乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半の「夏と花火と私の死体」よりも後半の「優子」の方が面白かった。
「優子」では、住込みで働いていた清音が鳥越家に植えられていた毒性を持つベラドンナの黒い実を食べてしまったことが原因で正常な判断ができなくなり、優子を人形だと勘違いしてしまった。
中盤では清音より前に働いていた静枝と赤いナツグミの実を食べながら、最近食べた際に酷い味がして、その日の夜には体調を崩したと話しているので、この時に毒性のあるベラドンナを食べてしまったのだとわかる。
そして最後の方では一番最初にあった何代も前に鳥越家にやって来た子供の手に握られていた花がベラドンナだったという説明があった。
全体を通してしっかりと伏線 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙があんまりにも怖いから怖い話かと思ったら全然怖い話ではなく、むしろハートフルでした。
人が死んでいるのにハートフルはないか…。
後天的に失明し、父とも死別し一人きりで生きるミチル。
会社の意地悪な先輩と関係が悪く、ある日駅で先輩と鉢合わせたその日から先輩の轢死の殺人犯として逃走し、ミチルの家に逃げ込むアキヒロ。
同じ家の中、不思議な距離感でふたりは少しずつ交流していくことになる。
交互に語られる二人の視点から、真実が明らかになっていく。
ミチルは、後天的に目が見えなくなり家族も亡くしたゆえの外の世界への拒絶がある。
アキヒロは、家族関係は悪くないのに外ではいつもうまくいかない。
ふたり -
Posted by ブクログ
中学くらいからずっと気になってたのに手に取れてなかった乙一さんワールドついに着手。
目が見えない女性と彼女の家に忍び込んだ殺人指名手配犯の男。
まず設定が面白くて、まさに暗闇の無音の家の中で声を潜めて一緒にいるような不思議な感覚になりながら本の世界に引き込まれる。
両者とも人生に希望もなく寂しさと絶望を抱えていて期待などしてないはずなのに、どこかで孤独から脱却する事を切望している、そんな他人の2人が一緒に暮らしていく様子はなぜかほっこりとする。
とにかく出てくる人みんな寂しくて温かくて、みんなが幸せになればいいのになぁって。
自分が思ってるより居場所はあるし、認められてるし必要とされてる -
Posted by ブクログ
一晩で一気に読み終わっまった。
最後の二文にすごく心を救われた。
小学生だった頃の自分にこの二文を捧げたい。
この本を読んでよかった。願わくば多感な思春期の時期に出会いたかったな。そうすれば僕の灰色の10代も少し変わったかもしれない。
主人公は少し運動が苦手で臆病で、いわゆる“どん臭い”と称されてしまうタイプの少年。けして悪い子ではない、むしろ良い子の部類に入る子なのに、5年生になった時の新しい若い担任のつまらない自己防衛のせいでクラスのみんなに蔑まれる存在になってしまう。この描写が本当に読んでいて辛い。一人称視点で描かれ、言語化が非常に巧みなせいでこの少年の苦悩がありありと浮かんでし