【感想・ネタバレ】失はれる物語のレビュー

あらすじ

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見たて、日々の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが……。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし「ウソカノ」の2作を初収録。

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Posted by ブクログ

どの話もSFっぽいけど深層心理の描写があったり勇気づけられる言葉があったりと
すごく気に入った一冊になった

25.09.18-22

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

お気に入りの一冊。
せつな系ホラーと評されるけど、よくわかるなと思う。

私の中では以下のような割合。
切なさ=80%
ホラー=20%

特にこの中でも、『傷』は、電車の中でも泣いてしまうくらい好き。
残酷さの中にもしっかり希望を見出せる。


ここからは本の内容ではない↓
五線譜の装丁の方が好きで探したけど、新品では入手困難のようで断念。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

星6くらいつけたい。いろんな短編があったけど一番好きなのは、しあわせは子猫のかたちだった。悲しい終わり方だったけど、主人公が以前より少しだけ前を向いて生きていくのがいい。短編なのが勿体無いくらいだった。もっと読みたかった。

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

乙一さんの短編集。
個人的にはZooにも引けを取らないくらい面白かった!
•自分の頭の中の携帯で他人と電話をする摩訶不思議な話「calling you」
•事故により右手指しか動かせなくなり、感覚は右腕の触角のみとなった主人公の物話「失はれる物語」
まるで乙一さんが経験したかのような繊細な描写が凄すぎた…個人的ベスト!
•他人の傷を吸い取るアサトと”オレ”の物語「傷」
痛みをはんぶんこする2人の友情にジンときた。
•叔母のカバンから宝石を奪おうと、旅館の壁に穴を開けて外から盗もうとする主人公。
しかし、その手で掴んだのはなんと人の手で?!「手を握る泥棒の物語」
•家主が亡くなった家に住むことになった大学生が、子猫と”家主”の霊と同居するお話「しあわせは子猫のかたち」
•白いブリーフパンツの”パンツくん”に、励まされながらも成長する少年を描いた短い短いお話「僕の賢いパンツくん」
•突然飛び降り電車に轢かれバラバラとなった鳴海マリア。生前彼女に魅了された内の1人である主人公のもとに、ある日野良猫がマリアの指を持って現れる…「マリアの指」
マリアの死に驚いた。
「かつてある男子生徒を自殺に追いやったこともあるマリアが、男を愛せるような女に変わったことを許せなかった」という理由に驚愕。
•一度嘘をついたことで、存在しない彼女の話を続けることになってしまった男子生徒2人の話「ウソカノ」

なんともユーモアのある作者さんです。
ここまでいろんな分野の話が入った短編集もなかなかありません。

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2025年05月02日

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短編集ですが、どの物語も良かったです。少しミステリー要素もありつつかつ、なんか知らず涙が溢れるようで感動しました。子猫の話は特に良かったです。

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2025年02月17日

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うーん好きだなぁ乙一さん。
乙一さんの頭の中どうなってるんだろう。
面白い話ばかりだった。
ボクの賢いパンツくんはこのまま絵本にできそうだ。
マリアの指は読み応えあったし、あとがきに変えてのウソカノがあまりに最高だった。

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2024年12月28日

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初めて読んだのは確か大二病をこじらせていた頃。サブカル・グロ系かっこいいと思いGOTHを愛読し、乙一作品を遡っていく中で出会いました。20年前は各話で切ない・やりきれない思いを抱くばかりでしたが、特に表題作は伴侶を得て子どもがいる今だとどの立場であってもどうするのが私にとって正解なのだろう、と、ふとした時に考えてしまいます。
大人になってもじんわり沁みる作品です。

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2024年09月17日

Posted by ブクログ

どれもテンポよく進み、面白かった。特に印象に残ったのは「マリアの指」だ。意外な結末に驚いた。自分が乗っている車を運転する姉が犯人で、自分が腰掛けているシートにはマリアの血がしみているとわかった時の恭介のショックは計り知れない。芳和さんがマリアの指に指輪を通す場面は感動した。

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2024年08月04日

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久々に読みましたが、心の底に重い石を積み上げられていったような作品でした。
しばらくは心に何か引っかかったような感覚になりそうです(良い意味で)

また10年後あたりに読みたいです。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

ZOOを読んで「この作家さん好きかも」と思ったが、やはり期待を裏切らない!どの作品も到底考えつかないような設定で、驚かされた。

『Calling You』最後あたり泣きすぎて読めない。
『しあわせは子猫のかたち』も感動してうるっときてしまった。すごく好き。
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目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

泣きながら読み終わりました。特に「傷」と「しあわせは子猫のかたち」が好きで、どちらの作品もずっと心に残ると思います。
しあわせは子猫のかたち、幸せの形が失うことで気がつくのは切なすぎました。それでも前を向く主人公の意思を尊重したいです。

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2025年11月09日

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学生の頃に買った作品。
CallingYouが特に良かった。
どの話も最後は前向きになれる終わり方になっていました。著者ならではの切なさも存分に詰まっていた。いい思い出になった。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

「夏と花火と私の死体」以来、久しぶりに乙一さんの作品を読んでファンになりました。この本は短編集で、どのお話もストーリーがガラッと変わっていて、どの作品も引き込まれるし、読んだ後の余韻が心地よいものばかりでした。乙一さん「zoo」を次は読んでみます。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

この人の綴り方は重くも読みやすい。
この短編集は如実にその系統が滲み出ている。
感動も痛みもその生々しさも一冊で楽しめるのだから、堪らない。

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

お久しぶりの乙一短編集
8編それぞれ世界観を全く変えて

乙一さんの小説だから、多少不思議設定があって
懐かし哀しい系なのだけど、文章の落ち着きなのか、特殊設定にならないで日常のあわいに落とし込む
タイトルになった「失はれる物語」が
印象強く悲しみ深く
その設定の厳しさ以上に夫婦の愛情の深さ
相互を思いやる優しさに圧倒される
おそらく珍しく忘れないストーリー

ほかのも良かったです♪
⚪︎Calling You 時間のズレは30分
⚪︎傷 傷を請け負う少年
⚪︎手を握る泥棒の物語 どこで握ってるのかい
⚪︎しあわせは子猫のかたち 土瓶さんイチオシ
⚪︎ボクの賢いパンツ パンツの賢さよ!
⚪︎マリアの指 乙一らしいミステリ
⚪︎ウソカノ あとがきに変えての書き下ろし

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2025年06月13日

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ネタバレ

面白かった!!
失われる物語は素敵だと思うところもあったけど、悲しさが大きかった。
傷は結構痛々しさが強かった。
マリアの指は結構鬱な展開でなかなか読み進められなかった。
僕の賢いパンツくんは不思議だった。
Calling You、しあわせは子猫のかたちの2つは、時が経つに連れて前向きに元気になって、悲しいところもあったけど最後に ありがとう、頑張る みたいになってて好きだなあ。
手を握る泥棒の物語も、この終わり方好きだなあと思った。
ウソカノも良かった。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔読んだ電話の作品が忘れられなくて、いろいろ探した末に見つけることのできた短編集。
それなので、Calling youが目当だった。懐かしい気持ちとともに、改めて筋書きの面白さと完成度の高さに感動した。

それ以外で、好きだったのは「しあわせは子猫のかたち」だった。
全8つの短編はどれも暗さや寂しさが潜む作品が多い印象だったが、この作品は、寂しさもありつつ、温かさや前を向けるようなラストで、しんどい作品が多い中、ほっこりすることができた。

この作者は、比較的切ないストーリーの場合は「白乙一」と呼ばれているらしく、今回の作品のような白乙一の方をもっと読みたいと思った。

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

乙一さんは、ミステリーというよりホラーに近いような印象があったので
読みながら毎回、いい話・美しい話…っぽいけど

いや、でも乙一だからなぁ…とか、変に勘繰って常に最悪の結末を想定しながら読みましたが、取り越し苦労でした(笑)

読んでいくうちに
乙一さんってホラーっぽい展開や描写もあるのに"すごく美しい…"って感じる文章を書く方だったなぁと思い出しました。

それは全部に言えることだけど
特に5つめの『しあわせは子猫のかたち』は
めちゃくちゃ鳥肌たったなぁ、なんか…
あ、怖い方じゃなくてです♪

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2024年10月21日

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1番好きなcontentsはタイトルにもある失われる物語!!
全身不随で触覚以外の感覚を失い寝たきりの夫とピアニスト妻の切ない物語。
妻とのやり取りは腕の鍵盤。
申し訳なさから謝罪に来る奥さん。だんだんと来る頻度が減っていくとこも現実味があった。
強さやスピードから妻の感情を読み取って、これからの妻のことを考え自ら死の選択をしようとする場面が心苦しくてお互いを思い会う気持ちが切なすぎた。。

傷も好きだった◎
特別学級で出会うアサトたち。
自分の不思議な力を誰かの傷を背負うために使う。
ずっと黙って自分に傷を移し、自分は必要ない人間だから…と。
裏切られつつ、主人公が穏やかにたくましく成長していく姿に嬉しくなった

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2024年08月11日

Posted by ブクログ

★3.8
たとえば、恋人が植物状態。唯一残された感覚は、皮膚だけ。そんな、儚くて残酷な設定が貫かれる乙一の短編集。


本書にはゴシックホラーのような、どこか神秘的な、切ないストーリーが溢れている。
幻想や死、孤独や嘘。どの短編も、何かが“失われて”いく。しかし読後に残るのは痛みではない。喪失を通してしか見えなかった、誰かの輪郭や想いがある柔らかな余韻だった。
静かで残酷で、そして優しい物語が詰まっていた。

「見えない」ものや「なくなった」ものが、
こんなにも物語を語れるのかと、少し驚いてしまった。

失われたものたちが、確かにそこに在るような気がした。
ページを閉じたあとも、なお。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

女の子に勧められ読んだがまあまあの評価。
短編集なの短く読みやすい反面カタルシスも小さくなり、全体的に記憶にはあまり残らない。
SF要素やホラー・サスペンス的な描写も多く見受けられ楽しむことは出来たが深く刺さるモノはなかった。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

変わった感覚の短編集。
頭の中でイメージした携帯電話で実際に会話ができる女子高生とか、他人の身体の傷を別の人へ移せる男子児童など、不思議な設定を核に、やや悲しい空気の漂う物語を綴っています。

その不思議設定ゆえに、童話とか昔話を読んでいるような感覚で、子供の頃であれば、もっと面白く読めた気がします。深く想像しながら読むと、ファンタジックな要素による論理矛盾が気になってしまいました。サラッと浅く読むのが本作には合っているかと。
最近は、じっくり味わう読み方が好きなのですが、好みが変わってきた別の機会に再読するかもしれません。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

 重い話のはずなのに余りにも読み心地が軽い。
 どの結末も幸か不幸か判別がつかなくてもやもやする。
 でも判別がついてしまったら魅力が半減してしまうのかもしれない。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

本書のレビューで白乙一だと言うことで、読んでみる。

短編集。

どれもそれなりに面白いが、なにか物足りない。

どの短編も人が死に過ぎ。
人はそんなに人を簡単に殺さない、と思う。

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

独特の世界観で描かれた短編集です、ホラー要素は特になくむしろ透明感のある比較的爽やかな印象でした。
なんとなくの印象ですが男性より女性向けかも知れません。

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2024年10月03日

Posted by ブクログ

短編集なので、どのお話もテンポよく進みます。
表題作の「失はれる物語」は、夫婦のお互いを思いやる気持ちに感動しました。
右腕の感覚しかない音も光もない世界は、恐怖以外の何者でもなく、そんな状況でも奥さんの気持ちを慮る主人公は立派だと思いました。

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2024年09月02日

Posted by ブクログ

再読。何歳の頃にこの本と出会ったのだろうか。
とあるインフルエンサーの紹介で懐かしくなり買い直して読んでみた。
読み返すと一編猛烈に記憶に残っているものがあった。「しあわせは子猫のかたち」である。
読みながら、小さい頃過ごした家を、部屋を、椅子を、空気を思い出した。読書には当時の環境まで思い起こさせる力があるなんて今まで知らなかった。夏の匂いを覚えている。不思議なことに、今もまた夏だった。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

「さみしさの周波数」を読んだことがあり、それに収録されている作品が何個か入っていた。

世間とうまく馴染むことができない主人公の短編が多かった。
ちょいちょいファンタジーも混じっている不思議なお話も。

私は「さみしさの周波数」にも入っている「手を握る泥棒の話」がこの中だと好きかなぁ。
主人公と少女。お互いが影響し合って良い方向に運命を変えた特殊な関係性が良かった。少女は語り合ったことをきっかけにその後の生き方が変わるが、主人公のことは覚えていないかもなと思っていた。なので最後会いにきた主人公に即気付き、他人には見せない素の顔を曝け出した少女を嬉しく感じた。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

ショートショートや短編小説は膨らますのにとても想像力を要すると思います。
私にはむずかしかったです。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よく見て買えばよかったーorz(最近そんなの多い。

「マリアの指」と書き下ろしの「ウソカノ」以外は他の文庫(角川スニーカー等)からの再録です。
「きみにしか聞こえない」
「さみしさの周波数」
「失踪HOLIDAY」
をお持ちの方は要注意。
「きみにしか聞こえない」は所持していたのでほんの少し損した気分。

それとは別に、角川文庫で対象の本を2冊購入するとブックカバーが必ずもらえるキャンペーンをやっています。
2006,9,20迄
※別の読書サイトから感想を移行中なので、その当時のオハナシ。

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2025年05月28日

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