石持浅海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ倒叙だというにしても結論ありき感がついて回る、当然ともいえそうな矛盾感を抱えたままに余分に焦れる、中々進まない物語だと感じてしまった。探偵と主人公の関係性はとても好みだけど、まるで、真相をまったく関知しないメンバーも含めて全員で犯罪を成り立たせようとしているかのような、全体的に作為的な、各所の優柔不断さに、十分な説得力を感じられなかった。
誰でも当然、警報機度外視で早めに窓を破るでしょ。早く窓が破られて当初の計画が破綻しても、あの周辺状況なら必要とされた十時間は死体に手付かずで時が過ぎるでしょ。って思えちゃう。物語にならないけど。
十時間過ぎなくても、どうせ探偵に看破されてしまうことを半ば予期した立場なら、いざというタイミングまで粘ってから買春の事実をバラせば良いだけでは。
おかげで、「幻痛」とかのせっかくの格好よくクリーンヒットな伏線回収も、全面的な逆転打とは感じられなかった。
他にも「締切のある殺人」という台詞で伏線が張られたようで、さらにそれを受けた「締切のない殺人といいました」という、矛盾にしか見えない台詞で回収されたような、夜中に読んでたせいか読解力の不足のせいか、僕的にはミスにしか見えなかった、なんとも整合性があるようには捉えきれない部分も。編集者さん、仕事してますか?
この点、僕の感覚が合ってんだか合ってないんだか、何かを見落としたんだか、いろんなレビューや解説を読みたい気分だし、なんだったら改訂版を望む。
臓器移植の時代背景とか、いつから可能になったかとかは詳しく知らない。でも、個人的に昭和平成なオーラの社会派ミステリが大好きな身としては、ホワイダニット作品な上での、この倒錯した社会派な動機と、主人公と探偵の感情の縺れのスタイルと台詞はかなり好き。状況証拠ありきで最初からすべてを疑ってそうな探偵を前に、十分に賢いとはとても思えない主人公が、終始可哀想だったけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ首都圏で子供をターゲットとした連続殺人事件が発生した。犯人が自分の教え子だと気づいた塾講師の、高島太一は、自ら犯人を殺害する。
場所は変わり、群馬県の学習塾の合宿所。集合前日に現れた男女5人。なぜ彼らは現れたのか?
そして、高島太一にも予想外の出来事が……。
石持浅海さん得意の、限定された空間での会話劇からなるミステリ。デビュー20周年記念作品だそう。
元々殺す予定だった死にかけの高島太一を殺したくて、もちろん殺人はバレたくない。その上で、高島太一の罪も、高島太一の被害者の罪も隠蔽したい。こんな高難易度ミッションやり遂げられるのか、という、知恵を絞った会話劇が見どころ。あまりに冷静かつ淡々としすぎていて、こちらもだんだん感覚が麻痺してくる気がします。
これ、もし身体が動かないだけで意識があったら、真横で冷静に自分の殺し方話し合われるのさぞ怖いだろうな……。せめて意識なくなっていてほしい。
にしても、高島太一にしても他の5人にしても、理由はそれぞれあるにしても◯◯が人を殺してる→自分が◯◯を殺さないと……。となるのはさすがに覚悟キマりすぎててどんな修羅の国に住んでるのかと。法治国家とは一体何なのか……。
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Posted by ブクログ
この作者さんによる「殺し屋」シリーズ、5冊目。
今回もまたまた短編4つに中編がひとつ。
最初は一応の主人公・富澤のお話で、次が同業者の鴻池のお話。3つ目が依頼者目線の話で、鴻池の協力者・本多が中心の話を挟んで、最後に二人が交錯する(と言ってもニアミスもない)表題作。
前作あたりから殺害を依頼してくる相手の理由まで推理するようになってきているが、こうなってくると尚更、そんな理由で依頼してくるかという感が強まる。
で、その推理、元々ちょっと強引なところがあったが、だんだん推理というより“想像を逞しくする”という感じになってきて、色々と無理があるような。
副業で殺し屋を営むという設定にも、なんだかちょっと飽きてきたかも。
ここまでずっと付き合ってきたが、今作を読んで、続きはもういいかなという気持ち。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとある理由から高島太一を殺したい5人が、殺しの機会を得た日に図らずも集合してしまう。
しかしその場には何故か意識のない高島太一が倒れている。
さあ、このまま黙って死ぬのを待つか、事故に見せかけて殺すか、議論を行う話。
登場人物が感情的ではないので非常に読みやすかった分、殺したい動機がいまいちピンと来ない人もいたし、そんな都合良く5人全員が殺害現場目撃することある?とも思ったが、議論自体は面白かった。
だけど何より疑問だったのが、すみれが最後まで塾長のことを隠していた理由。
塾長が太一を殴っていてしかも死んでもいいと思ってるなら、5人全員が太一を殺したいと共有した時点で、すみれはみんなに塾長のことを告白すれば、何時間も議論なんかせずにさっさとベランダから落として事故に見せかけることが出来たのでは?と思ってしまった。