石持浅海のレビュー一覧
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今回のカバーはコーヒーとチョコレート。
確かに今回はコーヒーを飲むシーンが多かった。
シリーズ三作目。
いやぁー、今までで一番おもしろかったなぁ。
表題作の『女と男、そして殺し屋』、これ一本で長編一冊にしてくれても良かった。
どちらの殺し屋も冷静沈着でスマート。かっこいいんだよなぁ。
雪奈の「最後の最後で新キャラが出てきた」には笑った。読者は前から出てきてるあの人だって気づいてるからちょっと優越感なんだよね。
こういうの好きだなぁ。
『父の形見』のラストも良かった。
ここまで読んできてるからこそ、アルバムの写真が一枚抜けている意味がわかる。
えーどうしよう、おもしろいなぁ。
このシリーズはあと2冊。
石持さんの他の作品も読んでみよう。 -
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石持浅海の連作ミステリ作品『女と男、そして殺し屋』を読みました。
石持浅海の作品は、昨年4月に読んだ『風神館の殺人』以来ですね。
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奇妙な依頼の数々に、彼らはついつい「推理」をしてしまう……。
殺し屋が日常の謎を解く異色のミステリー短編集。
人気シリーズ第4弾!!
人知れず副業で殺し屋稼業を営む富澤允と鴻池知栄。二人のもとに届く殺害依頼はいつも謎めいている。
畑に人形を埋め続けるターゲット、死体に椿の花を添えて欲しいというオプション、“夏休み”期間限定の殺害──。
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2025年(令和7年)に刊行された殺し屋探偵シリーズの第4作……殺し屋探偵シリーズは昨年2月に読んだ第3作の『女と男、そして殺し屋』 以来ですね。
■近くで殺して
■人形を埋める
■残された者たち
■花を手向けて
■夏休みの殺し屋
殺し屋しながら推理します……シリーズ第4弾 奇妙な依頼の数々に、彼らはついつい「推理」をしてしまう、、、
殺し屋が日常の謎を解く異色のミステリ短篇集……人気シリーズ第4弾!! 人知れず副業で殺し屋稼業を営む富澤允と鴻池知栄。
二人のもとに届く殺害依頼はいつも謎めいている……畑に人形を埋め続けるターゲット、死体に椿の花を添えて欲しいというオプション、“夏休み”期間限定の殺害──。
シリーズの魅力である“推理する殺し屋”という独特の設定がさらに冴えた一冊……経営コンサルタントの富澤允と、ネット通販業の鴻池知栄は、互いを知らぬまま、依頼人の動機を推理しながら殺しを請け負うという、ねじれた構造が本作でも心地よく機能しています、、、
中でも白眉はタイトル作『夏休みの殺し屋』、2人が別々の依頼人から、同じ女子高関係者(富澤の標的:娘を学校内の自殺で亡くした母親、鴻池の標的:自殺した娘と親友だった女子高生と彼女が通う学校の校長)の殺害を依頼されるというシリーズならではの二重構造が抜群に面白く、並走する推理のズレと収束が読者を引き込む一篇でした……殺しの依頼の背後にいた人物は意外だったし、その人物に対する「すごい人がいたもんだね」という最後の言葉には、痛快というか凄みを感じました。
シリーズの魅力がもっとも鮮やかに立ち上がった、満足度の高い作品でした……雰囲気も大好きだし、続篇を期待したいシリーズ! 未読の第2作『殺し屋、続けてます。』も古書店で見つけなきゃ! -
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子育て中のパパさんに、ぜひオススメしたい。7人の作家さんによる「現代人としての」父の姿。不器用ながらも懸命に子育てしているパパたちが勢ぞろいした短編集。どの話もどうってことのない日常ではあるんだけど、本としてまとまってくると「みなさん色々抱えてますよね…」と言いたくなる。めちゃくちゃ秀逸な1冊。
どの話にも共感しかない…と思って読んだ。特に子どもが小さい、という話は苦しいくらいに我が家の話。7つのうち6つが共働き夫婦の話なのも、私にとっては共感につながった。
岩井圭也『連絡帳の父』と、河邉徹『髪を結ぶ』は泣いた。
7人の作家さんのうち、6人が1980年代生まれなのだそうだ。私と同世代だ。全員パパさんだというから、「父になったからこそ書けました」という作品なんだな、としみじみ思う。
今の世の中、パパさんの役割ってめっちゃ多いんじゃないかと思う。仕事に加えて子育ても男女平等。男性の家事時間はまだまだ女性に比べて少ない、というけど、やってる人はやってる。きっと。
作家さんは、基本的に会社員よりも時間の制約が少なそうなイメージがある。家事や育児は融通がきくほうがやる、というと、それなりに多くの時間を担っているんじゃないかと想像する。
それでいて、仕事の成果も求められる。
キッツー。
これ、みんなどうしてるの?と聞きたい。
我が家も、夫は私と同等、いやそれ以上に家事と育児に多くの時間を割いている。私は融通がきかない昭和的な職場で働いていて、夫はかなりフレキシブルな職場なので、ついついお願いしてしまう。
「なんでオレばっかり!」と怒られてしまう。言いたい気持ちはよくわかる。
「パパ友になれそうな人がいっぱい出てくるよ」と言って、夫にオススメした。
「装画のクロッキー画が素敵だから、それだけパラパラ見るだけでも」と言っておいたら、その装画を見て、気になった話だけ読んだ、と言う。
そう。装画が素敵なのよ。
読み終わってから見返すと、ストーリーの中で印象的な場面が描かれていて「あー、なるほど」と思う。
夫は全部を読んでいないとは言うものの、外山薫の『ダディトラック』を読んでかなり共感した様子だった。
この本は、雑誌VERY2026.2月号『VERY的誌上読書会』のコーナーで、カツセマサヒコという作家のオススメに載っていた。
ご自身も、7つのストーリーの最後に入っている。この話だけが専業主婦の話だ。共働きだったが「もう無理」と、妻自身が専業主婦になることを選んだ。共働きであることが珍しくもなんともない現代において、「あえての専業主婦」という視点。
[もうさ、みんな大変って話をしようよ、こうなったら。飲もうぜ、飲もう。それしかないだろうが、幹事!]
と言い放つ夫の友人に、「カンパーイ!」とジョッキを合わせたくなった。
世の中にはいろんな家庭がある。
それぞれの家庭に、それぞれの事情がある。「ウチはこうやってます」という他のご家庭が参考にできる場合もあるけど、私の家庭で使えるワザとは限らない。
私も夫も、ひとり暮らしをそれなりの期間やってから結婚した。得意というほどではないけど、やっていて苦にならない家事はある。お互いに「これなら自分がやってもいい」という家事をそれぞれがこなしている。
片付けは、2人とも苦手だ。だからいつまでも部屋はぐちゃぐちゃ…。
育児も、2人とも苦手。なにをどう扱ったらいいか、まるでわからない。
そっか。
だから、この本に出てくる不器用なパパたちに共感するんだな。
子どもがいなかったら良かったのに、と時々夫が言う。
そうかなぁ?そうでもなくない?と、最近になって私は思う。
[たしかに大変だけれど、ラクであることと幸せであることは意味が違う]
『連絡帳の父』の中で、岩井圭也がそう書いている。そのとおりだと思う。
[もし親としての適正検査があるのなら、きっと面接を受ける前に落とされる。だけど向いてないと知ったからといって、辞めることのできないのが子育てだ]
『髪を結ぶ』の中で、河邉徹がそう書いている。これも、そのとおりだと思う。
ひと月ほど前に読み終わって、夫も読んだら感想を書こうと思って塩漬けにしていた。
共感できる本があって、共感してくれる人がいて。
みんなそれぞれの生活があって、家族の数だけ物語があって。
なんか、それでいいんだよな、と思う。
いろんな家庭の事情があって当たり前。
社会がもっとフレキシブルになったらいいのにな、と思う。生き方も、考え方も。 -
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ネタバレ犯罪を決行しようか悩む犯罪者予備軍が相談するNPO法人が舞台。そこの1号室にいる名前もわからない相談員が殺人に手を染めようとする彼らの計画を論理的な思考ですべて否定していくという物語。
石持先生らしい論理×倒叙モノという碓井優佳シリーズにも通じる形式でありながらその計画を事前に否定して犯罪を抑止するという形式にはとても驚かされました。しかしそこで彼らは計画を補正されたと考え次々に実行に移していってしまう。
そこに待ち受けるのは将来の栄光かそれとも破滅への入り口か...まるで新しい切り口の笑うセールスマンのようで楽しませてもらいました。相談員が間違いなくレギュラーキャラクターではあるものの喪黒ポジションであり実際の主役は犯罪者予備軍である。相談員は本当に犯罪者を止める気はあるのか、実は煽っているだけではないかといった考察もできてしまう。碓井優佳シリーズも優佳自身は犯罪の解決のみに視点をおいている狂言回しに近いポジションであることも共通している。これからも続いていきそうなシリーズなのでぜひ続編を読んでみたいです。
最後にこの作品をアニメ化したときの声優陣を自分なりのキャスティングにしたので読むときの参考にしてください。
相談員:鳥海浩輔
代表:平田広明
記者:福島潤
事務員:島袋美由利
有馬駿:梅田修一郎
福留正隆:浦和希
妻:戸松遥
夫:杉田智和
服部建斗:松岡禎丞
窪田壮:島崎信長
白坂木乃美:松田利冴
白坂花梨:松田颯水
日下部渉:木村良平
岡崎一也:岡本信彦
日下部妻:上田麗奈
目黒恵利:日笠陽子
栄佳央里:寿美菜子 -
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面白かった!!殺人もの5つ。成功したり失敗したりいろいろ。
第1話 犯罪に走る前に相談してほしいというNPOの呼びかけに応じてきてみた。完全防音、名前も聞かれていない。有馬は親密な人を殺そうと思っている。逮捕されたくないが、殺したい。だが止められる。相談員がボールペンをナイフに見立てて刺してくださいというが、できない。いろいろな代替案も論破される。
有馬は逆説的に考えて捕まらない方法を模索する。
第2話 夫が二週間前に元教師の男性を殺した。妻の不倫相手だった人だが、まだ死体が見つかっていない。どうして判明したかについて、相談員は夫が妻の携帯に自分の指紋を登録したのでは?と言われてその通りだった。
第3話 白坂花梨は双子の白坂木乃美に殺された。服部は大学のサークルの友人だ。殺された花梨が好きだった。キャンプに行って、川が増水した。逃げようという段になって、花梨がいないことに気がついた。川に流されていた。
一方、木乃美を好きだった窪田も服部殺害を目論んでいる。
第4話 英会話教室での知り合いを殺したい。先生のリンジーヒースは同居のアメリカ人男性に暴力を受けていた。教室みんなで解決しようと、弁護士費用とカウンセリング費用を捻出したところで、広島に転勤になってしまった。だが自分が手を引いたことでみんなやる気がなくなり、先生は自殺した。
第5話 同性愛のパートナーが、お見合いを勧められたが、断れる筋合いでもなくトントン拍子に話が進んだ。 -
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ネタバレペンションで行われた同窓会で起きた密室殺人。
犯人である伏見は事故を装い殺害。密室の扉を開けさせないよう言葉巧みに皆を誘導しようとする倒叙ミステリー。
個人的にかなり好きな部類の作品だった。倒叙ミステリーはあまり読んだことが無かったが、犯人も殺し方も工作も全て明かした上でここまで面白くできるのかと感嘆した。
探偵役である優佳が実に論理的に推理していく様も気持ちよかったし、「何故犯人は時間を稼いでいるのか」という疑問が解けた時もスッキリとした。
動機的にも伏見が完全な悪として描かれない点、優佳も正義の為というより自身の疑問を解く為だけに推理している点。
他人のために殺人した伏見・自身のために推理した2人はやっぱり似た者同士ではないのかもしれない。
これから伏見は優佳の尻に敷かれながら生きていくのかな。 -
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アンソロジーなので評価は付けにくかったけど、総合で★5。世間のお父さん、お母さんの苦労というか哀愁を感じられた。親になれなかった自分には分からないものが伝わる。
子育ての大変さとその成長の喜びの経験ができなかったのを自分の選択とは言え後悔がないとは言えない。やはり良いものなんだろう、と言ってしまうと世間様から簡単に言ってくれるなと非難を浴びるんだろうな。
それでもこの作品達からはそう羨ましく思わされるものがあった。
髪を結ぶ、そういう家族がそこにある、この2作品が特に良かった。その分少し落ち込むかな。
でも良いアンソロジーでした。初読みの作家さんにも出会えたしね。