石持浅海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルと帯を見て、てっきり新興宗教の話だと思ったのだが、そうではなかった。宗教ではないと何度も文中でも言及されるのだが、じゃああれはなんだったのだろう。
例によって「特殊な状況、特殊な設定、特異な価値観」におけるミステリーをロジックで解決する、という話なのだろうか。人望の篤い星川という人物も謎と言えば謎の存在で、なぜそこまで熱狂的に支持されるのかが今ひとつピンと来ない。さらには「御子」という存在もまた、言葉と実態が一致しないために、登場人物たちの心情に同調しづらい。
しかし、閉鎖的な集団の中では、やはりあんなふうに権力争いが起きるだろうし、人間関係が歪んだりするんだろうな、と思った。そのあた -
Posted by ブクログ
数ある石持浅海作品の中でも、長編は石持さんにしか書けない作品が多い。『カード・ウォッチャー』以来の長編作品は、これぞ石持浅海という作品だ。
誤解を恐れずに言うと、石持作品の中でも長編は、登場人物に共感できない作品が多い。行動や思想、人間性に至るまで、突っ込みたくて突っ込みたくてしょうがない。おかげで肝心の謎が霞んでしまうこともしばしばである。
それでも石持作品を読むのをやめられない。僕はある時ふと気づいた。登場人物の誰にも共感させないのは、ある種の才能であり、作家石持浅海の持ち味なのだと。いつしか、共感できないほど嬉しくなるようになっていた僕は、間違っているだろうか。
会う人会う -
Posted by ブクログ
とってもロジカルな展開での謎解きを得意とする石持浅海さんですが
今回はそこに恋愛の要素をたっぷりと。
章ごとの謎あるいは事件を解決する主人公は会社員の直幸。
ある日、彼は偶然訪れた大型書店でかなりの美人を見かける。
そんな彼が、今は別の会社に就職した元同僚にその話をしたところ、
元同僚とその彼女が勤める会社の先輩であることが判明する。
それをきっかけにふたりは知り合い、関係を深めていくのだが、
美人の彼女にはなにか暗い秘密があるようで・・・といったお話。
今回もまたかなり論理的な思考から真相へと辿り着くミステリと
なっています。日常からそれほどまでに考える人はいないだろうと
ツッコミを入れ -
Posted by ブクログ
ネタバレ安定した筆力に安心して読むことができる。今までの密室空間は、嵐の中の孤島パターンが多かったが、本作ではNCFという存在を出すことによって上手く処理をしている。
探偵役のNCF幹部と日本人のフジが協力して、上手く問題を解決していく。ただ、伏線の張り方が甘いのか、ミスリード部分が不発化し、一本道に近く見える。
その分、読みやすいとも言えるが、どんでんさんが返されたイメージはなく、淡々と終わってしまった印象だ。世界観やキャラクターとしては、唸らされるが、トリックとしては微妙に感じられる。
そもそも、二階から落ちたくらいで死ぬとは限らないが。勿論、運が悪ければありえるが、そこに至るまでも