あらすじ
「安心・安全のシステムで、殺し屋、やってます」
殺し屋が解く〈日常の謎シリーズ〉開幕
コンサルティング会社を営む男、富澤允。
彼には裏の仕事があった。
650万円の料金で人殺しを請け負う「殺し屋」だ。
依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。
引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。
ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、標的の奇妙な行動が、どうにも気になる。
なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか?
独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか?
任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。
殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕です。
解説・細谷正充
※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
殺し屋ものとあり、もっと殺伐とした物語と思いきや、抜群の読みやすさで殆ど休憩もせずに読み終えてしまいました。富澤(僕)と塚原の掛け合いが好きすぎます。続編も出ているみたいなので、そちらも是非読みたいです。
Posted by ブクログ
「ドラマ化熱望の声多数」と帯に書かれていたけど、読み終わるとまさにその通りで、深夜枠1時間でやっていただきたい。
殺し屋が推理するのはやはり面白い!
Posted by ブクログ
経営コンサルタントをしながら、副業で殺し屋をやっている主人公に惹かれて読み始めました。
殺人依頼をこなすだけでなく、依頼に至った経緯を主人公が推理していくストーリーで大変面白かったです。
主人公と旧友(殺し屋だと知っている)との関係も、ホームズとワトソンを彷彿とさせる関係性でとても好きです。
2作目があると聞いて、そちらも是非読んでみたいです。
Posted by ブクログ
副業で殺し屋をやってるよ〜って話。
殺される側はたまったもんじゃないけど。
標的を始末した後に標的の奇妙な行動の謎を
毎回紐解いていく。それがすごく面白い。
Posted by ブクログ
一見ほのぼのでも、ちゃんと殺し屋稼業を全う。こーゆー人が一番怖い。殺される人は…殺されてもいい人?笑。そんな殺し屋界隈はターゲットについて、気になる事があると推理しちゃう。その内容が絶妙で◎。
Posted by ブクログ
いわゆる石持さんらしいひねくれた設定のミステリでなかなか好き。
殺し屋が日常の謎を解くことで、見えるものも含めてなかなかいい。
2956冊
今年184冊目
Posted by ブクログ
読んでいると昔ドラマであった。必殺仕事人に少し似ている。表向きの職業は持っているが、裏の仕事は殺し屋少しお金をいただいて必ず殺す。結構読みやすい本であった。6,50万は、企業の平均年収1年に1回仕事をすれば良い気がする。殺し屋さんの話。
Posted by ブクログ
経営コンサルタントを本職とし、副業として殺し屋を営んでいる一見人畜無害な主人公。登場人物が少なくて読みやすいし、どの殺人の依頼内容にも謎があって、仕事を進める過程でそれが解けていく展開は、なかなか面白かったです。(殺し屋は標的のことを想像してはいけないといった持論が物語の中で描写されているが、それに反して謎をときあかしてしまうところがまた面白い。)殺し屋が語る生命の重みだったり、殺人の依頼料が東証一部上場企業の平均年収で依頼方法が二重の仲介システムを採用していてなんかありそうな仕組みだったりと、色々楽しめる一冊でした。続編もあるみたいで、ぜひ読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
殺し屋が主人公の短編集。依頼者と殺し屋との間には連絡係を2人経由しており、依頼者が殺し屋を知ることはないし、殺し屋が依頼者を知ることもないという安全策が取られている。
殺し屋は依頼対象のみを知らされ、依頼者についての情報を受け取らないので、依頼者と依頼対象との関係や殺害依頼を出すことになった背景・理由などは分からないようになっている…が、「依頼対象が独身男性なのにオムツを買い込む」とか「同一人物に殺害依頼が2回出て2回ともキャンセルされた」とか少し変わった依頼に対して、そのココロは何なのか殺し屋があれこれ推理するという「日常の謎系ミステリ(殺し屋が『日常』なのかはさておき)」。
日常の謎系ミステリは「探偵役よりも先に真相に辿り着けるかどうか自分も考えてみる」ではなく「こじつけギリギリの論理遊びを読んで苦笑する」というのが楽しみ方だとは思うが(←偏見)、殺し屋が主人公という設定の突飛さも相まって、なかなか楽しめた。
Posted by ブクログ
たいして儲かっていない経営コンサルタントを営む富澤は、副業で殺し屋を行っている。
ターゲットはいたって普通にみえるが、富澤はある違和感に気づき……
本当にそんな生業の人がいそうな自然な雰囲気にぞくぞく。
Posted by ブクログ
殺し屋シリーズ一作目。
依頼を受けた殺し屋が確実に殺害という目的を遂行するものの
その中で感じた疑問や謎の真相を探っていく物語。
殺す標的は何故かいつも不思議な点があって
任務に支障はきたさないけれど
どうしても気になってしまう主人公。
最後の答え合わせは、もう殺してしまっているので
殺し屋自身の推測でしかないけれど
筋の通った結論をサラッと出せる殺し屋。
雰囲気と謎を解く展開が斬新で面白かったです。
連作短編になっていて一章ごとの物語も短めで読みやすくサラッと読めました。
シリーズものなので次回作も楽しみです。
Posted by ブクログ
コンサル兼殺し屋の男性主人公がビジネスライクに殺しの仕事をする中で、依頼人や対象者の謎を解いてく話。何話か入ってたけど毎回説明があったからなんらかの媒体で載せてたのをまとめた本なのかもしれない。先が見える話もあったし推測の域を出ないものもあったけど、ビジネスライクな感じが面白い。依頼料650万は世の平均収入を元に決めてたり。続編もあるらしいから読んでみたい。
Posted by ブクログ
読みやすく面白い。
短編の物足りなさは無く、すごくスッキリしているのはキャラクターの動きが少ないからではないか。
「動機」は追わない。
と言いつつもミステリー要素として探ってる部分はあるが、そうか。となる程度。
人の気持ちの部分があまり無く、休憩の読書になる。
自分自身が依頼者となった時は非常に興味深く面白かった。
こう立ちまわるんだなと。
他のシリーズ作も読みたいと思う。
Posted by ブクログ
石持浅海の連作ミステリ作品『殺し屋、やってます。』を読みました。
石持浅海の作品は、昨年3月に読んだ『扉は閉ざされたまま』以来なので約1年振りですね。
-----story-------------
安心・安全のシステムで、殺し屋、やってます。
コンサルティング会社を営む男、富澤允。
彼には裏の仕事があった。
650万円の料金で人殺しを請け負う「殺し屋」だ。
依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。
引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。
ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、標的が奇妙な行動が、どうにも気になる。
なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか?
独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか?
任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。
殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕です。
-----------------------
2005年(平成17年)に刊行された殺し屋探偵シリーズの第1作です。
■黒い水筒の女
■紙おむつを買う男
■同伴者
■優柔不断な依頼人
■吸血鬼が狙っている
■標的はどっち?
■狙われた殺し屋
■解説 細谷正充
ひとりにつき650万円で承ります……経営コンサルティング会社を経営する富澤允、、、
普通に社会生活を送っているが、彼は一人につき650万円の料金で人を殺す、殺し屋だった……依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断、引き受けた場合は原則2週間以内に実行する。
ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、標的の奇妙な行動が、どうにも気になる……なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか? 独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか? 任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない、、、
殺し屋が解く、日常の謎シリーズ、開幕です! 危険な魅力にあふれた、殺し屋探偵の活躍をお楽しみください。
経営コンサルタントとして表の顔を持ちつつ、裏の顔は殺し屋として活動している富澤の、殺し屋としての仕事ではなく、ターゲットとなる人物のちょっとした引っ掛かる行動の謎解きに焦点を当てた展開が愉しめる物語でした……どの作品も面白かったのですが、そんな中で特に印象に残ったのは、
殺害依頼に母親が同伴!? 結婚詐欺の被害に遭ったという息子の無念を晴らそうと殺害依頼にやってきた中年女性と若い男性……という展開から、意外な真相やダークなオチが愉しめる『同伴者』、
ターゲットの人物が二人存在!? 同姓同名を語り同居している二人のうち、一人は身分を偽っており、どちらが本当のターゲットなのかわからず富澤はこの依頼を断る……その後、身分を偽っていた女性が殺され、その真相を富澤が見事に推理する『標的はどっち?』、
まさか自分がターゲットになるとは!? 自ら探偵となって依頼者の正体を暴いていく『狙われた殺し屋』、
の3篇かな……続篇『殺し屋、続けてます。』が刊行されているようなので、ぜひ、読んでみたいですね。
Posted by ブクログ
殺し屋やなのに、日常の謎という異色の作品。
殺し屋って言ったら、殺害のシーンが大事かと思いきや、そこはさらっと。
標的や依頼内容に対する謎を解き明かすというか、その疑問を解消する事が主体のお話。
その視点が面白いよね。
シリーズ化もしているので、続きもまた読みたいな。
Posted by ブクログ
キャラクターが個性的で、本業と副業(殺し屋)を業務としてこなしているのが面白かった。
殺しの場面はあっさりカットされていて、殺害対象者の珍行動や殺害依頼されるまでの背景を追ったミステリーっぽい話の展開。
短編なので読みやすいけど、同じ説明部分もあり、続けて読むと少し単調感があった。仲介役の2人の視点からの話や、何で殺し屋業をしているのかの背景も知りたかった。
Posted by ブクログ
石持浅海さんらしい、読みやすい短編集でした。
主人公が副業として殺し屋をしてますが、基本あっさりしていて、殺しのシーンもサラッと書かれています。何故殺されるのか、などの理由は知らないので単調に同じことを繰り返す感じで、そこに気になる謎があり、それを主人公が解いていく、という流れで進みます。面白い着眼点の謎だったので、楽しく読めました。
ただ、殺される側のことを考えたら、こんなにあっさりと理由も分からず殺されることになったら怖いな、と考えてしまいましたね。本の中の話しだから、受け入れられるというか。
まだまだ続いているみたいなので読んでいきたいです。
Posted by ブクログ
ビジネスライクな主人公の性格が好みでした。
他の小説ではあまりない視点からの推理が面白く、章ごとに短編のように読めるのであっという間に読んでしまいました
Posted by ブクログ
九州大学理学部生物学科卒業
クローズドサークルとは、ミステリー小説のジャンルのひとつで、何らかの事情で外界との接触が断たれた状況で起こる事件や謎を扱った作品を指します。代表的な設定としては、孤島、雪山、列車、客船などが挙げられます。
全体的に、文章が、倫理観があり、理論整然とした内容である。が、新鮮さは感じないかなー
〈「日常の謎」の奥深さ。危険な魅力にあふれた殺し屋探偵〉
ひとりにつき650万円で承ります。
「残金の入金を確認できれば、取引は終了です。領収書は出ませんし、現金振り込みならば、あなた方の口座に送金記録が残ることもありません。安心してご利用いただけます」
連絡係を二人挟むことによって、殺し屋に接する連絡係が依頼人の情報を持つことがなくなり、依頼人に接する連絡係が殺し屋の情報を持つこともなくなる。双方にとって安全なこのシステムは、二重盲検法に似ている。私ともう一人の連絡係が発案した。
経営コンサルティング会社を経営する富澤允。普通に社会生活を送っているが、彼は一人
につき六百五十万円の料金で人を殺す、殺し屋だった。
依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。
引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。
ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、
標的の奇妙な行動が、どうにも気になる。
なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか?
独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか?
任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。
殺し屋が解く、日常の謎シリーズ、開幕です!
Posted by ブクログ
殺し屋家業とは別に不思議なことを解決していくのかと思ったら、エピソードごとに殺しは完遂してた。
殺される側に個性がなくただのデータなので、感情移入しなくて済んでるけど。
サラッと読めて謎解きも今までにない切り口で面白いけど、なんかグイグイ引き込まれるものはなかった。
登場人物にまだ個性がないからかな?
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎の”殺し屋シリーズ”とは違う殺し屋モノを読みたくて……。
彼は殺しをビジネスとして扱い、旧友だという仲介役ともビジネスマン同士のような淡々としたものを感じる。依頼人のことは知りたくないって言いながら、標的の行動を何故か気にしてしまうのは…人道を外れた罪をしていても、まだ人間らしい一面が残っているからだろう。
それか、サイコパスなのだろうな。……最後の章の、最後のセリフは衝撃的だった。
Posted by ブクログ
[こんな人におすすめ]
*読書を気軽に楽しみたい人
歯医者の待ち時間や電車の通勤時間に本が読みたい人におすすめです。主人公が殺し屋で一見物騒に感じるかもしれませんが、口の中でホロホロ溶けるクッキーのように口当たりが良く、サクサク読めてしまいます。内容が浅いわけでは決してないので、読み終わった後は満足感も得られるでしょう。
[こんな人は次の機会に]
*社会派やハードボイルド小説が読みたい人
私は殺し屋という存在と関わったことがないため、殺し屋が淡々と任務を実行してもフィクションとしてすべて受け入れ、エンタメとして面白さを感じてしまいます。安楽死や死刑制度について考えるような社会派小説を好む人が読むと非現実的でけしからんと感じてしまうかもしれません。
Posted by ブクログ
主人公は、殺害の際に標的なことは詳しく調べない。余計な情報があると邪念が入るから…。そして殺害後に推理する、という設定で、主人公にとって人の命があまりにも軽いところはモヤモヤするのですが、そういう設定だから、推理の部分に集中できました。最初の話だけ、稲城長沼という実在の地名がでてくるのですが、何かご縁のあるところなのかな?