石持浅海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
普段は一般人と同じように生活をし、決められた週末にのみテロ活動を行う反政府組織。
お互いのコードネームしか知らないメンバーだが、同じ目的に向かい日々活動に励む中で、結束力は上がっていた。
珍しくグループ全員が集められた任務の夜…メンバーの一人が死体となって発見される。
誰かに殺されたことは明らかだが、外部の人間が入ることは不可能な場所。
犯人はメンバーの中に・・・?
任務に取り組むとき、犯人を捜すとき、メンバーの会話がメインでストーリーが進むのですが、そのテンポの良さに引き込まれました。
優秀な人材を集めたというだけあって、会話のスムーズさというか、一歩先を読む感じがすごくいい。
こういう -
Posted by ブクログ
座間味くんの推理第二弾。
座間味くんと大迫警視正の飲みの席に、新たに科学警察研究所の津久井さんが加わり、彼女の研究テーマから実際に起きた事例について話すことに。
解決済みの事件や裁判中の事件、様々な事件について、座間味くんの超絶推理が繰り広げられ、誰も気が付かなかった事件の様相が明らかになっていく。
座間味くんの超絶推理…圧巻です。
解決済みの事件とか、特に問題がないように見せかけてというか、綺麗にまとまって見えるのに、そこに座間味くんは疑問点を見出す。
座間味くんの着眼点、素晴らしいです。
一般人ならではの視点とも言えますが、犯罪者の視点にも立てるのかなと感じました。
矛盾がある -
Posted by ブクログ
どの作品もミステリの中に怖さが滲む短編集。とても好み。
・宙の鳥籠
石持作品にはこういうあっさり系男女多い気がする。まあまあ。
・転校
最高だった。オチはすぐ予想できたものの二段オチにぞくっとした。
・壁の穴
魚住イケメンに感じてしまう~。その推理は至極まっとうというか誰か気付けよって感じだけど。
・院長室
設定も内容もおもしろかった。
・ご自由にお使いください
短く落としてこれぞ短編!
・心中少女
収録作品の中では微妙。箸休めみたいな印象。
・黒い方程式
まあそうなるよなー。恋愛小説になっててびびった。
・三階に止まる
さすが表題作!おもしろかった!! -
Posted by ブクログ
物語はアイルランドの統一問題を背景に進んでいきます。
日本人にとって宗教による争い(人殺し)は程遠い世界の話です。
自分が思う宗教、宗派を絶対だと思うが故に争いは混迷を深めていき、創始者が愛だ恋だで説いていた教えを自分達の利権やプライドの為にひん曲げてしまう所が、神様を信じている人々を『劣る存在だな~』と思ってしまいます。
物語の舞台はアイルランド北西部スカルゴーの湖畔の宿屋、南北アイルランドの統一を目指す武装勢力の副議長が何者かに殺された。
怪しい宿泊客達...
武装勢力の参謀長とその部下が粛清を加えたのか?
武装勢力に敵意を剥き出しにする会計士...
自分探 -
Posted by ブクログ
いい!座間味くんがさくっと解決するのには違和感があるけれど(そもそも当たっているという証拠はない)、驚きを感じられてこれぞミステリって感じです。
表題作の『心臓と左手』なんてまさにミステリ好きが食いついちゃう要素だらけではないですか!もうもう!殺し合い、切られた左手、心臓を食べることで力を継ぐ怪しげな宗教…それなのにしっかりミステリ。Rのつく月~を思い出す食事風景にもそそられます。最も前作の『月の扉』との繋がりを感じさせる最後の作品はいまいちだったかなあ。終わりがぱっとしなくて続編をアピールするために無理矢理入れたような気がしてなりません。でも、全体的には満足です。
ただひとつ。警察がただの -
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石持浅海さんの新刊は、本格的な官能小説だという。ついに来たか。石持作品にはしばしばエロスの要素が取り入れられており、素養はあったのだ。
最初に言い切ってしまおう。本作は官能要素があるミステリーではなく、ミステリー要素がある官能小説である。いや、ミステリーの部分はおまけのようなもの。石持さんはミステリーではなく官能小説が書きたかったんだっ!!! 間違いないっ!!!
このジャンルに詳しくはないが、迫真の描写は老舗のフランス書院文庫とかでも十分に通用するのではないか。通勤電車内で読むには適さない(読んだけど)。AVを文章化したみたいで、冷静に考えると笑える。明るいエロ描写とでも言おうか。