石持浅海のレビュー一覧
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経営コンサルタントを本職とし、副業として殺し屋を営んでいる一見人畜無害な主人公。登場人物が少なくて読みやすいし、どの殺人の依頼内容にも謎があって、仕事を進める過程でそれが解けていく展開は、なかなか面白かったです。(殺し屋は標的のことを想像してはいけないといった持論が物語の中で描写されているが、それに反して謎をときあかしてしまうところがまた面白い。)殺し屋が語る生命の重みだったり、殺人の依頼料が東証一部上場企業の平均年収で依頼方法が二重の仲介システムを採用していてなんかありそうな仕組みだったりと、色々楽しめる一冊でした。続編もあるみたいで、ぜひ読んでみようと思いました。
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Posted by ブクログ
殺し屋が主人公の短編集。依頼者と殺し屋との間には連絡係を2人経由しており、依頼者が殺し屋を知ることはないし、殺し屋が依頼者を知ることもないという安全策が取られている。
殺し屋は依頼対象のみを知らされ、依頼者についての情報を受け取らないので、依頼者と依頼対象との関係や殺害依頼を出すことになった背景・理由などは分からないようになっている…が、「依頼対象が独身男性なのにオムツを買い込む」とか「同一人物に殺害依頼が2回出て2回ともキャンセルされた」とか少し変わった依頼に対して、そのココロは何なのか殺し屋があれこれ推理するという「日常の謎系ミステリ(殺し屋が『日常』なのかはさておき)」。
日常の謎系ミス -
Posted by ブクログ
初めに犯行シーンから描かれる倒叙ミステリ。
犯人を追い詰める探偵役との熱戦!
展開が早く、その攻防が面白い。
元々倒叙ミステリが好きなので最高の作品だった。
犯人が追い詰められてドキドキ
論理で攻める鋭い推理にワクワク
自分は犯人と探偵、どちらを応援しているのか分からなくなった。
また、探偵役以外のメンバーも個性豊かで
たまに推理にも関わってくるところが良い。
犯人は初めから分かっているが
その動機など分からない部分は他にもある。
そこを推理しながら読み進めるのは楽しかった。
しかし、最終的に納得の部分とやや入り込みきれない部分も。
犯人と探偵。
この2人の関係性は新しい。
続作にも期 -
Posted by ブクログ
ネタバレ帯によると、「殺し屋探偵」シリーズだそうです。第4作『夏休みの殺し屋』は、前作と同様に嬉しい文庫オリジナルで登場だっ!
いちいちシリーズを未読の読者に配慮しないが、今回も2組の殺し屋一派の豪華共演である。第1の殺し屋・富澤一派と、第2の殺し屋・鴻池一派。なお、一派と書いたが、どちらも殺人の実行者は1人だ。
富澤の仕事「近くで殺して」。ん? 前作には「遠くで殺して」という依頼があったような。舞台は大学。面倒なオプションの理由とは。ありがちな設定だが、金さえもらえば、依頼者がどうなろうが冨澤の知ったことではない。
鴻池の仕事「人形を埋める」。確かに奇妙だが、どうしてその行動にこだわる