乙一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
子供のころ読んだ記憶があるけど内容を忘れていたので再読。
怖さもあるけど、切なくて儚いお話ばかりですごく好き。
表題作よりも残りの3作にすごく惹かれた。映画を見てるようだった。
怖さと切なさが同居する乙一作品。とても濃厚なので、短編なのに短編とは思えず余韻が抜けない。文章1つ1つは淡々としているのに、どうしてこんなに人の心に響く物語を書けるのだろう。
石ノ目の伝承のような怪談話は静かな恐怖が続くけど、切ないオチに驚かされた。
はじめ、BLUEはファンタジーで、切ないけど美しい。
平面いぬ。の家族の設定はチープに感じてしまったけど、ポッキーが可愛いのでよしとします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもう、本筋と関係ないところからして、怖いんです。
人への好意で目玉をえぐり出すカラスとか。
それでなくてもカラスに襲われてから、カラス苦手なのに。
だけどさすが乙一。
怖いんだけど、グロいんだけど、切ないところもちゃんとある。
初の長編小説らしいけど、やっぱり巧い。
ネタバレになるから詳しくは書けないけれど、犯人である人物の、痛みに対する無感覚が恐ろしい。
痛くないから何もない、わけではない、のに。
語り手の菜深(なみ)は、事故で失った記憶と左眼を失った。
が、記憶にない、リアルな夢を見るようになった。
その代わり、頭が良くて明るくて運動神経が良くてピアノの得意だった菜深は姿を消し、何を -
Posted by ブクログ
分冊化その2です。映画化されなかった5編+単行本未収録の超短編(4p)1編が収められています。
『ZOO1』のレビューで、共通テーマはないと書いてしまいましたが、強いて挙げると「生と死」でしょうか‥。ただ、本作もそれぞれテイストが違うというか、タイプが異なる作品が並んでいます。
乙一さんの個性豊かな作品群と言うべきか、ひょっとしたら実験的な取り組みをしているのか、とさえ思ってしまいます。
『ZOO1』以上に、ホラーとギャグ、ドタバタの共存? ブラックコメディ? の気も加わっているのが新鮮です。そのジャンルの域を超越した多種多様な作風は、デパ地下の美味しいものを摘み食いする感覚です。
-
Posted by ブクログ
★3.8
たとえば、恋人が植物状態。唯一残された感覚は、皮膚だけ。そんな、儚くて残酷な設定が貫かれる乙一の短編集。
本書にはゴシックホラーのような、どこか神秘的な、切ないストーリーが溢れている。
幻想や死、孤独や嘘。どの短編も、何かが“失われて”いく。しかし読後に残るのは痛みではない。喪失を通してしか見えなかった、誰かの輪郭や想いがある柔らかな余韻だった。
静かで残酷で、そして優しい物語が詰まっていた。
「見えない」ものや「なくなった」ものが、
こんなにも物語を語れるのかと、少し驚いてしまった。
失われたものたちが、確かにそこに在るような気がした。
ページを閉じたあとも、なお。 -
Posted by ブクログ
本に夢中になりすぎて帰宅しないこともある姉とその弟のお話ー小説家のつくり方
閉店間際のはやってないコンビニに強盗がーコンビニ日和!
クラスになじめない僕が入った文芸部の部長との日々ー青春絶縁体
いい子のふりをしている僕が見つけた鍵ーワンダーランド
車のトランクで辿り着いた場所には王国があったー王国の旗
一面雪景色の公園で誰もいないのに足跡がついていってーホワイトステップ
ファンタジーやらミステリーやら6本とそれぞれへの解説がついた詰め詰め短編集。
あとがき読んで知ったのですが、応募者のボツ小説を乙一センセが調理して美味しくしちゃおうという企画だったらしい。あるものは着想がよかったり、雰囲気が