乙一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中学くらいからずっと気になってたのに手に取れてなかった乙一さんワールドついに着手。
目が見えない女性と彼女の家に忍び込んだ殺人指名手配犯の男。
まず設定が面白くて、まさに暗闇の無音の家の中で声を潜めて一緒にいるような不思議な感覚になりながら本の世界に引き込まれる。
両者とも人生に希望もなく寂しさと絶望を抱えていて期待などしてないはずなのに、どこかで孤独から脱却する事を切望している、そんな他人の2人が一緒に暮らしていく様子はなぜかほっこりとする。
とにかく出てくる人みんな寂しくて温かくて、みんなが幸せになればいいのになぁって。
自分が思ってるより居場所はあるし、認められてるし必要とされてる -
Posted by ブクログ
一晩で一気に読み終わっまった。
最後の二文にすごく心を救われた。
小学生だった頃の自分にこの二文を捧げたい。
この本を読んでよかった。願わくば多感な思春期の時期に出会いたかったな。そうすれば僕の灰色の10代も少し変わったかもしれない。
主人公は少し運動が苦手で臆病で、いわゆる“どん臭い”と称されてしまうタイプの少年。けして悪い子ではない、むしろ良い子の部類に入る子なのに、5年生になった時の新しい若い担任のつまらない自己防衛のせいでクラスのみんなに蔑まれる存在になってしまう。この描写が本当に読んでいて辛い。一人称視点で描かれ、言語化が非常に巧みなせいでこの少年の苦悩がありありと浮かんでし -
Posted by ブクログ
静かで、ほんっっっとうに綺麗な物語。
中学生の頃、乙一作品ばっかり読んでた時期があって
(本ほぼ読まなかったけど乙一だけ読めた)、
たしかその頃に買ったんやけど、ちょっと怖くて読めなかった(ZOOとかGOTHは読んでたのに)のが、
20年以上の積読を経て34歳になって読んだ。
今改めて読むと、めちゃくちゃ読みやすいし、文章表現がとっても綺麗やし、やっぱり乙一好きだなぁ〜って思った。合うんだろうな。水が身体に合う感じ。すーって入ってくる。言葉が染み込む。
ミチル視点だと視覚情報が一気に無くなって、
アキヒロ視点だと全てがクリアに見える感覚が、
文章だけでこんなに対比させられるんだって驚き。
-
-
Posted by ブクログ
本作を読んで心の奥にじわりと染み込むような孤独を感じた。
登場人物たちの内面は痛々しいほどに繊細で、人と相容れないことへの恐怖や孤独感、
そしてそれに伴う葛藤を的確に哀しく書かれている。
特に印象に残ったのは、「見えなくてもいい世界」と「見えることの有り難さ」という対比。
視覚障がいを抱えるミチルにとって、外の世界は自分を傷つけるものに満ちており、
背を向けて生きるしかないことが恐ろしい。
そこには、見える者と見えない者の世界の距離感に作品自体の深さを感じた。
奇妙な関わり方から始まった二人が、それぞれ孤独を抱えながらも、
互いの存在によって少しずつ変わっていく。
人と関わることは恐ろしく