石持浅海のレビュー一覧

  • アイルランドの薔薇

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    南アイルランドの宿で、武装勢力NCFの副議長が殺された。
    NCFは副議長の殺害を殺し屋に依頼していたが、殺され方が殺し屋の手口と違い戸惑う。
    宿泊客は、NCFの以外にアメリカ人大学生やオーストラリア人など様々。
    その中の一人、日本人科学者が事件を解いていく。
    果たして犯人は殺し屋なのか、それとも…?


    舞台がアイルランドなので、少し背景がわかりにくい部分がありましたが、日本人が客観視されているのが逆におもしろく思えました。

    伏線がたくさんあり、読み進めていくのが楽しくて仕方なかったです。
    作者に見事に踊らされた感じ。
    こういうの、好きです。

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    2012年11月02日
  • 八月の魔法使い

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    す・げぇーな。


    ものすごく溜めて、本心こう思った。声も出ちゃった。いやまじで。

    石持浅海さんの作品は基本、シチュエーションにそって論理の構築力で読ませる、独特の技の美しさにあると思っている。人はあまり死なない。大きな事件は起こらない。

    例えば青井夏海さんや加納朋子さん、坂木司さんの作品もそうと言えば、そうね。状況が提示され、条件が与えられ、実際にことが終わったあとで、始めて探偵はそこに現れ、ひとつひとつの手がかりを拾っては違う、そう、と分別しながら仕分けをし、真相を見つけ出す。スタイルはその点、非常に近いと思う。ただ石持浅海さんがそれらと全く異なるのはおそらく、石持さんが男性である点(これ、ちょっとバイアスかかってるかも?)と、彼が会社員だと言う点だと思う。



    青井・加納・坂木の3氏の作品を図式化するとしたら多分:

     解決にいたるロジック&アプローチ=論理+人間心理を斟酌した誤謬の排除

    比較して今回の作品に顕著な石持氏のアプローチは:

     解決にいたるロジック&アプローチ=論理+(会社員としての常識+会社の論理)を
                      斟酌した誤謬の排除

    だったんだと思う。


    いやこれ、すげーわ。正直会社員でかつ、割としっかりした組織に働いていない限り、判りづらい所もあると思うけど、もしこの本を読むあなたがその「資格」を持っていたならば、底意地の悪いカイカンとともに、この本の良さがじわじわ判る、そう思います。

    本当にものすごく、目の前で丸め込まれるカイカン。すげー。しかも前段の言葉を翻すようでなんだけど、多分読者は何度か、おいおいそんなにうまくいく訳ないじゃん、所詮出てくるのは「偶然紛れ込んだ」パワポ資料(しかも事故報告書と書いてあるたった一枚の「表紙」)だけなんだよ?大の大人が?と、思うだろう。もちろんその通り。だけどこの物語がすごいのは、おそらく作者もそれがわかっていて、ノン・サラリーマン読者へもきちんとフォローしてくれているのだ。補ってあまりある、ワトソン役の女性の素人視線によって。

    彼女が何度も何度も繰り返し感じる違和感、それの昇華を追体験することで読者はきちんと、作者がどんと転がしてくるこのロジック戦争に被弾せずに、なんとかストーリーに戻してもらうことができる。いやはや。ここまで懇切丁寧な推理小説がかつて、あったんだろうか?

    すんごいなこの話。サラリーマンなんてクソ面白くもない、ってぶつぶつつぶやく人に一度、読ませてあげたいね。あたしが社長なら新入社員にこの本、研修で読ませてもいいと思うわ。


    どんだけ会社ってくだらないのか。
    どんだけ人って愚かしいのか。
    どんだけ人って操られるのか。


    つまりは逆に、それが判ってプレイできれば会社って場所は、多分すごく面白い知的なゲーム会場(あるいは戦いのコロシアム)なんだって、判ると思うんだけどね。


    なんて、会社に対する尊敬とか愛とかが、さっぱりない発言、失礼しました!


    サラリーマンがつまらない、と、嘆く前に、ぜひご一読を。

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    2012年09月27日
  • 八月の魔法使い

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    8月15日。お盆真っ只中で会社ものんびりムード。
    そのはずだった。。。

    深雪は例年この日に行われる役員報告会議に
    課長のサポート役として出席することになる。
    それはいつものぬるい会議になるはずだったのに、
    「工場事故報告書」が紛れ込んだせいで
    なぜか役員同士の競争を煽る場と化して・・・

    同じ日、深雪の恋人、拓真は別件で立ち寄った総務部で
    万年係長が部長に詰め寄っている場に出くわす。
    そして、なぜか係長に巻き込まれてその場から
    離れられない状況になると、自分の上司もやってきて
    さらに逃げ出せない状況に。

    そんな中、会議の最中のはずの深雪から救いを
    求めるような無言の電話が。

    拓真は覚悟を決め、恋人を救うために論理の闘いの場に
    身を投げ出していく。


    いやー、面白かったです。
    こういう論理の展開が繰り広げられるミステリはいいね。
    どっちかというと、「とりあえずやってみよう」という
    タイプの自分じゃできないけど。

    論理の展開に関わる社員たちが有能過ぎる。
    そんな気がしないでも無いが、そんなのは些細な事だと
    思えるくらいに、素晴らしい一冊でした。

    主要人物、役員たちのキャラと名前が一致するまでは、
    ちょっと苦労するかもしれないけど、そこにめげずに
    ぜひとも最後まで読んでもらいたい!

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    2012年08月07日
  • 八月の魔法使い

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    限定された情報・条件の中、論理を武器に推論を積み重ねて真相に迫っていく石持浅海の真骨頂。
    石持作品に見られる特殊な設定も殺人もないが、形は倒叙ミステリーに近く、早い段階で各種犯人が読者には見当がつくが、どのように何を材料にそこにたどり着くのか、徐々に真相に近付く様子を丁寧に描き良質のサスペンスが感じられる。
    多少のご都合主義にも一応の説明はつけられており、それでも周囲が主人公に甘過ぎると感じないではないものの、充分に楽しめた。

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    2012年07月14日
  • 耳をふさいで夜を走る

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    すごい話でした。
    何となく読んでいて嫌な気になる話ではあるのですが、導入部分から「おいおい、そう来たかと」掴みがすごくて、そのまま最後まで掴まれたまま。
    全くラストが予想できない展開です。
    すごいんですが。。。1つ穴があってそこだけが気になる。。。まあ、仕方ないか。。。

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    2011年10月31日
  • セリヌンティウスの舟

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    海難事故をきっかけに強い絆で結ばれた6人の男女。そのうちの1人の自殺に不自然な点を見つけた仲間は、真実を解き明かそうとする。

    石持さんの作品は思考・考察の描写が細やかなところが気に入ってますが、この作品もそれは健在で、思考の果てに陥る矛盾にまで話が広がっていくので、登場人物の心情に深く入り込むことができます。
    明らかになった真相は感動的なものであり、それでいてラストは切なく、余韻の残る仕上がりになっています。

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    2011年03月16日
  • 温かな手

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    この人の小説は、読後感が凄く温かいので好きです。
    魅力的な設定、と言うかキャラを作るのも上手いと思う。
    そんでもって切れ者が徹底的に切れ者だから、小気味良いです。

    私の余剰エネルギーも吸って欲しいぜ。

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    2011年01月28日
  • 顔のない敵

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    短編でも読み応えがあって満足。やっぱり読ませる力を凄く感じさせてくれる作家さんでますますハマりました。

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    2010年05月01日
  • 温かな手

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    面白かったです。
    堪能できました。

    連作短篇集。
    人間の姿をした、人の余剰エネルギーを吸って生活している種族が主人公なんて、さすが、石持ワールドと笑って読んでたら、最後には鳥肌が立つような感動をもらえました。
    ゾクゾクッと来たのは久しぶりです^^ ありがとう!

    『温かな手』・・・なるほど、納得です。

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    2010年03月12日
  • BG、あるいは死せるカイニス

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    面白かったです。
    楽しめました。
    まず、設定にビックリ!石持ワールド全開です。
    ラストも驚きました。小説の中だけのありえない話なんだけど、
    リアルな世界にもちゃんとつながっていて、おもわず、唸ってしまいました。

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    2010年01月13日
  • BG、あるいは死せるカイニス

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    全ては女性として生まれ、
    その中で一部が男性化するという社会の話。
    ある日、男性化筆頭の優等生の姉が誰かに殺される。
    乱暴をされた形跡。
    女性が多い社会。
    女性が男性をレイプすることはあっても、逆はありえない社会。
    寝台列車の中で読んだ。

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    2010年01月02日
  • BG、あるいは死せるカイニス

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    おおお。面白かったです。
    生まれた時はみんな女で、後に一部が男性化するという世界でのミステリ。
    設定は変わってますが、普通の感覚で読めます。
    その世界ならではの謎が散りばめられていて、非常に面白かったです!

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    2009年11月29日
  • 温かな手

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    やばい。まじ好き…!
    今年読んだ中では一番好きな1冊かも。ラスト、泣きました…。
    ほのぼの…でもしんみりと哀しさも染み渡ってくる、石持ミステリ。切ないハッピーエンドが美しすぎます・・・

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    2009年10月10日
  • 温かな手

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     問:畑寛子と北西匠の共通点は。答:謎の生命体(人型)と相利共生(共生関係を結んで生活していること。 その生命体は見かけは人間と変わらず性格は穏やか、美味しい料理を作って勧めてくれる。そして食後に手を握ってエネルギーを吸い取り、自らの糧とする。 宿主の人間は食べ過ぎても太らないし、パニックに陥ったときも興奮による無駄なエネルギーを取ってもらって冷静になることができる。 とてもお得な同棲相手でうらやましいくらい。 ただ、魂のきれいな人のエネルギーじゃないと美味しくないのですって。 そして本作は推理小説であります。 生命体ギンちゃんとムーちゃんは安楽椅子探偵の才能を持っているのです。 宿主の畑さんと北西君の魂が汚されてはごはんがまずくなるので、彼女らの身に降りかかった災難を解きほぐす。それがまたスマートで論理的。 西澤保彦さんがSF推理をたくさん書いておられますが、この方もちょっと非現実設定のミステリが面白いです。

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    2011年09月09日
  • 温かな手

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    090210貸出
    あえてミステリに入れず。
    石持さんらしい、温かなお話。人は殺されてるけど。
    あんな2人がいたら会ってみたいなあ。

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    2009年10月04日
  • 顔のない敵

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    面白かったです。楽しめました。地雷を題材にした連作っぽい短編6作品と処女短編1作品の計7作品です。
    石持作品は推理を楽しむという大前提があるので話の流れで「これはちょっと?」とか考えないようにしています(笑)

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    2009年10月07日
  • 顔のない敵

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    わたしは石持浅海信者です、たぶん。
    この人の書く推理小説が好きで好きでたまらない。

    人が、自分の果たすべき役割をしっかりと知っていて、根を下ろして生きている感じが好きです。
    あとは、ひたすらに綺麗な理論と、余計なところのまったくない謎も。

    設定がそのまま謎解きに生かされていて、推理小説として無駄がまったくないんですよ。
    アイルランドの薔薇からずっと大好きです。

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    2009年10月04日
  • セリヌンティウスの舟

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    面白かったです。堪能できました。ちょっとくどいくらいの本格物です。じっくりと推理したけど、やっぱりおいらのへなちょこ推理では足元にも及びませんでした(笑)・・・が、しかし、小説だから許せるけど、自殺を美化することはおいらには出来ません( ̄‥ ̄)=3 フン

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    2009年10月07日
  • BG、あるいは死せるカイニス

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    ミステリと言えば十分ミステリなんですがパラレルワールドなのに違和感なく、ある種青春もの。
    読んで損はなし。石持さんは凄い。

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    2009年10月07日
  • 君の望む死に方

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    ネタバレ

    扉は閉ざされたままのときも思ったけどこのシリーズ好きだ
    面白かった。でもラストは微妙だった気がする。徹底的に未然に防いでほしかったな

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    2026年10月01日