石持浅海のレビュー一覧

  • 三階に止まる

    Posted by ブクログ

    どの作品もミステリの中に怖さが滲む短編集。とても好み。

    ・宙の鳥籠
    石持作品にはこういうあっさり系男女多い気がする。まあまあ。
    ・転校
    最高だった。オチはすぐ予想できたものの二段オチにぞくっとした。
    ・壁の穴
    魚住イケメンに感じてしまう~。その推理は至極まっとうというか誰か気付けよって感じだけど。
    ・院長室
    設定も内容もおもしろかった。
    ・ご自由にお使いください
    短く落としてこれぞ短編!
    ・心中少女
    収録作品の中では微妙。箸休めみたいな印象。
    ・黒い方程式
    まあそうなるよなー。恋愛小説になっててびびった。
    ・三階に止まる
    さすが表題作!おもしろかった!!

    0
    2015年05月29日
  • アイルランドの薔薇

    Posted by ブクログ

    物語はアイルランドの統一問題を背景に進んでいきます。

    日本人にとって宗教による争い(人殺し)は程遠い世界の話です。

    自分が思う宗教、宗派を絶対だと思うが故に争いは混迷を深めていき、創始者が愛だ恋だで説いていた教えを自分達の利権やプライドの為にひん曲げてしまう所が、神様を信じている人々を『劣る存在だな~』と思ってしまいます。



    物語の舞台はアイルランド北西部スカルゴーの湖畔の宿屋、南北アイルランドの統一を目指す武装勢力の副議長が何者かに殺された。

    怪しい宿泊客達...

    武装勢力の参謀長とその部下が粛清を加えたのか?

    武装勢力に敵意を剥き出しにする会計士...

    自分探しの旅に来ている女子大生と好きな詩人の故郷を訪れるアメリカ人

    とにかく怪しいオーストラリアの花屋

    宿屋の女将は色っぽい未亡人

    誠実そうな宿屋のコック

    人の良さそうな主人公...


    科学者で鋭い洞察力と機転の良さ、人に好かれる魅力と柔道黒帯の実力を併せ持つ日本人、黒川富士雄


    この中に物語の序盤に登場する殺し屋『ブッシュミルズ』がいる!


    果たして殺し屋は誰なのか?
    殺人犯は殺し屋なのか?

    物語は登場人物達の思いが絡みあいながら進んでいき意外な結末を迎えます。

    0
    2015年03月24日
  • 水の迷宮

    Posted by ブクログ

    出口が見えない海底トンネル...
    頭上と足元を自由に泳ぎ回る魚たち...

    そんな、海の中を歩く事が出来たらどんなに素晴らしい事でしょう。



    水族館は人の手で海を再現しています。しかし敷地の広さや資金計画といった現実的な問題が本物の海の再現を阻みます。


    序章で不慮の死を遂げた片山雅道、彼は羽田国際環境水族館の為に何かをやっていた...

    物語は彼が死んだ3年後の命日が舞台...

    物語の欠片の全てが繋がった時、どうしようもない感動が瞼の裏から溢れ出す...





    取り敢えず水族館に行きたくなりました。

    0
    2015年03月24日
  • BG、あるいは死せるカイニス

    Posted by ブクログ

    性転換が人為的な操作で行われるというSFチックな世界観で描かれるミステリ小説。
    ミステリだけでなく世界設定だけで楽しめるし作者の文章はとっつきやすいので勧めやすい作品。

    0
    2014年12月03日
  • 耳をふさいで夜を走る

    Posted by ブクログ

    社会のために彼女たちを殺すしかない。
    そう判断した主人公の長い夜が始まる。
    彼が彼女たち3人を殺そうとする理由とは?
    彼が恐れる彼女たちの『覚醒』とは?


    連続殺人ストーリー。

    明確な殺意はあっても、その背景が見えないまま進んでいき、謎を抱えたまま読み進めました。

    危険を冒しても殺人という手段を選ぶ理由。

    殺す側、殺される側。

    結末は予想外のものでした。

    0
    2014年10月27日
  • 彼女が追ってくる

    Posted by ブクログ

    中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。
    愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが姫乃が残したメッセージが彼女を追い詰めていくことに…。
    得てして回りくどい論理展開になりがちな石持作品も今作は緊張感漂う雰囲気と見事にかみ合い,最上のミステリへと昇華された印象.今まで読んだ石持作品の中で一番好きかも.あの背筋が凍るセリフ,忘れられないな.

    0
    2014年10月26日
  • 八月の魔法使い

    Posted by ブクログ

    役員会議で提示された、報告されていない事故報告書。
    役員同士の責任の押し付け合いに巻き込まれた恋人からのSOSが届き、その謎に挑む主人公。
    限られた情報から、真相に辿り着けるのか。


    殺人事件でもないけど、展開にハラハラドキドキします。

    とある会社の役員会議。
    役員同士の争い。

    それだけ聞くと、どこにでもある風景に思えますが、中身はしっかりとしたミステリー。
    読み応えはあります。

    0
    2014年08月10日
  • 心臓と左手~座間味くんの推理~

    Posted by ブクログ

    いい!座間味くんがさくっと解決するのには違和感があるけれど(そもそも当たっているという証拠はない)、驚きを感じられてこれぞミステリって感じです。
    表題作の『心臓と左手』なんてまさにミステリ好きが食いついちゃう要素だらけではないですか!もうもう!殺し合い、切られた左手、心臓を食べることで力を継ぐ怪しげな宗教…それなのにしっかりミステリ。Rのつく月~を思い出す食事風景にもそそられます。最も前作の『月の扉』との繋がりを感じさせる最後の作品はいまいちだったかなあ。終わりがぱっとしなくて続編をアピールするために無理矢理入れたような気がしてなりません。でも、全体的には満足です。

    ただひとつ。警察がただの知り合いに事件をべらべら話すのはどうなの?座間味くんが犯人になったらおもしろそうなので、シリーズを続けてほしいです。

    0
    2014年08月02日
  • 相互確証破壊

    Posted by ブクログ

     石持浅海さんの新刊は、本格的な官能小説だという。ついに来たか。石持作品にはしばしばエロスの要素が取り入れられており、素養はあったのだ。

     最初に言い切ってしまおう。本作は官能要素があるミステリーではなく、ミステリー要素がある官能小説である。いや、ミステリーの部分はおまけのようなもの。石持さんはミステリーではなく官能小説が書きたかったんだっ!!! 間違いないっ!!!

     このジャンルに詳しくはないが、迫真の描写は老舗のフランス書院文庫とかでも十分に通用するのではないか。通勤電車内で読むには適さない(読んだけど)。AVを文章化したみたいで、冷静に考えると笑える。明るいエロ描写とでも言おうか。

     でも、背景はどろどろしていてちっとも明るくないわけですね。「待っている間に」。石持さん得意の会社ものと官能小説の合体。こんな会社あるかっ!!! と思いたい…。「相互確証破壊」。倒錯した趣味の理由とは。それしか手段はなかったのか…。

     「三百メートル先から」。石持さんご自身のある作品群に連なるものを感じるが、彼のレベルではあの団体に採用されないだろう。「見下ろす部屋」。月に一度の会議のおかげで、堂々と不倫を楽しむ2人。しかし、まさかの落とし穴が待っていた…。

     「カントリー・ロード」は散々快楽に耽った末にビターな結末が突き刺さる、本作中一押しの1編。いや、他の各編もビターだっけ。最後の「男の子みたいに」は、何と説明したらいいのでしょうか。性の嗜好は人それぞれとだけ書いておきましょう。

     それにしても、男たちのおバカさん加減に泣けてくる。女の方がドライで強かだ。現実には、男が女を泣かせるケースの方が多いんだろうけども…。ここに描かれたのは、1人を除いて反面教師とすべき男たちということだ。

     男の姿がすべて加藤鷹に思えるのは困った…。

    0
    2014年08月01日
  • 三階に止まる

    Posted by ブクログ

    ホラーなミステリ、もしくはブラックなミステリ。
    夏にはちょうどいい作品。
    「二歩前に進む」に出てくる探偵役が最後に出てきます。
    いや、出版の順番から言うとこちらが先かな。

    0
    2014年07月26日
  • BG、あるいは死せるカイニス

    Posted by ブクログ

    女性しか生まれず、優秀な人だけが性転換によって男性になるという世界。そんな世界で起こった殺人事件・・・。とてもおもしろく、すらすら読めた。とてもよかった。

    0
    2014年05月22日
  • 心臓と左手~座間味くんの推理~

    Posted by ブクログ

    座間味くんシリーズ。
    終わったはずの事件が、座間味くんの推理によって新たな面を見せる。
    6編の短編と『月の扉』の続編。


    『月の扉』で登場した座間味くんが再登場です。

    解決しているはずの事件が、座間味くんの推理によって、別の結論が導き出されます。

    大迫警視の説明には、特に不審な点もなかったりするんですけど、座間味くんの見解は違うんですよね。
    終わったはずの事件の違う面が見えてくる…その瞬間は爽快です。

    『月の扉』の続編も、なかなか考えさせられるものがありました。

    『月の扉』→『水の迷宮』→『心臓と左手』の順に読んでほしいですね。

    0
    2014年02月16日
  • 水の迷宮

    Posted by ブクログ

    水族館に届いた犯行予告メール。
    実際に魚たちが攻撃され、ついには殺人が起こる。
    犯人は一体誰なのか?
    その目的は何なのか?


    水族館を舞台にしたミステリー。

    警察などの部外者が登場せずに事件を解決するスタイルって、珍しい気がします。

    仲間内だからこそ、複雑な感情もあったりして、読み進めながら揺さぶられ。

    たくさんの伏線が一本につながるのは、気持ちがいい反面・・・真実はせつないものでした。

    でも悲しいだけじゃない感動が、ラストに待っています。

    0
    2014年02月11日
  • 顔のない敵

    Posted by ブクログ

    対人地雷というテーマを上手くミステリの世界にはめ込んでいる。
    単なる道具として使う訳ではなく、対人地雷そのものを掘り下げて描いていることが物語に更なる深みを与えている。

    0
    2017年06月03日
  • 見えない復讐

    Posted by ブクログ

    こんな復讐の仕方もあるんだ!!頭を使って使い切って復讐する。もちろん捕まらない。復讐心を持ち続けるこのエネルギーに感心してしまう。

    0
    2013年10月12日
  • 見えない復讐

    Posted by ブクログ

    石持作品が誇る悪魔的頭脳の持ち主が二人という贅沢さはそれだけでお腹一杯なくらいですが、主人公の造形に企業人としての顔も見れたような気がします。
    前半で興味を引き付けておいて、後半に一気に引きずり込むのが抜群に上手かったです。

    0
    2013年10月11日
  • セリヌンティウスの舟

    Posted by ブクログ

    「僕たちの関係を、大人同士のうわべの信頼関係と軽んじてはならないと思う。誰しも自分の問題は、自分の世界の中で解決しなければならない。荷が重くて、大変で、辛いことだ。そんな日常の中で、僕たちには自分の世界の外に、無条件の信頼が存在する場所があったんだ。この仲間たちだ。それがどれほど貴重なものか。そんな仲間を得られたことが、どれほど嬉しかったか。僕たちは生死をともにした仲間であり、同時に大人としてお互いの世界を尊重し合った。」

    構成としてはミニ『虚無への供物』。動機は不可解。推理は緻密で面白い。

    0
    2013年09月25日
  • アイルランドの薔薇

    Posted by ブクログ

    アイルランドの状況が背景にある為、一つの殺人事件を通していくつものドラマが生まれていく中で、それら全てを丁寧に描ききったことに敬意を表する。

    0
    2017年05月20日
  • 心臓と左手~座間味くんの推理~

    Posted by ブクログ

    面白かった‼
    ゾクゾクした。
    話にでてくるような居酒屋に行きたくなった。
    唐揚げも食べたくなった。

    推理内容自体は、「おぉ!」とは驚かなかったが
    推理小説をあまり好まない私が読めたので、苦手な方も読みやすいと思う。
    推理より、雰囲気にひかれると思う。

    0
    2013年03月28日
  • セリヌンティウスの舟

    Posted by ブクログ

    漂流して生死の境を共に経験して以来、強い絆で結ばれた6人。
    ダイビングには必ず6人で行き、その後は飲み明かす。
    いつもと同じだと思っていたその日、皆が酔い潰れた後、彼女は自殺した。
    遺書もあり、警察の捜査でも自殺と断定されたが、彼らは不可解な点に気付く。
    ただの友人ではない彼らだからこそ気付いた疑問。
    遺書には語られなかった彼女の死の真相とは・・・?


    本格ミステリですが、着眼点というか、今までに見たことのない角度に驚きました。
    独特の感性をお持ちというのでしょうか。
    石持さんの作品は、良い意味で変わってますね。

    自殺に見せかけた他殺を暴くというものはよくありますが、自殺した人の心情を知るために議論するというものは初めてです。
    信じる心と疑う心。
    他人の心情を探るというのは、すごく難しいことだと思います。

    ただ、お互いを心の底から信じ合う6人の関係は、すごく素敵で素晴らしいものだと感じました。

    あたたかく、そして哀しい物語です。

    0
    2013年01月12日