石持浅海のレビュー一覧
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石持浅海の長篇ミステリ作品『風神館の殺人』を読みました。
『鎮憎師』に続き、石持浅海の作品です。
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ある復讐のために高原の施設に集まった十人の中の一人が殺された。
犯人の正体と目的が掴めぬ中、第二の殺人が! 長編密室ミステリ。
高原の保養施設「風神館」に集まった十人の男女。
彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業の幹部三名に、死を以って償わせること。
計画どおり一人目を殺害したあとに、彼らが目にしたのは、仲間の一人の変わり果てた姿だった。
誰かが裏切ったのか!? 仲間の死を警察に通報すれば、復讐計画が頓挫してしまう。
外部との連絡が遮断された -
Posted by ブクログ
石持浅海の長篇ミステリ作品『鎮憎師』を読みました。
石持浅海の作品は、2月に読んだ『女と男、そして殺し屋』以来ですね。
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奇想の作家の新たな挑戦。
本格ミステリーの可能性を拓く傑作誕生!
赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。
その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。
これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?
真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される……。
「ちんぞうし?」
わたしは訊き返した。知らない言葉だ。
「そう」順司叔父は、前方を見ながらうなずいた。「『憎しみを鎮める人』ってくらいの意味だよ(中略 -
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ネタバレシリーズ2作目、前作から2年後のお話でその後の進展が気になっていたので垣間見えたのが嬉しかったです。
前作同様、強引なとこがあったり、共感は全然できないんですけど楽しかったです。
倒叙ミステリで、殺意を持った人物とそれを叶えてやりたい殺意を持たれた人物、そこに優佳が介入。冒頭に死者の記述があったことも忘れ、妨害を応援してしまいました。
少し感情的になって人間味が見えたかと思った途端の見切りで肩透かしをくらい、行動が読めなさすぎて物語の登場人物としては好きになりました。
日向の復讐を遂げさせたいというのが詫びる気持ちからと思いきや、自分と同じ考えを植え付け、後継者に据えたいと言う自分勝手な考えと -
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ネタバレ倒叙ミステリで動機と遺体発見を引き延ばす理由がわからないまま進み、その2つが判明していく部分と、行動や会話で場をコントロールしようとする伏見と違和感を繋ぎ合わせて推理していく優佳のやり取りが良かった。 犯人視点なので、優佳の行動にそわそわしながら読みました。
動機は“冷静で熱い“という伏見の設定があるからこそ腑に落ちませんでした。 検査をすり抜けて悪影響が出る可能性はどのくらいあるんだろう、患者が臓器提供を切望してるって実感したのに可能性を潰してしまうのかと思いました。
優佳が伏見に執着してることも理解できませんでしたが、こっちは理解できない感じも、探偵役側が倫理観壊れてるのも面白いかな -
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ネタバレシリーズ物ですが、間違えて2番目の方から読んでしまい。まぁ、読んでいなくても分かる話しだったので大丈夫でしたが。次からは間違えずに順番通りに読みたい。
まずは、次巻ではずっと、子供を助けた、と言ってたので、人質になった子供の代わりに自分が人質になろうとしたのかと想像していたら、全く違う形で子供達を救っていましたね。しかも想像していたハイジャックとは全然違ったストーリー展開でした。特にハイジャックとは関係なく?起きた密室殺人に関しては謎解きまで、どうやって、誰が!?と思えて読めていたので楽しかったですね。まぁ、宗教とまではいかないが思想的な部分も入っていたのはまた違う意味で面白かった。所々やっぱ -
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うーん、、人間の言動なんて突発的なものや理由づけできない無意味なものが混在して然るべきだと思うんだけど、全ての事象が論理的に説明づけできてしまうことに違和感があった。
家族でも他者の心情なんて全てわかるわけではないのに、この人ならこの場面でこういう言動をするはずといった決めつけで押し進んでいく感じがちょっと強引に感じた。
それに、理性的なはずの犯人の動機に共感性が薄くて、理詰めでたどり着く結末としては少々強引さを感じましたね。
今まで読んだことないタイプのミステリーで話の展開はまあまあおもしろかったんだけど、友人間の何気ない会話や行動全てを深読みして考察する探偵役の女がどうしても好きにな -
Posted by ブクログ
この作者さんによる「殺し屋」シリーズ、3冊目。
今回は短編4つに中編がひとつ。
前作で同業者が出て来て、今回はどうなるかと思っていたが、さて…。
「遠くで殺して」は普段は経営コンサルタントとして働く富澤のお話。
「ペアルック」はインターネット通信販売業を営む鴻池のお話。
二人には『殺害する標的の何気ない行動が気になりその謎を解かずにはいられないという妙な癖』があり、それを解きほぐしていって進む、基本パターンのお話。
それぞれの推理は冴えているのだが、私には、依頼する人がああいう理由で身近な人を殺そうとするのだろうかというところでいつも引っ掛かる。
その上で次の2つの話はやや変化球。
「父の