あらすじ
ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作ほか、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚「石ノ目」など、天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。
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Posted by ブクログ
短編が4作品収録されていて、どれも違う舞台なのですが、4作品ともすごく面白かったです!
わたしは温泉が好きなので刺青は入れたくないのですが、ポッキーだったら可愛すぎて入れてもいいなぁと思いました。温泉に入る時は足の裏なんかに移動してもらえばバレないでしょうし。でも怖がりなので入れる時に痛いのはいやですね…。
あと『BLUE』に出てくる動くぬいぐるみ達もぜひ我が家に来て欲しいです。でもわたしが出掛けている間にほかのぬいぐるみにジュースをかけたり燃やそうとしたら困りますね(^_^;)とりあえずマッチは、どこか見つからない場所に隠しておきます。
『はじめ』の迷路みたいな下水道も、冒険みたいでわくわくしました。一人では怖いですが、友達と一緒だと僅かながら心強いですよね。はじめちゃんも一緒ですし( *˙ω˙*)و
あと、管耕平のあだ名を缶コーヒーと名付けた人は天才だと思いました。
『石の目』の終盤の戦闘シーンもどうなるのかハラハラして楽しめました。石の目だと思い込んでいたおばあちゃんの正体にも驚きです。
しかし「目隠しオニ」という遊びを毎日行っている地域はなんとも恐ろしいですね…。
目隠ししながら骨折しても歯が折れても逃げ続けるなんて、命がいくらあっても足りないと思うのですが:(;゙゚'ω゚'):
どれも凄く良い!
どの話も読み応えたっぷりで、とても良かった!
はじめ、ブルー、平面いぬが特に心に残りました。はじめ、子供の頃にキャラを作って遊んでたのと凄く似てて懐かしい・・・。ブルーの優しさに泣いたし、平面いぬはとても可愛かった(^^)
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どれも面白い。石の目は、ファンタジー要素もありつつダークな内容で、結末切ない。はじめも、結末はとても切なかった。BLUEは、みんなから、仲間はずれにされてたけど、とてもいいやつで、最終的に、自分ではなく、周りの幸せを、
守ったブルーを、褒めてあげたい。平面いぬ。はとても、不思議な話。家族皆んな死んじゃうけど、主人公は、犬と、生きていく。どれも最高だった。
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どの話も面白い。
どれも最終的にはほっこりした気持ちになれるけど、
石ノ目→ホラー
はじめ→不思議
BLUE→絵本
平面いぬ→ファンタジー
みたいに系統が違うので飽きない。
Posted by ブクログ
どうして乙一の短編集は表題作よりそのほかの方が好きなのだろう。今回は平面いぬが良かった。乙一って小さい世界で事件を起こすのが得意だよなって思った。いや、そんな話を私が好きだから印象深いのかも。とにかく来るべき時が来たら私は猫のタトゥーを彫るぞ。
Posted by ブクログ
4つの作品が入っている短編集。
どの作品も、乙一ならではの不思議なストーリー。
最初、暇つぶしで読み始めたけど
どんどん物語に引き込まれてしまいました。
個人的には『はじめ』という作品が好きです。
面白いのに切なくて、なんだか懐かしいようで。
やっぱり乙一はスゴイ。
Posted by ブクログ
石ノ目、平面犬が面白かった!はじめもとんでもなくよかった!はじめ、かわええ!幻覚って自覚してるのがまた、なんとも切ないねえ
犬のちびタトゥーいれてそれ動き出したら、ええなぁーたのしいなあー
Posted by ブクログ
子供のころ読んだ記憶があるけど内容を忘れていたので再読。
怖さもあるけど、切なくて儚いお話ばかりですごく好き。
表題作よりも残りの3作にすごく惹かれた。映画を見てるようだった。
怖さと切なさが同居する乙一作品。とても濃厚なので、短編なのに短編とは思えず余韻が抜けない。文章1つ1つは淡々としているのに、どうしてこんなに人の心に響く物語を書けるのだろう。
石ノ目の伝承のような怪談話は静かな恐怖が続くけど、切ないオチに驚かされた。
はじめ、BLUEはファンタジーで、切ないけど美しい。
平面いぬ。の家族の設定はチープに感じてしまったけど、ポッキーが可愛いのでよしとします。
Posted by ブクログ
心を持つ人形「BLUE」が、とても印象に残った!
その容姿から差別を受けながらも、健気に人形としての夢を追い求めるBLUEが可愛らしい。
ハッピーエンドとは言えないが、淡く儚い余韻を残す美しいお話。
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表題作よりも悲しいトイ・ストーリー『BLUE』が心に残っている4編から成る短編集。テッドの元に最後戻ってきたが、また一緒に遊べる未来であって欲しかった。『石ノ目』のじっとりとした怖さと物悲しさも良い。黒乙一もあるかと思ってたら、全部白乙一作品だった。基本的に長編が好きなのだが、やはり短編は乙一さんに限る。
何度目かの再読なのに、今回初めて彫り師の中国人女性が『BLUE』のあの人とリンクしているのでは、と気づいた。
Posted by ブクログ
白寄りの灰色乙一短編集。
世にも奇妙な物語の中にたまにある、感動回みたいな話の詰め合わせで、読み終わった後どの話も変な感動が残った。
石ノ目…最後までずっと不気味な準メデューサの話。
はじめ…2人の少年がつくりだした想像の女の子が、この世に実現する話。
BLUE…トイストーリーの黒いところを集めたような話。
平面いぬ。…掘った犬の刺青が動き出す話。
Posted by ブクログ
不思議な語り口、言葉選びですね。
独特な世界観…(*´꒳`*)
本当にミステリー・ホラー・ファンタジーです。
だいぶ前に「ZOO」を読んだのですが、ちょっとエグくて(姉弟が何故か牢屋の中に閉じ込められていて血が流れてきて…という話)疎遠になっていたのですが、ブク友さんの〝乙一ラブ〟という想いを知って、読んでみたくなりました。
読んで良かったです。
なんだか、哀愁さえ漂う一冊でした。
最後にBLUEに繋がるのも良かったです。
現実には起こり得ない物語たちでしたが、不思議と違和感なく切ない気持ちになりました。
古い村の閉鎖的な雰囲気や、子供の気持ちを理解しようとしない親とか、そういうものを淡々と描写しているのも、熱の無い語りでなんだかシュールでよかった。
最後に病院で助けてあげた老人、あの社長嫌いだなぁ。
Posted by ブクログ
初めての乙一作品。
BLUEに心揺さぶられました。自分の心はなんて黒いんだと情けなくなる。。
前の2作が和風だったこともあり、その背景のギャップに勝手にマイナスの印象からスタートしてしまいましたが、いつの間にかのめり込んでいました。
特に平面いぬ。で感じたことですが、呼称の固定観念を利用して作品全体がミステリアスな雰囲気になっており、主軸の話とは別の部分でアハ体験的なものもありました。
真面目な解説の後のくだけた対話にクスり。ますます他の作品も読んでみたくなりました!
Posted by ブクログ
初めて読む、乙一作品。
4編からなる短編集。
もっとホラーで怖いのかと想像していたら、全然違い、ファンタジー要素が強い印象。
1.石の目
“石の目”を見てしまった者は、石となる。
という、昔話風。
これは、すごく怖かった。
山で遭難した主人公SとNは、霧の中に人家を見つけ、助けられる。
しかしここは盆地になっており、周りを一本の砂利道が輪を描いて取り囲んでおり、外には出られない。
先程、ファンタジーとか書いたけど、この話はゾワゾワして本当に怖かったです。
2.はじめ
二人の男の子の想像から生まれた“はじめちゃん”。幻想なのに8年間も交流が続く。
この話は地下水路の探検など、子供時代ならではの冒険物語も楽しめて、私的には一番好きな作品。
3.BLUE
心を持つ不思議な人形達の話。
手作りの5体の人形達は、動いたり喋ったりするのだけど、これが私達人間社会と同様、醜い感情もあったり、葛藤もあったり。
それも子供時代から10代の頃の、若く未熟な感情と言うのかな。
切ないストーリーでした。
4.平面いぬ。
高校生の女の子が、ちょっとした気まぐれで、小さな犬の刺青を入れる。
その犬が動き出す、という不思議な話。
結構ハードな内容なのに、淡々とした文章が良い。
この本はブク友の土瓶さんオススメ。
乙一さんは“ホラーで怖い”イメージで未読だった私に、もったいない!と背中を押してもらいました。
新しいブックワールドへの第一歩となった一冊です!
Posted by ブクログ
乙一さんの『平面いぬ。』
ふふ、なんて不思議なタイトル!
不思議なお話の中にも、人間模様や心情描写が切な美しく表現されその世界にあっという間に引き込まれる。
4話からなる短編集。
『石の目』
読みはじめて、あっ、日本昔話の世界だ!と思った。小さな頃に見たあの日本昔話の世界観が文章で伝わってくる。
でも、乙一ワールドはそれだけでは終わらない。目を見ると石になってしまう石の目の話と親子の複雑な心情描写が切な美しく語られる。
『はじめ』
2人の男の子の想像から生まれた『はじめちゃん』という名前の想像上の女の子。
3人の8年間に渡る不思議な関係のお話。
『BLUE』
動き喋り心を持つ5体の人形が出てくるお話。
みすぼらしい外見の青い人形、BLUEが主人公。
BLUEは健気で優しく、悲しい環境の中でも朗らかに過ごす事ができる。
初めて人間のテッドとの間に友情が芽生え、心を通わせ幸せな時間を過ごす。
彼女の宝物はテッドが自分の体の穴をふさぐためにつけてくれたバッジ。
BLUEがバッジを大切そうに眺めたり、
テッドとの別れを予感して初めて『悲しい』という気持ちを知る場面、テッドに一目会いたいと頑張る場面、BLUEの思いや発する言葉、相手を思いやっての行動に涙がじんわり。
悲しくて堪らないけれど本当に綺麗なお話!
『平面いぬ』
腕に"青い犬の入れ墨"を入れた女の子のお話。
青い犬はある日動き出し彼女の肌の上を行ったり来たり自由に動く事ができるようになる。
『BLUE』から『平面いぬ。』の流れがとっても好き。
なんだか、
『乙一版•世にも奇妙な美しい物語』を読んだような気持ち。たっぷり堪能しました!
これは、土瓶さんにおすすめしてもらった本。
こんな素敵な本を、感動したんだよとおすすめしてくれる土瓶さんは、なんて心豊かな人なんだろうと思いながら読みました。
乙一ワールド、どっぷり
堪能しました(^^)
どんちゃん、ありがとう!
Posted by ブクログ
「石の目」改題。1998年から2000年初出の短編集、4編。作者大学入学時の作品群で早期のもの。
乙一氏のイメージは、ファンタジー・ホラー。ジョブナイル。年齢層若めの黒乙一。ところが、この若さでなかなか哀愁ある4作です。
どの作品も、別離での切なさをえぐってくる語り口。しかも作者は悲しみの有痛性を文章にそのまま表現せず描いていく。そこに、読み手がより痛みを感じることになると思う。
「石の目」は、高品質な日本の土着伝承物といった小品。伝説・伝承には悲哀感あるホラー要素が多く相性が良い。
「はじめ」は、二人の男子が罪を被せる為、創造した女の子が実像として現れ、気持ちの交流までできるようになる。少年期の幻想のみでないストーリーが生まれる。
「BLUE」は、手作りのぬいぐるみが意志を持ち行動する設定。醜い人形のBLUEの寄り添い愛されたい願いが切ない。
絶妙な痛さと切なさを、若い年齢層に読ませ人気を維持する作品センスは、ジャンルを決められない良さがあります。
Posted by ブクログ
もし、ブルーのような女性が自分の恋人だったら毎日がどんなに素敵なものになるだろうかと考えずにはいられない作品でした。
最後はほんの少しだけブルーは救われたんだと信じたいです。
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ホラー要素もあるファンタジーからなる四編。『はじめ』『平面いぬ』が好きです。心の隙間にそっと吹き抜ける風みたいだった。
学生の頃に流行った著者の本だったが、改めて読むとちょっぴり切なさをより感じられた気がした。着実に大人になってきたのだなと思いました。楽しませてもらいました。
Posted by ブクログ
ホラーやファンタジーの要素を含んだ、四つの不思議な物語。
特異な設定に加えて、温かさと切なさ、儚さが混在した独自の世界観に魅了されました。
中でも表題作は、作者らしさが凝縮されていると思います。
非現実的な出来事が、まるで当たり前の日常のように、さらりと綴られていく様相がとても興味深く、それぞれが持つ不思議さが更に際立つように感じました。
短編集としてのバランスも良く、どれも魅力的でしたが、個人的にはノスタルジーを感じる「はじめ」が最も印象に残っています。
Posted by ブクログ
気になっていた作家さんであるけど、遅ればせながら初めて読んだ。文章は読みやすくて面白かった。
作品ごとに面白さの浮き沈みはあるかも。石の目は良かった。
Posted by ブクログ
目を合わせると石になる、老婆の話
作り上げただけの存在が、存在する話
4体なのに仲間外れの青い人形の話
彫ってもらった入れ墨の青い犬の話。
ホラーというより、すべて不思議な話でした。
人形が、一番醜いものがくっきりと。
これほどまでに性格が違う謎が知りたいです。
犬も犬で、家族がすごかったですし。
そういう家系、と言われれば、そうですが。
Posted by ブクログ
不思議なお話を四遍収録した短編集。
どれもちょっと切なくて、面白かった。
BLUEと平面いぬ。が好きです。
昔19時台にやってた不思議なミステリーのアニメみたいな感じ?(伝わる?)
登場人物たちの感情にあまりリアリティがなくて、「おはなし」の中の人でしかないんだけど、それが読みやすくて良かった。
設定を楽しむためのお話だと思う。
ホラーはそんなに得意ではないので、これは乙一さんの中でもかなりファンタジー寄りで、読みやすかったです。
Posted by ブクログ
子犬の入れ墨をした女性の話も面白かったし、みすぼらしい人形がほかの人形にさげすまれながらもへこたれず、明るく生きる「BLUE」も切なくて印象的だった。嘘から現れた女の子が登場する「はじめ」、目を見た者は石になるという怪談じみた「石ノ目」いずれも、単なるホラーものではなく、切なさや悲しさ、優しさといった感情が押し寄せる佳作。
Posted by ブクログ
短編集。乙一という作家が最近評判らしいという事で、
以前から気になっていたこの小説を購入。
ホラーではなくファンタジーかと。
そもそも話の前提がファンタジー風味満載なので、
リアル感が好きな人はダメかも。
でも日常の中に一滴だけ「非日常」を入れただけの味わいなので、
それ程嫌悪感は感じないと思う。
「石ノ目」:物語としては何となく展開が読める。
親子愛の物語だとは思うが、不気味さが先行していた。★
「はじめ」:終わり方が秀逸。単なる青春(子供?)冒険友情物とも言えるが
この手の話にはちょっと弱いので。★★★★
「BLUE」:泣かせる。深く読めば差別・偏見の問題や本当に大切な物とは何か、
という所まで書いているとも言える。そこまで深くないかもしれないが。
ラストは物悲しさが残るが、読後感は良い。★★★☆
「平面いぬ。」:表題作。前3作とは打って変わって軽いノリ。
「刺青が動く」ってだけでも有り得ないのに
主人公を取り巻く環境が更に有り得ない。
…が、何故か優しい気持ちになれる作品。★★★
Posted by ブクログ
4つのお話が詰まった短編集。
どれもファンタジックながら、もしかしたら現実に起こり得そうなお話が並んでいてとても面白かった。
うまい具合に全て上手くはいかない切ない終わり方で、記憶に強く残るお話ばかりだった。個人的には後に書いてあるほど好み。
Posted by ブクログ
全然テイストが違う4つの短編集。ストーリーはどれもオリジナリティがあり独創的。
乙一さんの想像力には舌を巻く。彼の小説は集中して読むことで、見たこともない場所や情景を想像するには素晴らしい小説だろう。わたしの場合は、彼の独特な暗いトーンによく馴染めていない。
この短編集は軽く読めて四度おいしい。救い難いわけではない、少し哀しみを含むラストが乙一さんらしい。
「BLUE」が良かった。ホロリときた。