石持浅海のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
座間見くんシリーズ、第三弾。
いわゆる安楽椅子探偵ものでしょうか。
今回は、津久井操さんが主役で、科警研(科捜研ではない)の職員で、過去の事件の成功・失敗を分析し、その要因を体系化すると言う大変なお仕事。
行き詰まった彼女に、大先輩の大迫警視正が紹介したのが座間見くん。
毎回、彼女が紹介する過去の事件を、座間見くんが僅かな違和感を元に、全く別の視点から、鋭く真相を解き明かす。
それは、終わった事件とはいえ、警察でさえ把握出来なかった、驚くべき真相であった。
今回は、『傘の花』から『警察の幸運』まで、7つの短編集です。
どの作品も、あっと驚く展開です。 -
Posted by ブクログ
ユリアン「・・・」
ヤン『どうしたんだい、ユリアン。そんな浮かない顔をして』
ユ「て、提督。この報告書を読まれましたか?」
ヤ『あぁ、なかなか良く出来てるじゃないか。何か不満でもあるのかい?』
ユ「そりゃ、ヤン提督は活躍が報告されてますけど、僕は、言え、私の事はどこ
にも書かれてないんです。不公平じゃないですか!」
ヤ『そうは言うけどね、ユリアン。あのキルヒアイスやロイエンタール、
ミッターマイヤーについても書かれていないよ』
ユ「で、でも提督。あのオーベルシュタインなんて、大活躍じゃないですか」
ヤ『確かに。ユリアン、君は何歳だい。今回報告されているのは、それなりに
年齢を重ねている人の昔話 -
Posted by ブクログ
ネタバレ家庭用風力発電機に人生を狂わされ、贖罪を果たさない企業に恨みを持つ10人の男女が企業幹部の3人を殺害する為に集まった。一人目の復讐が企業の保養所で無事終わった直後、仲間の一人が首にナイフを刺された状態で発見され、次の事件も起こる。死体のある保養所に警察は呼べない。所謂クローズドサークルの中、誰にその機会があったか?と会話主体のロジックで真相に迫っていく形式はやっぱり面白い。ただ誰の発言か理解するまでに時間かかったしどうも話の展開が都合良すぎる気がする。そして復讐の行方はそこで終わり?一番いい場所での結びだとは思うけどもやもやが残る。
-
購入済み
石持浅海さんのこのパターン好き
主人公は恩師の仇を討ち、裏切り者である旧友の家に向かう。旧友の家では旧友の妻、妹、秘書という3人の美女に迎えられた。 旧友は急な仕事で書斎にいるというのだが、いつまでたっても姿を見せない。
とんでもない状況の中で、とんでもないことがさらに起こるという著者の得意な?パターンです。
いったい何が起こっている――?
緊張感を持って最後まで読めます。 -
Posted by ブクログ
長江、熊井、夏美の三人は大学時代からの
飲み仲間だ。
機会があれば長江のワンルームマンションに
集まって飲んでいる。
ただいつも3人だと進歩もないので誰かが
友達をゲストとして連れてくるのがここ最近の
習わしになっている。
美味しいお酒と酒の肴を前に日常のちょっとした
出来事の中から推理を巡らせていくお話。
では、まずは第一話目の
「Rのつく月には気をつけよう」
この日は生牡蠣を肴にシングルモルトウイスキーを楽しんだ3人とゲスト。
「Rのつく月」ってなんの事かと思えば
12ヶ月を英語表記すると9月から4月までの
綴りには「R」が入っている。
確かに昔から夏ガキは気をつけろって言われてたね。
-
購入済み
ラジオでこの本を紹介されていて、興味がわきました。
3人の飲み仲間に1人のゲストと言う設定で1話完結。
飲み会の楽しい雰囲気や、ゲストの何気ない話題からその奥にある真実を解き明かすと言う、不思議な展開。
一気に読み終えました。 -
Posted by ブクログ
政府転覆を企むテロ組織。
所属するテロリストは、お互いコードネームしか知らない。
一般人として日常生活をおくりながら、招集されればテロ活動を行う二重生活。
今回の任務は「スーパーマーケットにレモンを3個置いてくること」
不可解な任務に隠された意味とは。
テロリストというと物騒なイメージですが、このテロ組織は過激なものではなく、人を傷つけないことを基本としていて。
この活動に賛同する理由もわからなくない。
日常の自分との二重生活というのも、ある意味よい刺激になるというか。
それぞれ誇りとプライドを持っているからこその結末なのかなと思うと、なんとももの悲しい。 -
Posted by ブクログ
高校時代の予備校の仲間が15年ぶりに集まり、夢を叶えたメンバーのお祝いをすることになった。
しかし祝賀会に参加していた恩師が仲間の1人に目の前で撲殺されるというショッキングな事態に。
残されたメンバーたちはこの事態にどう向き合うのか…
シリーズ5作目で初めて犯人を追い詰める優佳が第三者視点で描かれる。
といっても第三者である小春は4作目に登場した高校時代の「親友」で、十分に頭が良いのでテンポ良く進む。
今までは比較的動機に興味がなかったような優佳が心理的な部分での読み合いがメインであった今作。
この物語だからこそ、第三者目線で語られる必要があったと言えるし、第三者目線だからこそ、この物語にな