石持浅海のレビュー一覧
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人の死が関わるミステリと言えば、探偵ものや刑事ものなどの犯人を探し追い詰めていくものが多いと思うけど、このパターンはわたしには新しく感じられた。
かつてダイバーとして危険に晒され生死を共にした6人。
特別な関係となった彼らは1,2ヶ月に1回は集まってダイビングを楽しむ生活をしていた。
ところがいつものようにダイビングを楽しみ、メンバーの家での酒盛りを終えた翌朝、ひとりが自殺をしてしまう。
遺書もあり、警察も自殺と断定したが、その死に疑問があるとひとりが言い出し、彼女の死について議論を行うために集まることとなる。
解決済みの死について、捜査をするでもなく罪を暴くわけでもなく、ただお互いを信じ -
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ネタバレ碓氷優佳が初登場した『扉は閉ざされたまま』は、石持浅海さんがブレイクするきっかけになった作品だった。そして、碓氷優佳シリーズも本作で第5作ということになる。
第4作である前作『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』は、優佳という特異なキャラクターの高校時代を描いており、シリーズ中ではイレギュラーな作品だった。本作の事件の発端は、実は優佳の高校時代にあるのだが、前作を読んでいなくても支障はないだろう。
高校時代、難関大を目指して横浜市内の予備校に通っていた面々。そこに優佳も含まれていた。彼ら、彼女らはある数学講師の教えを受け、現在でも恩師として慕っていた。予備校の「同窓生」が繋がりを保つと -
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碓氷優佳シリーズ最新作。碓氷さんも30代。予備校時代に教わった講師のもとに集まる同級生たちの宴で事件は起こる。
誰がやったでも、どうやったでもなく、なぜ反犯行を仕向けたかを暴いていく。
従来通り、第三者が語り部となることで優佳のすごさを表現する。緊迫した会話劇だ。実際、そう考えるのか?と思うところもあるが、流れで一気に読ませるので違和感は少ない。読み終わるとそんなこと?と思えなくもないが、そこが気になるような本ではない。今回も楽しく読ませてもらった。
高校時代の友達も出てきたり、優佳が結婚してたりで、シリーズを読んできた人間には感慨深いものがある。 -
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警視庁の大迫さんが語る過去の解決済み事件を一般のサラリーマン座間味くんがズバッ斬る6編!!
6編には少しずつ時間が流れており座間味くんの近況が語られる。
→何となく大迫さんは更けていく感じ。
毎度の事ながらお酒を飲みながら色んな料理を美味しそうに食べている。
→特に座間味くん!
過去の事件に関連するのはテロリストや宗教団体などの普通じゃない団体の中で起きる普通の殺人事件
最後の再会は『月の扉』で人質になっていた子供の話
→久々に月の扉を開いて見たくなる
座間味くん:石持浅海の『月の扉』に出て来る探偵役の若者、本名不明:東野圭吾のガリレオシリーズ湯川学級の理解力!
月の扉:ハイ -
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ネタバレまっすぐ進むのは難しい。主人公の名前は「直幸」。幸せに向かって真っ直ぐ進む……という名前だけれど、本人は「行き先は分からない」と嘯く。
彼は一人の「美しい人」――高野秋を見かけて、彼女の腕にはめられた二本の腕時計を気にするようになる。二人は知人を介して知り合い、そして腕時計の「謎」を解いた直幸は秋と付き合い始める。けれど、直幸が本当に腕時計に秘められた事実を知るのは、この本の最後の話だ。
果たして直幸が秋に話した説が、正解なのかは分からない。今となっては知ることもできない。
それでも彼の説は過去に残って迷い続けていた秋を、まっすぐ導いてくれることだろう。
石持浅海さんの作品は、常識や、とき