あらすじ
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに、死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か……。
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面白かったー!
石持さんの碓氷優佳シリーズはさらっとしてて読みやすくて、ちょうどいいミステリー!
何作か拝読したけど、最後まで読んで、あ。ってなる。
今回も優勢になって、劣勢になって、また優勢になってそこから、、のこの流れが本当に良かった!
犯人に捕まって欲しくない、バレそう、いや、まだいける、が詰まった作品だった!
次の作品読むのも楽しみ!
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激面白い★5 殺害した死体が握っているカフスボタンの謎… バランス抜群の倒叙ミステリー #彼女が追ってくる
成功した女性起業家が、かつての仕事仲間たちのパーティに呼ばれた。過去の痴情のもつれから敵であった女を殺害する。完璧に証拠隠滅した犯罪だったはずが、死体には見覚えのないカフスボタンが強く握られていた… 超良作満載の倒叙ミステリー、碓氷優佳シリーズ第三弾!
面白いっ 圧倒的に★5です。
文庫300ページもない作品で、しかも良くありそうな舞台や人間関係にも関わらず、ミステリーの面白さをガッツリ堪能できる傑作。
犯人の心理描写、気丈で狡猾な登場人物、犯行現場に残された謎、誰がやったやらないの議論、驚愕な真相、物語として優れている起承転結。どれをとってもバッチシ!
そしてなんといっても気持ちいいほどの優佳の名推理。相変わらず日本刀のごとく切れ味抜群の推理で、犯人を切り刻んでいきますよ。いやー怖いっ
この物語は利発な女性たちが大活躍で男どもはヤサ男ばっかり。男性陣はぼけっーと読んでると、あまりの鋭さに女性恐怖症になりうるので注意してください。
肝心の犯人当て、カフスボタンの謎、事件の真相などミステリー要素についてもシンプルかつ重厚感たっぷりでお見事です。ネタバレになるので多くは語りませんが、タイトルとおり「彼女が追ってくる」という深い深い真実が隠れています。
シリーズもの3作品目ですが、この作品から読んでもほぼ問題ありません。ミステリー初心者の方にもマジでおすすめしたい作品でした!
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碓氷優佳は嫌いだけど、このシリーズは大好きです。
矛盾をはらんだ言葉だけど、真実だからしょうがない。
今回の話は、男の復讐のために女友達を殺す話。
主人公が女性だから、ちょっと気持ちの落ち着け方が演技がかっていて笑える。
犯人を応援したくなる稀有なシリーズだけど、
今回は夏子逃げ切れ!と思う。
むしろ夏子以外は全員私的にはいけすかない(笑)
でもうまくできてるんだよなあ。
犯人が最初から分かっているのにすぐ逮捕といかず学級裁判にかけるのもゾクゾクする面白さ。
同じ女だからわかるけど、女の怨恨って根深いのよ。
そう考えると、ラストからの展開はさいっこう……!!
優佳はふつうにお前これは言っちゃいけないだろってことも平気で言うけど、夏子はそれを受け入れてるからまあ許す。
最期の美しさすら負けたのはどう思うのだろう。生者が正というなら、ラストシーンはなんともいえない。
とにかく好き。
続きが気になって次の日の仕事もそわそわしちゃうシリーズに今年も出会えた喜び。去年は中山七里の御手洗シリーズと十二国記だったな。
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読み進めていっても結末が最後まで読めない本で、最後までドキドキしながら読むことが出来る本。
主人公優佳が犯人探しをしながら親友の恋人相手を見定めるという点は頭脳明晰で冷静な優佳でも色恋沙汰に興味あるのかという点で親近感がわいた。
犯人視点で読み進めていくミステリーにハマっているから石持さんの他の作品も是非読んでみたい。
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『わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ、彼女が追ってくるのだ?』
碓氷 優佳(うすい ゆか)が探偵として活躍するシリーズ、第3弾。
最初から犯人は分かっているが、探偵(または警察)が、如何に真実に迫っていくか、その推理を楽しむ倒叙ミステリーです。
刑事コロンボや古畑任三郎、福家警部補などで有名な手法ですね。
会社経営者が集まり親睦を深める『箱根会』。
集まったのは、中条 夏子を始め、旧友の黒羽 姫乃など9人。
そして、1人が被害者となり、1人が犯人となった。
そこから始まる犯人探しの推理合戦。
警察がいない中で、如何に犯人を捜し出すのか?
色々伏線もあり、二転三転するストーリー展開。
今回の碓氷の推理も、冴えていますね。
最後の一行で事態がひっくり返る展開は、流石です。
こう言う形で、どんでん返しが来たか〜
次回作にも期待大です。
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この集まりに碓氷優佳が参加することになったきっかけの友人、比呂美ちゃんは前作「君の望む死に方」の比呂美ちゃんですね。
「君の望む死に方」の事件をきっかけに、2人は個人的に仲良くなったということか。
「君の望む死に方」から3年くらい経過してるようで、碓氷優佳の左手薬指には婚約指輪が。
いつか2人揃って登場する場面もくるのかな。
これまでの事件は、当事者が碓氷優佳の関係者でしたが、今回の事件は無関係の人物。
被害者も加害者も他人だからか、今まで以上に碓氷優佳が冷徹。
夏子を追い込む場面は、ぞっとするほどの冷たさでした。
犯人より誰より怖いのは、彼女かもしれない。
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2018年15冊目。
碓氷優佳シリーズ3冊目。
「扉は閉ざされたまま」「君の望む死に方」と読んできたけどコレがいちばん面白かった。
被害者に勝ったつもりでいたのに実は殺した相手の方が上だった・・なんてホントキツイ。
毎回思うけど、碓氷優佳自身が純粋な探偵じゃないところがいい。好きにはなれないけどw
それにしても今回のラスト、やっぱり知っていたのかな・・と考えると恐ろしくなる。
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中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。
愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが姫乃が残したメッセージが彼女を追い詰めていくことに…。
得てして回りくどい論理展開になりがちな石持作品も今作は緊張感漂う雰囲気と見事にかみ合い,最上のミステリへと昇華された印象.今まで読んだ石持作品の中で一番好きかも.あの背筋が凍るセリフ,忘れられないな.
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二人の女性の憎悪。
表面上は仲良しをアピールしながら、お互いを殺すところまで憎んでいる。
怖い…笑
今回のストーリーは碓氷優佳の推理も良かったが、二人の女性の駆け引きが面白く最後までどちらも負けなかった。
駆け引きが面白かった!
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立て続けに倒叙ミステリーが読めて嬉しい。
碓氷優佳シリーズの第3弾。
1作目の『扉は閉ざされたまま』だけ読んでるけど、1作目よりも探偵役の優佳が怖くなってる。
多くを語らず、一言が重い。もう目線でさえも怖い。1作目よりも優佳の怖さが濃くなって面白くなってる。
倒叙は犯人の嘘がバレて焦るのが好きだけど、この作品はあまりにも優佳の切れ味が鋭すぎて、犯人が気の毒に思えてきた。
犯人の切り返しが弱いので、もう1ターンくらい頑張って言い逃れて欲しかった。
終わり方も良くて面白かったので、5作目の『賛美せよ、と成功は言った』を予約した。楽しみだ(^^)
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碓氷優佳の倒叙ミステリー3作目。面白かった。
証言、そして犯行現場でのちょっとした手がかりから犯人を瞬時に見抜くその洞察力が凄い。普通は気づかないと思う。さらにはそこから犯人と被害者との関係も推察できている。あっという間に読み終えた。殺害動機がちょっと弱いとか思ってたが解決編でひっくり返された。そして結末にも驚いた。
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79点:
クレイジー優佳が最初から登場。彼との近況も聞ける。シリーズ全体としてこのカップルは破滅に向かうのかといった点と、冷たくて冷静な優佳に心境の変化は訪れるのかといった点が底流にあり、どうせ犯人は最後にやっつけられるだろうという安心感もあってワクワクしながら読める。犯人にとってイレギュラーな展開、茶番劇と続き、最終的に犯人のことは全く眼中にない優佳によって(被害者のイタコと化している)全然興味ない感じで真相を解かれ、犯人は勝手に敗北感を味わい、でもまあ逃げ切ればとりあえずいいかと気を取り直して帰路につくが…
シュチュエーションが面白く、まあぎり可能性としてはあると思われることで舞台設定されていき、話はテンポ良く進むので読みやすい。シリーズの中でも完成度と満足度は高い。
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受動的又はダイイングメッセージを辛うじて残す被害者は多いですが、攻撃的なメッセージを絡めていった被害者はそれ程多くないと思います。
攻撃的被害者って造語を作りたいくらいです。
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「…どちらかといえば、〇〇さんの計画が成功してほしかった気もします。その方が、美しいから」という言葉にゾッとした。
犯人に感情移入こそしないけれど、「あなたの方が死ねば良かった」と言っているに等しい、碓氷優佳の冷たさに痺れた。早く他のシリーズも読みたい。
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犯人も動機も方法も全て提示されている。
だけど、たった1つのカフスボタンが物語を面白くする。
少しの情報をもとに組み立てられた推理には、いつものことながら戦慄いてしまう。
むしろ徹底的に追い詰められることに快感すら覚えてしまっているから、このシリーズは恐ろしい。
最後まで気が抜けないところも良い。
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倒叙モノ3作目。帯裏のコメントが秀逸。「被害者と犯人の濃い関係は被害者の死後も生き続ける。」前作と同じく、犯人と被害者の戦いにもかかわらず、今回は死後の被害者と戦うことになる。死んだ被害者と生ける犯人、お互いがお互いにもう知りようのない二人の目論見を、完全なる他者である探偵が論理的思考で合理的に解釈する描写は今回も文句なし。その場だけで集めた情報から答えを導き出す様子は今回が一番綺麗だったかもしれない。どちらにも転びうる「ダイイングメッセージ」とはまたなんと斬新なネタを思いついたものだ。
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起業して成功した女社長の復讐の話。トリックと伏線の回収の仕方がうまく、なるほどー、という感じで読める。ただ、ちょっと心理描写がトリックのための要素になっているところが気になった。ミステリー好きの方はおすすめ!
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碓氷優佳シリーズの第三弾。
倒叙ミステリーは犯人が完璧(だと本人は思っている)な計画を何も知らない被害者がはまってしまうというのが定石だが、今回はそんな思い込みを利用したミステリー作品だと感じた。夏子が完璧な計画を立てたつもりが姫乃がそれを凌駕した計画を立て、自分が死のうが生きのころうが関係なく夏子が破滅するように仕組んでいたところに女の執念を感じた。そして最後のシーンはそんな彼女の執念が最大限に現れていて凄い後味を残したと感じた。
今回の小説をアニメ化したときの声優陣を自分なりに考えたので読むときの参考にしてください。
碓氷優佳:沢城みゆき
堀江比呂美:雨宮天
中条夏子:悠木碧
黒羽姫乃:上坂すみれ
山縣一二三:中田譲治
山縣邦恵:井上喜久子
花村哲子:くじら
花村良太:斉藤壮馬
寺田善行:安元洋貴
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覚えていなかったけれど、どうらや再読のようだ。
最初から犯人が分かっている殺人事件の犯人探しを、犯人の視点で描くという珍しい趣向ながら、細かい事実から背景を考察する推理合戦は如何にも石持作品らしい。
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碓氷優佳シリーズ第3作。”彼女”の残した物を巡り予想外の展開になることで、倒叙に別の愉しみ方を加えている。しかし、第1作と比べるとサプライズ感は少ない。犯人があまり頭が回る人に見えないのは構成上仕方ないが、元々逃げるつもりがあったのかよく分からない。
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前作同様、未だ発生していない事件の真相を看破するという倒叙ミステリーで碓氷優佳シリーズ。
今作は正直謎解きはどうでも良く、美しい殺人計画に心酔し、犯人が誰であろうがどうなろうが知ったことではないと振る舞う、優佳の悪魔っぷりに痺れまくる。
事件を紐解くのではなく、美しい殺人計画を紐解くことに喜びを感じるその悪魔っぷりに。
犯人が警察に捕まろうが、死のうが知ったことではないというドライなスタンスで。
死のうが知ったことではないという所がラストに繋がるわけなのだが。
探偵っぷりとしては、むしろ第一作の方が際立っていたように思う。
個人的にはこのシリーズはどんどん優佳が悪魔的になっていって欲しい。
次回作の悪魔、碓氷優佳が楽しみだ。
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碓氷由佳の倒叙ミステリ三部作の三作目。これまでと一転してオーソドックスな倒叙ミステリかと思ったけど途中からちゃんと一捻りあった。謎解きが終わってもいつもよりすっきりしなかったが終章でちゃんとオチはついてた。面白い
Posted by ブクログ
これが殺人の理由なのかと思うと
ちょっと短慮な感じがしたけれど
その後の展開では、鳥肌が立ってきた
こんなに頭の回転が早い人が、殺人のために頭を使うなんて、もったいない
しかも、若いのに
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タイトルの意味がわかると満足感が出て来ました。また、携帯などが普及している現在ではなかなかクローズドサークルは難しいかと思いきやあっという間に作ってしまう作者がすごい。
碓氷優佳シリーズ第3弾満足でした。
ただ最後の一文が怖い。執念が。
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに、死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か……。
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第3弾かな。
形式的にはシリーズ踏襲してて、経緯が面白いのは確かにあった。
前作でも「余韻が楽しかった」と思ったけど、今回も余韻を楽しめせてくれる終わり方だった。余韻の為に読んだまであったりして。
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中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。旧知の経営者らが集まる「箱根会」で。愛した男が死ぬ機会を作った女への復讐だった。しかし、死体が握っていたカフスボタンが、夏子の疑念を呼ぶ。そして、前作登場の堀江比呂美がゲストとして連れて来た碓氷優佳が、そんな夏子を見ていた。
ここでも事件の謎にしか興味のない優佳の倫理観が興味深い。精緻さを愛し、杜撰さを疎む彼女は、ラストもおそらく予想していたのだろう。ヒントに気づかぬ愚かさを見捨てる冷たさが彼女らしい。
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碓氷優佳シリーズ3作目
読みやすさは1番!
今回も碓氷優佳推理がキレッ切れで
もぅ脱帽です…
最後に笑う『彼女』は『彼女』なんだな。
ゾッとするけど、良い終わり方かも。
Posted by ブクログ
箱根会のメンバーが集まって事件を解明していく過程が面白かった。
論理立てて推理を推し進めていく寺田と比呂美。
冷静にその場の流れを作っていく優佳。
その場に応じたやりとりをしながらも、刻々と変化していく犯人の心理。
意外なところに盲点があったことも、それに気づいていながら告発しなかった優佳の様子も楽しめた。
犯人よりも被害者の方が少しだけ上だったということだろう。
何よりも、最後の場面でそのことがハッキリとする。
どことなく雑な感じのする論理も、読みやすさを優先させればそれほど気にならなかった。
短時間で読み終えられる物語は、けっこう都合がいい。
後付のような強引な推理も、それはそれで楽しめる物語だった。