仲間三人殺人する事から始まる小説、それぞれ恋人がいて、恋人未満でセフレ、濃厚な描写、濃厚な殺人、まだ理由が分からない、小説としては、良く書けている。父親が陥った罠。それは娘の仁美を巻き込んだ。父親は絶望のうちに命を落とし、母親は後を追うように病死した。
序章
人を殺そうと思う。 それも一人ではない。三人だ。つまり僕は、連続殺人犯の志願者だということになる。
悪辣な教師はその夜、美しい女性の顔をしていた。
第一章 悪辣な教師
冤罪被害者
きしだまりえ──岸田麻理江。 大学生、愛人元岡亘
くすのきゆき──楠木幸。 愛人清水航平
やたべひとみ──谷田部仁美。 恋人無し
三人の先輩、臨床心理士、奥田あかね、医師の本間悠子、支援活動全般のマネージャー並木直俊は、今夜も三つの名前を書き連ねていた。愛人奥村あかね
被害者三人の熱心な支援者といえば、自分以外ではあかねと悠子、それから元岡と清水の四人がいる。
自分が殺すのはこの三人なのだということを、あらためて心に焼き付けるための作業。
並木が『火星』を着信メロディに設定しているのは、奥村あかねだけだ。
あの団体に、若い男性は三人しかいなかった。並木と、清水航平と、元岡亘だ。
本間悠子か。思わずどきりとする。年上の女性の、整った顔だちと、しなやかな肢体を思い出す。
「あの子たちは、殺させないわ!」 あかねは叫んだ。あかねが大声を出したのは、これが今夜はじめてだった。
あかねとは、あわよくば今の関係を続けたいとさえ考えていた。 それでも自分はあかねを殺した。殺す気などなかったのに。
あかねの死を通報しつつ、三人を殺す方法。それがひとつだけある。あかねの通報を少しだけ遅らせ、その間に三人を殺してしまうことだ。
すぐには起きないと思っていた。麻理江も、仁美も、そして幸も、覚醒するにはまだ早いと考えていた。それなのに、誰かの身に、それが起こってしまったのか。
幸から始めて、仁美、麻理江の順番がいいだろう。
ゴジラ』は、清水航平からの着信であることを示しているからだ。
《楠木幸の独白》
でも、清水航平さんが手をさしのべてくれた。君は孤独ではないと言ってくれた。彼の愛情は本物だ。
第二章 恩人の来訪
麻理江と元岡がつき合い、幸と清水がくっついた以上、消去法で仁美と並木しか残っていない。仁美は自分と恋愛するしかないというのか。
ナイフが心臓に潜り込んだとき、谷田部仁美は身体を震わせた。
並木は精神で犯してしまったのに、肉体では犯していない。そのアンバランスに対して、肉体が抗議の声を上げているのだ。
並木はしゃがみ込んだ。仁美を犯すんだ。殺した以上、今さら犯さないなんてきれい事を言っても仕方がない。犯すんだ。
《楠木幸の独白》
元岡さんだ。元岡さんは麻理江さんとつき合っている。わたしが清水さんとつき合っているように。元岡さんは今、麻理江さんの家にいるのだろう。
自ら命を絶った父。父一人娘一人の家族だったのに、父はわたしを置き去りにして逝ってしまった。
「憎んでる?」清水さんが言う。「お父さんを死に追いやった連中のことを」
第三章 二人同時に
次の標的は麻理江になる。「男の愛情を測るなら、エッチの後よ」
そのころには麻理江の父も、まさか自分が無実の罪で逮捕され、挙げ句に獄中で病死するとは想像もできなかっただろう。けれどそれは起こってしまい、後を追うように妻が病死して以来、一人娘の麻理江がこの家に取り残されることになった。
「並木さんは、本当にわたしを護ってくれますか? 元岡さんが敵になってしまった今でも」
自分は異常なのだろうか。人を殺して欲情するなんて。
医師、本間悠子。並木やあかねと同じく、冤罪被害者を支援しているグループのメンバーだ。
リビングルームでは、本間悠子が血の海の中で死んでいた。
あかねは人を殺してから、並木の部屋を訪れたのではないだろうか。
消去法で悠子が残る。並木と同じように、モンスターを生み出すことに反対だった悠子。
《楠木幸の独白》
第四章 成長
愛の反対は憎しみではなく、無関心だって聞いたことがない? そういうことなのよ。
向かっているのは、幸の住むマンションだ。最後に一人残った幸を、並木は殺さなければならなかった。
《楠木幸の独白》清水さんは、終わった後抱きしめてくれた。 わたしは快感の波に揺られているような感覚のまま、清水さんの身体を抱き返す。
第五章 真相
幸を殺さなければ。これ以上殺す前に。殺し続ける前に。黒幕は清水だったのだ。
しかし清水は、幸を害そうとする人間がいることに気づいていた。悠子と、並木だ。幸がその心の中にモンスターを育てていることを、清水は知っている。モンスターが恐ろしければ恐ろしいほど、それに対する懸念も大きい。幸の恐ろしさが本物であれば、幸に対する害意も本物だ。幸を殺してしまおうとするまでに。
どのくらい時間が経ったのかわからない。ふと気づくと、清水は全身を弛緩させていた。タオルを緩めると、清水の身体は崩れ落ちた。心臓に手を当てる。五秒。十秒。心臓は動いていない。清水は死んだのだ。
《楠木幸の独白》
目を覚ました。 清水さんに抱かれて、そのまま眠ってしまっていた。
第六章 アルラウネ
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不幸な女の子を殺した。殺すしかなかったのだ・・・。本格ミステリーの気鋭が挑む驚愕の連続殺人ストーリー。
並木直俊は決意した。三人の人間を殺す。完璧な準備を整え、自らには一切の嫌疑がかからないような計画で。標的は、仁美、麻理江、幸。いずれ劣らぬ若き美女たちである。倫理感?命の尊さ?違う、そんな問題ではない。「破滅」を避けるためには、彼女たちを殺すしかないのだ!!しかし、事態は思わぬ方向に転がりはじめる…。気鋭が挑む驚愕と緊迫の連続殺人ストーリー。