石持浅海のレビュー一覧

  • 罪人よやすらかに眠れ

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    全7編からなる短編集で、いずれも謎を持った人が屋敷を訪れ、そこで屋敷の住人の一人である北良によって、謎が暴かれていくという話です。久しぶりに著者の作品を読みましたが、頭がいい人同士の会話のやり取りから話が進んでいくところなどは面白いし、そこにこの著者の魅力を感じます。

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    2023年06月26日
  • 水の迷宮

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    ネタバレ

    石持さんの作品は、極端な設定を、理性的なヒーローが、論理的に解き明かすということが基本構造になる。
     近年の作品は、「設定」「論理」の方にちょっと傾きが大きくなりすぎていて、この作品のような人間味や作品全体の緊迫感が、ちょっと薄れている気がしていた。
     バランスの良さを、今後の作品には願いたい。

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    2023年06月25日
  • Rのつく月には気をつけよう

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    とにかくベビースター×ビールをやりたくなった。おいしそう〜 この本読んで、1人でご飯屋さんで初めてビール頼んだ 人が死んだりしないほっこりめのミステリーでよかった。

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    2023年06月04日
  • 殺し屋、やってます。

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    殺し屋やなのに、日常の謎という異色の作品。

    殺し屋って言ったら、殺害のシーンが大事かと思いきや、そこはさらっと。
    標的や依頼内容に対する謎を解き明かすというか、その疑問を解消する事が主体のお話。

    その視点が面白いよね。
    シリーズ化もしているので、続きもまた読みたいな。

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    2023年06月04日
  • 二千回の殺人

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    これほど凶悪な犯罪小説なんて、そうそう読めない気がする。
    カビ毒を使用した大量殺人。
    フィクションと分かっていても凄まじかった。
    篠崎百代の完全犯罪達成に向け、徹底的に計画を練る五人の男女。
    その鮮やかすぎる犯行によってもたらされた被害状況と、彼らが迎えるそれぞれの結末に思わず身震いしてしまった。

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    2023年05月27日
  • 高島太一を殺したい五人

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     いつもの石持さんワールド。
     ただ、かつてのベストテン入りしている作品と比較すると、「論理」が前面に出過ぎな感じがしてしまうのかなぁ。
     今回で言うと、なぜ殺したいのか?の動機が曖昧過ぎないかな。
     

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    2023年03月26日
  • 風神館の殺人

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    自らの手で殺人を犯したにもかかわらず、自らを殺しにくる殺人鬼が誰なのかと疑い合うところが少し皮肉?めいていて面白かったです。
    館ミステリーですが、まさかの殺人者達が集まっている中で殺人が起きたのですから、警察に頼ることが出来ないというところが他の作品と少し違うところです。
    館ミステリーが好き、クローズドサークルが好きという方には、お勧めします。

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    2023年02月20日
  • Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス

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    「ふたつ目の山」「一日ずれる」「いったん別れて、またくっつく」「いつの間にかできている」
    「適度という言葉の意味を知らない」「タコが入っていないたこ焼き」「一石二鳥」
    7話収録の連作短編集。

    2007年に刊行された『Rのつく月には気をつけよう』の第二弾。

    前作は未読だが1話完結になっているので問題なく楽しめた。

    長江家と冬木家、仲良し二家族が美味しい料理とお酒を味わいながら身近に起きた出来事を推理するグルメミステリー。

    推理自体は強引な物もあるが、その柔らかな発想に驚く。

    たこやきの章ではゾゾッとし最終話でニンマリ。

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    2023年02月14日
  • 彼女が追ってくる

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    79点:
    クレイジー優佳が最初から登場。彼との近況も聞ける。シリーズ全体としてこのカップルは破滅に向かうのかといった点と、冷たくて冷静な優佳に心境の変化は訪れるのかといった点が底流にあり、どうせ犯人は最後にやっつけられるだろうという安心感もあってワクワクしながら読める。犯人にとってイレギュラーな展開、茶番劇と続き、最終的に犯人のことは全く眼中にない優佳によって(被害者のイタコと化している)全然興味ない感じで真相を解かれ、犯人は勝手に敗北感を味わい、でもまあ逃げ切ればとりあえずいいかと気を取り直して帰路につくが…
    シュチュエーションが面白く、まあぎり可能性としてはあると思われることで舞台設定され

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    2023年02月14日
  • 君の望む死に方

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    77点:優佳の最後の言葉が気になってた。ーがんばってくださいね。
     碓氷優佳シリーズ2作目。1作目と違って優佳のクレイジーさは薄まっているが、あいつとの関係はその後も続いているのかとか周辺情報がこまめにはさまってくる。構成はとても工夫されているし、最後の展開がどうなるのか人と語りたくなる仕掛けはあるが、1作目のシンプルさと衝撃に比べるとシリーズのつなぎの作品という評価になってしまう。やはり優佳の冷静で冷たい仮面と本格的に対峙する何かとの対決がみたい。

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    2023年02月09日
  • 不老虫(ふろうちゅう)

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    違法な形で日本に輸入しようとした正体不明の寄生虫を根絶しようとする男女二人組。石持浅海さんが本格ミステリー以外のものを書くなんてちょっと意外。それでも日本に持ち込もうとした側からすると、誰が裏切り者なのかというフーダニットの要素は一応残っているが、基本はパニックサスペンス。
    しかもそこにバディものの要素や恋愛要素も絡めてくる。石持浅海さんは本格ミステリー作家にとどまらない幅を持とうとしている気がする。それはそれでちょっと可能性を感じるものだった。少し前に書いたエロティックな小説よりはいい。なんなら本作の続編があってもいいと思える。
    編集さん!お願いします。

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    2023年02月02日
  • 高島太一を殺したい五人

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    タイトル通り、高島太一を殺したい五人、が繰り広げる会話でほぼほぼストーリーが進んでいく。
    読みやすいし、どうとどめを刺せば今後の自分たちの平穏が守られるかを目的に方法を話し合っていて、おもしろい趣向だなと思った。
    高島太一があくまで悪人ではないから5人の殺害動機もどうしても弱く感じてしまったけど、そこは気にしなくてもいいかな。
    感銘を受ける場面は特になかったけど、個人的には舞台劇ぽくておもしろかった。

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    2023年01月27日
  • 不老虫(ふろうちゅう)

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    パニック作品は映像で楽しむものだと思っていたけれど、これは面白かった。
    ミステリー特有の論理的推理もハラハラさせるアクション要素もあり、予想以上に楽しく読めた。
    日本に持ち込まれた未知の寄生虫、サトゥルヌス・リーチを処分するべく奮闘する酒井とジャカランダのコンビも結構好き。

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    2023年01月22日
  • 風神館の殺人

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    ネタバレ

    碓氷優佳シリーズの石持さんの新作。
    復讐という目的で繋がっていた男女10人が仲間の死(しかも殺人)という出来事からその繋がりが崩壊していくという物語。
    今回もやっぱり面白かった!
    石持作品の特徴として、クローズドサークルの中での連続殺人でトリックなどのたぐいを殆ど出さずにその人の言動からロジックを積み重ねて真相に辿り着くので、その分ワイダニットに集中できるというものがある。今回もトリックという物はあまり使われず発言などから矛盾を見つけていくというスタイルであるため、非常にスッキリとまとまっている作品だと思いました。
    復讐という一種の異常心理な状態だと、集団でやるとこんなにも簡単に崩壊してしまう

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    2023年01月08日
  • 罪人よやすらかに眠れ

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    業を持つ人だけが偶然辿り着ける札幌にある豪邸。
    そこには不思議な雰囲気を持つ人たちが住んでいて、訪れて人の表面的なトラブルを解決しながら心の奥にある業を推理をもって明らかにするという趣向の連作短編集。
    こじつけとか現実味とかいう言葉は忘れて、ただ物語の持つ不思議な空気を楽しめば良い作品です。
    北良氏もどうやら業を持っているようなので、この先シリーズとして続けばそれが明らかになるのだろうか。

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    2023年01月05日
  • 彼女が追ってくる

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    ネタバレ

    受動的又はダイイングメッセージを辛うじて残す被害者は多いですが、攻撃的なメッセージを絡めていった被害者はそれ程多くないと思います。

    攻撃的被害者って造語を作りたいくらいです。

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    2022年12月31日
  • 高島太一を殺したい五人

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    高島太一を殺したい5人がそれぞれの思惑を持って保養所に着くと、その高島太一が意識不明で倒れていた。瀕死なのか、ただの気絶なのか、誰かがやった事なのか?高島太一に死んでもらいたい5人はどうするべきかの議論を始める。
    この作者の特徴である特殊なシチュエーションでのロジカルな推理合戦が遺憾なく発揮されている。語り手が2人組のため容疑者としては3人になり、もっと破人探しは難しい。

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    2022年12月22日
  • 君が護りたい人は

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    今回の攻防戦も面白かった。
    殺害計画を知ったうえで傍観する人間の視点で物語は進む。
    犯人の用意した仕掛けを傍観者が推理するという趣向が面白い。
    結局のところ、その罠も碓氷優佳によってさりげなく無効化されてしまうから恐ろしい。
    いつもながら展開が読めなくて「そんな結末を迎えるのか!」と驚いた。
    そして、またもや予想外のオチが待ち受けていた。
    もうホント毎回楽しませてくれる。

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    2022年12月06日
  • 高島太一を殺したい五人

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    高島太一をさまざまな理由からそれぞれ殺そうと思いつめた五人の同僚。しかし研修所に一人でいるところを狙おうとたどり着いてみると、彼はすでに意識不明で倒れており…
    五人がそれぞれ「殺そう」と決める理由がいまいち納得できないが、意識不明でまだ死んでいない被害者を前にして「なぜこうなったのか」、「これからどうすべきなのか」を五人で延々と話し合うという奇妙なシチュエーションはまさに著者ならではの面白さで、一気読みだった。

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    2022年12月02日
  • 風神館の殺人

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    クローズド・サークルの作り方は相変わらず上手。復讐とはいえ殺人を犯した人たちが、自分たちが殺されるかもしれないという状況で警戒し推理を働かせる展開はなかなか面白かった。そして動機が弱いというのも相変わらず。でも、それでいい。石持浅海さんの本は論理的思考力思考ややりとりを楽しむから。

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    2022年12月01日