石持浅海のレビュー一覧
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ネタバレ前作同様、未だ発生していない事件の真相を看破するという倒叙ミステリーで碓氷優佳シリーズ。
今作は正直謎解きはどうでも良く、美しい殺人計画に心酔し、犯人が誰であろうがどうなろうが知ったことではないと振る舞う、優佳の悪魔っぷりに痺れまくる。
事件を紐解くのではなく、美しい殺人計画を紐解くことに喜びを感じるその悪魔っぷりに。
犯人が警察に捕まろうが、死のうが知ったことではないというドライなスタンスで。
死のうが知ったことではないという所がラストに繋がるわけなのだが。
探偵っぷりとしては、むしろ第一作の方が際立っていたように思う。
個人的にはこのシリーズはどんどん優佳が悪魔的になっていって -
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ネタバレ既に解決した事件の話を聞いたタイトルにある座間味くんが、その事件の本当の姿を暴き出す連作短編集。
普通のサラリーマンである座間味くんが、事件の話に感じたちょっとした違和感を1個1個潰しながら事件の真相に迫る、変わった安楽椅子探偵もので面白い。
事件が語られる舞台がお酒を飲みながらの席という趣向も、なんとなく親近感がわいて、まるで雑談のような進み方が心地よい。
お酒の席がミステリーを解決する舞台というのは個人的に非常に気に入ってしまったので、ぜひこれはシリーズ化して欲しい(もうなってるかもしれないが)。
座間味くん、初登場は「月の扉」だったが、こちらの方が圧倒的に面白いと思う。 -
Posted by ブクログ
卒業旅行代わりにトレーラーハウスでのキャンプに出かけた大学生の男女9人。
楽しい旅行になるはずだったのだが、何者かによりトレーラーハウスに
閉じ込められ、友人の一人が死に、さらに他にも罠が仕掛けられていて、、、
一体誰がなんのためにこんなことを!?
罠とともに置かれた犯人からのメッセージを頼りに推理を進め、なんとか
脱出を図ろうとするのだが・・・
といったクローズドサークルなミステリ。
ちょっと後味が悪いところも含めて、石持さんらしい一冊だったなぁ。
犯人の思惑通りに行き過ぎた感もあるけど、なかなか読み応えのある一冊。
大どんでん返しのあるものと違って、少しずつ少しずつ推理を進めて
真相に -
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タイトルと帯を見て、てっきり新興宗教の話だと思ったのだが、そうではなかった。宗教ではないと何度も文中でも言及されるのだが、じゃああれはなんだったのだろう。
例によって「特殊な状況、特殊な設定、特異な価値観」におけるミステリーをロジックで解決する、という話なのだろうか。人望の篤い星川という人物も謎と言えば謎の存在で、なぜそこまで熱狂的に支持されるのかが今ひとつピンと来ない。さらには「御子」という存在もまた、言葉と実態が一致しないために、登場人物たちの心情に同調しづらい。
しかし、閉鎖的な集団の中では、やはりあんなふうに権力争いが起きるだろうし、人間関係が歪んだりするんだろうな、と思った。そのあた -
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数ある石持浅海作品の中でも、長編は石持さんにしか書けない作品が多い。『カード・ウォッチャー』以来の長編作品は、これぞ石持浅海という作品だ。
誤解を恐れずに言うと、石持作品の中でも長編は、登場人物に共感できない作品が多い。行動や思想、人間性に至るまで、突っ込みたくて突っ込みたくてしょうがない。おかげで肝心の謎が霞んでしまうこともしばしばである。
それでも石持作品を読むのをやめられない。僕はある時ふと気づいた。登場人物の誰にも共感させないのは、ある種の才能であり、作家石持浅海の持ち味なのだと。いつしか、共感できないほど嬉しくなるようになっていた僕は、間違っているだろうか。
会う人会う