乙一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレライトノベルの書き手としての自負があると言われている著者だが、本格的なホラーやミステリー要素もかなり強く、上質なエンターテインメントをいつも提供してくれている。その著者乙一のデビュー作品に当たるのが本作だ。
タイトルが示す通り本作の主人公である私は、物語の冒頭で友人によって木から転落死させられてしまう。読者はその犯人というのは当然知っているわけで、本作はその友人と2歳年上の兄が『私』の死体を隠すために右往左往する様を、魂となった『私』と追いかけていく。
本作はデビュー当時に読んだことがあったのだが、最近になって改めて読んでみるとかなりご都合主義な部分があることに気がついた。考えてみれば小学 -
Posted by ブクログ
ネタバレ乙一/山白朝子のホラー短編集。
非常に久しぶりの、それこそGOTH以来なので20年以上読んでなかったことに衝撃を受けた。
どことなく残酷な世界だけど、ラストは切ない作品が多いイメージだったが、今作はがっつりと怖い。それも人間的な怖さから、理解不能なモノへの怖さなど、バリエーションも豊富。
おすすめは「階段」と「Wi-Fi幽霊」。
「階段」は、どこにでもある階段が非常に怖く思える、目を背けたくなるほどの嫌な話。
「Wi-Fi幽霊」は、まさかのAIがバディの私立探偵風な作品。
読後感がいい作品ばかりとは言えないが、手堅いホラーが揃った良い短編集。 -