【感想・ネタバレ】君の望む死に方のレビュー

あらすじ

余命六カ月――ガン告知を受けたソル電機社長の日向は、社員の梶間に自分を殺させる最期を選んだ。日向には、創業仲間だった梶間の父親を殺した過去があったのだ。梶間を殺人犯にさせない形で殺人を実行させるために、幹部候補を対象にした研修を準備する日向。彼の思惑通りに進むかに見えた時、ゲストに招いた女性・碓氷優佳の恐るべき推理が、計画を狂わせ始めた…。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

『扉はとざされたまま』の続編、『彼女が追ってくる』へとつづいていく、碓氷優佳シリーズ第2弾『君の望む死に方』。
間違えて『彼女が追ってくる』を先に読んでしまったのですが、問題なしっ!十分楽しめました。

設定が面白い! 殺されたい大企業社長の日向と、日向を殺したい若手幹部候補の梶間。
二人の想いは計らずとも一致、研修中である
今夜、完全犯罪が行われるはずだった。
双方、準備は万端。

幹部候補生たちの研修という中、登場人物達の心理描写が丁寧すぎるくらいに深掘りされいくなかで、梶間の殺人計画が少しずつ狂っていく。
すでに、碓氷優佳の推理が始まっていた。
ゲストとして呼ばれていただけなのに。

いやぁ、 思ってたんとちがーう!っていい意味で裏切られました。
殺人を狙う梶間が、いいやつなんですよね、基本的に。そして殺されたい日向社長も過去にいろいろあるものの、良い人なんです。

ネタバレではないですが、最後の最後まで謎を残して余韻が半端ない。なかなかこのテイストの作品でこの読みやすさは見かけません。
必読のミステリー、期待を遥かに上回りました!

0
2025年07月04日

Posted by ブクログ

碓氷優佳シリーズの二作目。倒叙×未必の故意を軸に展開されるロジカル対決が見もの。前作の魅力を受け継ぎつつ、一味違ったテイストの一作品として楽しませてくれて、今後のシリーズを追うのが楽しみになった。

0
2025年05月26日

Posted by ブクログ

自身を殺させるために仕掛けた罠が、次々と解除されていく。
場の会話を誘導し、他人の感情さえも操作する碓氷優佳。
彼女の超人的な頭脳にじわじわと追い込まれていく。
あまりにも見事な推理に、思わず笑いが込み上げる。
そのうえ最後にそうくるか!と。
興奮のあまりゾクゾクしてしまった。

0
2022年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

碓氷優佳シリーズ第二弾

病のため余命短い会社社長は生きている間にやり残したことがないか考え、一つ思い至る。
ある人物に自分を殺させてやることだった。

幹部候補者を集めた研修の最中に自分を殺させる為に凶器と犯人が特定できないような、数々準備を整え待ち構えている。
碓氷優佳は研修のゲストとして呼ばれていた。彼女は殺害計画に気づき、いつの間にかトラップを無効化して回るw

碓氷優佳の優秀さは一作目と同様だが、こちらのほうが怖い。

0
2022年02月01日

Posted by ブクログ

間違いなく2021年度ベストシリーズ。
1作目も好みだけど、2作目もますます好きになってしまいました。
碓井優佳のサイコっぷりが待ち遠しくて仕方なくなる。
殺されようとする男と、殺そうとする男。
攻防戦も面白いけど、なんといってもラストシーン!
ネタばれの内容を含むってしてなかったレビューを読んでしまったせいで、ん?と思ったラストシーン。
あああそういうことかと納得。
やっぱりこのシリーズの終わり方はとにかく大好き。
碓井優佳は身近にいたら絶対嫌いだしむかつくけど、キャラとしては好きなんだよなあ。むかつくけど。絶対好きにならないけど。

0
2021年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

碓氷優佳シリーズの第二弾。
優佳怖っ!(笑)。エスパーのように演出側の人間の思考が分かる彼女はホントにすごいと思った。日向・梶間の両名から話が進むが、その中でどのように殺す・殺させるべきかという心理戦のようなところが駆け引きのように見えてとても面白かった。
そして、まさかの”誰”が殺されたか分からないようになっているところにいやらしさを感じたが,前作の設定が今作に続いているというところからも見て、次回作の『彼女が追ってくる』でその真相が明かされるのだろうか。次の作品も読んでいきたい。

そして、碓氷の彼氏というのは前作の"彼"なのだろうか考察が深まるなぁ。

追記
最後にこの作品をアニメ化したときの声優陣を自分なりのキャスティングにしたので読むときの参考にしてください。
碓氷優佳:沢城みゆき
梶間晴正:小野大輔
日向貞則:山路和弘
園田進也:前野智昭
堀江比呂美:雨宮天
野村理紗:石見舞菜香
小峰哲:杉田智和

0
2021年08月12日

Posted by ブクログ

石持浅海氏の傑作倒叙ミステリー。
『扉は閉ざされたまま』などに登場する碓氷優佳が再び登場。

ガン告知を受けた大手のソル電機の社長・日向貞則は、過去の経緯もあり、社員の梶間晴征に殺害されるよう、複数人を集めた保養所の中に、様々な仕掛けを用意し、研修を開始する。

しかし、ゲストに呼ばれた碓氷は、保養所の中にある『悪意』を感じ取り、それらに対抗(無力化)する。

花瓶、アイスピック、クレセント錠、酒瓶、などなど。果たして、日向の計画通り、殺人は行われるのか?

至る所に伏線があり、ロジック対決は、まさに石持作品ならでは、ですね。

最後の最後まで、日向・梶間のどちらが命を落としたのか不明ですが、そこは読者の読み次第でしょうか。
是非、他の碓氷シリーズも読みたいと思います。

0
2020年05月07日

Posted by ブクログ

とある会社の社長主催の「幹部候補研修」と噂されている合宿に社員の男女2名ずつが集められる。
そこにゲストも合流して和やかな雰囲気で合宿が進んでいくが、実は幹部候補研修ではなく、お見合い研修であった。
そして社長が望むのは、その研修で自分が殺されること。
殺す動機がある者を呼んで殺されるためにお膳立てをするが、ゲストとして招かれた碓氷優佳の存在が徐々に大きくなっていく…

シリーズ前作の「扉は閉ざされたまま」と同じく、犯人側の視点で物語が進む。
しかし今回のキモなのは、被害者兼裏の犯人であるということ。
作中の例を持ってくると、主演・脚本・演出が同一人物であるのだ。
なぜ社長には殺される理由があるのか、殺す人には殺す動機があるのか、そしてなぜ殺される必要があるのか…読み進めていくと徐々に解き明かされる謎が心地よい。
読み始めたら止まらなくなるので、時間があるときにまとめて読むのがオススメ。

0
2019年11月23日

Posted by ブクログ

これも倒叙ミステリになるのでしょうか。

殺人事件が起こることはわかっている。
被害者になりたい人がいて、加害者になろうとしてる人がいる。
不思議な状況ですね。

被害者が殺されたがっていて、わざわざお膳立てしてくれてるのだから、本来ならスムーズな殺人が出来たはず。
それを邪魔するのが碓氷優佳です。

その場の空気や人を上手く操り、自分の思うように展開させる。
彼女の聡明さは恐ろしくもありますね。

少しだけ彼女のプライベートが語られることで、前作「扉は閉ざされたまま」で謎になっていた結末が明らかになります。
碓氷優佳シリーズは読む順番も大事。

0
2019年06月23日

Posted by ブクログ

東野圭吾的な読みやすくて
ページをめくる手が止まらなくて
ラストが明かされないまま
余韻を残して終わるミステリー。

楽しめました。

0
2016年02月28日

Posted by ブクログ

流石、石持浅海。一筋縄ではいかなかった。この結末は読めない。
倒叙ものなので、ある程度はテンプレート通りの展開が進んでいく。
ところがある箇所から物語は奇妙な形を見せ始める。碓氷優佳の登場からだろうか、いいやそこではない。これはぜひ読んでその目で確かめて欲しい。そう来るのか、と唖然とした。
ある会社の人々が集まってする研修、会話はありふれたものなのではっきり言えば珍しくもない。そこにほんの少しの不穏さを混ぜるだけでこんな面白いものになるのか。驚いた。

0
2025年09月20日

Posted by ブクログ

ひとつの物がそこにある理由。そこに不自然さはないか。そこに意図的なものがある場合そこから他人の意思を見抜くことができる。さあ、職場や学校でチェックしてみましょう。みんなが何を希望しているか、何をやりたがっているのか。それがわかれば他人をコントロールできます。

0
2024年10月08日

Posted by ブクログ

「扉は閉ざされたまま」に続き拝読。
石持浅海さんの作品読みやすくて好きです。
時系列が少しバラバラになることあっても、記載してくださってるので混乱する事も少なく、脳内でこんな感じ、とイメージ出来るのが有難い

0
2024年07月05日

Posted by ブクログ

倒叙ミステリ。すばらし。
犯人が分かってるのに、楽しめる。
碓氷優佳シリーズ第二弾だからできれば第一弾(扉は閉ざされたまま)を読んでからの方が、より楽しめる!

0
2024年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作同様、細かな仕掛けが散りばめられていておもしろかった。

日向は梶間に父親の仇として復讐されることで罪を償った気持ちになることだけが目的なのではなく、その後経営者となるための素養まで殺人を通して身につけさせようとしているというのが考えもつかなくて驚きだった。

先に犯人がわかっていて殺人に至るまでの犯人の思考を解説していく展開はあまりない展開でおもしろかった。

0
2023年08月27日

Posted by ブクログ

77点:優佳の最後の言葉が気になってた。ーがんばってくださいね。
 碓氷優佳シリーズ2作目。1作目と違って優佳のクレイジーさは薄まっているが、あいつとの関係はその後も続いているのかとか周辺情報がこまめにはさまってくる。構成はとても工夫されているし、最後の展開がどうなるのか人と語りたくなる仕掛けはあるが、1作目のシンプルさと衝撃に比べるとシリーズのつなぎの作品という評価になってしまう。やはり優佳の冷静で冷たい仮面と本格的に対峙する何かとの対決がみたい。

0
2023年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先回りして事件を防いでいくのは『探偵が早すぎる』と同じ匂いを感じました。

笑うべきタイミングで笑う能力を私は培っていきたいです。

0
2022年11月10日

Posted by ブクログ

超絶優秀 碓氷優佳の鋭い洞察力が、相思相愛の殺人ストーリーをかき回す。名作倒叙ミステリーの第二弾!

余命宣告を受けた主人公が過去の罪を償うべく、密かに自身の殺され計画を企てる。準備万端だったはずが、碓氷優佳の登場によって少しずつ食い違いが生じてきて…

今回の物語はかなり切ない… やる側、やられる側、推理する側、各々の心情が慮られます。単なるミステリーでなく物語としてもよくできていて、これまた名作だと思いました。

少し変わった倒叙モノなのも興味深いです。難しい設定にもかかわらず、しっかりミステリーとしての構成が組み立てられていて、全く変な違和感がありません。プロだから当たり前かもしれませんが、小説として上手だと思いました。

そして相変わらず天才碓氷優佳の洞察力が鋭すぎで強烈です。そして前作からのその後の物語が判明して、より震えました。こわいよー

本作もやっぱり最後が気になりますねぇ、気になる気になる。続編買ってこなきゃ。高品質の倒叙ミステリー、おすすめです。

0
2022年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2018年14冊目。
碓氷優佳シリーズ2冊目。
倒叙、面白いなー。ハラハラ感がハンパない。
前作の「扉は閉ざされたまま」から少し開いてしまったけど読み進めていくうちに、そうそう碓氷優佳はこういう子だったわ!とw
ただの謎解きが好きな名探偵っていうわけでもないという・・。
今回も日向が殺されないようにしているように見えて、実は完全犯罪が成立するためのアシストをしていたり。
うーん、怖いw
ラストは思わずおいっ!!ってなった(;^_^Aでもよく考えてみたらふさわしい終わらせ方かも。

0
2018年03月08日

Posted by ブクログ

珍しい嗜好のシナリオ。それまでの準備展開を終えての最後の件はスピード感があってよかった。大オチを気持ちいい

0
2017年06月07日

Posted by ブクログ

碓氷優佳シリーズ二作目。
殺されたい社長と、殺したい社員。

本作も探偵役は一緒で、頭のキレる女性です。
前作より成長していて、立場や年齢が変わっているのが
時間が経ったことを想像させられて面白かったです。

物語の進展が少なく、テンポがスローだったので
読むスピードが落ち込みました。
いつになったら物語の変化が起きるんだろう?と
ずっと待たされているような読み心地。
読み終えて、この終わり方なら仕方ないなあと思いましたが
少し退屈な時間が長く感じてしまいました。

最後はワクワクするオチが待っていたので
こういうのもアリ?と思っています。

0
2025年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ2作目、前作から2年後のお話でその後の進展が気になっていたので垣間見えたのが嬉しかったです。
前作同様、強引なとこがあったり、共感は全然できないんですけど楽しかったです。
倒叙ミステリで、殺意を持った人物とそれを叶えてやりたい殺意を持たれた人物、そこに優佳が介入。冒頭に死者の記述があったことも忘れ、妨害を応援してしまいました。
少し感情的になって人間味が見えたかと思った途端の見切りで肩透かしをくらい、行動が読めなさすぎて物語の登場人物としては好きになりました。
日向の復讐を遂げさせたいというのが詫びる気持ちからと思いきや、自分と同じ考えを植え付け、後継者に据えたいと言う自分勝手な考えと、あの状況で強行することにも唖然。
抵抗して怪我したら追及されるんじゃないだろうか。
通報が朝ということは復讐を果たすことはできたのかな。

0
2025年03月07日

Posted by ブクログ

石持浅海の長篇ミステリ作品『君の望む死に方』を読みました。
『殺し屋、やってます。』に続き、石持浅海の作品です。

-----story-------------
私は君に殺されることにしたよ しかも殺人犯にはしない──。
死を告知された男が選んだ自らの最期。
周到な計画は、一人の女性の出現によって齟齬(そご)をきたしはじめた 膵臓ガンで余命6ヶ月──
〈生きているうちにしか出来ないことは何か〉
死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則(ひなたさだのり)は社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ。彼には自分を殺す動機がある。
殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で──。
幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。
日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調(ととの)った。
あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。
だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、「計画」に微妙な齟齬(そご)をきたしはじめた……。
-----------------------

2008年(平成20年)に刊行された碓氷優佳を探偵役とする碓氷優佳シリーズの第2作です… 石持浅海の「倒叙三部作」の2作目にもあたる作品、、、

2008年(平成20年)に松下奈緒の主演でWOWOWでテレビドラマ化されているようですね。

 ■序章
 ■第一章 保養所
 ■第二章 研修
 ■第三章 懇親会
 ■第四章 対話
 ■終章
 ■解説 再読してなお面白い、一級品のミステリー 大倉崇裕

余命6カ月?ガン告知を受けたソル電機社長の日向貞則は、社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ……日向には、創業仲間だった梶間の父親を殺した過去があったのだ、、、

梶間を殺人犯にさせない形で殺人を実行させるために、幹部候補を対象にした研修を準備する日向……彼の思惑通りに進むかに見えた時、ゲストに招いた女性・碓氷優佳の恐るべき推理が、計画を狂わせ始めた……。

膵臓ガンで余命6ヶ月と宣告されたソル電機の創業社長・日向貞則が「生きてるうちにしかできないことは何か」と考え、社員の梶間晴征に、殺人犯にはさせない方法で、自分を殺させるために、幹部候補を対象にした研修を設け、花瓶、アイスピック、クレセント錠、酒瓶などさまざまな凶器も用意……彼の思惑通りに進むかに見えた時、ゲストに招いた女性・碓氷優佳の推理が、計画を狂わせ始める、、、

事件が起こる前の段階でのキャラクターたちの心理描写や行動が丁寧に描かれており、倒叙の醍醐味を堪能できるし、物語の構成とか展開が独特でとても印象深かったのですが……登場人物の言動にやや不自然さを感じて共感しにくい部分があったり、結末が読者に委ねられている部分が、ちょーっとだけ物足りなかったですねー 独特のプロットは佳いんですけどね。

0
2024年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

倒叙という言葉を始めて知った。
そして、この小説の切り口で追い詰めていく探偵もはじめてだった。

実際に事件は起こっていないし、表だけ言えば単なるお見合い研修である。
その中で、殺意を感じ取った舞台装置をことごとく無効化していくストーリーは面白かった。

犯人はまだいない。

0
2023年09月03日

Posted by ブクログ

前作の第2弾
探偵役が碓氷優佳でたのしめました。
少し物足りなさはあるが、良い作品でした。
ラストが評価の分かれる作品だと思います。


内容(「BOOK」データベースより)
余命六カ月―ガン告知を受けたソル電機社長の日向は、社員の梶間に、自分を殺させる最期を選んだ。日向には、創業仲間だった梶間の父親を殺した過去があったのだ。梶間を殺人犯にさせない形で殺人を実行させるために、幹部候補を対象にした研修を準備する日向。彼の思惑通りに進むかに見えた時、ゲストに招いた女性・碓氷優佳の恐るべき推理が、計画を狂わせ始めた…。

0
2023年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

序章で早々にタイトル回収してきたなと思ったけど、また違う意味を帯びるようなラスト。”君”とは誰のことを指すのか。
計画を妨害していく碓氷優佳は論理的に話を展開しつつ、人間的には(感情的には)何か欠落しているように感じられるところはある意味ホラー。前作からキャラクターとしては全く変わってない。最後の割り切りも普通の判断としてはありえないと思う。

0
2022年09月20日

Posted by ブクログ

途中からほぼ流し読み。
文章が理屈っぽすぎて、スン…となってしまう。
内容も前作を超えられていない印象。

0
2022年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 大企業の創業者社長・日向は、社員の梶間に自分を殺させることにし、お膳立てを整える。保養所での「お見合い研修」に招き、そこで実行させることにしたのだが、招いたゲストの一人・碓氷優佳によって、仕掛けがことごとく無効化されていく。
 日向が梶間に自分を殺させる動機が怖い。一見まともな経営者に見える分、狂気を感じる。優佳の価値観や倫理観はフラットで興味深い。

0
2021年10月07日

Posted by ブクログ

事件が起きない探偵 - 石持浅海「君の望む死に方」 ★★★☆☆

犯人と被害者の思惑が一緒なのに思惑通りにいかないという点が面白いです。
事件が起きる前に探偵が解決に動きます。
障害発生時に炎上対応をするのではなく、未然に防ぐ!こんな人がプロジェクトにほしいけど、評価されないのよねぇ。
最後のオチが納得いかない。そこで終わりかと。。。ちゃんと白黒つけろといいたい。

0
2023年12月02日

Posted by ブクログ

石持先生が書く人間にはあまり悪人らしい悪人がいない、と言うのが、5、6作読んでる現時点でのイメージです。
犯人に同情の余地を残す、と言うより、「残し過ぎる」、そんな心理描写が印象的な作品が多いんですよね…。はっきり言っちゃうと、犯人の動機や感情が現実離れしすぎかしらん、ということなんですが←

今作もその石持ルールは遺憾なく発動しています。
読者はいつも通り、倒叙ミステリの本作の序盤で明らかになる犯人の人物像や犯行動機に、「人殺そうとしてるのに悪人じゃねーな」と心を寄せちゃうわけですが。

本作で特筆すべきは、読者のみならず、「被害者自身」までもが犯人を応援していることです。

何だったら、いろんな舞台設定整えちゃいます。
目立つところに凶器だって置いちゃいます。
犯人が逮捕されないようにいろいろタネ仕掛けちゃいます。
プロバビリティの殺人ならぬ、プロバビリティの自殺といったところでしょうか。

う…うそくせー!!
さすがミステリー!あり得ない心理描写簡単にやっちゃうよね〜

とか野暮なことを言ってはいけません。

そんな現実的ではない被害者(候補)の「被殺害」動機にさえ目を瞑れば、めくるめく探偵のターンが始まるのです!

「被害者候補」の意図を薄々汲み取っちゃった探偵が、仕込んだネタをことごとく無効にしちゃうんですが。その方法がなかなかエグいんですね。
殺人という名の自殺を止めるためなら関係ない第三者を危険にさらすことも辞さなくってよ、と言わんばかりです。

0
2016年04月11日

「小説」ランキング