石持浅海のレビュー一覧
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[こんな人におすすめ]
*読書を気軽に楽しみたい人
歯医者の待ち時間や電車の通勤時間に本が読みたい人におすすめです。主人公が殺し屋で一見物騒に感じるかもしれませんが、口の中でホロホロ溶けるクッキーのように口当たりが良く、サクサク読めてしまいます。内容が浅いわけでは決してないので、読み終わった後は満足感も得られるでしょう。
[こんな人は次の機会に]
*社会派やハードボイルド小説が読みたい人
私は殺し屋という存在と関わったことがないため、殺し屋が淡々と任務を実行してもフィクションとしてすべて受け入れ、エンタメとして面白さを感じてしまいます。安楽死や死刑制度について考えるような社会派小説を好む -
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「座間味くんシリーズ」の第5弾は、7篇の連作短編。今回の語り手がシリーズ第1作「月の扉」でハイジャック事件の人質だった当時一歳の玉城聖子というのがシリーズファンとしては感慨深い。
新宿東口の書店で待ち合わせて、大迫警視長と座間味くん、語り手の3人が会食をするという趣向は変わらない。
大迫警視長が語る事案に潜む違和感を、座間味くんの鋭い洞察力で解き明かすというお約束の構成。今回は特に事件性が薄く、日常の謎的な印象。
各話ごとに登場人物が順調に歳を重ねて、若かった座間味くんも今やお父さんに。息子や娘の受験を経て、最終話で明かされるサプライズな事実。
ファンなら思わず嬉しくなる展開に、ここで一区 -
Posted by ブクログ
ネタバレ〇 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
〇 熱中度 ★★★☆☆
〇 インパクト ★☆☆☆☆
〇 キャラクター★★☆☆☆
〇 読後感 ★★☆☆☆
いわゆる「そして誰もいなくなった」タイプのミステリだが、その設定は特殊。フウジンブレードという企業の経営者達3人を、「復讐」として殺害するために集まった10人の男女。1人目の復讐を終えたその後、復讐者の中で連続殺人が発生する。
「そして誰もいなくなった」タイプのミステリであり、サスペンス感は秀逸。復讐者という立場では味方だが、その中に殺人者が紛れ込んでいる。それを解き明かしていく。
10人の中で、殺害されたのは「フウジンブ -
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大学卒業旅行としてトレーラーハウスでの1泊旅行を計画していた男女9人。だが、到着してトレーラーハウスのドアを閉めた瞬間から、そこは脱出不可能の密室と化した。
混乱の中1名が命を落とし、怪我人も続出する中、生きてここから出られるのか。そして、罠を仕掛けたのはいったい誰なのか?
大量の罠が仕掛けられたトレーラーハウスという密室に閉じ込められた男女9人を描くクローズドサークルミステリです。
石持浅海さんの、「デビュー10周年記念作品」だそう。
場所の移動がない中、限られた情報で犯人と真相を推理していくという、石持浅海さんらしいミステリ。
仲のいい友人たちとの楽しい卒業旅行、からの悪意に満ちた密 -
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閉鎖空間での殺人事件という設定は古来より多い。
”閉鎖”になる状況も気象状況から天変地異、ゾンビなんて変わり種もある。
この作品はそこがちょっと変わっていて、ターゲット(3人)の殺人を企む(そして既に1人殺した)グループというところだろう。残り2人のターゲットを殺す計画を練ってる中で起きた殺人で、当然通報も館から出ていくことも出来ない…。
凝った設定は面白いが、そこからが論理のパズルが精緻ではあるけど、動機も無理やりだし、そこにたどり着く推理も、理屈に理屈を都合よく重ねてる感があって、読んでて飽きてくる。
初期に傑作が多い作者だけに期待が大きすぎたのかもしれない。 -
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ネタバレ【収録作品】遠くで殺して/ペアルック/父の形見/二人の標的/女と男、そして殺し屋
殺し屋シリーズ第3作。
それぞれ仲間のいる、二人の殺し屋の「仕事」が交互に描かれる。二人とも、依頼主や依頼理由は聞かずに仕事を請け負い、実行する。実行に必要な事情だけは独自に調べるが。
「遠くで殺して」表の顔は経営コンサルタントの富澤允。依頼につけられた条件が気になる。
「ペアルック」表の顔は通販業者の鴻池知栄。標的とその親友がよく似ており、ペアルックでいることが気になる。
「父の形見」経営コンサルタントとしての富澤允が登場。語り手はその顧客。
「二人の標的」鴻池知栄の仕事。二人の配信者のうちどらかを殺してほ