乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
次々と襲いかかる不条理に次ぐ不条理からなる恐怖。
超自然的な力で齎される恐怖。
その振り幅の広い物語が詰め込まれていて、
最初から最後まで飽きることなく楽しめる。
乙一名義と山白朝子名義で作風に僅かな違いを持たせる書き方は非常に面白いな、と。
特に表題作「Wi-Fiの幽霊」は、WiFiの電波に幽霊が乗っかるっていう現代的な設定と、解決の糸口となるのがまさかのAI。ホラーの題材としてはかなり斬新だなぁ、という印象。
ティーンエイジャー特有の複雑な心情や、抱える問題。そういう部分にも焦点を当てる事が恐怖を増幅させる要素になっている気がする。 -
Posted by ブクログ
投稿までにだいぶ日が空いてしまってすみません。
今、私はちょうど春休みで通学の時間がないため読む頻度が落ちてしまっていました。
この作品も実は、父のオススメで読みました。前作の「夜の章」の続編となっています。そして、今回も前作と同様に主人公の森野夜と僕を取り巻いた事件が起こります。でも、今回は「僕」視点で事件が進みます。
今作は、森野夜と僕が仲良くなったきっかけでもある「リストカット事件」や、「土」「声」の3篇が収録された短編集です。前作は190ページくらいだったけど、今作は250ページくらいと前回よりは少し長くなっています。でも、最後の「声」は最終回らしい話になっていて薄いけど読み応えあり -
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ネタバレ血液を探せ!
朝起きたら血まみれ、そんな中輸血の血液を探すのだが、ツッコミどころ満載のコミカルな短編小説でした。面白かったです。
冷たい森の白い家
愛情を貰っていないと、人間は善悪が分からなくなり、冷酷無比になってしまう。
なぜこの人は思いやりがないのだろう、と疑問の余地もない。性悪説を感じた。
Closet
叙述トリックでした。
Whoは分かったがHow は分からなかった。
夜読んでいたが怖くなって読むのやめた。
神の言葉
言霊の力を使いこなす主人公の最悪で最高な結末
途中の世界・主人公が奇妙で、弟にも何か特別な力があるのではと思った
主人公が願い叶った最後の世界が、安堵できるものだと -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分は、普段純文学や恋愛系が好きなのだけれど、父がオススメしてくれた本で、薄かったのにミステリが苦手?で積読されていたけど、以前歌野晶午さんの作品でミステリを読んだことあるし、約190ページと薄いから読んでみようと読み始めることにした。
だいたい1話が40、50ページくらいの短編で、「暗黒系」、「犬」「記憶」の3部構成になった短編集。
主人公は全部、高校2年生の森野夜と僕。時々視点が変わる話もあるけれど一貫して同じ登場人物が出てくる。
ただ、「暗黒系」はちょっとグロくて怖い。個人的に「犬」と「記憶」はどんでん返し?で面白かった!
乙一さんの作品は初めて見たけど、元々ラノベの人だったと知っ -
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ネタバレ本間ミチル
青信号を渡っていたら、信号無視をした車にぶつかり、視力をほとんど失う。視力の関係で大学を中退する。父が死んでから一人暮らしをしている。カズエと外出する以外はほとんど家に閉じこもっている。
ミチルの父
脳卒中で他界。ミチルの目が完全に見えなくなるまで点字を共に学んだ。
二葉カズエ
ミチルの小学生のときからの友人。ミチルを何かと理由をつけては外に連れ回す。大学を卒業したが、就職はせずアルバイトをしながら生活している。
松永トシオ
印刷会社の大石アキヒロの先輩。昔、新入社員をいじめていたら辞めてしまった、二股をかけている、などという話を飲み会で自慢する、極めて無神経な人間。アキヒロ