石持浅海のレビュー一覧

  • 三階に止まる

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    ネタバレ

    ミステリでもありホラーでもある短編集。
    それぞれのお話の結びで思わずにたりとしてしまう程良い黒さが非常に好みでした。
    「院長室」のみ『EDS緊急推理解決院』にて既読。

    一番好みだったのは表題作。
    こういう余韻を残す作品はとても好きです。
    「転校」のブラックさも好きです。
    あの状況で灰汁抜きの心配をしてしまう主人公に思わず笑いが(笑)
    あの真実に気付いてしまった後も彼はやはり灰汁抜きは気になるんだろうか?とちょっと悪趣味な心配をしてしまった。
    灰汁抜き要らないんじゃないかとも思うけど。
    もっと黒いのも是非書いて頂きたいです。

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    2014年01月29日
  • 顔のない敵

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    作者の第一短編集で、対人地雷を題材にした本格ミステリー。カンボジアで地雷撤去活動を続けるNGOがメインとなる連作となっています。対人地雷という非人道的な兵器をミステリーとして使ってしまう作者の手腕には唸ります。自衛隊が1998年まで対人地雷を発注・保有していたのが事実なら、恐ろしいことだと思いました。最後のデビュー短編も、「閉じ込められたエレベーターで殺人」というベタな展開ながら、それを逆に利用した発想が流石です。これは石持ファンには嬉しい発掘でした。

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    2014年01月14日
  • 攪乱者

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    三人のテロリスト。テロに思えない事を指令によって進めていく。
    当初の指令。中盤の指令。終盤の指令。彼らのとる道が見えるようで見えない。より良い社会への礎にちゃんとなっているのだろうか??
    どうなることが「良い社会」なんだろう??

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    2013年12月31日
  • 顔のない敵

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    石持氏の原点ともいえる地雷がテーマの短編集に加え、デビュー作まで読めるファンには嬉しい一冊です。
    あとがきや解説にも書いてありましたが、会話が中心に話が展開する本格タッチの作風ながら、善悪の基準が曖昧であり、また犯人が常に逮捕されるわけでもないところなど、氏の個性が存分に出ていると思います。
    本筋とは関係ありませんが、地雷をテーマにした背景が思っていたより平凡だったのか少し残念かも。

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    2013年12月22日
  • 三階に止まる

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    宙の鳥籠、転校、壁の穴、院長室、ご自由にお使い下さい、心中少女、黒い方程式、三階に止まるの8編。
    こういうの大好き。

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    2013年11月06日
  • 見えない復讐

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    一話ごとに異なる事案の推理が展開されます。短編として主人公二人の頭のキレっぷりが披露され、最後は全体を通して一本のストーリーとして帰結します。
    言葉や行動の選択の裏にある意思を暴く思考過程は素晴らしいと思いました。ちょっと強引かなと思う部分もありますが、それを打ち消すくらいの説得力はあると思います。個々の事実から一つの真実を導き出す過程が綴られているので登場人物の頭の中を覗いたような気分になりました。

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    2013年10月31日
  • アイルランドの薔薇

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    今まで読んだ石持作品の中で1,2位の好み。

    大まかには毎度の設定で論理的かつ冷静な“フジ”が平静な態度で
    皆を導いて行く様子に、他の登場人物のように彼に惹かれてしまった。

    各個のアイデンティティもうまく絡めていて、
    救いのあるラストは、石持作品らしからぬ終わりだけど美しい。

    人に薦められる本。

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    2013年10月07日
  • アイルランドの薔薇

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    ネタバレ

     安定した筆力に安心して読むことができる。今までの密室空間は、嵐の中の孤島パターンが多かったが、本作ではNCFという存在を出すことによって上手く処理をしている。

     探偵役のNCF幹部と日本人のフジが協力して、上手く問題を解決していく。ただ、伏線の張り方が甘いのか、ミスリード部分が不発化し、一本道に近く見える。

     その分、読みやすいとも言えるが、どんでんさんが返されたイメージはなく、淡々と終わってしまった印象だ。世界観やキャラクターとしては、唸らされるが、トリックとしては微妙に感じられる。

     そもそも、二階から落ちたくらいで死ぬとは限らないが。勿論、運が悪ければありえるが、そこに至るまでも

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    2013年09月15日
  • 三階に止まる

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    う~~ん たまらなくゾクッときましたねぇ
    どこにもありそうで、でもあり得ない話の短編集。

    エレベーターも観覧車ももう乗れない。

    それと、ゴキブリ退治はダンナに任せましょう。。

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    2013年09月09日
  • セリヌンティウスの舟

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    ネタバレ

    複雑、巧緻に筋が通っていて知的興奮は味わえる。
    でも、魂は救われない。

    前提に無理がある。
    生きてる人間に死はわからないのだから…

    Mahalo

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    2013年08月29日
  • 顔のない敵

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    対人地雷という、身近に馴染みの無い素材ながら、
    緻密で無駄の無い文章によって、ミステリー要素を維持しながら、
    それに対する主張もそこかしこに抜かりない、
    非常に精緻な物語群。

    好きな語り口で、他の作品も読んでみたくなった。

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    2013年07月26日
  • 耳をふさいで夜を走る

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    いつもの石持さん作品とは若干テイストの違う感じでしたが、私は割と楽しんで読めました。
    ただ設定のフリは凄そうな感じでどうくるのか…と気になって読み進めたのですが、思ったよりは現実的で、SF的な設定がくると身構えてた時分からしたらちょっと肩透かし感が否めません。ラストの動機とかが「?」となりました。

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    2013年06月20日
  • アイルランドの薔薇

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    「そして誰もいなくなった」などの孤島ミステリーに代表される、いわゆるクローズド・サークルものの本格ミステリー。石持浅海の長編デビュー作で、石持の中で僕が一番好きな作品。惜しむらくはこの主人公のシリーズものにならなかった点かな。第一作目ということもあるんでしょうが、味のある人物だけにもったいない。

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    2013年04月21日
  • 水の迷宮

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    ネタバレと下らないことしか書きません書けません。

    ・石持浅海の書くイケメンは彼女持ちあるいは既婚者ばかりな気がする
    ・あと主人公の彼女は大抵ゆるふわ系
    ・片山さんの扱いがもはや神
    ・とか思ってたら大体合っててびっくりした
    ・犯人頭よすぎてかっこいい
    ・深澤も頭よすぎてかっこいい
    ・我慢してたのに後半になっていきなりホモフラグを自ら立てるとかなんて恐ろしい子…
    ・後半になっていきなりツッコミがキレはじめる主人公
    ・ですよね!!!貴子さんきますよね!!!
    ・「ぷんすか」の破壊力
    ・最後まで第三者でい続ける深澤△

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    2013年04月05日
  • 温かな手

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    人からエネルギーをもらって生活する人外の二人と、その二人とそれぞれに住む人たちにまつわる謎解きの話。
    連作短編集といった感じに仕上がっている。
    私も、このような人がいてくれるなら(人じゃないけど)一緒にいたいなと思う。
    なんか、いい感じの話。

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    2013年03月19日
  • アイルランドの薔薇

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    ずーっと読みたいと思っていた大好きな石持浅海の初期作品。
    小さな空間で起きた殺人事件の背景はあまりに大きく悲しい。
    知識としてはあったけど、いまひとつピンとこなかったアイルランド紛争の歴史が、この作品で初めて腑に落ちた。
    石持作品のキャラはみんな魅力的だけど、この作品のフジには惚れた!

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    2013年01月26日
  • 八月の魔法使い

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    誰がなんの目的で事故報告書をプレゼン条件資料の中に紛らせたのか、小林は謎解きができるのか、わくわくして読み進めた。
    深雪がこっそりと小林に電話をし、混乱する会議の様子を伝えるのは強引な気もするけど、面白かったからよし。

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    2013年01月21日
  • 温かな手

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    連作集。最後のお話のちょっと切ない感じがとても好きです。ギンちゃんとムーちゃんのキャラクタも良いなあ。

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    2013年01月11日
  • アイルランドの薔薇

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    北アイルランドと南アイルランドの和平が間近に迫る情勢下、
    とあるホテルに偶然集まった面々。
    そこで、NCF(北アイルランドの過激派組織)のメンバーが
    殺されるという事件が起きる。
    NCFの他のメンバーの意向により警察の手を借りず自分たちで
    事件を解決することになり、その中で、日本人科学者のフジが
    論理的に事件の真相に近づいていく、という感じのミステリ。

    政争が絡んだものだと読みにくいかなーと当初は敬遠してたんだけど
    そんなに難しくもなく、程よく分かりやすい説明のおかげで
    背景もすんなりと頭に入ってきて物語の邪魔にならなかった。

    事件の解決への道のりも私の好きなタイプでした。
    どんでん返しで

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    2012年12月30日
  • アイルランドの薔薇

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    きれいな終わり方。推理も面白かった。
    外国を舞台に、外国人が活躍するお話は自分には新鮮でよかったです。

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    2012年11月28日