乙一のレビュー一覧
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乙一さんの『平面いぬ。』
ふふ、なんて不思議なタイトル!
不思議なお話の中にも、人間模様や心情描写が切な美しく表現されその世界にあっという間に引き込まれる。
4話からなる短編集。
『石の目』
読みはじめて、あっ、日本昔話の世界だ!と思った。小さな頃に見たあの日本昔話の世界観が文章で伝わってくる。
でも、乙一ワールドはそれだけでは終わらない。目を見ると石になってしまう石の目の話と親子の複雑な心情描写が切な美しく語られる。
『はじめ』
2人の男の子の想像から生まれた『はじめちゃん』という名前の想像上の女の子。
3人の8年間に渡る不思議な関係のお話。
『BLUE』
動き喋り心を持つ5体の人形が -
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「石の目」改題。1998年から2000年初出の短編集、4編。作者大学入学時の作品群で早期のもの。
乙一氏のイメージは、ファンタジー・ホラー。ジョブナイル。年齢層若めの黒乙一。ところが、この若さでなかなか哀愁ある4作です。
どの作品も、別離での切なさをえぐってくる語り口。しかも作者は悲しみの有痛性を文章にそのまま表現せず描いていく。そこに、読み手がより痛みを感じることになると思う。
「石の目」は、高品質な日本の土着伝承物といった小品。伝説・伝承には悲哀感あるホラー要素が多く相性が良い。
「はじめ」は、二人の男子が罪を被せる為、創造した女の子が実像として現れ、気持ちの交流までできるようになる。少 -
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ネタバレ目次
・未来予報 あした、晴れればいい。
・手を握る泥棒の物語
・フィルムの中の少女
・失はれた物語
切なさド直球の物語、と思ったら、「切ない話を」とのオーダーだったのですね。(未来予報)
未来が見える、わかるというのは、必ずしも幸せなことではない。
天気予報レベルで外れることも多い未来予報だとしても。
彼も、彼女も、特段その未来に縛られていたわけではないけれども、その未来は支えだったはず。
「意味のない人生なんてない」
清水が言ったからこそまっすぐに伝わった言葉。
”僕たちの間には言葉で表現できる「関係」は存在しなかった。ただ透明な川が二人の間を隔てて流れているように、ああるような、ない -
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ミステリー小説家のアンソロジー。
長編にできそうなネタを惜しげもなく短編に仕上げている作品もあり、とても楽しめた。
特に下記三作品が面白かった。
近藤史恵「未事故物件」
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
新津きよみ「女の一生」
●近藤史恵「未事故物件」
引っ越したアパートの上の部屋から午前4時に洗濯機の音が聞こえてくる。しかし部屋は空き家だという。騒音に悩まされた主人公は音の正体を探り始めるが…。
●福田和代「迷い家」
泥酔して他人の家に上がり込んだ主人公。食卓に用意された鍋を食べ、食器を1つ持ち帰る。後日、その屋敷の住人が行方不明になったと耳にする。しかも主人公が迷い込んだ日だと -
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乙一は、想像力を掻き立てるのが本当に上手い。
怖くてたまらなくて夜に自宅では読めず、出勤前の朝や人が多いカフェで読みました。
スッキリとした分かりやすい文体なのに、そのシーンがありありと目に浮かぶ。
人物も個性的ではない普通のどこにでもいるような人達だからこそ、共感できて読み手もその世界に入り込んでいける。
本作にも、そんな作者の魅力が味わえます。
「目を逸らしたら近づいてこない」ってシンプルで分かりやすい対策ですが、最高に怖い。
怖いのに、見たくないのに、見続けていなければならないなんて。
ラストは好みが分かれるかもしれませんが、すごくリアルに感じて私は好きでした。
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ネタバレ近藤史恵「未事故物件」
一人暮らし始める前に読まなくてよかった。
ホントに怖いのは生きてる人間。
でも、毎日4時に洗濯機回されたら発狂しそう……
福田和代「迷い家」
舞台は現代日本だけど、導入はほんのり日本昔話テイスト。
優しいお出汁のお鍋食べくなっちゃった。笑
最後のオチはちょっと強引な気もするけど……。おちょこに指紋ついてるくらいなら、他のものにもベタベタついてるでしょって。
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
自分の両親も主人公と同年代くらいの頃に離婚しているからか、感情移入がはんばない。しかも4つ下の弟がいるのも一緒!
両親のどっちについていっても良いよって、子供の気持ちを尊重し -
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購入済み
面白かった。
友人から話を聞いて気になったので読んでみたらとても面白かったです。
最後そう転ぶとは思わなかったので、ビックリしましたが、思い返してみるとあれは伏線だったのかという点がいくつかあったので納得しました。
『優子』も最初はどういうことなのかわからなかったけれど、あとからわかってゾッとしました。
メリバ、イヤミス(またはミステリーに近いホラー)を読みたいときにオススメしたいです。