乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
乙一にハマりまくった学生時代、一番好きな話がこれに収録されてる「しあわせは子猫のかたち」でした。
ホラー作家としての黒乙一と、心にしみる白乙一なんて言われ方もしますが、今作は真っ白。しかし死体が主人公だったり死んだり殺したりする作家らしく、今回はすでに死んでいる奇妙な同居人との生活のはなしです。
鬱屈と日陰を好み、上手に生きることを難く感じている主人公が、半ば無理やりカーテンを開け放たれて日向を知ってしまう。日向に慣れてしまう。暖かさを失うことを恐れるようになってしまう。
短い話の中にミステリーとファンタジーと友情と主人公のこころの変化がしっかり入ってて、一つの話としてとても好きです。
久し -
Posted by ブクログ
ネタバレジョジョ第4部のノベライズ版だが、ストーリー的には本編とはつながりがなく、舞台、登場人物はおなじだけど、まったく独立なストーリー。
2つの時間軸を並列的に書いて、徐々につながりがわかっていく手法、クライマックスの格闘シーンなんかは1つの小説として非常に面白かった。各キャラ・スタンドのビジュアルなんかは活字の描写には限界あるので、前提知識としてコミックを読んどいたほうが楽しめるかと。
敵キャラは、重い過去を背負っており、同情すら覚える暗い過去の持ち主(この暗い過去というのが彼のスタンドの強さでもあるというも面白い)。ジョジョ本編のボス敵は絶対的な悪の存在が多いのとは対照的。ラストの後味の悪さも含 -
Posted by ブクログ
すっっごく面白かった。ジョジョにこの一ヶ月であっという間にハマってアニメをみたあとにこれを読んだのだけど、乙一と杜王町のこの親和性の高さに痺れてしまったー!!杜王朝はその地域の煮凝りみたいな悪と正義の心をもつジョースター家の戦いの舞台で、杜王朝のホラーチックな不気味さが大好きだった(岸辺露伴シリーズにも繋がるホラー味)。その雰囲気がまさに乙一の語り口調とそこで起こった一連の出来事に見事にマッチしていてさすがだなーと一息に読んでしまった。
この作者と原作の最強マッチ具合への胸の高鳴りには相反して、読後はしめやかに本を閉じた。登場する人物それぞれの哀愁と、ある意味救いでありある意味で地獄であるよう