
もし私の見落としがあるのであれば指摘して欲しい。