石持浅海のレビュー一覧

  • 扉は閉ざされたまま

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    ネタバレ

    星3.4

    犯人主観で進む推理ミステリ。

    犯人が徐々に追い詰められていくというより、ほぼ完全犯罪が完成するところまでいってからの、一気に解決編へ続く構成。

    終盤、一気に追い詰められていく対話劇がとても面白かった。
    また登場人物たちが魅力的。

    犯行動機が弱く(というか、そんなことで殺人までしてしまうか?と)感じられたが、そこも計算通りなのか、エピローグの章で動機に納得させられた。

    強い説得力と、哀しさが相まったエピローグが読後感を心地よくさせてくれた。

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    2025年04月08日
  • 風神館の殺人

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    石持浅海の長篇ミステリ作品『風神館の殺人』を読みました。
    『鎮憎師』に続き、石持浅海の作品です。

    -----story-------------
    ある復讐のために高原の施設に集まった十人の中の一人が殺された。
    犯人の正体と目的が掴めぬ中、第二の殺人が! 長編密室ミステリ。

    高原の保養施設「風神館」に集まった十人の男女。
    彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業の幹部三名に、死を以って償わせること。
    計画どおり一人目を殺害したあとに、彼らが目にしたのは、仲間の一人の変わり果てた姿だった。
    誰かが裏切ったのか!? 仲間の死を警察に通報すれば、復讐計画が頓挫してしまう。
    外部との連絡が遮断された

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    2025年04月06日
  • 扉は閉ざされたまま

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    豪華な洋館で起こる密室殺人、理系で頭脳明晰な犯人と探偵という好みの設定だったが、倒叙物ということでながーい解決編を犯人視点でみているようで息苦しかった。揚げ足取りが続くようで会話が好みではないかもと思いながら読み始めたが、結局一気読みして続きの作品まで読みたくなった。

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    2025年04月06日
  • 殺し屋、やってます。

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    殺し屋家業とは別に不思議なことを解決していくのかと思ったら、エピソードごとに殺しは完遂してた。
    殺される側に個性がなくただのデータなので、感情移入しなくて済んでるけど。
    サラッと読めて謎解きも今までにない切り口で面白いけど、なんかグイグイ引き込まれるものはなかった。
    登場人物にまだ個性がないからかな?

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    2025年04月06日
  • 鎮憎師

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    石持浅海の長篇ミステリ作品『鎮憎師』を読みました。
    石持浅海の作品は、2月に読んだ『女と男、そして殺し屋』以来ですね。

    -----story-------------
    奇想の作家の新たな挑戦。
    本格ミステリーの可能性を拓く傑作誕生!

    赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。
    その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。
    これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?
    真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される……。

    「ちんぞうし?」
    わたしは訊き返した。知らない言葉だ。
    「そう」順司叔父は、前方を見ながらうなずいた。「『憎しみを鎮める人』ってくらいの意味だよ(中略

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    2025年04月05日
  • 扉は閉ざされたまま

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    ネタバレ

    動機だけが分からないまま進むミステリー。
    推理を終えた優佳の方が伏見の動機よりも断然怖い。
    読み終わって振り返ると
    いろんな伏線が張られていたと気づくのに
    読んでいる最中は全然気づけなかった。
    天才vs天才のミステリー小説として
    紹介されているのを見て買ったけど
    果たして天才は本当に二人いたのか…
    いつバレるか、どうバレるか、どんな結末か、
    いろいろ考えながら読み進めるのは楽しかった。

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    2025年03月10日
  • 君の望む死に方

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    ネタバレ

    シリーズ2作目、前作から2年後のお話でその後の進展が気になっていたので垣間見えたのが嬉しかったです。
    前作同様、強引なとこがあったり、共感は全然できないんですけど楽しかったです。
    倒叙ミステリで、殺意を持った人物とそれを叶えてやりたい殺意を持たれた人物、そこに優佳が介入。冒頭に死者の記述があったことも忘れ、妨害を応援してしまいました。
    少し感情的になって人間味が見えたかと思った途端の見切りで肩透かしをくらい、行動が読めなさすぎて物語の登場人物としては好きになりました。
    日向の復讐を遂げさせたいというのが詫びる気持ちからと思いきや、自分と同じ考えを植え付け、後継者に据えたいと言う自分勝手な考えと

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    2025年03月07日
  • 扉は閉ざされたまま

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    ネタバレ

    倒叙ミステリで動機と遺体発見を引き延ばす理由がわからないまま進み、その2つが判明していく部分と、行動や会話で場をコントロールしようとする伏見と違和感を繋ぎ合わせて推理していく優佳のやり取りが良かった。 犯人視点なので、優佳の行動にそわそわしながら読みました。

    動機は“冷静で熱い“という伏見の設定があるからこそ腑に落ちませんでした。 検査をすり抜けて悪影響が出る可能性はどのくらいあるんだろう、患者が臓器提供を切望してるって実感したのに可能性を潰してしまうのかと思いました。

    優佳が伏見に執着してることも理解できませんでしたが、こっちは理解できない感じも、探偵役側が倫理観壊れてるのも面白いかな

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    2025年02月21日
  • 月の扉

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    ネタバレ

    シリーズ物ですが、間違えて2番目の方から読んでしまい。まぁ、読んでいなくても分かる話しだったので大丈夫でしたが。次からは間違えずに順番通りに読みたい。
    まずは、次巻ではずっと、子供を助けた、と言ってたので、人質になった子供の代わりに自分が人質になろうとしたのかと想像していたら、全く違う形で子供達を救っていましたね。しかも想像していたハイジャックとは全然違ったストーリー展開でした。特にハイジャックとは関係なく?起きた密室殺人に関しては謎解きまで、どうやって、誰が!?と思えて読めていたので楽しかったですね。まぁ、宗教とまではいかないが思想的な部分も入っていたのはまた違う意味で面白かった。所々やっぱ

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    2025年02月18日
  • 殺し屋、続けてます。

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    副業で殺し屋をしている富沢が依頼された仕事をして淡々とこなす姿を描く連作短編集。
    依頼があってから3日のうちに仕事を受けるかどうか、殺す相手のことを調べる。その時に湧き上がった謎を仕事が終わった時に明らかにするという形のミステリー仕立てになっている。
    今作は同じような殺し屋の鴻池の話もあって、
    また新たな面白さになっている。

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    2025年02月16日
  • 罪人よやすらかに眠れ

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    謎の住人たちが暮らす館に招き入れられるのは「業」を抱えた人たち。その人たちを悩ませる謎を住人が解いていく短編集。
    謎が解けたからと言って、決してハッピーエンドではないのがこの作の持ち味。どの作品も面白くてぐいぐい読めた。

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    2025年02月11日
  • 扉は閉ざされたまま

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    うーん、、人間の言動なんて突発的なものや理由づけできない無意味なものが混在して然るべきだと思うんだけど、全ての事象が論理的に説明づけできてしまうことに違和感があった。

    家族でも他者の心情なんて全てわかるわけではないのに、この人ならこの場面でこういう言動をするはずといった決めつけで押し進んでいく感じがちょっと強引に感じた。

    それに、理性的なはずの犯人の動機に共感性が薄くて、理詰めでたどり着く結末としては少々強引さを感じましたね。

    今まで読んだことないタイプのミステリーで話の展開はまあまあおもしろかったんだけど、友人間の何気ない会話や行動全てを深読みして考察する探偵役の女がどうしても好きにな

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    2025年01月27日
  • 女と男、そして殺し屋

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    副業殺し屋とは、なかなか無い設定で読んでて面白かった。
    互いの存在は知らないのに、微妙に気づいている?て考えてるところはさすが頃ならでは。頭の回転の速さと思考力だなって。

    シリーズものと知らずに読んだけど、楽しめました。

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    2024年12月31日
  • あなたには、殺せません

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    殺人を犯そうとする人が相談にやってくるNPO法人。相談員がその反抗計画の穴を次々と指摘していくという倒叙ミステリの短編集。

    TVドラマを見てるかのような軽妙なテンポで読めてしまうけど、その裏には人間の底知れぬ闇が描かれているように感じてしまいました‥

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    2024年12月16日
  • 女と男、そして殺し屋

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    1.2作目と読んできての3作目。
    今回も面白い、が基本的な展開は変わらず、ちょっと飽きてきたな…と思うところもなくはない。
    1話、テイストの違ったお話があり良かった。

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    2024年12月02日
  • 三階に止まる

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    様々な短編集。ミステリーとホラー
    短く内容が明確でとても読みやすく楽しめた。

    宙の鳥籠
    転校
    壁の穴
    院長室 EDS 緊急推理解決院
    ご自由にお使い下さい
    心中少女
    黒い方程式
    三階に止まる

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    2024年12月01日
  • Rのつく月には気をつけよう

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    ★3.8
    大学時代の友達3人+ゲスト1人で開かれるお酒の会。
    毎回美味しそうな料理とお酒が丁寧に描かれ、招かれたゲストのふとした話しの不可解な点を見事に突き、推理していく。
    「揚子江」と名前の出た後から始まる推理は見事なもので、細かい点に注意していれば自分でも分かりそうだな…って思う。
    実際分かったところもあったけど、途中までしか分かってなくて、もっと先があったりして。
    読んでると美味しいごはんが食べたくなるし、推理が楽しかった本でした!

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    2024年11月22日
  • 殺し屋、やってます。

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    ネタバレ

    伊坂幸太郎の”殺し屋シリーズ”とは違う殺し屋モノを読みたくて……。
    彼は殺しをビジネスとして扱い、旧友だという仲介役ともビジネスマン同士のような淡々としたものを感じる。依頼人のことは知りたくないって言いながら、標的の行動を何故か気にしてしまうのは…人道を外れた罪をしていても、まだ人間らしい一面が残っているからだろう。
    それか、サイコパスなのだろうな。……最後の章の、最後のセリフは衝撃的だった。

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    2024年11月06日
  • 殺し屋、続けてます。

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    今回は別の殺し屋登場や、依頼人側目線があって新鮮だった。しかし犯行は淡々と行われる。

    「猪狩り」の相討ちはやるせなかった。長い間信頼しあっていた2人だったのに、選んだ先は結局同じ選択なんだね。

    「靴と手袋」では殺し屋2人のターゲットが同グループ内の人物だったので鉢合わせないかハラハラした!

    そんなにうまくいく?と思われる展開ばかりだけど、謎解きに重点をおいているからか実行時の手際の良さはさほど気にならなかった。

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    2024年10月26日
  • 女と男、そして殺し屋

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    この作者さんによる「殺し屋」シリーズ、3冊目。
    今回は短編4つに中編がひとつ。
    前作で同業者が出て来て、今回はどうなるかと思っていたが、さて…。

    「遠くで殺して」は普段は経営コンサルタントとして働く富澤のお話。
    「ペアルック」はインターネット通信販売業を営む鴻池のお話。
    二人には『殺害する標的の何気ない行動が気になりその謎を解かずにはいられないという妙な癖』があり、それを解きほぐしていって進む、基本パターンのお話。
    それぞれの推理は冴えているのだが、私には、依頼する人がああいう理由で身近な人を殺そうとするのだろうかというところでいつも引っ掛かる。

    その上で次の2つの話はやや変化球。
    「父の

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    2024年10月23日