あらすじ
高校2年の夏休み、水難事故で幼馴染の一ノ瀬ユウナが死んだ。喪失感を抱えながら迎えた大晦日、大地はふと家にあった線香花火を灯すと、幽霊となったユウナが当時の姿のまま眼の前にいた。不思議なことだが、ユウナが生前お気に入りだった線香花火を灯したときだけ姿を現すらしい。その日から何度も火を点けて彼女と会話する大地だったが、肝心な気持ちを言えないまま、彼女を呼び出すことができる製造中止となった線香花火は、4、3、2本と減っていき……。乙一の真骨頂! 線香花火のように儚く、切なさ溢れる青春恋愛長編。
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フィクションの中に現実味が詰まっていて面白かった。死んだ幼馴染に再会できたとしても易々と気持ちを伝えられる訳ではない。線香花火が軸にある作品だし、そんな風にするりと終わりが来るのも正しいのかもしれない。
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乙一先生の作品を見始めて自身3作目の作品。
幼馴染の大地とユウナの届きそうで届かなかった恋愛物語。
線香花火をもとに再び2人の関係が成り立つが
物語の途中その関係が終わってしまったのかと思ったが、終盤また再開が出来たシーンに嬉しさがあったが最後は切ない。
正しく線香花火のような終わり方だった。
また、乙一先生の情景描写を魅せる文体は本当に優れており読んでいて情景を考え感じることがとても楽しい。
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好きだった幼なじみが事故で亡くなってしまう。線香花火をつけると彼女が少しの時間現れ、やり残したことをやっていくが、線香花火の本数はかぎられ……。こんな純粋な初恋に主人公の今後にyell。最後は少し( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)読みやすく他も読んでみたくなった乙一さん❣️
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片思いの女の子が亡くなった後、線香花火をつけている間だけ幽霊として現れる恋物語。 あらすじだけで大体結末はわかったし、はたしてその通りに終わったけど、それでも涙が止まらない。 線香花火欲しいな。誰も降りて来ないけど。
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遠藤大地
一ノ瀬ユウナ
夕七。大地と同い年。十七歳で死んだ。
笹山秀
大地と保育園時代からの顔なじみ。眼鏡をかけた秀才タイプ。
三森満男
大地と保育園時代からの顔なじみ。家はお菓子の卸売業者。ふくよかな少年。
戸田塔子
大地と保育園時代からの顔なじみ。活発なスポーツ少女。
一郎
ユウナの弟。
矢井田凛
ユウナの親友。
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パイセン本。小学四年生の夏休みに遠藤大地と一ノ瀬ユウナは出会い『週刊少年ジャンプ』で絆を深めていく。しかし高校2年の夏、豪雨に見舞われたユウナは事故で命を落とす。ショックで立ち直れない大地はユウナが好きだった線香花火に火をつけると、ユウナの幽霊?に会える事に気がつく。著者はデビュー作を読んだきりホラー作家の認識だったので永らくご無沙汰してましたが、今作は大地少年の挫折と成長を見守り電車の中で涙腺が決壊しそうになったりしてなかなか良かった。姉妹本も貸してもらっているので、続けて読みたいと思います。
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もう設定から面白いのが約束されていたようなもの。異性の幼馴染、死別、限られた逢瀬、そして本当の別れ、、最後の一本の線香花火、明らかに2人の心が重なった瞬間、何よりも明るくて輝いてて幸せな時間だった。
予定調和で衝撃的なことは何もないが、若者のピュアな恋に心が洗われた。さすが乙一というか、青春小説ってこんな感じでちょうどいい、そんな優しくて綺麗にまとまったお話だった。
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不慮の事故で死んだ幼馴染みのユウナが好きだった線香花火を灯すと、幽霊となった彼女が現れる―――。
という、いかにも乙一さんが描きそうな青春ラブストーリー。
恐らくジュニア向け作品にあたると思うけど、シンプルな筋立てで読んでいて切なくなるポイントは押さえてあるし、過去のつらい記憶を乗り越えていく成長物語(10年かかってるけど)としても読めるし、普通にいい作品なのではなかろうか。
まあ個人的には、あれもう終わっちゃうの?って感じで物足りなさはあったのだけど、ジュニア層をターゲットにしているのであればこのくらいの長さがちょうどいいのかも。
セツナ系の作品もいいんだけど、そろそろダークな作品も読みたくなってきた。『ZOO』みたいなのはもう書かないのかな?
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死んだ彼女は、
線香花火を灯すと
現れる。
なぜなら――。
線香花火のように儚く、
切なさ溢れる青春恋愛長編。
乙一の真骨頂!
感涙必至!
今の季節にぴったり!
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集英社文庫のナツイチからの一冊です。
乙一と言えば、
ホラーとかミステリの印象でした。
私が子供のころ、母親がZOOとか読んでた記憶です。
幼馴染だったユウナが死んだ。
失意と喪失感のなか、大地は彼女が大好きだった線香花火に火を灯す。
すると死んだはずの彼女が…。
彼女と過ごせるのは有限。
終わったはずなのに、
終わりの先の終わりが見えてくる。
だけど、自分の気持ちはどうか。
ちゃんと彼女に対して伝えられるのか。
結末は見えているのに、
表紙のユウナちゃんがかわいくて
作中のユウナちゃんも勿論かわいくて
とても切ない。
突然奪われた日常から、
突然現れた非日常で、
残されたわずかな日々で終わりに向かっていく。
久しぶりに他の乙一作品も読みたくなりました。
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線香花火を灯して主人公が死んだ幼馴染みと会話する場面はいつも切なく、どこか『あの花』を思い出すような雰囲気や主人公たちのやり取りが印象的でした。「お盆に読めて良かった。」と思った作品だった。
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言葉選びが綺麗。
『彼岸と此岸に分かれていても向こう岸の相手の幸せを思う』
来世があれば、どうか今度こそふたりが幸せに結ばれますようにと願わずにはいられない。
2001年生まれの彼らは私と同い年だから、親近感が湧いて友だちのような視点で読めた。
以下愚痴
勝手に部屋に入った挙句線香花火使い切った子どもや親にはイライラした。
線香花火云々がなくても人の部屋に侵入して物荒らすとか盗むとか家族間であっても犯罪。
知らなかったとはいえ大地が何より大事にしていたものを滅茶苦茶にして、大地に絶縁されても文句言えないレベル。
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久しぶりの乙一作品は、「乙一の真骨頂!」との帯の文言通りの、切なく、気持ちがギュッととなる恋物語だった。
今回の作品でイチオシの部分は、恋をした男性が一途に最後までその女性を思い続けてくれるところだ。周りの人たちが少しずつそれぞれの人生を歩み、変化をしていっても、彼はずっとずっと彼女を思い続けているのだ。
線香花火が無くなってしまい、彼女に会うことができなくなってから、最後にもう一度だけ会える時までの、時の流れの描写が好きだ。
それまでの流れに比べると早すぎる感じはあるけれど、もたもたすすんでも重すぎるだろう。
季節ごとの記念写真がスライドショーで現れては消えていくように、彼女を思い続ける彼の姿が断片的に分かるのが、また、切ない。
最後は、潔いぐらいにスパンと終わる。
恋しい人の死を受け入れるのに、10年という時は、長かったのか短かかったのか。空で消えた彼女の顔と、それを見送る彼の顔がパッと浮かんで消えた。
いい話だった。
(アニメ映画になりそうだけど、ならないでほしいなぁ)
Posted by ブクログ
淡々とした語り口調で進むのに、線香花火でユウナと再会したところから、じわじわと切なさがせまってきます。東京デートや最後の別れのシーンは切なくてじ~んときました。告白が2人ならではの会話で終わるのもよかった。
暗くなりそうな設定だけど、ユウナの明るくてほんわかした雰囲気や幼馴染たちのキャラがそれを和らげていて、主人公大地の長い恋をやさしい気持ちで見守りきった、そんな心地のする本でした。
Posted by ブクログ
あれ、今回はペンネーム変えないんだ‥と思ったら
普通の現実世界ではあり得ない状況が乙一さんらしく書かれてて納得。
乙一なのにラブストーリー?と思い抵抗がある人もいるかもしれないが、「失はれる物語」が好きなら読んでハズレはないと思う。
死んでしまった片思いの相手が
思い出の線香花火に火をつけた時だけ
幽霊として現れてくれる話。
展開が読める部分もあったけど最後は感動したし読後感が良かった。
文章量が多くなく、すらすら読めるので普段本を読まない人にもおすすめ
Posted by ブクログ
これまで乙一さんの小説は
GOTHやZOOなど、
少し猟奇的なものしか読んでいなかったので、
本当に同じ人が書いているのと
驚きました。
悲しくて、少し切ないお話
親戚の小僧、
親の躾がなっていない!
全体的に、いいお話でした。
お勧めします。
Posted by ブクログ
乙一さんの作品が大好きで、当時出版されてたものは
全部持ってたけど、それからもう書いてないと思って
いたので、書店でぶらぶらしている時にこの本を見つ
けて驚きました。
早々にユウナが亡くなってしまったので、タイトルか
らどんなお話になるのか期待してましたが、少し期待
外れでした。
一般的には切ない…のかな?
私が親になってしまったからなのか、切なさは感じず、
ユウナの出現は一度だけで終わり、大地には前に進ん
で欲しかった。(その後に又思いがけず…というのはア
リだと思うけど)
ずるずると何度もは誰のためにもならない。(現実的)
十年は長すぎる。
平凡なお話で終わったという印象。
ただ、乙一さんの文章はやっぱり好きだと思いました。
念能力の系統の説明でも、退屈させない書き方で、小
さなことかもしれないけど感動しました。
あと、「蕾」から「散り菊」を意識して、線香花火がし
たくなりました。