乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学くらいからずっと気になってたのに手に取れてなかった乙一さんワールドついに着手。
目が見えない女性と彼女の家に忍び込んだ殺人指名手配犯の男。
まず設定が面白くて、まさに暗闇の無音の家の中で声を潜めて一緒にいるような不思議な感覚になりながら本の世界に引き込まれる。
両者とも人生に希望もなく寂しさと絶望を抱えていて期待などしてないはずなのに、どこかで孤独から脱却する事を切望している、そんな他人の2人が一緒に暮らしていく様子はなぜかほっこりとする。
とにかく出てくる人みんな寂しくて温かくて、みんなが幸せになればいいのになぁって。
自分が思ってるより居場所はあるし、認められてるし必要とされてるんじゃないかなぁって。 -
Posted by ブクログ
一晩で一気に読み終わっまった。
最後の二文にすごく心を救われた。
小学生だった頃の自分にこの二文を捧げたい。
この本を読んでよかった。願わくば多感な思春期の時期に出会いたかったな。そうすれば僕の灰色の10代も少し変わったかもしれない。
主人公は少し運動が苦手で臆病で、いわゆる“どん臭い”と称されてしまうタイプの少年。けして悪い子ではない、むしろ良い子の部類に入る子なのに、5年生になった時の新しい若い担任のつまらない自己防衛のせいでクラスのみんなに蔑まれる存在になってしまう。この描写が本当に読んでいて辛い。一人称視点で描かれ、言語化が非常に巧みなせいでこの少年の苦悩がありありと浮かんでしまう。というか、自分自身が小学生の頃、勉強はそれなりにできるけど運動はからきしダメで周囲や担任と上手く馴染めなかった少年であったから、いやでもオーバーラップかつフラッシュバックしてしまう。
こんなに読み進めるのが辛い読書も久しぶりだった。
そんな僕も今では人の親となった。もしも、自分の子供がこの主人公のように担任にいじめられていることを知ってしまったら、その担任を縊り殺さない自信は無い。それ程までに嫌な担任なんですコイツは。だから最終章の怒涛の展開は胸がすく思いで読み進めたし、最後のオチは全てが綺麗さっぱり解決した訳ではないのだけど、爽やかなハッピーエンドで、とても救われた気持ちになれたのです。
僕はこの主人公マサオのように、アオがいてほしかった。でも、アオは現れなくて今の自分があって、その自分が肯定できてるんだから、じゃあ良いじゃないか。そういう爽やかな読後感を残してくれる本です。
鬱屈した少年時代を過ごした人にこそ読んでほしい本だ。