石持浅海のレビュー一覧
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どの作品もミステリの中に怖さが滲む短編集。とても好み。
・宙の鳥籠
石持作品にはこういうあっさり系男女多い気がする。まあまあ。
・転校
最高だった。オチはすぐ予想できたものの二段オチにぞくっとした。
・壁の穴
魚住イケメンに感じてしまう~。その推理は至極まっとうというか誰か気付けよって感じだけど。
・院長室
設定も内容もおもしろかった。
・ご自由にお使いください
短く落としてこれぞ短編!
・心中少女
収録作品の中では微妙。箸休めみたいな印象。
・黒い方程式
まあそうなるよなー。恋愛小説になっててびびった。
・三階に止まる
さすが表題作!おもしろかった!! -
Posted by ブクログ
物語はアイルランドの統一問題を背景に進んでいきます。
日本人にとって宗教による争い(人殺し)は程遠い世界の話です。
自分が思う宗教、宗派を絶対だと思うが故に争いは混迷を深めていき、創始者が愛だ恋だで説いていた教えを自分達の利権やプライドの為にひん曲げてしまう所が、神様を信じている人々を『劣る存在だな~』と思ってしまいます。
物語の舞台はアイルランド北西部スカルゴーの湖畔の宿屋、南北アイルランドの統一を目指す武装勢力の副議長が何者かに殺された。
怪しい宿泊客達...
武装勢力の参謀長とその部下が粛清を加えたのか?
武装勢力に敵意を剥き出しにする会計士...
自分探しの旅に来ている女子大生と好きな詩人の故郷を訪れるアメリカ人
とにかく怪しいオーストラリアの花屋
宿屋の女将は色っぽい未亡人
誠実そうな宿屋のコック
人の良さそうな主人公...
科学者で鋭い洞察力と機転の良さ、人に好かれる魅力と柔道黒帯の実力を併せ持つ日本人、黒川富士雄
この中に物語の序盤に登場する殺し屋『ブッシュミルズ』がいる!
果たして殺し屋は誰なのか?
殺人犯は殺し屋なのか?
物語は登場人物達の思いが絡みあいながら進んでいき意外な結末を迎えます。 -
Posted by ブクログ
いい!座間味くんがさくっと解決するのには違和感があるけれど(そもそも当たっているという証拠はない)、驚きを感じられてこれぞミステリって感じです。
表題作の『心臓と左手』なんてまさにミステリ好きが食いついちゃう要素だらけではないですか!もうもう!殺し合い、切られた左手、心臓を食べることで力を継ぐ怪しげな宗教…それなのにしっかりミステリ。Rのつく月~を思い出す食事風景にもそそられます。最も前作の『月の扉』との繋がりを感じさせる最後の作品はいまいちだったかなあ。終わりがぱっとしなくて続編をアピールするために無理矢理入れたような気がしてなりません。でも、全体的には満足です。
ただひとつ。警察がただの知り合いに事件をべらべら話すのはどうなの?座間味くんが犯人になったらおもしろそうなので、シリーズを続けてほしいです。 -
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石持浅海さんの新刊は、本格的な官能小説だという。ついに来たか。石持作品にはしばしばエロスの要素が取り入れられており、素養はあったのだ。
最初に言い切ってしまおう。本作は官能要素があるミステリーではなく、ミステリー要素がある官能小説である。いや、ミステリーの部分はおまけのようなもの。石持さんはミステリーではなく官能小説が書きたかったんだっ!!! 間違いないっ!!!
このジャンルに詳しくはないが、迫真の描写は老舗のフランス書院文庫とかでも十分に通用するのではないか。通勤電車内で読むには適さない(読んだけど)。AVを文章化したみたいで、冷静に考えると笑える。明るいエロ描写とでも言おうか。
でも、背景はどろどろしていてちっとも明るくないわけですね。「待っている間に」。石持さん得意の会社ものと官能小説の合体。こんな会社あるかっ!!! と思いたい…。「相互確証破壊」。倒錯した趣味の理由とは。それしか手段はなかったのか…。
「三百メートル先から」。石持さんご自身のある作品群に連なるものを感じるが、彼のレベルではあの団体に採用されないだろう。「見下ろす部屋」。月に一度の会議のおかげで、堂々と不倫を楽しむ2人。しかし、まさかの落とし穴が待っていた…。
「カントリー・ロード」は散々快楽に耽った末にビターな結末が突き刺さる、本作中一押しの1編。いや、他の各編もビターだっけ。最後の「男の子みたいに」は、何と説明したらいいのでしょうか。性の嗜好は人それぞれとだけ書いておきましょう。
それにしても、男たちのおバカさん加減に泣けてくる。女の方がドライで強かだ。現実には、男が女を泣かせるケースの方が多いんだろうけども…。ここに描かれたのは、1人を除いて反面教師とすべき男たちということだ。
男の姿がすべて加藤鷹に思えるのは困った…。 -
Posted by ブクログ
漂流して生死の境を共に経験して以来、強い絆で結ばれた6人。
ダイビングには必ず6人で行き、その後は飲み明かす。
いつもと同じだと思っていたその日、皆が酔い潰れた後、彼女は自殺した。
遺書もあり、警察の捜査でも自殺と断定されたが、彼らは不可解な点に気付く。
ただの友人ではない彼らだからこそ気付いた疑問。
遺書には語られなかった彼女の死の真相とは・・・?
本格ミステリですが、着眼点というか、今までに見たことのない角度に驚きました。
独特の感性をお持ちというのでしょうか。
石持さんの作品は、良い意味で変わってますね。
自殺に見せかけた他殺を暴くというものはよくありますが、自殺した人の心情を知るために議論するというものは初めてです。
信じる心と疑う心。
他人の心情を探るというのは、すごく難しいことだと思います。
ただ、お互いを心の底から信じ合う6人の関係は、すごく素敵で素晴らしいものだと感じました。
あたたかく、そして哀しい物語です。