石持浅海のレビュー一覧

  • 煽動者

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    反政府系テロ組織の中の1グループらしき集団の中で発生する密室殺人。会話を中心に推理合戦を展開する石持氏お得意の構成で、いろいろな立場の人の論理展開を楽しむことができます。
    最後にちょっとしたサプライズもあり、期待通りのクオリティでした。

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    2019年09月25日
  • Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス

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    とてもこの作者らしい作品かと。屁理屈、裏読み、深掘り…果たして真実は揚子江氏の解説の通りであるのかどうかまでは検証されず、ぞっとした空気感を残したまま漂う短編集。
    わたしの大好きな「考え過ぎでしょ」パターンをいくつも繰り出してくれる石持作品を読み続けるうちに、ついにわたしにも碓氷優佳が憑依したのか、ラストが読めてしまいました。(そんなに難しいわけじゃないけどね)
    これからも変態的深読みの石持ワールドに期待しています。

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    2019年09月12日
  • Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス

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     前作『Rのつく月には気をつけよう』が刊行されたのは、約12年前。元号を跨いで続編が刊行されるとは。その間、自分が石持浅海という作家と付き合い続けてきたということでもあり、歳を重ねたということでもあり。

     いつもの仲間が酒と美味い肴を持ち寄り…というフォーマットは前作と変わっていないが、作中の人物たちも歳を重ね、家庭を持っている。前作の話題は恋愛ネタばかりだったが、今回の話題はバリエーションが多い。

     そして、探偵役に当たる長江高明の薄ら寒い洞察力も、相変わらずというわけである。石持作品の探偵役としては、碓氷優佳や座間味くんに匹敵するだろう。ふと思い出したエピソードに、長江だけは違う構図を

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    2019年09月11日
  • 罪人よやすらかに眠れ

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    はじめての石持浅海さん。
    札幌中島公園近くの豪華な洋館。
    残念ながらこの館では本格殺人は起きませんが、何故かいわくつきの人々がやってきては、この館に住む青年に次々に暴れてゆきます。
    中島公園には洋館豊平館が移設されており見学が出来ます。ミステリー好きな皆さんお待ちしてますよ。

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    2019年09月04日
  • 崖の上で踊る

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    風力発電機で低周波被害を受けた者たちが製造会社フウジンブレードの幹部を殺害する目的で、その会社の保養所に集まって、まず部長の笛木を殺す.彼ら10名が作戦を練っている段階で一橋が殺害される.さらに吉崎と菊野も殺され、残ったメンバーが犯人追求と今後の計画について議論を重ねる.中心になったのは男性の雨森と江角だが、絵麻、瞳、沙月、千里、亜佳音の女性群も活発な意見を出していく.瞳が会社幹部の妻であることが判明し、話は複雑に展開する.江角も殺され、雨森が推理を展開する最終場面が面白かった.

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    2019年08月09日
  • パレードの明暗~座間味くんの推理~

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    座間味くんの目の付け所は普通じゃない。結果、解きほぐした中身も変わってくる。
    そして思ったのは、いつまでも座間味 く ん ? いや、私の歳からすれば「くん」でもいいんだけど……

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    2019年07月07日
  • 賛美せよ、と成功は言った

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    久しぶりの碓氷優佳シリーズ。予備校時代の仲間の成功を祝う席で、自分の未来に暗雲がかかった一人が恩師を殴り殺す。目の前で起きた事件の中にある違和感。彼は事件を起こす事を「誘導」されたのか?今回は誘導したと思われる人物と優佳の心理戦を高校時代の友人小春の視点から描かれているのが面白かった。端からは恩師を偲んだ飲み会なのに裏ではお前が黒幕だろ、いやそれで証明出来るの?と色々渦巻く思惑の想像を追いかけやすいのが良い。小春は良く二人の心理戦を読む事が出来るな、と感じていたので迎えた結末では成る程と納得。前作までの記憶ないけどあった方が面白かったかもなー。

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    2019年06月28日
  • パレードの明暗~座間味くんの推理~

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    安楽椅子探偵・座間味くんの短編集第3弾。
    飲みながら話していたことが座間味くんの指摘で見え方ががらりと変わってしまうといういつものパターン。でも本作の特徴は女性警察官が同席すること。
    これはなかなかいい設定だった。事件的な話ではなく、結婚についての話題は女性として語らせることで深みが出ていたと思う。

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    2019年06月19日
  • 水の迷宮

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    久しぶりのミステリ。
    序章で引き込まれて、水族館のざわめきが聞こえてきそうな始まりで、脅迫が始まってきて、あの人この人が出てきて、ストップできなくなって読み進めてしまった。

    それでええんかい!って流れではあったけど、
    面白かったよ。
    罪の気持ちって、絶対消えないからね、皆さんの精神がこれから壊れていかないといいけど…。

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    2019年06月18日
  • 三階に止まる

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    ミステリ。ホラー。短編集。
    「院長室」と表題作は再読。
    基本的にはシンプルなミステリ作品で、時折ホラーやSFぽい作品が混ざる。
    一作目の「宙の鳥籠」で油断していたら、続く「転校」でビビった。
    表題作が一番完成度高そう。結末が良い。

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    2019年06月15日
  • パレードの明暗~座間味くんの推理~

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    座間味くんが、解決したはずの事件の真相を推理する短編集。

    真実かどうかは、読む人次第ではあるが、いずれも、なるほどねぇと思わせる。
    いつか、南谷巡査が遭遇するであろう難事件にも絡んで欲しい。

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    2019年05月29日
  • 二歩前を歩く

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    連作短編。超常現象は起きるものの、それに関する原因はその話の主人公の過去に起因する。それを、話を聞いた小泉がサポートして気付かせる。といった筋のミステリー(?)
    キレ者の探偵役が居る、という石持さんぽい作品。小粒だけど面白い。

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    2019年04月07日
  • 月の扉

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    これは先が気になって読み進めてしまう系。短いしね。
    個人的には真壁さんの冷静っぷりが好きだったけど、座間味くんが出てきてからは、そっちを上にあげるためにやや能力ダウンさせられて残念。仲間になると弱くなるアニメみたいな展開で、ちと萎えるんだよねぇ。最初はめっさ頭まわってたのに、終盤はわしでも気がつくわ!ってことを指摘されたり。
    まぁでも昨日までの一般市民があっさりと子どもを奪ってハイジャックを成功あせたりして、もしかして自分も簡単にできちゃうかも?という夢を与えてくれるので、良い子のみんなは一度は読むべき。

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    2019年03月20日
  • トラップ・ハウス

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    大学最後の思い出を作るための卒業旅行。
    トレーラーハウスという非日常な環境に気分が高揚していたが、入ったが最後、ガスも水道も止められ、ドアも窓も開かない密室。
    散りばめられた罠に、一人また一人とはまっていく。

    楽しい雰囲気から一転、恐怖の空間へ。
    登場人物たちの変化していく心境がリアルで、読みながらハラハラしました。
    やはり石持さんワールド好き。

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    2019年02月22日
  • 崖の上で踊る

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    復讐のために一致団結し、三人の人間を殺すことに決めた十人の男女。無事一人の殺害を終えた後、なぜか殺害された仲間。犯人はなんのために殺したのか、そして練りに練った復讐計画は無事成し遂げられるのか。ひりひりするような緊迫感が漂うミステリ。
    盤石の計画と強い絆に結ばれた仲間、のように見えた彼らの関係が、疑心暗鬼から瓦解しそうになっていくのがとても危うくてはらはらさせられます。まさしく崖の上。どんどん人数が減っていく中、誰が敵なのか誰が味方なのか。いやいや、誰一人信用できないぞこれは!
    犯人が誰か探し当てる部分はオーソドックスなミステリかと思いきや。プロセスはオーソドックスでも思考回路が……まずは復讐

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    2018年12月08日
  • 崖の上で踊る

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    2018年133冊目。特殊な状況を作り上げ、その状況に即した論理を展開していくことでは右に出るものはいない。復讐者だからこそ生まれる感情が、見事な論理で明らかになっていくのは素晴らしい。その上で、ストーリーにもう少し深みが欲しかった。

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    2018年11月29日
  • 水の迷宮

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    動機からしてこの人が犯人かなという人が犯人でなくてよかった。いつもながらよく練られていて楽しめた。今回は犯人探しが楽しくて、動機は共感できない。

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    2018年11月20日
  • 崖の上で踊る

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    仲間?が次々に殺されていく。残りのページでまとまるのか心配になったが、さすがにまとめてきて面白かった。 2018.11.19

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    2018年11月19日
  • 二千回の殺人

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    巨大ショッピングモールで起きる個人によるテロ。
    その方向へ行ったのはなぜ?ほかの道はなかったの?
    あなたの行為は、あなたと同じように大切な人を奪われる思いを沢山の人に与えた。どんなに思い詰めていたとしても最後の一歩を踏み出して欲しくはなかった。

    読み終えた直後はショッピングモールへ行くのが怖いと感じた。お願いだから誰も真似しないでね

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    2018年11月07日
  • BG、あるいは死せるカイニス

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    面白かったです。生まれてくるのは全て女性で優秀な人のみ男性化して女性と結婚し子どもをもうける、という独特な世界。その男性化候補筆頭だった姉が殺され、妹の遙がその理由を探っていくという話。男性化する条件や、その条件にあてはまらず突然急激に男性化するせいで発症する病、BGというキーワード等、殺人の謎のほかにいろいろと興味をひかれました。
    殺人の動機も、どこかもの哀しいものがあり、男性化した人は優秀だから優遇されているという認識も、別な側面からは違うように見え、何が人間の幸せなのだろうと考えてしまいました。

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    2018年07月25日