石持浅海のレビュー一覧
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ネタバレカテゴリは合ってます(歴史だもんね)
作者に太田忠司先生がいるだけで「買います」だが他の作者さんも銀英伝好きが溢れてるお
作者公認の二次創作を嫌う人は多い、イメージが異なるからだと思うが40年も付き合っている作品ともなると別な一面を見る機会を逃す筈がありません
そもそも歴史はそんな一面だけで理解したつもりになってはいけないのです
太田先生の「レナーテは語る」
あのオーベルシュタインが這い上がる基礎を築いた事件です(ネタバレ)突然オーベルシュタインから遺産が当るとなれば人類なら等しく恐怖を覚えるだろう、そんな状況になったレナーテが情報処理課にいた頃「上司で名探偵」でもあったオーベルシュタインとの -
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石持浅海氏の傑作倒叙ミステリー。
『扉は閉ざされたまま』などに登場する碓氷優佳が再び登場。
ガン告知を受けた大手のソル電機の社長・日向貞則は、過去の経緯もあり、社員の梶間晴征に殺害されるよう、複数人を集めた保養所の中に、様々な仕掛けを用意し、研修を開始する。
しかし、ゲストに呼ばれた碓氷は、保養所の中にある『悪意』を感じ取り、それらに対抗(無力化)する。
花瓶、アイスピック、クレセント錠、酒瓶、などなど。果たして、日向の計画通り、殺人は行われるのか?
至る所に伏線があり、ロジック対決は、まさに石持作品ならでは、ですね。
最後の最後まで、日向・梶間のどちらが命を落としたのか不明ですが、 -
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とある会社の社長主催の「幹部候補研修」と噂されている合宿に社員の男女2名ずつが集められる。
そこにゲストも合流して和やかな雰囲気で合宿が進んでいくが、実は幹部候補研修ではなく、お見合い研修であった。
そして社長が望むのは、その研修で自分が殺されること。
殺す動機がある者を呼んで殺されるためにお膳立てをするが、ゲストとして招かれた碓氷優佳の存在が徐々に大きくなっていく…
シリーズ前作の「扉は閉ざされたまま」と同じく、犯人側の視点で物語が進む。
しかし今回のキモなのは、被害者兼裏の犯人であるということ。
作中の例を持ってくると、主演・脚本・演出が同一人物であるのだ。
なぜ社長には殺される理由があ -
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『わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ、彼女が追ってくるのだ?』
碓氷 優佳(うすい ゆか)が探偵として活躍するシリーズ、第3弾。
最初から犯人は分かっているが、探偵(または警察)が、如何に真実に迫っていくか、その推理を楽しむ倒叙ミステリーです。
刑事コロンボや古畑任三郎、福家警部補などで有名な手法ですね。
会社経営者が集まり親睦を深める『箱根会』。
集まったのは、中条 夏子を始め、旧友の黒羽 姫乃など9人。
そして、1人が被害者となり、1人が犯人となった。
そこから始まる犯人探しの推理合戦。
警察がいない中で、如何に犯人を捜し出すのか?
色々伏線もあり、二転三転するストーリ -
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この集まりに碓氷優佳が参加することになったきっかけの友人、比呂美ちゃんは前作「君の望む死に方」の比呂美ちゃんですね。
「君の望む死に方」の事件をきっかけに、2人は個人的に仲良くなったということか。
「君の望む死に方」から3年くらい経過してるようで、碓氷優佳の左手薬指には婚約指輪が。
いつか2人揃って登場する場面もくるのかな。
これまでの事件は、当事者が碓氷優佳の関係者でしたが、今回の事件は無関係の人物。
被害者も加害者も他人だからか、今まで以上に碓氷優佳が冷徹。
夏子を追い込む場面は、ぞっとするほどの冷たさでした。
犯人より誰より怖いのは、彼女かもしれない。 -
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これも倒叙ミステリになるのでしょうか。
殺人事件が起こることはわかっている。
被害者になりたい人がいて、加害者になろうとしてる人がいる。
不思議な状況ですね。
被害者が殺されたがっていて、わざわざお膳立てしてくれてるのだから、本来ならスムーズな殺人が出来たはず。
それを邪魔するのが碓氷優佳です。
その場の空気や人を上手く操り、自分の思うように展開させる。
彼女の聡明さは恐ろしくもありますね。
少しだけ彼女のプライベートが語られることで、前作「扉は閉ざされたまま」で謎になっていた結末が明らかになります。
碓氷優佳シリーズは読む順番も大事。 -
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大迫警部と、通称「座間味くん」の会話で構成する短編集。
既に終わった事件について、大迫警部から話を聞く座間味くん。
そこから、警察でも見えなかった驚きの真実が浮かび上がる(※終わったとは言え、警察の内部事情を民間人に話して良いものか...(笑))。
それぞれ個性的なストーリーですが、表題の『心臓と左手』は、なるほど!と思いました。左手とは、そういう意味か...
その他『罠の名前』や『地下のビール工場』も、驚きの真実が浮かび上がります。
最後の『再会』は、他の短編の様に事件は起きませんが、ハイジャック事件の後日談で、10年後に、座間味くんと人質となった少女の再会の話。
その出会いにより